リスティング広告の費用の決め方って難しいですよね。その理由は、費用相場がハッキリしない、またはかける費用の計算方法がよく分からないからではないですか?
今回はそんな悩みを抱える方のために、リスティング広告の基礎知識や仕組み、費用相場、費用の決め方(計算方法)とキーワードの選定方法、費用を節約するコツや費用対効果を上げる秘訣について解説します。
リスティング広告の運用方法(自社 or 外注)、よくある失敗例も紹介するので、リスティング広告を上手に活用するために役立ててくださいね。
このページの目次
リスティング広告には検索連動型広告とディスプレイ広告があります。
日本のインターネット広告媒体費の大半を占めているのが検索連動型広告とディスプレイ広告。リスティング広告はWeb業界で最もメジャーなプロモーション手法です。
検索エンジンで何かを調べた時、結果ページの上部や下部にある広告枠に表示されるのが検索連動型広告です。
赤枠で囲んだ部分がリスティング広告で、検索ワードに合わせた広告が表示されるのが特徴です。検索連動型広告のメリットは、検索するほど強い興味を抱いているユーザーに広告を見てもらえることです。
ディスプレイ広告は広告枠があるwebサイトに表示されます。ユーザーが目にしているコンテンツに連動しているので、検索はしていなくても多少は関心がある分野の広告が表示される仕組みです。
緑色の枠で囲った部分がディスプレイ広告で、テキストや画像よりも印象に残りやすい動画広告を配信することも可能です。
日本国内では「Google広告」と「Yahoo!プロモーション広告」が9割以上をカバーしているので、この2つを押さえておけば問題ないでしょう。
なお、Yahoo!プロモーション広告では、2022年3月31日(木)までの申し込みで、最大50,000円分の広告料金がプレゼントされるキャンペーンを行っています。
広告をクリックした時に料金がかかる
表示回数によって料金が決まる
検索連動型広告はクリック課金型がほとんどで、コストを抑えながらプロモーションできるのがメリットです。
ディスプレイ広告はクリック課金型もあれば、表示回数で料金が決まるインプレッション課金型もあります。ディスプレイ広告のメリットは、検索連動型広告よりもクリック単価が安い傾向があることです。
リスティング広告の運用を代理店に依頼した際には、広告費以外に手数料が発生します。手数料の主な料金システムは手数料率型、成果報酬型、定額型の3種類。手数料の相場は広告費用の20%です。
他に、初期費用やオプション費用がかかることもあるので事前に確認しておきましょう。
特徴:「広告費用の〇%」という決まりで20%が一般的
例:広告費用100万円+手数料20万円=120万円
・手数料率が10%の代理店もある
・少額依頼でも手数料最低額(5~10万円)がかかる
特徴:出した結果によって手数料が変わる
・手数料率型や定額型がベースで成果が出た時だけ費用がプラスされる料金体系もある
・料金システムが成果報酬型のみの代理店ならコスト以上の成果が期待できる
特徴:「毎月〇〇円」と料金が固定されている
例:広告費50万円未満で手数料10万円/月
・広告費用が少額だと割高になる可能性がある
・広告費用の額によって段階的に固定費が増える料金体系もある
リスティング広告の費用相場は中小企業だと10万円~100万円、代理店を利用する場合には平均30万円~/月と言われています。
しかし、事業規模や扱っている商品・サービスの種類によってかけるべき金額が大きく変わります。費用相場は目安でしかないので、適切な広告費の決め方を知っておきましょう。
広告にかける費用の目安は売上の5~10%です。あらかじめリスティング広告にかける予算額を決めておき、Google広告やYahoo!プロモーション広告で請求額の上限設定をしておけば予算内に収められます。
1日の平均予算を1,000円に設定しておけば、1ヶ月の平均日数の30.4日をかけた34,000円以上は請求されません。
月の予算を1ヶ月の平均日数の30.4日で割れば1日の平均予算が分かるので、あとはそれを管理ページに設定するだけ。
とてもシンプルなので簡単です。初めて運用する際に費用の決め方で迷ったら予算から決める方法が向いています。
参考:Google広告
先に狙うキーワードを決め、そのワードのクリック単価相場にクリック数をかけてリスティング広告の費用を決める方法もあります。
クリック単価200円でクリック数1,000回なら、広告費用は200,000円です。
キーワードのクリック単価×クリック数=リスティング広告費用
例1:200円×1,000回=200,000円
例2:300円×3,000回=900,000円
検索キーワードにはそれぞれ単価相場があり、人気があるキーワードは単価が高く、人気がなければ単価が安いです。そのため、狙うキーワードの単価相場とクリック数によって必要となる広告費用が変化します。
Google広告なら「キーワードプランナー」Yahoo!プロモーション広告なら「キーワードアドバイスツール」を使ってクリック単価の相場を調べましょう。
