フィールドセールスとは?成約率を上げるインサイドとの連携術も紹介

フィールドセールスとは?成約率を上げるインサイドとの連携術も紹介

記事更新日: 2023/06/30

執筆: 遠藤亜美

近年、非対面での営業活動が増えるなか、あらためて注目されているのがフィールドセールスの役割です

しかし、フィールドセールスとは具体的にどのような営業スタイルのことを指すのか、よく把握できていないという方も少なくないでしょう。

この記事では、フィールドセールスの役割や業務内容をわかりやすく解説します。

またフィールドセールスと混同されがちなインサイドセールスとの違いや、両者がうまく連携するためのポイントも紹介しますので、フィールドセールスの基本を抑えたい方はぜひ参考にしてください。

フィールドセールスとは

フィールドセールスとは、顧客や見込み客(リード)を訪問し、直接の対話を通じて自社のサービスや商品の提案を行い、最終的な受注につなげる訪問型の営業手法のことです。

いわゆる外回り営業とも呼ばれ、日本における営業職の多くが従事している営業スタイルであるといえるでしょう。

フィールドセールスの活躍が企業の利益に直結するため、営業の花形と呼ばれることもあります。

フィールドセールスの業務内容

フィールドセールスの業務内容は、大きく分けて以下の2つがあります。

商談から契約までのクロージング業務

DMやメール送付などのマーケティングアプローチにより獲得したリードに対して、提案や商談、成約までのクロージング業務を担当します。

受注確度が高い状態でフィールドセールスに回ってくるため、売り上げに直結する重要なポジションを担っているのです

リードの育成

社内に人員が少なかったりマーケティング部がない場合は、見込み客の新規開拓から育成までの工程を担当することもあります。

新規企業への飛び込み営業やテレアポを重ねて、成約につなげていくスタイルです。

フィールドセールスの役割

一般的なフィールドセールスの役割は、インサイドセールスが育成したホットリードを引き継ぎ、案件を成約まで導いていくことです

後方からのパスをしっかりと受け止め、無駄なくゴールを決める役割が求められます。

商材の売れ行きに直接的に関わるため、コミュニケーション能力や提案スキルといった高度なポテンシャルを求められるケースが多いです。

フィールドセールスの強み

フィールドセールスの最大の強みは、顧客と直接会って商談を進めることができるため、信頼関係を築きやすいという点が挙げられます。

対面で顧客に情報を伝えることで顧客からの安心感を得られやすく、非対面では得ることができない限定的な情報を取得できる効果も見込めます。

また相手の反応が良ければより重点的に説明を進めたり、リアクションが薄ければ違う手法に切り替えるなど、顧客ごとの対応に柔軟性を持たせることが可能です。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、顧客先に直接訪問することなく、電話やメール、Webツールなどを活用しながら非対面でおこなう営業手法のことです。

オフィス内部に留まり営業活動を実施することから、内勤営業と呼ばれることもあります。

以前までは商談は顧客先へ訪問することが一般的でしたが、時間やコストをかけず効率よく営業活動を回したいと考える企業が増え、広く普及されるようになりました。

インサイドセールスの業務内容

インサイドセールスの仕事内容には、主に以下のような業務があります。

  • 問い合わせ情報の精査
  • メールや電話など非対面による顧客とのコミュニケーション
  • アポイント設定
  • フィールドセールスに案件をパスする

この中でも「成約確度の高そうな見込み案件をフィールドセールスにパスすること」がインサイドセールスの主な仕事になります。

またインサイドセールスとテレアポは混同されやすいですが、テレアポは電話で「アポイントメントを獲得すること」を目的としているため、長期的なコミュニケーションで温度感を高めて受注へつなげるインサイドセールスとは目的が大きく異なります。

インサイドセールスの役割

インサイドセールスの役割は、なんといってもマーケティング部とフィールドセールスの架け橋となることです。

マーケティング部が発掘した見込み客を、商談可能な状態まで導き、フィールドセールスに導くことがミッションとなります。

企業によってはフィールドセールスが存在せず、インサイドセールスがクロージング業務までを担うことがありますが、購買意欲を確認できた段階でフィールドセールスへ引き継ぐことが基本です。

インサイドセールスの強み

インサイドセールスの強みとしては、顧客の元を訪れずに営業活動ができる点が挙げられます。

移動時間を必要としないため、移動にかかる交通費や駐車場代がかからなくなり、経費の削減につながります。

また社内で営業活動を完結させられることから、限られた時間の中でより多くのクライアントへコンタクトが取れるようになり、営業効率アップが図れる点も魅力でしょう。

フィールドセールスとインサイドセールスで連携するメリット

フィールドセールスとインサイドセールスを連携するメリットは、主に以下の3つです。

  • 営業効率の向上につながる
  • リードの取りこぼしを防げる
  • フィールドセールスのコアワークに集中できる

それぞれのメリットについて解説します。

営業効率の向上につながる

インサイドセールスの主な目的は購買意欲の引き上げであり、フィールドセールスは案件の獲得を目標としています。

そのためインサイドセールスが自社の商品に対する顧客の興味・関心を高め、購買意欲が十分に温まってからフィールドセールスに引き継ぐことで、効率的に活動することができます

