カーリースは車購入・ローンよりも得なのか?メリットや注意点を解説

カーリースは車購入・ローンよりも得なのか?メリットや注意点を解説

記事更新日: 2024/05/29

執筆: 編集部

最近はカーリースと呼ばれるサービスが幅広く利用されるようになっています。皆さんもサービスの名前ぐらいは聞いたことがあることでしょう。

ただ、知っているのは名前だけでありサービスの内容は理解できていない人も多いはずです。レンタカーやカーシェアリングと混合して理解してる人もいるくらいです。

今回はカーリースとはどのようなサービスであるのかご説明します。

カーリースとは?利用の仕方は?

カーリースとは言われても具体的にはどのようなサービスなのかイメージできないことでしょう。名前を聞いたことがあるだけであり、どのように利用すれば良いのか把握できていない人も多いはずです。

まずはカーリースの概要や利用の仕方についてご説明をします。

カーリースとはどのようなサービスか

カーリースとは業者が自分のために購入した自動車を使用料金を支払って借りる(リースする)サービスのことです。

自分で自動車を購入するのではなく、自動車を購入するのはカーリースを提供する会社です。そのため自動車の保有者はカーリースを提供する会社となり、お金を支払い利用する私たちは使用者と呼ばれます。自動車を中長期的に借りるサービスであると考えておきましょう。

レンタカーやカーシェアリングとの違い

カーリースはレンタカーやカーシェアリングと比較されることが多々あります。混合されていることもあるぐらいですが、これらは大きく異なるサービスです。違いを簡単にまとめると以下のとおりです。

ここでご紹介している観点以外にもそれぞれ異なる部分は存在します。ただ、全てをご紹介するのは現実的ではありません。最低限ここでご紹介している観点について差があることを記載しておきましょう。

カーリースの仕組み

カーリースは自動車のサブスクリプションサービスであると考えられます。

自動車を購入して利用するのではなく、利用したい期間だけ費用を支払って利用するのです。ただ、レンタカーと異なるのは自分の好きな車を選択できるということです。

また、カーリースで注目したい料金は、購入時に残価を設定して自動車を購入する仕組みが採用されています。

残価設定と呼ばれる購入方法であり、残価とは「契約期間が終了した段階での価値」を指します。つまり、契約期間が終了したときに下取りしてもらう価格を事前に決めておくということです。

事前に残価が設定されていますので、カーリースの利用者は残価以外の金額を契約期間で割って支払いします。

例えば300万円の自動車を残価60万円で60ヶ月利用するのであれば、「(300万円-60万円) / 60ヶ月 = 4万円/月」の支払いをする仕組みです。なお、契約によっては残価が設定されない仕組みが適用されることもあります。

カーリースの料金に含まれるもの・含まれないもの

カーリースの料金には含まれるものと含まれないものがあります。

料金を支払っていれば他に何も支払いが発生しないわけではありません。料金に含まれているものと含まれていないものをまとめると以下の通りです。

含まれているもの

  • 車両代金
  • 環境性能割
  • 自動車税/自動車重量税
  • 自賠責保険料
  • 各種手数料

自動車購入するにあたり初期費用と言われるようなものは基本的に含まれています。各種税金なども含まれていますので、個別に税金を支払う手間は発生しません。

また、自賠責保険の費用も含まれています。こちらも個別に支払いをするとなると手間がかかるのですが、支払い料金に含まれていますので心配はありません。

含まれていないもの

  • 次回車検料
  • 消耗品の交換費用
  • 燃料費/駐車場代
  • ロードサービス/任意保険費用

基本的に初期費用以外の支払いは含まれていません。例えば車検に必要な費用などは含まれていないのです。また、ガソリン代や駐車場の料金も含まれていません。

切り分けとしては、初回に費用が明確なものは含まれていると考えて良いでしょう。それに対して車検代やガソリン代、駐車場代など利用者によって費用が左右されるものは含まれていません。

なお、ここで紹介したお金がすべてではありません。これ以外にも何かしらの出費が発生する可能性はあります。ただ、少なくともこれらのお金は分類ができますので、正しく理解しておきましょう。

カーリースの利用方法

カーリースの利用法は契約する業者によって少々異なります。ただ、大きく異なるわけではありませんので、代表的な利用方法の流れをご紹介します。

1. 車やプランを選んで支払いの見積もりを受け取る

2. 内容に納得すればカーリース利用のための審査を受ける

3. 審査通過の連絡を受ければ契約を進める

4. 契約が完了後にディーラーから納車される

カーリースを利用するのであれば、まずは車種やプランを選ばなくてはなりません。業者によって提供されているサービスの内容が異なりますので、自分の条件に合うものを探さなければなりません。なお、自動車は国産車であればほぼ全て対応しています。

