飲食店では、オーダーや会計時の利便性が顧客満足度につながっていきます。
そこで、オーダー・会計業務の効率化や売上データ分析が可能になる「POSレジ」を導入する店舗が増えてきているのが現状です。
しかし、製品や機能の多様化により、どれを選べばよいのか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、POSレジの概要から飲食店向けおすすめ機能や注意点、選び方のポイントまで詳しく解説します。
さらに、飲食店におすすめのPOSレジ5選もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
このページの目次
POSレジ(POSシステム)のPOSとは、「Point of Sale」の略称で「販売時点情報管理」を意味します。
つまり、商品バーコードを読み取り、「いつ・何が・いくらで・どのくらい売れたか」などの販売情報を記録・集積するシステムを完備したレジのことです。
POSレジを活用することによって顧客を待たせることなく、スピーディーに精算できます。
さらに蓄積された情報を分析することで、販売傾向や売れ筋商品などを把握することも可能です。
現在ではコンビニやスーパーなど、幅広い場所や店舗で利用されています。
POSレジには、パソコン型・ターミナル型・タブレット型の3種類があります。
詳細は、以下の表のとおりです。
種類 | パソコン型 | ターミナル型 | タブレット型 |
おすすめ企業規模 | 中小規模店舗 | コンビニ スーパー 大型店舗 |
個人事業主 小規模店舗 |
初期費用 | 0円〜50万円程度 | 50万円以上 | 0円〜10万円程度 |
月額費用 | 0円〜数万円 | 保守管理費用が必要 | 0円〜1万円前後 |
メリット | 使い慣れたPCで操作可能 | 店舗に合わせた仕様になっている | 直感的な操作が可能 |
デメリット | 周辺機器の購入必要 | ボタンが多いため覚えるのに時間がかかる | 周辺機器の購入必要 |
POSレジには多くの種類がありますが、「飲食店向け」「小売店向け」「美容院向け」など、サービスによってそれぞれの業種に向けた強みを持っています。
例えば、小売店向けは在庫管理やオンライン販売に強く、美容院向けは予約管理や顧客管理に強いという特徴があるでしょう。
一方、飲食店向けはオーダーエントリーシステムやテイクアウト・デリバリー連携機能など、飲食店に必要な機能を有しているものが多いです。
ここからは、POSレジの飲食店向け機能を詳しく解説していきます。
飲食店運営をサポートしてくれるPOSレジのおすすめ機能を4つご紹介します。
飲食店において、顧客からオーダーを取りその内容を厨房へ伝える、という一連の流れは必要不可欠です。
しかし、従来の方法ではオーダーミスやオーダー漏れなど人的ミスが起こりがちでした。
そこで、飲食店に最もおすすめな機能がハンディ端末によるオーダーエントリーシステムやセルフ・テーブルオーダーシステムです。
接客対応は大切にしながらも、オーダー業務の効率化をはかりたい場合にはハンディの利用がおすすめです。
専用のハンディ機器やスマホでオーダー内容を登録すると、すぐに厨房へと送信されます。
そのため、従業員が厨房へ行く手間が省けるうえ、オーダー漏れなども防ぐことができるでしょう。
昨今よく目にするようになったシステムで、各テーブルに設置してあるタブレット端末で顧客自らオーダーできる機能です。
さらに、専用QRコードを顧客のスマホで読み取り、直接注文できる機能も普及し始めています。
顧客は好きなタイミングで注文することができ、従業員は本来の業務に集中することができるため、双方にメリットがあるといえるでしょう。
これまでデリバリーでのオーダーが入った場合には、再度注文内容をPOSレジへ入力する作業が発生していました。
コロナ禍でテイクアウトやデリバリーが増えた現在、この二度手間な作業は店舗にとって非効率です。
そこでデリバリーシステムとの連携により、サイトから注文が入ると自動的に厨房へオーダーが流れ、再入力する手間やミスを削減することができます。
デリバリーの注文が多い店舗や、これからデリバリーを検討している飲食店には便利な機能といえるでしょう。
会計と同時に売上データや顧客データが蓄積できる点が、POSレジ機能の大きなメリットです。
売上分析機能や顧客管理機能では、「日時単位」「メニューごと」「客層別」の売上を細かく把握することが可能です。
過去の詳しいデータを元に、仕入れ量やメニューの見直しなど、経営戦略を立てる際に役立つでしょう。
また、複数店舗をもつ飲食店では、全店舗のデータを一元管理・分析できる機能も欠かせません。
飲食店は、電話・自社のHP・外部の予約サイトなどから多くの予約が入ります。
それぞれの予約情報を手作業で管理すると、予約の重複や内容誤りなど人的ミスが起きる可能性も否めません。
そこで、予約管理システムとPOSレジを連携させることで、全ての経路からの予約を一元管理することができます。
予約管理システムは24時間いつでも自動で予約受付ができるため、従業員の業務効率化にもつながるでしょう。
POSレジを導入するのであれば、目的を明確にしておくことが欠かせません。
というのも、目的によって必要となる機能が異なるからです。
「幅広いキャッシュレス決済に対応したい」「複数店舗の売上データを一元管理したい」「誰でも使いやすいシステムにしたい」など、ニーズに適したPOSレジを選ぶ必要があります。
POSレジを導入する際には、多かれ少なかれ初期費用が発生します。
ターミナル型やパソコン型であれば、50〜100万円近くかかることもあるでしょう。
