小売店を営んでいる経営者の方の中には、「POSレジの種類が多くて選べない」「自分の店に合ったPOSレジが分からない」といったような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
POSレジを導入すると、会計作業の手間を省けたり在庫管理が楽になったりするといったメリットがあります。
そこで今回は、小売店におすすめのPOSレジ9選と共に、POSレジの選び方やメリット、必要な機能などをご紹介します。
本記事を参考に自社に合った商品を選んでみてはいかがでしょうか。
このページの目次
まずは、POSレジの概要や種類といった基本情報を解説します。
POSとは「Point of Sales(販売時点情報管理)」の略語です。
つまり、POSレジとは会計作業を行うと同時に、リアルタイムで販売情報を更新できるシステムのこと。
これまでのキャッシュレジスターでは、「何が・いつ・どこで・どれだけ売れたか」を把握するためには、一度レジを締め会計処理をする必要がありました。
しかし、POSレジを導入すると、会計時に読み取るバーコードの情報を基に、機械が自動的に在庫管理や売上管理を行ってくれます。
会計業務の効率化だけでなく、営業状況の実態把握や販売促進などの効率化をめざす際にも適したシステムです。
一言に「POSレジ」と言っても、その種類は複数あります。
代表的なものは以下の3種類です。
POSレジの種類 | 特徴 |
ターミナル(一体)型 | 専用のハードウェア(本体)を店舗に設置するタイプ |
パソコン型 | パソコンにソフトウェアをインストールして使用するタイプ |
タブレット型 | POSアプリをインストールして使用するタイプ |
この中で最も利便性が高いのは、タブレット型です。コストや環境整備のハードルが低く、導入しやすいでしょう。
また、タッチ画面で会計処理ができるため、直感的に操作しやすいのも評価の高いポイントです。
小売店で使用するPOSレジを選ぶ際のポイントを4つ紹介します。
会計作業は経営者だけでなく、社員やアルバイトの方も行います。
会計知識の少ない方でも操作しやすいものを選ぶことで、会計時のミスを減らせるでしょう。
特にタブレット型のPOSレジは感覚的に操作できるため、利便性が高いと定評があります。
操作しやすいPOSレジを選ぶことで、「レジの扱い方を教える時間」や「覚えるための時間」を削減できるのも大きなメリットです。
自社にとって必要な機能が備わっているかどうかも事前に確認しておきたいポイントです。
POSレジの種類やメーカーによって、搭載されている機能が異なります。
小売店の場合は、決済機能や会計機能に加え在庫管理機能や売り上げ分析機能も必要不可欠です。
売れ行きの良い商品や顧客データを把握し分析することで、顧客の購買意欲をさらにアップさせる施策を考えていくことができるでしょう。
一方、予約管理機能やオーダーエントリーシステムなどはなくても問題ありません。
これらの機能は飲食店や美容院などの業種に必要な機能となります。
業種ごとに特化したPOSレジも開発されているため、一つひとつの特性をしっかりと比較しながら、自社の営業スタイルに合うものを選びましょう。
外部サービスと連携すると、POSレジの利便性がさらに向上します。
小売店で使用するPOSレジにおいて、連携に適した外部サービスの一例は以下の通りです。
連携サービスの種類 | 概要 |
ECサイト | ECサイトと実店舗のデータ共有ができる機能 |
自動釣銭機 | 現金を入れるだけで自動的に釣銭を計算・用意してくれる機能 |
従業員管理 | 従業員のシフト作成や出勤・退勤を管理できる機能 |
クラウド型会計 | 帳簿作成や確定申告書類の作成ができる会計機能 |
特に、今後通販サイトやオークションサイトといったインターネット上でもマーケティングを行いたいと考えている場合は、ECサイト連携機能があるPOSレジがおすすめです。
また、会計ソフトとの連携はこれまで手作業で行っていた、決算書や確定申告書類の作成などの事務作業が大幅に簡略化されるため、業務効率化に役立つでしょう。
予算によって購入できるPOSレジのタイプが異なります。
例えば、ターミナル型やPC型のPOSレジは数十万円するケースがほとんどですが、タブレット型は数万円程度で導入できます。予算に合った商品を選びましょう。
ただし、費用が安すぎると「サポート体制が整っていない」「結局追加でサービスを購入しなければいけない」といった事態が発生する恐れもあります。
予算と共にサービス内容もしっかりと確認し、納得のできる商品を選択することが大切です。
小売店におすすめのPOSレジ8選を紹介します。特徴やメリットも解説するので参考にしてみてください。
画像出典元:「SQUARE POSレジ」公式HPより
【特徴】
