チャットボットではお問い合わせ対応を自動化できますが、効果を実感できないケースもあります。
「運用が上手くいかない」「いらないのではないか?」など、悩んでいる方はいるでしょう。
本記事では、チャットボットはいらないと感じる原因と改善策をまとめました。
本当にチャットボットがいらないケースや導入で失敗しないためのポイント、面白い活用事例も紹介します。
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このページの目次
チャットボットは「チャット(会話)」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、自動会話プログラムのことを指します。
チャット上に入力された質問に対して、適切な回答を自動で返すことが可能です。
問い合わせ対応を自動化できるため、多くの企業のサービスサイトやECサイトで導入されています。
メールや電話での問い合わせ対応を削減し、人的コストを減らせるのがメリットです。
なぜチャットボットはいらないと感じるのか、具体的な原因を紹介します。
改善策とあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
自社の目的が、導入したチャットボットと合っていなかったケースです。
チャットボットはツールによって用途や機能が異なります。
問い合わせ対応やカスタマーサポートなど、特定の用途に特化したツールもあるので注意が必要です。
さらにチャットボットは以下の種類に分かれます。
シナリオ型 | フローチャートにそって選択肢を提示して回答につなげる |
辞書型 | 入力された質問文を解析して用意された辞書から回答を提示する |
AI型 | 質問文に対して学習した対話ログの中からAIが適切な回答を返す |
たとえば問い合わせの数が少ない場合はシナリオ型で十分ですが、多い場合は対応できない可能性があるでしょう。
さまざまな種類の問い合わせに対応する必要があるなら、辞書型もしくはAI型が適しています。
タイプや機能を十分に確認したうえで、目的を達成できるツールを選択してください。
NTTレゾナントが5月30日に発表した調査結果では、利用者の49.3%が不満を感じたことがあるとの回答が集まりました。
一番多かったのは「回答が的確ではない」という理由で、ユーザーの悩みが解決できていないケースが多いことがわかります。
チャットボットで悩みが解決しない場合、ユーザーはメールや電話などその他のお問い合わせを利用するでしょう。
電話やメールでのお問い合わせは減らず、ユーザーからの満足度も低下してしまいます。
必要な情報を確実に伝えられるように、わかりやすい回答を用意することが重要です。
わかりにくい部分や誤った情報がないかどうかチェックしてから、チャットボットに登録しましょう。
チャットボットがユーザーの問い合わせに対応するには、FAQの登録が必要です。
想定される質問と適切な回答が揃っていない場合、ユーザーは求めている情報を得られません。
ユーザーが必要とするFAQを網羅して、求めている情報を提供することが重要です。
十分なFAQを用意するためには、問い合わせ内容と回答のログが役立ちます。
電話やメール、ウェブフォームなどの問い合わせ履歴をチェックして、よくある質問をピックアップしましょう。
必要なFAQが揃っているかどうか、ユーザー目線で確認することが重要です。
AI型チャットボットの場合、学習データが不十分だと応答精度が低くなります。
正しい回答を返すことができないため、ユーザーにも使用してもらえません。
リリース前に十分な学習期間とテスト運用期間を設けることで、応答精度を高められます。
活用用途を絞り、最適化した情報を登録することが重要です。
リリース後は効果検証と学習を継続しておこない、応答の精度を高める必要があるでしょう。
一般的なAIチャットボットには、疑問が解決したかどうかユーザーが「はい」か「いいえ」で答える機能があります。
一般的な回答精度である80%を目安として、向上と維持を目指しましょう。
チャットボットを導入後、メンテナンスを怠ると情報が古くなってしまいます。
FAQの不足や応答の精度の低下によって、問い合わせに対応できなくなる可能性があるので注意が必要です。
定期的にメンテナンスを実施して精度をあげ、ユーザーの満足度を高めていくことが求められます。
一般的なメンテナンスの手順は以下の通りです。
シナリオ型や辞書型なら回答やFAQを、AI型であれば最新の学習データを追加しましょう。
メンテナンスを実施できる運用体制を整えたうえで、チャットボットを導入することが重要です。
なかにはチャットボットが本当にいらないケースがあります。
なぜいらないのか、具体的な理由を解説しましょう。
チャットボットはシナリオや学習データをもとに回答するため、複雑で専門性の高い質問への回答は不得意です。
シナリオで対応できなかったり、質問の内容が理解できず不適切な回答になったりする可能性があります。
専門性の高い問合せが多く適切な回答が返せないケースでは、チャットボットはいらないと判断してよいでしょう。