また同じPOSレジであっても、周辺機器や利用する機能によっても大きく増減します。
たとえばオーダーエントリーシステムを利用する場合は、システム利用料やハンディ端末などの購入費用の発生が考えられます。
さらに、月額のサービス利用料などのランニングコストがかかることも念頭に置いておきましょう。
POSレジは導入する際、補助金を利用できるケースがあります。
導入時に活用できる補助金としては、「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」、「ものづくり補助金」などが挙げられます。
補助金によって対象となる条件がそれぞれ異なりますので、事前に自社が条件を満たしているかを確認しておきましょう。
一口にPOSレジといっても、それぞれの業種に特化したレジが存在します。
それゆえ、飲食店に向いているPOSレジであるか否かは大きな判断材料になります。
飲食店向けのプランが用意されているか、過去に飲食店での導入実績があるのかなどをしっかりと確認し、導入を検討していきましょう。
それぞれのPOSレジに、強みや弱みがあります。
飲食店においては、上章で紹介した飲食店向け機能に加え、幅広い決済機能、防水機能の有無なども重要なポイントと言えるでしょう。
目的に沿った機能を備えているか確認しておくことをおすすめします。
飲食店業界はとくに、サービス形態が変化しやすい傾向にあります。
情勢に合わせて素早くメニューや会計データの変更に対応できるか否かが、今後のビジネスの鍵を握っているといっても過言ではありません。
それゆえ、大きな変化を求められたときに対応できるような拡張性が高いシステムを選ぶことが重要です。
今後のことも見据えて、他社アプリやシステムとの連携が可能か確認しておきましょう。
ここからは、飲食店におすすめのPOSレジを6つ紹介します。
画像出典元:「スマレジ」公式HPより
【特徴】
スマレジは、登録店舗数11万店以上の実績を誇る、人気の高いクラウドPOSレジです。
飲食店や小売店、アパレルなど幅広い分野で利用されています。
レジ機能だけでなく、セルフレジや券売機としての機能もあり、さまざまな業態に合わせて運用できるのも魅力です。
店舗の売り上げなどのデーターは、全てクラウド上に保存されるので、店舗の状態をリアルタイムで把握することが可能です。
端末にアプリを入れてアカウントを作ればすぐに使えてお手軽ですが、保証も充実しているため、導入後も安心して使えます。
画像出典元:「ワンレジ」公式HP
ワンレジは、47都道府県に導入実績がある飲食店専用のPOSシステムです。
約1,000人の現役オーナー・経営者の声を最大限取り込んだレジであるため、多くの人から使いやすいと好評です。
POSタブレット、会計プリンタ、決済端末、セルフオーダータブレット、ハンディなどの周辺機器に関しても充実しています。
また、ワンレジは全ての不正を監視し、皆が働きやすい環境を提供しています。
さらに、飲食店経営に必要な数字を全て自動で集計し、分析に活用することも可能です。
画像出典元:「ユビレジ」公式HP
ユビレジは、3万店舗以上にサービスを提供している、iPadを活用したPOSシステムです。
飲食業、小売業、サービス業の3業種別にサービスが提供されています。
ユビレジを活用することで、注文から調理・配膳、会計までの業務の流れを効率化できます。
また、ユビレジ ハンディと組み合わせることでQRオーダー&決済を可能にし、iPadをメニューブックとして使うことでセルフオーダーを実現できます。
スタッフ数を最適化することによるコストダウンや、注文の機会損失が減ることによる顧客単価アップにもつながるでしょう。
画像出典元:「CASHIER」公式HP
CASHIER(キャッシャー)は、店舗の運用に合わせて自由自在に使える高機能Android型クラウドPOSレジです。
2022年12月時点で、店舗導入実績2,000台、イベントでは年間延べ10,000台が稼働しています。
1店舗から複数店舗までの対応が可能で、店舗のあらゆる業務の一元管理が可能です。
通常販売、セルフレジ、セミセルフレジ、スマホレジに対応しています。
CASHIER ORDERやCASHIER OMOなどのサービスを利用することで、テイクアウトやテーブルオーダー、オンラインとオフラインの融合などが可能となります。
画像出典元:「エアレジ」公式HP
エアレジは、2022年6月末時点で663,000アカウントが発行されている、0円で簡単に使えるPOSレジアプリです。
誰でも使いやすい操作画面に加え、運用後の設定変更も自分で簡単に行うことができます。
また、AirレジやAirペイと一緒に使えば、専用のカードリーダー1台で、クレジットカード決済や交通系電子マネーなど、幅広い決済手段に対応できます。
店舗経営に役立つ外部サービス(マネーフォワード、弥生、出前館など)との連携も可能です。
画像出典元:「USENレジFOOD」公式HP
USENレジFOODは、0円から始められる飲食店のためのPOSレジです。
導入前から後まで万全のサポート体制を敷いており、24時間365日受付可能なカスタマーサポートがあります。
さらに、決済や会計ソフトなど外部システムと連携することで、注文・会計・売上管理だけでなく、店舗運営のオペレーションを一元管理できるようになります。
本記事では、飲食店向けのPOSレジについて解説しました。
POSレジを導入することによって会計業務の効率化だけでなく、仕込み量の予測や人気メニューの把握が可能となります。
本記事を参考にしながら、ぜひ自店舗に合ったPOSシステムを見つけてみてください。
画像出典元:O-DAN, unsplash