SQUARE POSレジは、売上管理や在庫管理から、複数店舗の管理や従業員の退勤管理もできるタブレット型POSレジです。
多機能にも関わらず、手持ちのタブレットを使用すれば初期費用・月額料金ともに無料で利用可能。
また、申し込みから利用までが早く、時間がかからないのもメリットのひとつです。最短当日に利用を開始できます。
【料金プラン】
▶︎利用料無料(端末料金は別途費用がかかります)
画像出典元:「スマレジ」公式HPより
【特徴】
スマレジは、登録店舗数11万店以上の実績を誇る、人気の高いクラウドPOSレジです。
小売店やアパレル、飲食店など幅広い分野で利用されています。
レジ機能だけでなく、売上分析や予算管理、在庫管理や複数店舗管理も可能。
また、セルフレジや券売機としての機能もあり、さまざまな業態に合わせて運用できるのも魅力です。
【料金プラン】
プラン | 月額料金 |
スタンダード | 0円 |
プレミアム | 5,500円 |
プレミアムプラス | 8,800円 |
フードビジネス | 12,100円 |
リテールビジネス | 15,400円 |
画像出典元:「STORESレジ」公式HPより
【特徴】
STORESレジはネットショップとPOSレジが連携できるタブレット型レジアプリです。
ネットショップと実店舗の商品情報や注文状況、在庫状況などを一元管理できます。
お店で商品が売れたら自動的にネットショップの表示が「SOLD OUT」になったり、ネットショップでの注文情報をお店のレジからも確認できたりと、利便性の高さが魅力です。
実店舗だけでなくインターネットショップも持っているお店に適しています。
【料金プラン】
プラン | 月額料金 |
フリープラン | 0円 |
スタンダードプラン | 2,178円 |
画像出典元:「stera pack POS」公式HP
【特徴】
「stera pack POS(ステラパックPOS)」は、決済端末とPOSレジシステムが一体となったオールインワンのシステムです。
初期導入費が無料*にもかかわらず、月額料金は9,900円(税込)で商品管理や棚卸作業、売上・商品の販売動向や在庫状況のレポート管理も可能というコストパフォーマンスを実現しています。
また、端末の修理や交換も無料なので、万が一の時でも安心です。
*加盟店様の故意・過失がない場合に限ります。
【料金プラン】
初期費用無料・月額利用料9,900円(税込)とシンプルで分かりやすいプランが1つ。
運営会社が三井住友グループなので、支払いはVisaとMastercard、振込手数料は三井住友銀行の利用がお得です。
初期費用 (税込) |
無料 |
月額利用料 (税込) |
9,900円 |
決済手数料率 | Visa、Mastercard:2.70% その他の決済:3.24% |
振込手数料 (税込) |
三井住友銀行 : 0円 その他の銀行 : 220円 |
(税表示なし)
画像出典元:「ユビレジ」公式HPより
【特徴】
ユビレジは、iPadを使って使用できるタブレット型のPOSレジです。
「カンタンがいちばん」をコンセプトに掲げ、シンプルなデザインで直感的に操作できる機能性に定評があります。
また、業種に合わせてオプションや連携機能をカスタマイズできるのも魅力のひとつです。
小売店の場合「ユビレジ」のプレミアムプランに、「ユビレジ 在庫管理」をプラスすることで機能性を向上できます。
【料金プラン】
プラン | 月額料金 |
お試しプラン | 0円 |
ユビレジ プレミアムプラン | 6,900円~ |
画像出典元:「Airレジ」公式HPより
【特徴】
Airレジは、iPhoneやiPadで操作できるタブレット型のPOSレジです。
商品名パネルをタッチするだけで会計作業ができるシンプルなデザインで、初めてPOSレジを利用する方でも簡単に操作可能。
また、クラウド会計ソフトと連携できるのもうれしいポイントです。
データが自動的に反映される仕組みになっており、会計処理や帳簿付け、確定申告の手続きにかかる負担も軽減できます。
【料金プラン】
▶︎利用料無料(周辺機器は別途費用がかかります)
画像出典元:「CASHIER」公式HPより
【特徴】
CASHIERは、Androidで使用できるクラウド型のPOSレジです。
用途や好みに合わせて必要な機能をカスタマイズできます。
また、サポート体制が充実しているのも評価の高いポイントです。電話やメールによる相談や、設定のサポートを無料で受けられます。
継続率は99%と高く、小売店やアパレルを始めとする様々な業種で使用されています。
【料金プラン】
プラン | 月額料金 |
スタータープラン | 0円 |
プロフェッショナルプラン | 4,400円 |
モバイルオーダープラン | 3,000円(決済手数料3.9%) |
画像出典元:「POS+retail」公式HPより