キーワードプランナーやキーワードアドバイスツールでは、リスティング広告の費用シミュレーションができるので、そのキーワードに出せる上限金額を入力して広告費用を見積ってください。
狙っているキーワードがある場合には、クリック単価で決める方法が最適です。
次は、出したい利益や販売目標数から広告費用を算出する方法を紹介します。
原価1,000円の商品を5,000円で販売する場合に最低でも2,000円の利益を出したければ、商品1点あたりの広告費用は2,000円です。
販売価格-(原価+出したい利益)=商品1点あたりの広告費用
5,000円-(1,000円+2,000円)=2,000円
商品1点にかけられる広告費用が、1コンバージョンに使える費用(目標CPA)です。目標CPAが分かったら、次はその商品をいくつ売りたいかを決めましょう。
販売目標数(コンバージョン数)が100個なら、目標CPAにCV数である100をかければリスティング広告費用のトータル額が計算できます。
目標CPA×販売目標数=リスティング広告費用の総額
2,000円×100個=200,000円
注意点は、目標CPAが高くなり過ぎると赤字になること。目標CPAは確保したい利益の額によって変動するので、損益分岐点を限界CPAとして設定しておきましょう。
売上目標が決まっていれば、そこから逆算してリスティング広告費用を決めましょう。
この方法はコンバージョン率とクリック単価を先に仮定しておきます。
販売価格40,000円の商品で1,000,000円の売上を上げたいなら、25個売らないといけません。その商品のコンバージョン率が1%の場合は、25個売るために2,500回クリックされる必要があります。
クリック単価が100円だと、100円に2,500回をかけた数字がリスティング広告費用です。
売上目標÷販売価格=販売目標数(コンバージョン数)
↓
販売目標数×コンバージョン率×100=必要クリック数
↓
クリック単価×必要クリック数=リスティング広告費用
1,000,000円÷40,000円=25個
↓
25個×1%×100=2,500クリック
↓
100円×2,500クリック=250,000円
単価40,000円(CV率1%)の商品で1,000,000円の売上を上げるためにクリック単価100円のキーワードを使ってプロモーションすると、リスティング広告費用が250,000円かかる計算結果です。
リスティング広告にいくらかけるか迷ったら、代理店に相談して決める方法も検討しましょう。
プロの力を借りれば広告配信をスタートさせるまでの時間が節約できます。短時間で確実に効果を出したいなら、代理店に相談して決める方法が良いですよ。
リスティング広告の成果を出すためには、キーワード選定も重要なポイントです。
適切な設定方法にしないと、目的としている人に広告を見てもらえません。
ここからは、キーワードを選定する方法について説明します。
マッチタイプはキーワードの拡張性を決める設定です。
キーワードのマッチタイプは、Google 検索時にどのような検索語句で広告が表示されるかを左右する設定です。
たとえば、「部分一致」を指定して広範に及ぶユーザーに広告を表示したり、「完全一致」を指定して広告の表示対象を絞り込んだりすることができます。
引用:Google広告
マッチタイプは範囲が狭い順に、完全一致、フレーズ一致、絞り込み部分一致、部分一致の4種類です。
たくさんの人に広告を見てもらいたいのか、ピンポイントで特定の人だけにプロモーションしたいのかを考えて適切なマッチタイプを選びましょう。
完全一致は、リスティング広告に設定したキーワードとユーザーが検索した語句が完全に一致した場合に広告が表示される設定です。
完全一致だと意味が変わらない別の言い回し(女性用とレディースなど)や、助詞や接続詞など検索意図への影響が少ない語句が入っていても広告が表示されます。
フレーズ一致は完全一致よりも範囲が広がり、キーワード以外の語句が入っていてもリスティング広告が表示されます。
注意点は、完全一致だとキーワードの順番が逆でもリスティング広告が表示されるのに対し、フレーズ一致だとキーワードの順番が違うと表示されないこと。
※設定キーワードによって表示されることもあります
また、キーワードとキーワードの間に別に語句が入った場合もリスティング広告は表示されません。
その代わり、設定キーワードと同じ順番なら、前後に別の語句が入っていても広告が表示されます。
絞り込み部分一致は、対象範囲がフレーズ一致だと狭すぎて部分一致だと広すぎる時に最適です。
部分一致だと全く関係のないユーザーにまで広告が配信され、無駄なクリックが発生しやすいです。そのデメリットをなくしたのが絞り込み部分一致です。
部分一致は、関連のない語句が含まれない限り広告が配信される設定です。
部分的にでも設定キーワードと検索語句が一致していて、関連があると判断されるとリスティング広告が表示されます。
リスティング広告は狙ったターゲットに効率良く配信することが大切です。
関係のない人に表示される回数が増えるとCV率が悪くなり、無駄なクリック数が増えれば広告費が割高になってしまいます。
次は、リスティング広告の費用を節約する方法を見ていきましょう。