納得する内容を提供する業者が見つかれば、カーリースを利用するための審査に申し込みしましょう。審査に通過しなければ利用できないサービスですので、まずは申し込みをしてみなければなりません。業者によって期間は下がるものの、一週間程度で結果が出るようになっています。

無事に審査に通過できていればカーリースの契約手続きに進みます。細かな契約内容などが説明されますので、後になってトラブルにならないように担当者の説明をよく聞きましょう。

契約手続きが完了すれば後は納車を待つだけです。納車はそれぞれのブランドのディーラーからされますので、ディーラーとタイミングについて相談をしなければなりません。

カーリースの一般的な利用料金

カーリースを利用するとどの程度の利用料金が必要なのでしょうか。カーリースの提供する大手企業の一般的な利用料金をご紹介します。

なお、リースする車種によって利用料金が大きく異なることは言うまでもありません。ここでは人気の車種でもあるスズキのワゴンRを例にご紹介します。

コスモMyカーリース

公式サイト https://www.cosmo-mycar.com/
スズキ ワゴンR 28,710円~/月 (60ヶ月)

コスモが提供するカーリースのサービスです。ガソリンスタンドのイメージが強いですが、自動車に関するサービスを総合的に提供しています。

こちらの料金であればメンテナンス費用も含まれていて、コスモなどでメンテナンスが受けられるメリットがあります。

ORIXカーリース・オンライン

公式サイト https://www.carlease-online.jp/
スズキ ワゴンR 24,640円~/月 (84ヶ月)

ORIXはレンタカーのイメージが強いのですが、カーリースにも乗り出しています。

こちらは契約期間が長いことが特徴であり、結果として毎月の支払い金額を抑えられるようになっています。とにかく費用を抑えたいのであれば検討の余地があります。

ニコニコマイカーリース

公式サイト https://www.niconori.jp/
スズキ ワゴンR 23,430円~/月 (60ヶ月) 

ここでご紹介しているカーリース業者の中では特に低価格で提供されています。

ただ、注意しなければならないのは、標準ではメンテナンスが用意されていないことです。最低限の諸費用だけが含まれているプランであることから低価格に設定されています。

追加でメンテナンスを付与すると2,000円~3,000円の追加料金が必要です。

定額カルモくん

公式サイト https://www.niconori.jp/
スズキ ワゴンR 16,500円~/月 (132ヶ月) 

業界唯一の最長11年契約が可能で、その分毎月の定額費用が安く抑えられます。

注意しなければならないのは、ニコニコマイカーリース同様、標準ではメンテナンスが用意されていません。別途費用は必要となりますが、月額定額のメンテナンスプランに加入することができます。

追加でメンテナンスを付与すると3,340~7,480円の追加料金が必要です。

車を買うvs借りる どちらが得か!?

車を購入するのと借りるのとではどちらがお得なのでしょうか。カーリースを利用するにあたりこの点を気にしている人は多いことでしょう。以下では3つの観点に注目して、どちらがお得であるのかを比較していきます。

初期費用

初期費用の代表的なものは車両の購入費用です。

購入とカーリースを比較した場合、車を購入するときに頭金を用意するケースと比べると、頭金が必要ないカーリースの方が費用はかかりません

頭金を用意せずフルローンを組む場合でも、購入の場合は税金や登録にかかる諸費用がかかります。

金額が安い中古車でのフルローンは現実的ですが、新車で高額なものをフルローンというのは、毎月の支払い額が大きくなりますし、ローンの審査も通りにくくなるので、頭金を用意して購入するのが一般的となっています。

そのため初期費用に関してはカーリースの方がかかりません。

維持費用

維持費用とは、車を維持していくために必要な費用です。一般的には、2~3年おきに必要となる車検代、自動車税などの税金、ガソリン代や駐車場代、そしてメンテナンス費用や部品の交換代です。

購入とカーリースを比較した場合、維持費用の金額自体はかわりませんが、それぞれ支払いのタイミングが異なってきます

購入は、ほぼ一定額の支払いで済むのはガソリン代や駐車場代のみで、そのほかの車検代や税金など大きくまとまった金額を支払う必要があるため積み立てや貯金をするなど用意しておかないとなりません。

一方、カーリースは各社の契約内容にもよりますが、車検代や税金などが含まれている契約の場合は、維持費用の支払い額は一定となります。

特に差が出るのは、メンテナンス費用の部分です。

カーリースのプランによってはメンテナンス費用が最初から含まれていることがあります。このようなプランを契約している場合、メンテナンスの費用をあまり気にする必要がありません。

自分で購入している場合は、メンテナンスで思わぬ費用が必要となることがあります。そのような可能性を踏まえると、メンテナンス込みのプランで契約したカーリースを利用した方がお得です。