一方で、膨大なシナリオや学習データを登録することである程度の対応は可能ですが、多大なリソースがかかるので注意が必要です。
画面に表示できる情報にも限りがあるため、正確に伝わらない可能性があります。
チャットボットは、ユーザーごとに異なる対応をすることはできません。
たとえば購入商品に関する個別の問い合わせや、クレームへの対応は難しいでしょう。
人による柔軟な対応が多く求められる場合は、チャットボットはいらないケースが多いです。
有人チャットに切り替えられる機能を備えたチャットボットツールを活用すれば、ユーザーに個別で対応できます。
チャットボットで対応しきれなかった問い合わせがあれば、オペレーターに引き継ぐことが可能です。
ユーザーはあらためて電話やメールで問い合わせる必要がないため、離脱や満足度の低下を防げます。
ただし、オペレーターを用意する必要がある、営業時間外は有人対応ができないといったデメリットもあるため注意が必要です。
チャットボットを導入する際に、チェックしておきたいポイントをまとめました。
導入後に後悔しないための基礎知識として、ぜひ役立ててください。
誰がどのように使用するのか明確にしたうえで、適したチャットボットツールを選ぶことが重要です。
一般的には以下のような使用者や用途が考えられます。
たとえば社内外のFAQの代替として使用する場合は、シナリオ型や辞書型のチャットボットが適しています。
海外の顧客からの問い合わせに対応したいなら、多言語対応のチャットボットを選択しましょう。
使用する人と用途をふまえたうえで、適したタイプや必要な機能を明確にしてください。
チャットボット導入後は、問い合わせデータやログデータを分析して役立てましょう。
多くのチャットボットでは、データ分析機能やダッシュボード機能を備えています。
収集できる問い合わせデータやログデータは、以下の通りです。
たとえば満足度が低い質問があれば、内容を見直して精度を高めることが回答の最適化につながります。
質問が多いカテゴリや回答できなかった問い合わせがある場合は、FAQを追加すると効果的です。
問い合わせデータやログデータを分析して、チャットボットを改善していくことが求められるでしょう。
チャットボットを使用する現場のニーズを反映することで、スムーズな運用を実現できます。
たとえば多機能で操作が複雑なチャットボットだと、スタッフが使いこなせない可能性があるので注意が必要です。
ほかには有人チャットに切り替える件数が多く、現場の負担が減らないといったケースが考えられるでしょう。
導入後のメンテナンスに手間や時間がかかり、対応しきれない可能性もあります。
チャットボットを導入する前に、現場のニーズや導入後に考えられる課題を洗い出してください。
使いやすいチャットボットを選択し、運用体制を整えておくことで失敗を防止できます。
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問い合わせの自動化などに役立つチャットボットですが、それ以外にもさまざまな活用方法があります。
ユニークな活用事例を3つ紹介しましょう。
過保護のカホコの主人公「カホコ」をチャットボット化した事例です。
LINEの友だち登録をすることで、AIカホコと会話が楽しめます。
各回のドラマの放送内容とリンクしており、さらにユーザーとの会話を学習することで成長することが特徴。
登場人物と会話できることが話題を呼び、多くのユーザーが登録しました。
ドラマの宣伝にAI型のチャットボットを取り入れた、ユニークな事例です。
名探偵コナンの人気キャラクター「安室透」との会話をLINEで楽しめるサービスです。
劇場版アニメ「ゼロの執行人」の公開にあわせてサービスを提供。
キャラクター設定を忠実に再現することで、原作ファンを楽しませることに成功しました。
SNSでチャットボットとのやりとりを拡散するなど、認知度向上につながった事例です。
JR西日本やJR東日本では、チャットで忘れ物の問い合わせがおこなえるサービスを提供しています。
日時や場所、特徴などを詳細な情報をチャットに入力するだけでOK。
24時間いつでもパソコンやスマートフォンから問い合わせでき、該当する忘れ物がないか確認できます。
忘れ物に関する問い合わせの手間を削減して、スムーズな対応を実現できた実例です。
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チャットボットがいらないと感じる場合、さまざまな理由が考えられます。
自社の目的に合っていない、必要なFAQが揃っていないなど、原因を特定して改善することが重要です。
一方で専門性の高い問合せが多い、ユーザーごとの対応が必要など、本当にチャットボットがいらないケースがあるので確認しておきましょう。
失敗しないためのポイントも紹介したので、チャットボットの導入に役立ててください。
画像出典元:O-DAN
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