IT技術の進化にはプログラミング言語の存在が欠かせません。
しかしその種類は膨大なうえ、開発目的によって向き不向きがあります。
どれを専門にするかで、仕事数や年収にも大きな開きが出てきます。
とくに初心者にとっては、何を基準に選択すればよいか分からず、悩ましいところではないでしょうか。
そこで今回は、「初心者におすすめのプログラミング言語11選」をお届けします。
求人数が多いものや、年収の高い順のランキングも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
パソコンやスマホといったデジタル機器で利用するOSやソフトウェア、アプリなどは、すべてプログラミング言語によって作成されます。
よってデジタルの世界で何らかの開発に携わりたいなら、プログラミング言語の習得が必須となります。
将来性のある言語を習得すれば、それだけ就職先でやりがいのある仕事を任されると期待できるので、どの言語を選択するかは非常に重要です。
そこでまず、初心者向けにプログラミング言語をどのような基準で選べばよいかを解説しましょう。
プログラミング言語は、大きく「スクリプト言語」と「コンパイラ言語」の2種類に分けることができます。
スクリプト言語は、日常的に多用する文章に使われるような比較的簡単な文法でプログラムできるため、習得しやすいのが特徴です。
JavaScript、Ruby、Python、PHPなどがこれにあたります。
一方のコンパイラ言語は、実行の前に必ず機械語や中間言語にコンパイル(翻訳)する必要があります。よって学習には時間がかかりますが、CPUへの負荷が少なくて、実行速度が速いため大規模なシステムやソフトの開発に向いています。
JavaやC、C++といった歴史の長い王道の言語が多いです。
プログラミング言語によって開発できるものが違ってきます。
よって、どんなサービスを開発したいかという目的を決めて、それに見合ったプログラミング言語を選択する必要があるでしょう。
現在、人気や需要の高い開発というと上記の様なものが考えられます。
どの言語を習得すれば、どのような開発が可能かは後ほど詳述しますので参考にしてください。
現在、何らかのサービスの開発に活用されているプログラミング言語は、少なく見積もっても500以上あるといわれています。
長期にわたって人気がある汎用性の高いものもあれば、一過性で利用されなくなっていくものも数多く存在します。
それよりは、アプリ全般、AI関連、ゲームやブロックチェーンといった分野を開発できる言語を選ぶ方が、今後の需要がおおいに見込めるでしょう。
プログラミング言語を学ぶ上で注意しておかなければならないのは、難易度です。
あまり前面には語られないことがありますが、プログラミング言語の習得にあたっては、意外と途中で挫折してしまう人が少なくありません。
勉強を始めてみると思った以上に難しく、自信がなくなったり、嫌気がさしてしまったりするのです。
よって、時間をかけてしっかりとマスターする自信がない人は、難度の高いコンパイラ言語よりも、比較的習得しやすいスクリプト言語から始める方がよいかもしれません。
それではここから、初心者におすすめするプログラミング言語の特徴とメリットを紹介しましょう。
Pytonは、非常に学びやすいスクリプト言語のため、初心者にピッタリです。
汎用性が高く、Webサービスの開発、ゲーム開発、ブロックチェーン開発、データ処理といったさまざまな分野で利用されていますが、とくにAIの分野では、最もシェアを獲得している開発言語だといわれています。
このほか、エンジニアの年収が高い、ユーザーコミュニティが広いので学びやすく挫折しにくい、といった利点もあります。
Javaは長きにわたって人気ランキングのトップ層に君臨する、認知度と汎用性が高いプログラミング言語です。
Webサービス、Webアプリ、Androidアプリ、基幹システムや組み込み系システム(IoTも)、ソフトウェアなど、非常に多くの開発に利用されています。
Javaはさまざまな開発シーンで重宝されるため、求人数が多いのも特徴です。
日本発のプログラミング言語として圧倒的な知名度を誇るのが、このRubyです。
フレームワークの「Ruby on Rails」を使うと、Webアプリ、SNS、ブログ、スクレイピングなどの開発が可能になります。
クックパッドや食べログといった超メジャー級のWebサービスでRubyが使われています。
スクリプト言語のため習得しやすい上に、フリーランスでの求人数や高単価の案件が多いのも魅力のひとつです。
Web開発に力を入れたいならPHPがおすすめです。
ECサイト、お問い合わせフォームや検索機能、APIやデータベースとの連携、社内管理システム構築、SNSサイトの開発などを得意としています。
Facebookやぐるなび、WordPressといった多くの大規模開発に活用されてきました。
加えて、サーバーサイドのプログラミング言語として8割ものシェアをもち、ほかの言語への応用が効く利点をもつため、習得できると仕事のチャンスが広がると期待できます。
Javaと似ているので混同されることが多いですが、まったくの別物です。
Javaとは違ってスクリプト言語のため、初心者には習得しやすいでしょう。
とくにWeb開発を考えているのならJavaScriptはおすすめです。
Webサイトを作成し、そこに動きをつける、ポップアップウィンドウ、ボタンを設置するといったことが可能です。
ユーザーコミュニティが広いため学びやすいという利点も。
高いスキルを身につければ、1,000万円以上の高収入も期待できます。
iPhoneやiPad用のアプリを開発したいならApple社が開発したSwiftがおすすめです。
