データマイニングとは?活用事例とおすすめのサービスを徹底解説!

データマイニングとは?活用事例とおすすめのサービスを徹底解説!

記事更新日: 2024/05/29

執筆: 編集部

最近耳にする機会が増えたデータマイニングという言葉ですが、マーケティングの手法のひとつと言うことは知っていても、具体的に何をどうすることなのかを説明するのは難しいです。

この記事では、データマイニングの意味をまず説明し、データマイニングで何が出来るのか、データマイニングの活用法、データマイニングの方法などを解説します。

この記事を自社にデータマイニングを取り入れる際の参考にしてください。

データマイニングとは?

データマーケティングとはマーケティング手法のひとつです。

データマイニング(Data mining)という言葉に表されているように、膨大なデータの中から潜在的な顧客のニーズなど役立つ情報や知識を採掘(マイニング)することです。

膨大なデータに対し統計学や機械学習(コンピューターが学習すること)などのデータ解析技術を適用し、潜在的な傾向、法則性などを見つけ出します。

データマイニングのメリット

大量のデータを解析し、ビジネスに役立つような情報を知るのがデータマイニングですが、その情報を使うことで次のようなメリットが得られます。

1. 販売促進に活用

データマイニングにより「どこでどの商品がどれくらい売れているか」「この商品とこの商品は一緒に買われている」「雨の日には○○がよく売れる」などの情報が得られます。

得た情報に基づいて一緒に買われている商品を並べて陳列する、特定の日に売れる商品があればその商品の在庫を増やすなどの対策を講じれます。

データマイニングは販売促進のために使えるというメリットがあります。

2. 品質の向上

機械メーカーなどは故障についてのデータをマイニングすることで、「どんな条件で故障が起きやすいか」などを把握できます。

製造業でも「どんな条件で不良品がでるか」といったことを分析できます。

こうして得た情報を活用し、故障する確率や不良品が出る確率を減らすことができます。

データマイニングは製品の品質向上にも活かせるというメリットがあります。

3. 効果的な顧客管理

データマイニングは顧客データの解析にも使えます。

例えば、「この顧客はどんな商品を購入したか」「離反しかけている顧客や優良顧客の特徴」「顧客を分類化し、その分類にはどの商品をおすすめできるか」などを知ることができます。

こうした知見を活用し、顧客の離反を防止したり、優良顧客を育てる、顧客満足度を高めるなど効果的な顧客管理にデータマイニングを活用できます。

データマイニングの業界ごとの活用事例

データマイニングとは何か、データマイニングのメリットを説明しました。

次に、データマイニングを様々な業界や企業がどのように活用しているのか説明します。

1. 小売業

顧客データベースをデータマイニングすることにより、顧客満足度を向上させる、キャンペーンを最適化する、販売予測の精度を高めるといった目的を達成するために役立つ情報を入手できます。

これによりターゲットをより絞り込んだキャンペーンを展開する、特定の顧客に対して訴求効果のある商品やサービスを紹介するといったことが行えます。

2. 銀行

金融機関も莫大な顧客データを持っています。さらに数十億件のトランザクション(取引)に関するデータも持っています。

それらのデータをマイニングすることで、市場リスクの的確な把握、不正検知の迅速化、融資先が債務不履行する確率の予測、ローンや投資信託など金融商品の購買パターンに基づく販売促進、既存顧客の解約などによる離反予測とその対策などが可能になります。

3. 製造業

製造業でもデータマイニングを活用することで、生産設備の老朽化や保守の時期を予測できます。そうすることで稼働時間の最大化や効率化が可能になります。

4. 教育

生徒のデータをマイニングすることで、教師や講師は生徒の成績を予測することができ、学習過程の内容を最適化し、その生徒が成績を伸ばせるような指導戦略を練ることに活用できます。