両者が連携することによって受注までのハードルを大幅に下げることができ、営業効率の大幅な向上に期待が持てるのです。

リードの取りこぼしを防げる

インサイドセールスは獲得したリードにメールや電話でコミュニケーションをとりながら、相手のニーズを把握し、それを解決するために自社製品をアピールします。

この行動を繰り返しながらリードの購買意欲を高めていくことを「ナーチャリング」といい、非常に重要なプロセスである反面、手間と時間がかかるものです。

仮に営業担当がリード獲得からナーチャリング、商談そしてクロージングまでのすべてを担う場合、すべてのタスクをこなすことが難しく成約率が下がるケースもあるでしょう。

しかし連携によって、リードのナーチャリングをインサイドセールスがおこなえば、これまで無駄にしていたかもしれないリード層へのアプローチを確実なものとし、取りこぼしを減らすことができます

フィールドセールスのコアワークに集中できる

先述のとおり、リードのナーチャリングやフォローをインサイドセールスに任せることができれば、フィールドセールスは本来のコア業務である商談やクロージングに集中できるようになります。

ただ商談を多くこなせるようになるだけでなく、企業の大きな収益となる既存顧客とも向き合えるようになり、既存顧客が抱える問題を掘り下げたり、解決する方策を提供したりするための時間を得ることができるのです。

2つを上手く連携させるためには

フィールドセールスとインサイドセールスをうまく連携させるコツは、以下のような方法が挙げられます。

  • 顧客情報やナレッジを全体で共有する
  • フローやプロセスを明確にする
  • 情報共有に適したツールを選ぶ

それぞれのポイントについてみていきましょう。

顧客情報やナレッジを全体で共有する

社内にある顧客情報やナレッジは、担当者のみで管理するのではなく、全体で共有することが重要です

特にインサイドセールスからフィールドセールスに引き継ぐ際は、これまで重ねてきたやり取りや顧客が今後期待している展開など、情報共有を万全におこなう必要があります。

顧客情報とナレッジの情報共有を徹底することで、効率的な営業活動を推進できるはずです。

フローやプロセスを明確にする

フィールドセールスとインサイドセールスそれぞれの強みや特徴を洗い出した上で、営業フローやプロセスを明確にしましょう

共通認識がないまま一人の顧客に対して複数人が関わると、どのような場面で誰がどういった対応をすべきかという迷いが生じ、結果として商談がスムーズに進まないケースがあるからです。

それぞれの役割を明確に理解することで、効率的に受注の獲得が見込めるようになります。

情報共有に適したツールを選ぶ

フィールドセールスとインサイドセールスを連携させながら結果を出すには、リアルタイムで情報共有ができるSFA(営業支援ツール)やMA(マーケティングオートメーション)などのITツールが必須です。

これらのツールは顧客のプロフィールやパーソナルデータをはじめ、顧客育成の進捗状況やセールスマンのパフォーマンスなど、さまざまな要素を数値として可視化するのに役立ちます。

導入コストはかかりますが、フィールドセールスとインサイドセールスのパフォーマンスを最大限に発揮するため、目的や予算に応じて適切なツールを選定するとよいでしょう

おすすめのSFAツールについてはこちらの記事をご覧ください。

 それぞれが向いている業種・商材

これまでに紹介したフィールドセールスとインサイドセールスの特性を踏まえて、どのような業種・商材が向いているのかをみていきましょう。

フィールドセールスが向いている業種・商材

フィールドセールスはさまざまな業界で用いられている営業手法ですが、特に効果的なものが「顧客が自分で調べても、商品の性能や特徴を理解しにくい製品・サービス」を扱う業界や企業です。

例えば、金融・証券、保険商品などの高額商品を取り扱う業種、テクノロジーを用いた先端技術を扱う業種などがフィールドセールスに向いているといえます。

これらの業種は専門的な知見が必要であるため、サービスの魅力をわかりやすく伝えることで成約につなげられるでしょう。

インサイドセールスが向いている業種・商材

フィールドセールスとは対照的に、インサイドセールスに効果的なものが「安価で説明や商談がしやすく、高度な営業スキルを必要としない製品・サービス」を扱う業界や企業です。

例えば、サブスクリプション方式の製品やサービスを取り扱う業種、商材の価格と仕様に変更が少ない製品、無形商材を取り扱う業種などが挙げられます。

このような商材はWeb上で完結するものが多く、メールやチャットを用いた非対面でのコミュニケーションでサービス申し込みまでつなげていくことができるでしょう。

まとめ

この記事ではフィールドセールスの概要に加えて、インサイドセールスとの連携ポイントについて解説しました。

双方がうまく連携することで、リード層の取りこぼしを防いだり、営業効率の向上が見込めるといったメリットを受けられます。

必要に応じてITツールの導入も検討しながら、効率的な営業活動を実現させましょう。

画像出典元:Photo AC

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