ゼット世代とは、2022年に12〜27歳を迎える人のことです。
「Z世代が話題になってるのはなぜ?」と思っている人もいますよね。
当記事では、Z世代の特徴や注目される理由について解説します。
Z世代を採用する際のポイントや育成方法も説明するので、参考にしてくださいね。
このページの目次
ゼット世代とは、1990年代の半ば〜2010年ごろに生まれた人のことです。
2022年の時点で、12歳〜27歳の人が該当します。
(※年齢については明確な定義があるわけではないので、数年の誤差があります)
「Z世代」という呼び名は、アメリカの「Generation Z」が由来です。
アメリカや日本では生まれた年によって、このように分類されています。
アメリカでの呼び名 | 日本での呼び名 | 生まれた年 |
Traditionalist | 伝統主義者世代 | 1028年~1944年ごろ |
Baby boomers | ベビーブーム世代 | 1945年~1964 年ごろ |
Generation X | X 世代 | 1965年~1980 年ごろ |
Generation Y | Y 世代 | 1981年~1995 年ごろ |
Generation Z | Z 世代 | 1996年~2010年ごろ |
「Z世代」という言葉は、2021年の新語・流行語大賞TOP10に入りました。
注目を集めている理由を詳しくみていきましょう。
ゼット世代に注目が集まる理由は、トレンドをつくる人だからです。
Z世代はSNSを使いこなすのが上手で、インフルエンサーとして活躍している人もいます。
新しい流行をつくりだしたり拡散したりする世代なので、Z世代にウケる商品をつくれば爆発的なヒットが期待できるのです。
Z世代の人に自社商品のファンになってもらえれば、今後の長い人生でずっと愛用してもらえるかもしれません。
LTV(顧客生涯価値)の高いZ世代は、商品やサービスを提供する企業にとって重要な存在です。
マーケティングの一環として、Z世代の求めるものを調査している企業が増えています。
日本ではZ世代の占める割合が総人口の約13%ですが、世界では全人口の約32%を占めるといわれています。
市場規模の大きさも、Z世代が注目される理由です。
日本の人口は減る一方ですが、Z世代向けの商品をグローバル展開すれば事業を拡大できる可能性があります。
ゼット世代の特徴は、幼少期からスマホが身近にあってSNSとの関わりが非常に強いことです。
Z世代は「スマホネイティブ」「SNSネイティブ」とも呼ばれていて、SNSと生活が密接に結びついています。
ほかにも特徴的な部分があるので、詳しく説明しますね。
Z世代の生活は、SNSがなければ成り立たないほどです。
他者とのコミュニケーションはもちろんのこと、情報収集や購買行動にもSNSを活用します。
テレビや新聞といったマスメディアが発信する内容よりも、SNSにある情報やユーザーの声を信じていることが特徴です。
インターネットがある生活に慣れているZ世代の特徴は、情報を取捨選択すること。
Z世代の人が選び取るのは、自分に必要な情報やウソ偽りのない情報です。
たくさんの情報があるのは当たり前で、自分が求めていない情報や信憑性に欠ける情報は必要ないと考えています。
その目的を果たすための手段がSNSです。
SNSなら、自分に必要な情報を発信しているアカウントや信頼できる人をフォローするだけで望みが叶います。
Googleで検索するよりも欲しい情報が手に入りやすいので、SNSを使う頻度が高いのでしょう。
インターネットの普及で多種多様な価値観に触れているため、「私も自分らしい生き方がしたい!」と考えているZ世代の人が多いようです。
従来は「みんなと同じだと安心」という意見が目立ちましたが、「自分らしさのほうが大事」という考え方に変わってきています。
Z世代は便利な時代に育ったので、効率が悪いことを嫌います。
「費用対効果(コスパ)よりも時間対効果(タイパ)を重視する」といわれるほどで、無駄な時間を徹底的に避けることが特徴です。
Z世代の人は、「これはお金や時間をかける価値がない」と感じたものには関心を示しません。
Z世代の特徴は、フラットな人間関係を好むことです。
これもインターネットと関係していて、ネット上では年齢や性別を超えたコミュニケーションをとります。
年上の人とも同じ立場で会話した経験があるので、タテ社会に違和感をもつのでしょう。
Z世代の人は、肩書きが違っても上下関係を感じずに話せる人を好みます。
ゼット世代と似ているのが「ミレニアル世代」です。
ミレニアル世代とは、1980〜1995年ごろに生まれた人のこと。
2022年の時点で27〜42歳くらいの人で、Z世代よりも年上です。
先述したアメリカの世代分類では、「Generation Y(Y 世代):1981年~95 年ごろに生まれた人」に該当します。
両者の違いをみてみましょう。
Z世代とミレニアル世代の違いは、お金の使い方です。
ミレニアル世代の人は景気が良い時代を経験していますが、Z世代は常に不景気な社会で育ちました。
そのせいか、ミレニアル世代のほうが良い顧客体験(商品・サービス)に高い料金を支払うという調査結果があります。
※参考:セールスフォースの「コネクテッドカスタマーの最新事情」
高くても欲しいものなら買うのはミレニアル世代、欲しくても高いなら諦めるのがZ世代の傾向です。
Z世代の特徴は、PCを使わない人が多いことです。
ミレニアル世代はスマホが普及する前にPC操作を経験した人が大半ですが、Z世代はスマホだけで事足りるのでPCを使わない人が結構います。
しかし、コロナ禍になってPCを利用するZ世代の人が増えたようです。
