ABC分析とは?具体的なやり方から活用法までわかりやすく解説!

ABC分析とは?具体的なやり方から活用法までわかりやすく解説!

記事更新日: 2021/04/15

執筆: 編集部

たくさんの商品を扱っていると、どの商品をどれだけ入荷するか、どのように管理するかといったことが重要になります。

売れ筋の商品が欠品してしまったり、重要度の低い商品の管理に手間をかけてしまうと、機会の損失やコストの増大につながります。

そこで役に立つのがABC分析です。

ABC分析を活用することで、客観的に分析でき、効率的にリソースを配分することができます。

今回の記事では、ABC分析の具体的なやり方から活用法までわかりやすく解説します。

 ABC分析とは?

ABC分析とは、複数のデータを「重要度」に基づいて分類する方法です。

企業の経営戦略の立案やマーケティングのために使われます。

重要度によって分類することから、重点分析とも呼ばれます。重要度が高い順にA、B、Cと分類するのでABC分析と呼ばれています。

代表的な活用法は製品の売上管理・在庫管理、コスト管理などに使われます。

ABC分析のベースとなるパレートの法則とは?

ABC分析では、パレートの法則が考え方のベースとなっています。

パレートの法則は、2割の要素が、全体の8割を生み出しているという経験則から導き出された法則です。パレードの法則はその内容から、「80:20の法則」と呼ばれることもあります。

パレートの法則の例としては、全体の売上の8割は2割の商品で占めていることや、売上の8割は2割の顧客で占めていることなどがあります。

また、Webサイトのアクセス数の8割は2割のページに集中しているなどの例もあります。

ABC分析ではパレートの法則のように、8割を生み出す2割を明らかにすることで、管理を効率化することが出来ます。

ABC分析の手順を解説

ここからは、具体的にABC分析を行う方法について手順を解説します。

今回はある弁当屋さんについて、売上を評価軸にして行う場合を考えてみましょう。

データを準備する

まずは分析の対象であるデータを準備しましょう。

売上高を評価軸として分析を行うので、各商品ごとの売上のデータが必要となります。

例えば、A弁当は○○○万円、C弁当は○○万円などです。

今回はわかりやすく売上高にしましたが、販売個数や純利益、顧客層など評価軸の候補は他にもあります。状況に合わせて複数の軸で分析するとより使える情報を得ることが出来ます。

構成比を計算する

データが準備出来たら、そのデータを基に構成比を計算しましょう。

まずは、売上高を高い順に並べます。そして次に、全商品の売上の合計から各商品の売上構成比を算出するのです。

最後に、構成比が大きい順に並べて累積の構成比を求めましょう。

ABCに分類する

構成比の計算が出来たら、次は各商品にA、B、Cに分類していきましょう。

ABCの分類は、累計売上割合を基に行います。

分類の基準としては、全体の累積構成比70%~80%がAランク、80%~90%がBランク、90%~100%がCランクとします。

下のグラフは弁当の売り上げ割合とABC分析を対応させた図です。

 

ABC分析の活用法

ABC分析は、分析するだけで終わりではありません。

ABCの分析の活用法についてご紹介します。ABC分析は、冒頭で紹介したように、在庫管理や今後の戦略の策定などに活用出来ます。先ほどと同様に弁当屋さんの場合で、それぞれのグループごとの在庫管理の視点で対応を考えて見ましょう。

Aグループ

Aグループの商品は、売上の約8割を担う売れ筋商品です。

そのため、Aグループの商品は在庫を十分に確保せねばならず、優先的に発注する必要があります。

全商品の中でも最も重視すべき商品と言えるでしょう。

Cグループ

Cグループの商品は売上の貢献が低い商品です。

そのため在庫は最低限でかまわず在庫がなくなったときに発注するという形をとります。

また、場合によっては取り扱い自体をやめ、新しい商品に入れ替えることも検討する必要があるでしょう。

Bグループ

Bグループは、AグループとCグループの間に当たる在庫管理が必要となります。

販売予測を行って、定期的に発注を行ったり、在庫切れを見計って発注を行うなどの対応を行います。

ABC分析の注意点

ABC分析は在庫の管理や今後の戦略を考える上で非常に役立ちます。

しかし、条件や業種によっては注意点もあります。

ABC分析の注意点について解説します。

総合的に判断する

いつも売れている定番の売れ筋商品だけでなく、一定期間だけで売上が増える商品もあります。

例えば、メディアに取り上げられた商品は一時的に売上が上がり、品薄になることもあります。もともとAグループに入るような商品であれば問題ありませんが、本来はBグループやCグループの商品が一時的に売れることもあります。

また、季節性の商品は全体の売上は少なくとも、特定の季節で大きな売上を上げることもあり、重要度は高くなります。

また、新商品はすぐに売上は上がらなくても、今後売上が増える可能性もあり、今後の発展にもつながります。

このようにABC分析の数字だけでなく、総合的な観点からも対応を考える必要があります。

ネット販売ではロングテールも重要

お弁当屋さんを例にABC分析の手法を解説しましたが、近年実店舗ではなくECサイトなどインターネット上で店舗を構え、販売を行っている企業も増えています。

在庫を管理するコストが比較的低いネット販売では、Cグループに当たるニッチな商品も大切になります。

Cグループの商品は1つ1つの売上は少ないものの、多数の商品の累計の売上を合計すると高い売上貢献をしている、ということがインターネットの世界ではよくあります。

この現象をロングテールの法則といいます。

このように業種によっては、ABC分析による対応は変わってくるので注意しましょう。

まとめ

ABC分析ののやり方や注意点についてご紹介しました。

ABC分析を活用することで客観的に分析を行うことができます。客観的な分析を基に、より効率的に事業を進めていきましょう。

画像出典元:Unsplash、写真AC

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