「ストレス耐性テスト」は、採用候補者の性格や価値観、能力を客観的に判断するために実施される適性検査の項目の一つです。
似た境遇でも感じるストレスは一人ひとり異なるため、適切な人材配置や業務の振り分けを行うためにも採用時にストレス耐性をチェックしておくことはとても重要です。
本記事では、「ストレス耐性テスト」で見極められる採用適性と、ストレスに強い人の特徴、適性検査サービスの選び方について詳しく解説します。
このページの目次
ストレス耐性とは、ストレスによる影響を最小限に抑え、冷静に対処できる能力を指します。
適性検査では、受検者の性格や過去の経験、価値観などから「普段からストレスを感じやすいタイプ」か「気持ちの切り替えができるタイプか」などを測定できます。
入社後の配置や業務の割り振りに大きく影響するため、採用時にストレス耐性を把握しておくことが重要です。
採用時にストレス耐性を測るべき主な理由は、次の2つが挙げられます。
仕事のストレスによるメンタルの不調から、早期離職や休職を選択するケースが多くあります。
ストレス耐性は高いから良い、低いから悪いということではありませんが、そういった不安要素がないかを判断する指標になるのです。
せっかく採用した人材が辞めてしまうと、採用と育成にかかったコストが無駄になるだけでなく、新たな採用コストも発生してしまうため、その防止策として取り入れる企業が増えています。
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採用適性では以下の6つの要素が見極められるよう構成されています。
感知能力とは、ストレスに気づく能力のことです。
感知能力が低い人は、些細なことは気にしないおおらかな性格な人が多く、ストレス耐性が高い人といえます。
一方、感知能力が高い人はまじめで几帳面な人が多く、さまざまなことに敏感なため、ストレスを感じやすい傾向にあります。
性格による影響もありますが、どういったときにストレスを感じるか確認することで感知能力を見極められるでしょう。
ストレスの原因となる状況や場所、人などを避ける能力のことです。
ストレスに感じるような状況でも深刻にならずに、前向きな行動ができる人は回避能力が高いと言えます。
回避能力が高い人は、心身が安定しているケースが多く、ストレスを感じやすい環境でもうまく受け流せる人が多いと考えられています。
回避能力について見極めるには、ストレスを強く感じたときにどのような行動をするかを測ると良いでしょう。
プロジェクトの進捗が遅れている、急な仕様変更、トラブルの発生など、ストレスに直面したときに、具体的な解決策を考えて実行できる能力のことです。
処理能力が高い人は、問題解決力も優れているケースが多く、効率良く仕事をこなすことができます。
処理能力について見極めるには、トラブル発生時にどう受け入れて解決するかを確認すると良いでしょう。
ストレスの要因となる出来事が起きたときに、ポジティブな考えを持ち、ネガティブな感情から離れる能力を転換能力といいます。
転換能力が高いとされている人は、楽観的な性格や過去にストレスから立ち直った経験があると身につくとされています。
転換能力について見極めるには、ストレスを感じたときにどう発散しているか、休日の過ごし方など、気分転換の方法について確認するのがおすすめです。
過去のストレス経験も重要な要素です。
過去の経験で対処法を身に着けている場合、似たような状況に陥ってもうまく対応できるケースが多くあります。
しかし、同じストレスにさらされることで、ネガティブな感情を抱えてしまう人もいるため、ストレス経験が多ければ良いというものではありません。
ストレス経験について見極めるには、過去にあった大きなストレスをどう解消したか、同じような状況になった場合どう感じるかを確認すると良いでしょう。
同じストレス源でも許容量は人によって異なります。
大きなストレスを抱えていてもパフォーマンスが維持できる人もいれば、わずかな変化で心身の不調を感じてしまう人もいます。
ストレスに対する容量は、個人の性格だけでなく、その時の環境や精神状態などの影響もあるため、明確なストレス許容量を測るのは困難といわれています。
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ここからはストレス耐性の高い人材の特徴を5つ深堀りしていきましょう。
ストレス耐性の高い人は、周囲とのコミュニケーションを大切にしている人が多く、トラブル発生時には迷わずに周りを頼れるのが特徴です。
一人で悩むよりも、周りに相談したほうがストレスの負担が少なく、さらに問題を解決できる可能性も高まります。
周りを頼ることで信頼関係を構築し、さらに協力が得られやすくなる環境を自ら作り出すことができるのです。
客観的に物事をとらえて行動できる人は、問題に対して何が原因だったのか分析する能力や、自身の感情のコントロールに長けています。
特に自分では対処できない外的要因に対して、感情的にならずに対応できるため、常に冷静な判断ができるタイプといえます。
仕事とプライベートの切り替えが上手な人は、休日にしっかりと気分転換を行い、心身を安定させられます。
また、突然のトラブルなどが起きても、ネガティブな感情にひっぱられることなくやるべきことに集中して行動に移すのも気持ちの切り替えが早い人の特徴です。
「失敗は成功のもと」「成長するチャンスだ」など、ストレスを感じやすい環境でもポジティブでいられる人は、ストレス耐性が高いといえます。
このような特徴を持っている人材は、トラブルが起こってもストレスの影響を受けにくく、前向きに問題解決に取り組める可能性が高いです。
また、チームの中にポジティブ思考な人がいると、周囲にも良い影響があるとされているため、仕事の生産性を高める効果も期待できます。
「なんとかなる」と楽観的に考えられる人は、ストレス耐性が高く、多少失敗してもネガティブな感情をひきずらない傾向があります。