【特徴】
POS+retailは、小売店のためのクラウドPOSレジです。
会計処理や在庫管理、複数店舗管理などが搭載されています。
さらに、販促対応やインバウンド対応も可能で、小売店での利用に適した作りになっています。
また、顧客管理に適した「POS+ connect」や従業員管理ができる「POS+ time recorder」などのオプションサービスを併用すれば、さらに使い勝手が向上するでしょう。
【料金プラン】
プラン | 月額料金 |
小売店向けプラン | 12,000円~ |
画像出典元:「USENレジ STORE」公式HPより
【特徴】
USENレジ STOREは、2022年度の「JMRアワード」3部門で1位を獲得した、小売店専用のPOSレジアプリです。
バーコード機能やセール機能、免税機能や予約販売の機能も搭載。
カスタマーディスプレイ表示も可能で、レジの金額や商品広告を表示させても使用できます。
また、サポート体制がしっかりしているのも特徴のひとつです。
日本の148都道府県にサポート拠点を持っており、365日年中無休のサポートを利用できます。
【料金プラン】
▶︎要問い合わせ
小売店で使用するPOSレジに欠かせない機能は、以下の4つです。
それぞれの内容について詳しく解説します。
商品の情報をPOSレジに登録することで、在庫の状況を簡単に確認できるようになります。
商品が売れたり、在庫を出したりする際にリアルタイムで情報が更新されるため、現在時点の在庫状況を正確に把握できるのが魅力です。
商品在庫が少なくなっていればすぐに発注でき、在庫確認をレジ締めまで待つ必要もありません。
数え間違いや発注誤りなどのヒューマンエラーによるミスが発生することもなくなります。
名前や性別、購買回数といった顧客情報を登録できる機能もあります。
顧客データを登録するメリットは、リピーターを増やすための対策が取りやすくなることです。
「どのような顧客の利用率が高いのか」「どの層の顧客が少ないのか」を分析することで、新しいサービスを導入する際のヒントになります。
販売実績を記録する際に、「いつ・どの商品が・どれだけ売れたか」といった売上の状況がデータ化されます。
売上の状況が可視化されるため、分析した情報をマーケティングに役立てることが可能です。
売上のよい商品を把握し供給を増やせば、顧客ニーズにも素早く対応できます。
複数店舗を所有している場合、データを一元管理できる機能のあるPOSレジを選ぶのもポイントです。
各店舗の売り上げ状況や会計内容、在庫状況を自身でまとめるとなると手間がかかります。
一方、POSレジでデータを一元化すれば手間をかけることなく、全ての店舗の状況をリアルタイムで確認できます。
全店舗の総売り上げや店舗ごとの顧客情報など、欲しい情報だけをピックアップすることも可能です。
小売店でPOSレジを使用するメリットは主に3つです。
POSレジの購入を検討中の方は参考にしてみてください。
レジの会計処理が簡略化されるため、業務を効率化できます。
レジ会計がスムーズになれば、お客様の待ち時間も減るため顧客満足度も向上できるでしょう。
また、在庫管理や会計業務の負担が減るため、これまでそういった作業のために費やしてきた業務時間や人件費の削減にもつながります。
浮いた分の人件費は、商品やサービスに還元できるため、経営戦略のひとつとしても効果的です。
売上のよい商品や顧客人気の高いサービスが把握しやすくなるため、顧客のニーズに合わせたサービスを展開しやすくなります。
「欲しい商品がいつでも購入できる」「自身の望むサービスが増えた」となれば、顧客満足度はさらにアップするでしょう。
また、キャッシュレス決済端末やクレジットカード払い端末と連携すれば様々な支払いに対応できるようになります。
顧客にとっては現金を用意する手間や会計時に小銭をやり取りする手間が省けるため、サービスの向上が期待できます。
手打ち計算による金額間違いや計算ミスがなくなるのもメリットのひとつです。
POSレジを使用する際は、バーコードを読み取らせるだけで作業が完了します。
割引があった際や、セール品を販売する際にも便利でしょう。
また、POSレジは直感的に操作できるデザインであるケースが多いため、会計作業に慣れていない新人スタッフでも、気軽に会計作業を担当できます。
POSレジは会計作業をしながら、在庫管理や売上管理をリアルタイムで行える便利なサービスです。POSレジには複数の種類があります。
サービスを提供するメーカーやレジの種類によって、利用できる機能やサポート体制が異なります。
事前に機能や価格を比較し、自社に合ったサービスを導入することが大切です。小売店におすすめのPOSレジ8選を紹介した今回の記事も、ぜひ参考にしてみてください。
画像出典元:PEXELS、o-dan 、pixabay