近年、SNSを活用したマーケティング活動・集客は多くの企業で定番になりつつあります。その中でも最近注目なのがTikTok。
TikTokとは、ショート動画SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で、10〜20代の若者がよく利用しているという特徴があります。
この記事では、TikTokのビジネスアカウントの概要をはじめ、メリットやデメリットを紹介します。
実際にTikTokのビジネスアカウントを活用した企業の事例も参考にしながら、自社のマーケティングや集客への活用判断に役立ててください!
このページの目次
TikTokは、10〜20代前半に人気の動画配信サービス(SNS)です。
総務省の調査によると、TikTokの利用率は全年代では17.3%とそれほど目立ってはいないものの、10代では57.7%。
10代をはじめ、若い世代中心に年々利用率が上がってきているサービスです。
引用元:総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
TikTokとInstagram(インスタグラム)の違いは多数ありますが、TikTokは動画が、Instagramは静止画が主流である点が一番の違い。
TikTokの公式サイト上でも、Instagramとの比較を匂わせるような訴求が掲載されています。
一瞬を切り取り、おしゃれに演出して見せることが主流の静止画と違い、動きや声などキャラクターのありのままを見せることができる動画は、表側だけでなく、飾り気のない裏側まで伝えられるため、ユーザーはリアルを感じ、信じています。
引用元:TikTok for Business「TikTok For Businessとは?TikTok For Businessの広告種類、運用型広告の特長まで基本を解説」
Instagramは一瞬をおしゃれに切り取って表側だけを演出するが、TikTokは動きや声などをありのままに見せ、裏側まで伝えられる…と受けとることもできます。
その他、TikTokはInstagramにはないレコメンド機能が充実していることも特徴的です。
TikTokはいいねやフォローなどの情報をもとに、フォローしていないクリエーターの動画もおすすめフィードに表示されます。
TikTokの主な投稿内容は次のとおりです。
全体として、日常的でおもしろく、カジュアルな投稿が主流となっています。
TikTokの普及率は、前述した総務省の調査によると全年代では17.3%。
一方、10代では57.7%と年代による普及率の差が大きい点が特徴です。
引用元:総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
総務省のデータをもう一度参照してみると、他の主要SNSと比べ、全年代ではLINE、YouTube、Twitter、Instagram、Facebookに次ぐ普及率を示しています。
TikTokではデフォルトのアカウント(個人アカウント・クリエーターアカウント)から、無料でビジネスアカウントに変更可能です。
TikTokのビジネスアカウントでできるようになることを3つ紹介します。
ビジネスアカウントに切り替えるメリットについて確認していきましょう。
ビジネスアカウントでは、個人アカウントではできないアカウント分析ができるようになります。
具体的には、投稿動画の分析(合計再生時間や合計視聴回数、平均視聴時間など)、インサイト分析(フォロワー数の増減やプロフィールの表示回数など)が可能です。
上記分析機能により、どのような動画が効果的であったかなどを把握することができます。
ビジネスアカウントでは、商用楽曲ライブラリー(CML)を利用できるようになります。
50万曲以上がラインアップされている商用楽曲ライブラリーでは、そのすべてが商用利用可能な楽曲です。
ライセンスを気にせず動画を作れる点が、大きなメリットといえます。
一方で、TikTok上の商用楽曲ライブラリーにない楽曲は、商用利用が認められていないことに注意しましょう。
トレンドにある楽曲を利用できない場合がある点が、ビジネスアカウントのデメリットです。
ビジネスアカウントでは、フォロワー1,000人未満でも自社のホームページなどへのリンクが設定できるようになります。
