ビジネスをするうえで他社との協業や新たな取引先の開拓は欠かせませんが、これまで縁のなかった企業といきなり取引を始めるのはなかなか難しいもの。
そんな時に役立つのが、企業と企業を結びつける「ビジネスマッチング」のサービスです。
この記事では、ビジネスマッチングとは何か?にはじまり、そのメリットや利用上の注意点、成果を出すためのポイントや実際のサービスまで詳しく解説します。
このページの目次
そもそも、ビジネスマッチングとはどんな仕組みなのでしょうか?
ビジネスには企業同士のつながりが欠かせません。
BtoBで顧客として取引を行う場合はもちろん、BtoCであっても協業や下請け、外注など、さまざまなつながりのうえでビジネスが成り立っているのです。
一方で、起業直後のベンチャー企業など、横のつながりが少なく簡単にパートナーを見つけられない企業も数多く存在します。
ビジネスマッチングサービスとは、そんな企業のために、条件にあったビジネスパートナーを効率よく見つけてつながれるサービスです。
婚活のマッチングサービスや個人のスキルシェアサービスなどの企業版をイメージすると、理解しやすいでしょう。
企業同士をつなぐビジネスマッチングですが、具体的な仕組みはどんなものなのでしょうか。
大きく分けて2種類のサービスがあり、それぞれ特徴が異なります。
まずオンラインの「プラットフォーム」型。
Webサービス上で企業を探してつながれるサービスで、業界や地域、求める条件などに合わせて検索でき、そのままオンラインで商談の申し込みも可能です。
次にオフラインの「交流会」型。
これは業界イベントや交流会などを通じて行われるもので、興味のある企業の担当者と直接話して取引の可能性を探ります。
対面で相手企業の雰囲気を知り、具体的な交渉までつなげられるのが特徴です。
企業同士をつなぐビジネスマッチングサービスですが、利用するとどんなメリットがあるのでしょうか?
ビジネスマッチングサービスを利用する最大のメリットは、ふだん出合えないたくさんの企業とつながれることです。
特にプラットフォーム型のサービスでは数千社が登録していて、業界や求める条件などをもとに理想の企業を探せます。
相手からも商談の申し込みがあるため、それまで想像していなかったようなビジネスチャンスが生まれることもあります。
人と人とのつながりを利用してパートナーを探そうと思うと何かと手間がかかりますが、ビジネスマッチングサービスを使えば、効率よく企業を探せます。
オフラインのイベント型なら、その場で具体的な話をすることも可能ですし、Webサービスであれば条件で絞り込んで理想の企業を簡単に見つけられるでしょう。
リソースが浮けばその分付加価値の高い業務に時間を使えるため、結果的にビジネスの収益性にもつながってくるメリットです。
コロナ禍でリモートワークが中心となって、オフラインで商談をするだけでも何かとリスクがあり、手間もかかるようになりました。
その点、プラットフォーム型のサービスなら、Web上でマッチングして、Zoomで商談を行い、そのまま契約まで済ませることが可能です。
これは効率の面でもリスク管理の面でもメリットといえるでしょう。
サービスを利用する直接的な目的からはやや外れるものの、他社の動向の把握につながるのもメリットです。
新規事業の立ち上げや新製品の開発など、他社がどんなことに取り組んでいるのかを外部の情報よりも踏み込んで得られる場合があります。
また、競合他社でのマッチングの募集や条件、情報設計などを参考にすれば、自社のパートナー探しにも役立てられそうです。
プラットフォーム型のビジネスマッチングサービスの選択肢はどんどん豊富になっており、サービスごとに長所があります。
多くのサービスは担当者レベルでのやりとりが中心ですが、なかには決済者レベルでやりとりができるものもあるのです。
ハイレベルでのやりとりから始めることができれば、より具体的な商談につながりやすく、プロセスの効率アップにもつながるでしょう。
メリットの多いビジネスマッチングサービスですが、利用するうえで注意しなければならない点もあります。
ビジネスマッチングは企業同士をつなげるサービスであり、そこから成果を出すためにはさらにステップがあります。
実際には、プロジェクト設計と目標管理、予算やスケジュールの合意、定期的なコミュニケーションなど、マッチング後にやるべきことのほうが多いのです。
サービスはあくまできっかけ作りであり、そこから先は自力で成果に結びつける必要があることを理解しましょう。
紹介や人とのつながりと比べて、ビジネスマッチングサービスは相手企業の信頼性や実態が分かりにくいというデメリットがあります。
Web上の募集ページの情報や出会ったばかりの会話の内容では、相手が信頼に足る企業かどうかは簡単には分かりません。
サービス上で相手企業の評価をチェックするのはもちろん、複数の担当者や決済者レベルとやりとりするなどして、慎重に相手を見極めましょう。