除外キーワードを設定すれば、検索意図が全く違う人に広告が配信されることを防げます。「宅配 食材」を設定キーワードにする場合には、配達エリア外の地域を除外キーワードに設定しましょう。
関東地方だけのサービスなら「関西」「大阪」などのキーワードを除外すれば、必要のない人に広告を配信せずに済みます。
他にも、シニア向けサービスなら「育児中」「子供」「子育て」などを除外キーワードに設定すれば、目的としている人に広告が届きやすくなります。
特定の地域の人に集中して広告を見てもらいたいなら、地名や範囲を設定しましょう。この方法だと、地域限定の宅配食材サービスでも該当地域を中心に広告配信できます。
リスティング広告は年齢、性別、世帯年収、デバイス、時間などの設定ができるので、メインターゲットに絞って広告を配信することも可能です。中高年向けの女性用化粧品なら「40代以上の女性」とターゲットを限定しましょう。
ロングテールキーワードとは「宅配 食材 子育て」「宅配 食材 有機野菜 東京」など3~4語のキーワードを用いること。
ロングテールキーワードを使えば、ユーザーの需要と広告の内容がマッチしやすいです。検索ボリュームは少なくても、コンバージョンに繋がりやすいのがメリットです。
リスティング広告を配信し始めてしばらくすると、コンバージョン率が悪いのに上位表示されているキーワードが出てくるはずです。CV率が悪いなら予算をカットしたほうが良いですよね。
逆に、コンバージョン率が良いのに表示回数が少ないキーワードもあるでしょう。CV率が良いなら入札単価を上げて掲載順位を上げるべきです。
このように、データを元にして予算配分を見直せば節約できます。
リスティング広告の運用で悩むのは「自社で運用するか?それとも広告代理店に委託する?」ではないでしょうか。
リスティング広告にかける予算が少ない企業は自社で運営、多額の予算をかけられる企業は外注している傾向があります、
それぞれのメリット・デメリットを比較して最適な方法を見つけましょう。
自分で運用する方法だと最初は大変ですが、頑張れば広告運用に対する実力がつくのが魅力です。
外注する方法は、成果は出やすいもののコストがかかること、最低契約期間(1~6ヶ月)があることがデメリットです。
リスティング広告の費用対効果を上げるポイントは、品質スコアを上げること。なぜなら、品質スコアと入札単価で掲載順位が決まるからです。
入札単価が低くても品質スコアが高ければ掲載順位が上がり、たくさんの人に広告を見てもらえます。
広告のクリック率を知るために「推定クリック率」を確認しましょう。推定クリック率が「平均よりも下」なら改善する必要があります。
クリックしてもらえない原因は広告文の魅力が足りないからです。広告文を読んだ人が「気になる!見てみたい!」と思える内容に変更しましょう。
ランディングページ(LP)とは広告をクリックして最初に目にするページです。
クリック率が良くてもLPが分かりにくいと、有益な広告ではないと判断されて品質スコアが悪くなります。ファーストビューでお客様の心を掴むランディングページを目指しましょう。
検索語句と広告の関連性を高めるためにすべきことは、広告のタイトルと説明文の両方にキーワードを入れること。それだけでクリック率が上がるので、キーワードが入っているか必ず確認してくださいね、
リスティング広告は、十分な費用をかけても予想していた効果が出ないことが珍しくありません。失敗例としてよく見られるケースは以下の3つです。
掲載順位が低いと広告が表示される回数が少ないので、当然のことながら成果が出ません。
掲載順位がある程度高ければユーザーの目に留まる機会は増えますが、クリックされずにスルーで終わると売上は上がらないでしょう。
そして、最後の壁がコンバージョンに至ること。広告を見てもらえても、商品やサービスに関心を抱いてもらえないとコンバージョンに繋がりません。
リスティング広告の成果を出すためには、これら3つの壁を全てクリアする必要があります。
リスティング広告はすぐに結果が出なくても、改善を繰り返せばCV率が上がる可能性があります。とはいえ、無限に予算があるわけではないので、失敗続きならどこかで広告をやめなくてはいけません。
そのため、広告の配信を始める際にかける費用やCPAの上限を決めておく対処法がおすすめです。
最も避けたいのは、やめ時を逃して無駄な広告費用を払い続けること。失敗したら一旦広告配信を止め、戦略を練り直すステップに戻りましょう。
試行錯誤をしているうちにノウハウが分かってきたら、リスティング広告で失敗するリスクが減るはずです。
リスティング広告は一筋縄ではいかない難しさがあるので、「なんで上手くいかないんだろう…」と悩むかもしれません。でも、すぐに諦めないことが大切です。失敗を糧にして色々な工夫をしてみてくださいね。
また、ルール変更が時々あるので、最新情報も忘れずにチェックしましょう。コツをつかめば、費用を抑えつつ効果的な宣伝活動ができるようになりますよ。
現在、Yahoo!プロモーション広告では、2022年3月31日(木)までの申し込みで、最大50,000円分の広告料金がプレゼントされるキャンペーンを行っています。
一度検討されてみては、いかがでしょうか。
画像出典元:O-DAN