デフォルトの個人アカウントでは、フォロワーが1,000人以上になるまで外部リンクを設定できないため、この点はビジネスアカウントにおける大きなメリットです。
TikTokのビジネスアカウントを作成するメリットは、次の3つです。
TikTokは若年層に人気のあるSNSであるため、若年層の目に届きやすい点がメリットです。
若年層をターゲットにしたマーケティング活動を行うのであれば、TikTokでビジネスアカウントを作成することを検討してみるべきでしょう。
TikTokでは、ビジネスアカウントでの投稿も一般ユーザーの投稿となじみやすいこともメリット。
TikTokはコンテンツにフォーカスされたプラットフォームであるため、投稿ユーザーが誰であるかよりもコンテンツが注目されます。
TikTokは、広告動画でさえ最後まで見てしまう人が多いことも特徴です。
このように新しい情報にオープンマインドな空間だからこそ、TikTokユーザーは広告に対してもポジティブ。「広告動画はつい最後まで見てしまう」と回答した人が、TikTokは他プラットフォーム平均の143.8%となっています。
引用元:TikTok For Business「オフィシャルユーザー白書 第3弾 発表! 回答から回遊へ 興味で突破する時代の再来。」
TikTokのビジネスアカウントは、無料で利用できるメリットがあります。
初期費用や月額料金は発生しません。
一度ビジネスアカウントに切り替えても、後に個人アカウントに戻せる点も安心です。
TikTokのビジネスアカウントを作成するデメリット(注意点)もあるので確認しておきましょう。
TikTokはマーケットが比較的小規模であることが、デメリットとして挙げられます。
前述のとおり、TikTokはInstagramやYouTube、Twitterなどの主要SNSと比べると利用率は低いです。
TikTokはコンテンツ次第で、フォロワー数が少なくても多くのユーザーにコンテンツをリーチすることはできます。
TikTokのビジネスアカウントでは、人気楽曲が使えないことがある点に注意しましょう。
その理由は前述のとおり、商用利用が可能な楽曲のみを利用可能としているからです。
トレンドに出ている楽曲で投稿したくても、ビジネスアカウントでは諦めなければいけない可能性があります。
ビジネスやアカウントの運用スタイルによっては、人気楽曲を使えなくても問題ない場合もあるでしょう。
それでは、TikTokビジネスアカウントの作成方法を紹介します。
無料で簡単に作成できるので、ぜひ実践してみてください。
TikTokはスマホアプリで利用することが基本となるため、まずはApp StoreやGoogle PlayからTikTokアプリをダウンロードします。
TikTokアプリをダウンロードしたら、アプリからアカウント登録に進みます。
登録には、次のいずれかの情報が必要です。
TikTokのアカウントを作成できたら、デフォルトの個人アカウントからビジネスアカウントに切り替えます。
ビジネスアカウントへの切り替えは、マイページ右上の三本線をタップし、「アカウント管理」から「ビジネスアカウントに切り替える」をタップ。
その後、カテゴリーを選択するとビジネスアカウントへの切り替えが完了します。
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TikTokビジネスアカウントを作ったら、どのような投稿をしていけば良いのでしょうか。
ここでは、TikTokビジネスアカウント投稿のコツを3つ紹介します。
TikTokでは、流行りの動画をまねて投稿することも数多く行われています。
ユーザーは面白いテーマがあれば同じようなものを連続して見ることもあるため、まねて投稿することも非常に効果的です。
自社の担当者やノリの良い従業員などで、流行りの動画をまねて作成してみましょう。
TikTokのおすすめによって多くのユーザーにリーチできれば、認知度を向上させることができますし、ファンになってもらえると、今後投稿する動画への注目度も高まります。
冒頭に人物を登場させる投稿も有効といわれています。
理由は、冒頭に人物が登場した投稿は、登場しない場合と比べてスキップされにくいことです。
冒頭でスキップされることなく2秒視聴された割合は、「人物なし」の13.72%に対し、「人物あり」では20.48%と約149.3%高くなっています。