ビジネスマッチングサービスには数多くの企業が参加しているものの、条件次第ではそもそもマッチングできない場合もあります。
特に起業から間もないベンチャー企業などは提示できる実績も少なく、予算やリソースにも限りがあるため、なかなか良い相手が見つかりにくいものです。
そういった場合には、同じく小規模のベンチャーが多いサービスや、個人を対象としたサービスを利用することも視野に入れてみましょう。
続いて、ビジネスマッチングサービスの具体的な利用方法についても解説します。
実際に利用する際の参考にしてみてください。
ビジネスマッチングサービスで業務の発注を行う場合の流れは以下のとおりです。
1. サービスを選ぶ
まずは利用するサービスを決めます。
比較機能や評価制度の有無、特定の業界に強い、決済者とやりとりできるなど、サービスによって特徴が異なるため、発注内容に合わせて最適なものを選びましょう。
2. 条件で絞り込んで企業を検索する
発注したい内容、予算、求める技術や実績などをもとに、条件に合う企業を絞り込みます。
評価やプロフィールの内容まで目を通して慎重に検討することが重要です。
3. 問い合わせ・発注する
お目当ての企業が見つかったら、問い合わせを行って発注へと進みます。
プロフィールの予算からさらに具体的な金額やスケジュール、プロジェクトの進め方などの議論を行い、合意できたら契約です。
仕事を受注したい場合には以下のような流れで利用します。
1. サービスを選ぶ
発注の場合と同様に、利用するサービスを選びます。
発注者へのレコメンド機能やプロフィールの作成サポートなど、マッチしやすくなる仕組みを備えているサービスを選ぶと成果が出やすいでしょう。
2. プロフィールを作成する
業務を受注するためのプロフィールを作成します。
スキルや実績、予算の設定はもちろん、プロフィール画像に担当者の顔を載せる、プロフィール文面のライティングに気を配るなど、発注者の目線で工夫しましょう。
3. 受注する
発注者からの問い合わせを受けて受注へと進みます。
多くのサービスでは受注者は問い合わせを待つことになりますが、一部のサービスではこちらから提案できる場合も。
なかなか受注できない場合は、再度プロフィールを見直してみましょう。
ビジネスマッチングサービスを利用して成果を最大化するためには、いくつか押さえておくべきポイントもあります。
数多くある企業の中から自社をパートナーとして選んでもらうためには、他社にはないメリットをアピールする必要があります。
もし他社よりも優れた技術力やノウハウ、受注実績があるのなら、必ずプロフィールに記載するようにしましょう。
サービス内での評価や口コミも、信頼性を判断する要素として重要です。
受注した企業と良い関係を築き、評価してもらうというプロセスを積み上げていけば、よりマッチングしやすくなるでしょう。
お互いにメリットのある関係を築けるかどうかは、企業選びにかかっているといっても過言ではありません。
予算や納期といった表面的な部分だけでなく、相手企業の具体的なニーズ、あるいは持っている技術や実績といった要素までプロフィールから精査しましょう。
さらに、マッチング後の商談まで含めて、相手が信頼できる企業かどうかを見極め、そうでない場合には安易に契約を結ばないことが重要です。
ビジネスマッチングサービスは数多く存在しており、それぞれ特徴が異なります。
業界に特化したサービス、経営層同士でつながるサービス、海外企業とのマッチングが可能なサービスなどです。
自社の発注・受注内容や業界、企業フェーズなどに応じて最適なサービスを選ぶことで、マッチング率も最終的な成果も変わってくるでしょう。
実際のビジネスマッチングサービスの中から、決済者や経営層とつながれて成果につながりやすい2つをピックアップして紹介します。
画像出典元:「BizOn!」公式HP
経営者や役員、事業主のみが登録可能で、ビジネスに直結しやすいマッチングアプリです。
入会時には審査があり、信頼性の高い相手とマッチングできるほか、毎日5人の相手がおすすめされる仕組みも。
スマホですきま時間に利用できるのも嬉しいポイントで、成果までのリードタイムを短くしたい企業にはうってつけです。
画像出典元:「チラCEO」公式HP
社長や役員クラスがユーザーの8割以上を占める、決済者限定マッチングサービスです。
同サービスを8年運営してきた実績があり、安心して利用できます。
機能面も充実しており、おすすめユーザーの表示、タイムラインでのメッセージ機能、決済者へのプレゼンイベント、カスタマーサクセスの支援などが利用可能です。
ビジネスマッチングは、さまざまな企業とつながりを作れる仕組みです。
効率の良いパートナー探しが可能で、業界の動向を把握するのにも役立つため、使ってみて損はありません。
実際に使いこなすためには、サービス選び、マッチする企業選び、実績づくりなどが重要になってきます。
たくさんのサービスが登場しているので、まずは自社にあったものを探してみてください。
画像出典元:Unsplash、Pixabay