個人事業主が仕事で車の所有を考える場合、現金一括購入・分割払い・カーリースなど、さまざまな選択肢があります。実際にはどれが最も便利な方法か、悩みどころです。
この記事では、カーリースが現金一括購入やローンでの購入と比較すると経費計上や節税面でおすすめの方法であることを取り上げます。
さらに記事の最後に個人事業主でも利用できるカーリースサービスを紹介します。この記事を読めば個人事業主でも仕事で車をお得に所有する方法が見つかるでしょう。
このページの目次
個人事業主が事業のために新車の所有を検討するとき、選択肢としては次の3つがあります。
経費計上・節税面で、この3つの方法のうちどれが一番おすすめかを説明します。
事業に必要な車を一括購入した場合は、固定資産となります。個人事業主の場合、新車であれば法定耐用年数の6年の間で減価償却しなければなりません。
たとえば、150万円の車を一括購入したとすると、その年に150万円全額経費にすることはできません。25万円ずつ6年間かけて減価償却します。
しかしカーリースを利用すれば減価償却の煩わしい会計処理はいりません。
車の一括購入はまとまった現金が必要という点もあります。資金をできれば事業運営に回したい個人事業主にとって、高額の自動車購入費は場合によっては痛手となります。
ローンを組んで車を購入するという選択肢もあります。しかしローンでは借入金の元金は経費の対象となりません。支払利息のみが経費として計上できます。これは節税面ではデメリットになります。
事業用の車をカーリースするならば、毎月のリース料を全額経費として計上できます。
車の所有者は個人事業主ではなく、リース会社なので煩わしい減価償却も必要ありません。
さらに事業で使用する車を購入した場合、経費として以下の項目を計上します。
車を購入した場合はこれらの領収書を保管し、経費として計上しなければなりません。
しかし、カーリスの場合、一般的なプランではリース料に車検・税金・自賠責保険・メンテナンスの費用が含まれているので、こうした費用を経費として処理する手間が省けます。リース料も定額なので計算するのも難しくありません。
経費処理がもっともシンプルに行えるのがカーリースです。
個人事業主がカーリースを利用するメリットは経費計上・節税面だけではありません。他にもたくさんのメリットがあります。
次に個人事業主がカーリースを利用する他のメリットを紹介します。
ローンで車を購入する場合には頭金が必要です。しかしカーリースでは頭金を用意する必要はありません。
まとまった金額を用意する必要がないというのは個人事業主にとって大きなメリットです。
カーリースでは車検・税金・メンテナンスの費用もリース料に含まれています。車を購入した場合、車検が切れる前に一定額の費用を用意しなければなりません。
カーリースならば定額のリース料を支払うだけなので、車検や税金の費用を心配する必要はありません。
プランによっては、リース会社が点検のタイミングなども知らせてくれる、部品交換をしてくれるというものがあります。
メンテナンスされた状態で車を使えるというのも大きなメリットです。
カーリースサービスの中には契約期間満了後に、車の所有権を自分に移せるというプランを提供しているところがあります。
これまで乗ってきた車なので、車の状態や性能を理解し納得した上で購入できるというメリットがあります。
こうしたプランには、所有権を移譲するときに残価を支払う場合と、支払わない場合の2つがあります。将来的にリースしている車を購入する意思があるなら、自分のプランの内容を確認しましょう。
残価の話はデメリットの部分でも取り上げるので、ここで簡単にその意味を説明します。
残価とは残存価格のことです。リース契約期間満了後にどれくらいの価値があるかをあらかじめ設定し、それを車両価格から引いたものが残価となります。
たとえば150万円の車を5年リースで契約するとします。5年後の残価つまり予想下取り価格は20万円です。残りは130万円です。
残価設定ありのリース契約では残りの130万円をもとにして毎月のリース料を計算します。
これは、本来購入するならば、150万円の新車を130万円で乗れるということですから、これもメリットのひとつになります。
個人事業主がカーリースを利用するメリットを紹介しました。しかし把握しておくべきデメリットもあります。次にその点について紹介します。