引用元:TikTok For Business「金融業界のTikTok運用型広告とランディングページを分析、効果的なクリエイティブのポイントを初公開」
テキストや画像だけでも動画は作れますが、可能ならば人物も登場させるとより効果も得られやすいでしょう。
質問から始まる投稿をすることも、スキップされにくい動画の特徴だと説明されています。
「〜な時はありませんか?」のような質問を、冒頭の6秒以内に視聴者に問いかけるクリエイティブは、6秒以内に質問をしないクリエイティブに比べて、6秒視聴率が約133%高くなっています。
引用元:TikTok For Business「金融業界のTikTok運用型広告とランディングページを分析、効果的なクリエイティブのポイントを初公開」
人物による質問から始めることが、スキップされにくい動画の特徴と紹介されているのです。
ここで紹介したのは広告動画における特徴ですが、ビジネスアカウントで通常の動画を投稿する場合にも参考になるでしょう。
TikTokのビジネスアカウントが効果的な事例は次のとおりです。
それぞれ紹介していきます。
TikTokビジネスアカウントの運用は、新規の採用募集にも効果的です。
採用活動というと、一般的には広告費など少なからずコストが発生しますが、TikTokなら無料で採用活動が行えます。
TwitterやInstagramとは異なり、TikTokは動画を投稿するため、社内のリアルな雰囲気を伝えることも可能です。
これにより、採用後のミスマッチを防げるでしょう。
TikTokのビジネスアカウント運用は、SNSやWebサイトへの誘導に効果的です。
ビジネスアカウントならフォロワーが1,000人未満でも外部リンクが設定できるため、フォロワー100人など、増やしていく過程でも誘導できます。
例えば、YouTubeチャンネルに誘導してチャンネル登録者数を増やしたり、ECサイトに誘導して商品を買ってもらったりすることも可能です。
最後に、TikTokビジネスアカウントでの成功企業例を紹介します。
ぜひ自社の参考にできることはないか、チェックしてみてください。
ほっともっとは、株式会社プレナスが展開するお弁当店舗チェーンです。
基本的にはお弁当の盛り付け動画が投稿されていますが、脳トレと称して「ハンバーグ」や「ごはんつぶ」「おなかすいたよなう」などを1文字つずつ高速に点滅させた「文字の読み取りクイズ」なども投稿しています。
動画の投稿ペースは毎日1本ほど。
2022年5月時点で、フォロワー数13.98万人、総いいね数約430万の人気アカウントとなっています。
焼鳥どんは、荻窪や駒込、西巣鴨に店舗を構える飲食店です。
アカウントでは次のような飲食店のあるあるネタを投稿しており、多くのインプレッションを獲得しています。
こちらのアカウントも、ほっともっとと同様に動画の投稿ペースは毎日1本。
2022年5月時点で、フォロワー数19.98万人、総いいね数約860万を誇る人気アカウントです。
プロフィールではアルバイトの応募フォームへのリンクを設定しており、集客だけでなく採用にも良い影響が生じていることがうかがえます。
宅配ピザ大手のドミノ・ピザもTikTok運用を行っています。
良い意味でビジネスアカウントらしくない自然な投稿が人気で、ピザを作っているシーンやさまざまなピザを紹介する動画などを投稿。
ピザだけでなく、ドミノ・ピザのバイクを撮影した動画も投稿されていました。
投稿頻度は毎日ではありませんが、2~3日に1回のペースで定期的に投稿しています。
2022年5月時点で、フォロワー数34.50万人、総いいね数約830万の超人気アカウントです。
TikTokのビジネスアカウントは無料で利用できるうえ、デフォルトの個人アカウントと比べて分析機能が充実し、フォロワー1,000人未満でもプロフィールに外部リンクを設定できるアカウントです。
TikTokは若者に人気のあるプラットフォームなので、ビジネスアカウントであってもカジュアルな投稿で一般ユーザーにリーチできます。
TikTokのビジネスアカウントで成功した企業事例も多数あり、通常なら必要な広告費用がかかりません。
自社のマーケティングや集客に、有効活用してみてはいかがでしょうか。
画像出典元:Unsplush