カーリースのメリット

上記ではカーリースの概要についてのご説明をしました。カーリースはどのように利用するものであり、どの程度費用面でお得になるのかを理解していただけたことでしょう。

ここから更に重要となることは、カーリースを利用するとどのようなメリットがあるのかということでしょう。

ここではカーリースを利用する場合のメリットについてご説明します。

新車に乗れる

気軽に新車に乗れることがメリットです。

カーリースを利用しなければ気軽に新車に乗ることは難しいでしょう。大きな出費が必要となりますので、中古車で妥協してしまう人も多いはずです。

しかし、カーリースを利用すれば新車でも少額の支払いで保有できます。新車を保有するというハードルが大きく下がる点がメリットです。

しかも、多くの業者が国産車であれば大半に対応しています。幅広い選択肢が取れるという点もメリットのひとつです。

毎月の支払いが安定しやすい

カーリースの特徴は支払金額が毎月一定になりやすいということです。

手数料ならの都合で多少差が出ることもありますが、基本的には契約した段階で支払金額が決まっています。毎月一定の支払いをする仕組みですので、どの程度の支払いをしなければならないのか計画しやすい点がメリットです。

なお、契約によってはボーナス払いをしなければならないこともあります。

これは毎月の支払いに加えてボーナスが支給されるタイミングで支払いをするものです。

この時は毎月一定の支払いとはなりませんので、ボーナス払いがあるかどうかについては確認をしておいた方が良いでしょう。

メンテナンスも含めた契約にできる

カーリースはメンテナンスも含めた契約ができるようになっています。契約の範囲内であれば適切なメンテナンスが受けられますので、常に良い状態で自動車が利用できることもメリットです。

自分で自動車を購入してる場合、メンテナンスの費用は自己負担しなければなりません。場合によっては高額な支払いとなってしまいます。予想外の請求が来て困ってしまうようなケースもあるぐらいです。

カーリースであればそのようなことが発生しづらく、安心してメンテナンスも依頼できる点がメリットです。

カーリースのデメリット

カーリースにはデメリットもあります。利用の前にデメリットについても理解していきましょう。

事前に走行距離の見積もりをしなければならない

事前に年間の航行距離を見積もりしておかなければならないことがデメリットです。この見積もりは契約時にプランを選択するにあたり必須の情報です。

カーリースは走行距離に制限があります。事前に契約した距離を超えてしまう場合、追加で料金が発生してしまう仕組みです。超過した距離に対する課金額は長距離のプランを契約する場合よりも割高です。つまり最初から適切な距離を見積もって契約をしなければ損をする可能性があります。

ただ、年間の走行距離で見積もりをすることが大半です。年に1回帰省をする予定であれば、1ヶ月あたり利用する距離にその距離を加えたプランを選択すれば良い仕組みです。

リース契約であるため途中解約はできない

レンタリースはその名の通り業者とリース契約を結ぶものです。リース契約ですので一定期間確実にレンタルをすることが求められています。言い換えると一定期間内に解約することは認められていないというデメリットがあります。

場合によってはカーリース契約を途中で解約したい事があるでしょう。しかし基本的にこれは認められておらず、解約するとなると違約金が発生してしまいます。違約金が発生するとカーリースのメリットが全くなくなってしまい、単に高額な支払いをするだけとなってしまいます。

リース契約である以上途中解約できないことはやむを得ないと考えられます。ただ、この点は大きなデメリットですので、契約する前によく理解しておかなければなりません。

事故や傷などで評価額が下がる可能性がある

カーリースは残価が設定されていることが特徴の契約です。事前に残価算定されていますので、基本的には満期の際にこちらの残価で精算されます。ただ、これが下がってしまう可能性があるデメリットもあります。

例えば、事故を起こしていたり傷をつけたりしていると評価額が下がってしまいます。また、何かしらにちょっとぶつけただけで凹みがあると、それも査定を下げる要因となってしまいます。

元々設定していた残価よりも低い算定となってしまうと差額を自己負担しなければなりません

カーリースで支払いをしていた金額の他に、改めて差額を支払わなければならなくなるのです。全員が該当するわけではありませんが、査定額が下がらないような乗り方をしなければなりませんし、それでも下がった場合には自己負担が発生する点がデメリットです。

まとめ

カーリースは自動車のサブスクリプションと考えられるサービスです。必要な期間だけ料金を支払いして、新車をレンタルするサービスであると考えてよいでしょう。

ただ、レンタカーやカーシェアとは大きく異なるサービスです。所有者はカーリースを提供する会社にありますが、実質的には自分で自動車を購入したのと同じような利用ができます。

自由にカスタマイズできないなどの制約もありますが、毎月一定の支払いのサブスクリプションで新車が楽しめるなどのメリットがありおすすめです。

画像出典元:BURST

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