初心者でもアプリ開発ができるように開発された言語のため、とても学びやすいという特徴があります。
iOSに限定されますが、国内では約50%のシェアを誇るので、ニーズの高さは圧倒的といってよいでしょう。
Android開発の推奨言語のため、Android用のアプリを開発したい方におすすめです。
iOS用のアプリ開発に利用されるSwiftの、対抗馬的存在といえます。
Android用アプリはJavaでも作れますが、Kotlinは、そのJavaとの親和性が高く、Java仮想マシン上で稼働します。
開発されて間もない新しい言語であることと、Javaの問題点を解消して作り替える目的で開発された面もあるため、今後の需要がさらに期待できます。
C言語の進化系のプログラミング言語で、約40年もの長い歴史を持ち、「シープラ」「シープラプラ」と呼ばれています。
大規模システム、スマホアプリやゲーム、AI、ロボットやIoTなど幅広い開発が可能です。
今回ご紹介しているプログラミング言語の中では、かなり習得が難解な部類に入ります。
よってマスターするには時間がかかりますが、エンジニアとしての需要が高く、活躍の場が多いので非常に魅力があります。
Microsoft社が開発した「.NET」というフレームワークを扱う目的で開発されたので、WindowsをはじめとするMicrosoft社のデバイスに関連する開発がしたい方にはうってつけです。
システム開発、Windowsアプリ・Androidアプリ開発、VR/AR、ゲーム開発などが得意です。
Javaに似て習得難易度はやや高いものの、Windowsのみならず、Android、Mac やiOSといった多くのプラットフォームで開発ができるのが利点です。
Webページの大半は、HTMLまたはCSSで作成されているので、初心者でも非常に馴染みやすいのが特徴です。
ユーザーから見えるフロントエンドが開発できるため、達成感ややりがいが得やすいでしょう。
動的な表現は不可能ですが、簡単なWebページが作れるようになるので、エンジニアの入り口としておすすめできます。
続いて、求人が多く、転職や就職に有利なプログラミング言語を5つ紹介します。
具体的には以下の通りです。
なぜ求人が多いのかについて解説します。
特定の目的でしか使えないプログラミング言語は、一時的にしか活用できないリスクがあります。
それよりもJavaやPHPなどのように汎用性の高いものの方が、市場からのニーズがとぎれないため学ぶ価値が高いといえます。
AIや機械学習、Web3を牽引するブロックチェーンは、今後も長きにわたって多用され、さらに発展していくと考えられます。
その意味で、Pythonは非常に将来性があると考えてよいでしょう。
前述したように、将来性のあるプログラミング言語は求人数が多い傾向にあります。
そのなかでも、とくに高年収が期待できるプログラミング言語を2つご紹介します。
Goは、Googleが開発した言語で大規模なものから小規模開発まで非常に汎用性があり、エンジニアの年収も高いです。
アプリのみならず、ドローン、IoT、業務システム、Webサービスなど拡張性が高いので習得しておくとかなり多方面での活躍が期待できます。
Goエンジニアの平均年収は約660万円ですが、フリーランスになると1,000万円近くになるので、独立を視野に入れたキャリアプランを描くこともできるでしょう。
Androidアプリを開発するうえで圧倒的な優位性を誇るKotlinは、Javaとほぼ100%の互換性があります。
Javaより簡単に学べるうえ、正確性、セキュリティ精度および即戦力の強化を目的に開発された点も魅力です。
Javaの網羅する莫大な開発ジャンルが今後Kotlinにシフトしてくる可能性は極めて高く、将来性が十分といってよいでしょう。
年収の平均は644万円ほどで、フリーランスとなると約900万円前後ですが、今後もさらにアップしていくと期待できそうです。
「paiza転職」によれば、2022年度における転職時の言語別平均年収は以下のようになっています。
順位 | 言語 | 平均年収 | |
1位 | Scala | 682.9万円 | |
2位 | TypeScript | 667.1万円 | |
3位 | Go | 659.0万円 | |
4位 | Python3 | 644.7万円 | |
5位 | Kotlin | 644.1万円 | |
6位 | Ruby | 638.3万円 | |
7位 | Swift | 615.7万円 | |
8位 | C++ | 609.6万円 | |
9位 | JavaScript | 599.4万円 | |
10位 | Java | 589.8万円 |
AIやIoT、スマホアプリ、ゲームといったトレンドの開発が可能で、今後も長きにわたって活用できそうな言語が高ランクに位置しています。
また、複数ジャンルの開発が可能な汎用性の高い言語は、高収入と根強い人気が比例しているといってよいでしょう。
参考:「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」の結果を発表。平均年収が高い言語、転職で企業ニーズが高い言語など
プログラミング言語は、何を選択するかによって任される仕事内容や年収、将来性にも大きな違いが出てきます。
自分が何をしたいかは大切ですが、学びやすさやこれからのニーズなど、多方面から検討していくことも忘れてはなりません。
本記事を参考にして、ぜひベストの選択をしてください。
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