カーリース会社は借主に代わり車を購入し、リース年数をもとに毎月のリース料金を設定します。借主の中途解約はカーリース会社に大きな損害となります。それでカーリースでは基本的に中途解約を認めていません。
事故で車が全損した場合は、リース契約は強制的に解約されます。そのときには、未払いのリース料や残価をまとめて支払わなければならないので、多額の費用が発生します。
こうしたリスクを避けるために、カーリースを利用する場合でも、任意保険に加入することが大切です。
カーリースではリース期間中に走行できる距離があらかじめ設定されているのが一般的です。
事業用にカーリースを利用する場合は毎月の走行距離がどれくらいになるかを前もって考え、適切な距離を設定して契約するようにしましょう。
カーリースの契約満了後には、車を返却して解約・残価を支払って買取・同じ車に乗り続ける・次の新しい車に乗り換えるという選択肢があります。
返却時には車の価値を査定しますが、ケースによってはあらかじめ設定した残価設定がデメリットとなる場合があります。なぜなら利用者は残価と下取り価格の差額を精算する必要があるからです。
たとえば、契約時に設定した走行距離をオーバーしている場合、査定額は下がります。車に傷や凹みがある場合、内装が汚れている場合なども同じです。
残価設定が20万円だった車が、返却時の査定で下取り可価格5万円となるならば、差額の15万円を利用者が負担しなければなりません。
「1万円リース」という広告を見るとお得に感じるかもしれませんが、実際は残価設定がとても高いという場合があります。
そうしたプランで契約した場合、毎月のリース料は抑えられますが、返却して解約するときに、残価と下取り価格の差額が大きくなり、たくさんの金額を支払うことになる可能性があります。
カーリースを選ぶときは、リース料の安さだけでなく、残価設定をしっかり確認しましょう。
リース契約終了時に車を買い取る場合は、総支払額が現金一括購入やローンでの購入よりも高くなるといわれています。その理由はカーリースにはカーローンよりも金利がかかる分野が多いからです。
カーリースでは以下の分野で金利がかかります。
ローンで車を購入した場合は、車両価格と新規登録のための費用以外には金利はかかりません。
このように金利がかかる分野はカーリースの方が圧倒的に多いです。それで契約終了時に車を買い取る場合は、コストが一括購入やローンでの購入よりも高くなります。
最後に個人事業主におすすめのカーリースサービスを3つ紹介します。
KINTOはトヨタの車サブスクリプションサービスです。
契約期間が終わると次の新車にまた乗れるというのがメリットです。常に新しい車に乗ってるので取引先などにも良い印象を与えることができるでしょう。
安心して車に乗りたいという方におすすめのサービスです。
車を国産全メーカーの全車種から選べるということで人気のカーリースサービスがカーコンカーリースです。
毎月の支払額を自由に設計できるサービスは、個人事業主にとってとてもありがたい部分です。
定額ニコノリパックというお得なプランで話題なのがニコニコマイカーリスです。定額ニコノリパックでは、お客様に残価精算のリスクを負わせないクローズドエンドと呼べれる契約形態をおすすめしています。
一般的なクローズドエンド契約ではリース期間満了後に車の買取はできません。しかし定額ニコノリパックでは、リース終了後も延長・買取・終了・乗り換えを残価精算の心配なしで選ぶことができます。
個人事業主がカーリースを利用すると、毎月のリース料が全額経費として計上できるので節税になります。また一定額を毎月支払うだけなので、車を購入した場合と比較すると経理上の処理も簡単です。
また購入と比較すると購入費用や頭金などのまとまったお金が不要、メンテンナス代もコミコミならばいつも快適な状態で車に乗れるなどのメリットもありました。
走行距離が設定されており、それ以上の距離を走ると契約終了後に査定額が下がり、残価と下取り価格の差額を精算しなければならない場合もあります。
走行距離や残価の設定などをきちんと確認して事業内容や利用目的に応じた車種やプランを選ぶようにしましょう。
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