さらにデータから注意を必要とする生徒の特徴などを分析することで、特別に注意が必要な生徒やグループを特定したりすることにも活用できます。

5. 医療

医療分野でもデータマイニングが活用されています。

例えばゲノム解析により、これまでは1種類の白血病と考えられていたものが、治療可能なものと治療が難しいものに分類できるようになりました。

将来的にはこうしたゲノム解析データと日常の診療データをマッチングさせることが期待されています。

他にも、日本麻酔科学科では、日本で麻酔科医が手掛けた麻酔の症例データを蓄積しています。2014年の時点でデータベースには300万件以上のデータがあります。

これらのデータを分析し得た知見を患者個人に還元することが可能です。

例を挙げれば、「妊婦で健康な人が帝王切開を受けた場合」という条件で絞っていくと、患者数が8,839人いて、これまでに死亡例がないという結果が出ます。

状況が同じ患者にこうした結果を提示することで、より安心して手術を受けることができるようになります。

データマイニングを行なう方法

データマイニングで商品の管理、品質の管理、顧客の管理などが効果的に行えるようになります。

その活用範囲はマーケティング以外の分野にも広がっており、様々な業界・企業で用いられるようになっています。

次にデータマイニングの方法、データマイニングで使われる解析方法を説明します。

データマイニングの代表的な方法には、「機械学習」と「統計分析」があります。

機械学習


機械学習を簡単に説明すると、コンピューターやAIに学習させるということです。

人間が仮説を立てる必要がなく、膨大なデータの中からコンピューターが自分で学習しながら特定の傾向や反間関係などを見つけます。

それにより人がこれまで気付かなかった法則や分類が見つかる場合があります。

その新しい法則や分類を、マーケティングや業務にフィードバックし、これまで見過ごされてきた潜在顧客を見出したり、これまでの業務フローを改善するために使えます。

統計分析


統計分析は統計学や確率論を活用したデータマイニングです。

統計分析では、事前に仮説をたて、必要なデータを集め、検証課題に合わせた分析方法を用いて分析します。

統計分析のひとつに「推測統計」があります。

例えば、特定の地域で実施したアンケート調査で「商品Aが商品Bより人気がある」というデータが得られたとします。

これを利用することにより、「全国的にも商品Aが商品Bより人気がある」と推測することができます。

統計分析には統計学を専門とする専門家が必要となりますが、データマイニングツールなどを使えば専門知識の不足を補うことができます。

データマイニングで使われる解析方法

データマイニングの代表的な手法を2つ紹介しました。

次にデータマイニングで使われる主な解析方法を3つ紹介します。

1. クラスター分析

データから似たような行動・特徴を持つ人をグループ化し、そのグループごとに分割します。分割された各グループは、クラスタと呼ばれます。

小売業などの場合、顧客を年齢・性別・職業・購入履歴・ニーズなどでグループに分け、顧客セグメントを作り、そのセグメントに対し訴求効果のあるキャンペーンを展開したリ、商品やサービスを紹介したりできます。

2. ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は発生確率を予測するものです。

例えば、顧客データからキャンペーン後に商品を購入してくれる確率が予測できます。

そうした予測結果をもとにマーケティング施策の改善などができます。

3. マーケット・バスケット分析

POSデータやECサイトのトランザクションデータなどを分析し、「一緒に買われる商品」の組み合わせを発見するデータ分析です。

「ホームセンターでペンキを購入する人の8割がローラーを購入する」「食料品店でトルティーヤチップスを購入する人の8割が瓶入りサルサソースを購入する」などの事例があります。

分析結果は、店舗のレイアウトや陳列の改善、特売品の選定、商品の仕入れ具合などを考える参考になります。

データマイニングのメリットを活用する!

データマイニングの方法を解説しました。データマイニングで商品管理や顧客管理、販売促進などの面で企業経営に役立つ情報を獲得できます。

そうしたデータマイニングを活用するためにはデータ入力が必要であったり、統計学の専門知識が必要であったりします。

しかし、データマイニングツールを活用すれば、簡単にデータマイニングを行うことができ、経営戦略立案に役立つ情報を得ることができるでしょう。

おすすめのデータマイニングツール4選

データマイニングツールはデータの抽出から分析までを半自動化で行なってくれます。

統計学の専門知識がなくてもデータマイニングが行えます。

クラウドサービスで提供されるツールもあるので、導入コストも抑えることができ、中小企業にもおすすめです。

1. MOTIONBOARD


専門的で複雑なプログラミング知識を必要としなくても使いこなすことができ、操作性も抜群と評判なのが「MOTIONBOARD」です

利用料金(クラウドサービス) 月額30,000円~
おすすめポイント

・直感的に操作できる
・多角的・高度な分析をノンプログラミングで行なえる
・集計データを様々なチャート(グラフ)で見やすく表示
・多角的な分析と見やすい表示で、仮説の検証や原因の特定がすぐに行なえる

 

2. TEXTVOICE


社内の声、お客様の声、世の中の声といったデータを集計しデータマイニングできるのが「TEXTVOICE」です。

初期費用 200,000円
テキストボイス 100,000円
テキストボイス 130,000円
おすすめポイント

・専門的知識が必要なくその日から使える
・類義語辞書の自動作成を実現したことで効率的にテキストからの新発見ができる
・最大6語までの言葉の組み合わせで分析できるのでより詳細にテキストの意味が把握できる

 

3. CustomerRings


「CustomerRings」は顧客分析・商品分析・RFM分析・LTV分析などのデータ分析機能を備えたツールです。

顧客管理を効果的に行うことができるデータマイニングの機能を兼ね備えた分析型マーケティングオートメーションツールです。

ちなみにRFM分析とは、最終購入日からの経過日数・購買頻度・購買金額を、利用する企業が設定したしきい値(動作が変わる値)に基づきランク分けできるものです。分析結果は優良顧客の発見、顧客育成などに利用できます。

LTV分析は顧客の継続率を把握できるものです。分析結果は顧客の獲得施策、継続施策の改善などに役立ちます。

利用料金 月額98,000円~
おすすめポイント

・自由なセグメント作成
・基幹システム・ECカートなど様々なシステムと連携可能
・直感的な操作性
・充実したサポート体制

 

4. Visual Mining Studio


「Visual Mining Studio」はNTTデータが提供しているデータマイニングのためのソフトウェアです。

製造・マーケティング・情報サービス・医薬・金融・通信・建設・研究など様々な分野で導入されているソフトウェアです。

データマイニング初心者でもブラウザ上で簡単に操作できます。

ソフトウェア料金 230,000円
おすすめポイント

・データの欠損地の保管やフィルタリングなど分析前の処理ができる
・集計・分類分析・クラスタ分析・アソシエーション分析などのデータ分析機能

 

まとめ

データマイニングとは、顧客データや取引データなどの膨大なデータを機械学習などの方法で解析し、法則や潜在的な傾向を見つけ出すことでした。

新しい発見や導き出された仮説は、商品管理・顧客管理・販売促進などに役立たせることができました。

データマイニングは確かな経営戦略を立てるために役立つ情報源となるということです。

統計学等に関する専門知識がなくても、データマイニングツールを導入すれば、中小企業でもデータマイニングを活用できます。

この機会にデータマイニングの積極的な活用を検討されるのはいかがでしょうか。

画像出典元:pixabay

最新の記事

ページトップへ