楽観的に考えられる人は元々回避能力が高い人、もしくは過去の経験からストレスやトラブルを乗り越える対処法を身に着けた人であるといえるでしょう。
最後にストレス耐性適性検査サービスを選定するポイントを3つ紹介します。
ストレスを感じたときは、我慢したり逃げたりするのではなく、向き合って対処することがとても大切です。
「周りに相談する」「ストレス源に対する見方を変えてみる」など、具体的な行動傾向を測れるサービスを選ぶと良いでしょう。
基本的なストレス耐性は、前述した6つの要素で測ることができますが、それ以外に、最近大きなストレスがなかったかどうかを把握できることが重要です。
「直近でメンタル不調を起こしていないか」「前職を辞めるきっかけがメンタル不調ではないか」という部分を特に確認するようにしましょう。
ストレスが完全になくなることはないため、採用時だけでなく、入社後のフォローや育成にも活かせるツール・サポートがあるものを選ぶようにしましょう。
採用時からストレス状態の変化を記録できる機能や、受験結果を上司が活用できる機能などがあると、早期の対処が可能になります。
画像出典元:「TG-WEB」公式HP
「TG-WEB」の『コーピング適性検査G9』は、入社後の“ストレス耐性”を測れる適性検査です。
我慢強さではなくストレスにどのような対処を行うか、回復する力を持っているかを測定できます。
キャリア採用者に対しては、前職でどんなストレスを感じていたかを測れるため、入社後にギャップが生まれないかを測る項目も含まれています。
人事用の結果アウトプットのほか、「受検者本人向けフィードバックシート」や、配属先上司向けの「育成用分析レポート」も用意されているため、採用~人材育成にも幅広く活用できます。
TG-WEBを活用すれば、受検者がどんな部分にストレスを感じるかが詳細に分析できるので、入社前後で適切なフォローを実施しやすくなるでしょう。
基本プラン | |
初期費用 | 30,000円 |
受検料 | 2,000円/件 |
(税表記なし)
実施件数に応じた割引プランもあります。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「アドバンテッジ インサイト」公式HP
「アドバンテッジ インサイト」は、潜在的なストレス耐性と受検者が現在感じているストレス状態を測定できます。
ストレスへの強さをさまざまな観点から17項目測定し、ストレスを強める特性がないか、ストレスへの対処や緩和する方法を身に着けているかを見極めます。
また、現在の落ち込みやイライラなど、ネガティブなストレス反応がないかも測定できるため、ストレスを軽減するためのフォローや環境作りに役立てられるのも特徴です。
ストレスマネジメント向上研修や指導力向上研修など、ストレス耐性チェック後のフォローアップもサポートしてくれるので、社内のメンター教育に力を入れたい企業に向いています。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「TAL」公式HP
「TAL」は、図形アイコンを使った独自の検査方法が特徴の適性検査サービスです。
質問の意図が見抜きにくいため、自分をよく見せようとする作為的な回答を防ぎ、受検者本来の特性を可視化できます。
潜在的な特性を分析し、生育歴などを聞かなくても価値観やストレス耐性、コンプライアンス傾向が把握できるため、トラブルリスクの低い人材を見極められます。
約20分と短時間なので、受検者の負担も少なく、英語やベトナム語版も用意されているので、グローバル人材の採用時にも活用できるでしょう。
基本プラン | |
初期費用 | 10,000円 |
月額費用 | 3,500円/人 |
オプション |
英語版:3,000円/人 |
(税別)
画像出典元:「ミキワメ」公式HP
「ミキワメ」は、自社で活躍している社員の性格や特徴を可視化し、受検者の採用おすすめ度や懸念点が測定できる適性検査です。
測定した従業員の性格基準を自社の社風として設定できるため、採用基準がバラバラになるのを防ぎます。
自社で活躍できるポテンシャルのある人材をS〜Eの14段階に分類し、個人の特性や相性の良い部署を把握します。
ストレス耐性の項目は、性格検査を実施した受検者のみ確認できるため、内定前チェックなどで実施しておくと良いでしょう。
基本プラン | |
初期費用 | 要問合せ |
システム利用料金 | 44,000円〜/月 |
利用料金 | 550円/人 |
(税込)
画像出典元:「スカウター」公式HP
「スカウター」は、受検者のなかから適性のない人材を見極める適性検査サービスです。
一般的な適性検査では受検者の採用適性をチェックしますが、スカウターはストレス耐性やネガティブ傾向を測定して、労働への不適性傾向がないか分析します。
ストレスへの感知能力や対処スキル、潜在的なストレス特性を詳しく測定できるため、社内に定着しやすい人材か見極められるでしょう。
優秀な人材よりも、自社に定着し、長く安定したパフォーマンスを発揮してくれる人材を見極めたい企業におすすめです。
標準プラン | プライムプラン | |
初期費用 | 無料 | |
年額費用 | 無料 | 25,660円 |
検査費用 | ・能力検査 0円/人 ・資質検査 864円/人 ・精神分析 540円/人 ・定着検査 540円/人 |
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マークシート費用 | 648円/枚 ※最低購入枚数15枚〜 |
(リバースチャージ方式)
適性検査サービスを比較検討したい方はこちら
ストレス耐性テストは、採用適性のある人材を見極めるために重要なテストです。
自社で活躍できる優秀な人材か見極め、同時に社風に馴染む適性があるかを把握できます。
採用適性のある人材を採用するためにも、採用時にストレス耐性テストを活用してみてはいかがでしょうか。
画像出典元:写真AC