NECパーソナルコンピュータ株式会社が行った「Z世代のパソコンの使用実態に関する調査」によると、オンライン授業やリモート会議が増えたことで、Z世代のPC回帰が進んでいるとのこと。
社会人のZ世代よりも学生のZ世代のほうがPCの重要性を感じているので、これから入社する新卒社員はPCに慣れている人が多いでしょう。
ミレニアル世代の人は物欲が高めですが、Z世代の人は物欲があまりない傾向にあります。
Z世代の特徴は、物欲よりも将来への蓄えを優先することです。
10代から老後資金を貯め始めるZ世代の人が少なくありません。
人々の欲求は「モノ消費→コト消費→トキ消費」の順番で移り変わっているといわれています。
モノ消費とは「物を所有すること」にお金を使うこと
コト消費とは「貴重な体験」にお金を使うこと
トキ消費とは「今そこでしか体験できない時」にお金を使うこと
ミレニアル世代は「モノ消費とコト消費」、Z世代は「コト消費とトキ消費」に興味を示す傾向があります。
ゼット世代の人は働き方にも特徴があります。
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
Z世代だと、学生時代になんらかのビジネスを行う人が多いです。
個人で稼げる時代になったので、誰でも有料の文章や動画を販売したり不用品をアプリで売ったりすることができます。
アルバイトとの違いは、自分自身で稼ぐ仕組みづくりを経験することです。
そのため、起業や副業がより身近なものになると考えられます。
起業した友人がいたり、副業で稼いでいるZ世代の人が少なくありません。
「いざとなったら会社をやめて起業するか、副業を本業にしよう」と考えている人もいるでしょう。
Z世代の人は、不景気な社会しか体験してないので、安定した生活への憧れが強いです。
でも、ひと昔前のように転職に悪いイメージを持っている人は少なく、我慢して働き続けるよりも転職を選ぶZ世代の人が増えています。
自分らしく生きたいと考えているせいか、転職へのハードルは低めです。
転職してキャリアアップしていくプランを立てていて、常に転職先を探しているZ世代の人もいます。
日本社会の価値観は「仕事よりもプライベートを重視する」へと変化しているのです。
内閣府の調査によるとZ世代も例外ではなく、仕事よりも友達や家族との時間を大事にしたい人が増えています。
違いは、若い世代のほうが、プライベート重視が当たり前だと思っていることです。
労働者は休む権利がある、残業を断る権利がある、など「労働者の権利」への意識が高いのがZ世代の特徴といえます。
Z世代の人は、テレワークやフレックス勤務など、自由な働き方を好む傾向があります。
NECパーソナルコンピュータ株式会社が行った「Z世代のパソコンの使用実態に関する調査」でも、Z世代はリモートワークを重視する傾向がありました。
新型コロナ禍収束後の将来の働き方について、Z世代がどのように考えているのか調査
参考:Z世代に対しパソコンの使用実態を調査 プレスリリース
社会全体が多様な働き方にシフトしているため、時間や場所に縛られる働き方だとストレスを感じるのでしょう。
Z世代の人が関心を持っているのは「パラレルキャリア」です。
パラレルキャリアとは、勤務時間以外の時にキャリアを積むこと。
人生100年時代の生き方では、ステージによって働き方を変えるスタイルが提唱されています。
そのせいか、Z世代の人はキャリア形成に意欲的です。
興味のある分野のセミナーに参加したり、ボランティア職員としてNPO団体に所属するZ世代の人もいるでしょう。
ここからは、ゼット世代の人への採用活動について説明します。
Z世代から魅力的な会社だと思ってもらうためには、自社の悪い部分まで隠さず伝えたほうが良いでしょう。
なぜなら、Z世代の人は真実の情報を見抜く力があるからです。
「きれいごとばかりの宣伝情報」と「口コミやSNSのリアルな情報」は違うことを知っています。
良い部分ばかりをアピールすると「怪しい会社だ」と思われるでしょう。
それに、SNSやインターネットを駆使しての情報収集力も相当なもの。
隠ぺいを知られたら、信用がなくなるのは間違いありません。
欠点も正直に打ち明けたほうが「この会社は信頼できる!」と思ってもらえます。
優秀なZ世代の人材を獲得したければ、Z世代の人が無理せずに就活できる仕組みづくりが必要です。
たとえば、オンラインでのやり取りがスムーズに行えないと、ストレスを感じたZ世代の人はほかの会社にエントリーするでしょう。
もし企業のSNSアカウントがあれば、Z世代の人が特別な手間暇をかけずに企業とコンタクトがとれます。
このように、Z世代の人が日常的に利用している場所で採用活動ができると理想的です。
今は面接官の態度がSNSで話題になる時代です。
SNSに自社のイメージを下げる投稿があると、Z世代からの評価が一気に悪くなります。
面接官の態度が原因で内定を辞退するZ世代の人もいるので気を付けないといけません。
本番が間近に迫る前に、Z世代対策として面接官のスキルアップもしておきたいですね。
ゼット世代の人を採用した後は、彼らの価値観に合った方法で育成しましょう。
リクルートマネージメントソリューションズが2021年に行った調査では、”理想の上司”の条件として「1人1人に対して丁寧に指導すること」が過去最高です。
この条件を満たすためには、十分なコミュニケーションが欠かせません。
彼らは丁寧に指導されて育ってきたので、自分で考えて動くのが少し苦手です。
その影響で、上司に丁寧さを求めるのでしょう。
主体的に動ける社員に育てるためには、焦らないことが大切です。
少しずつできることを増やしていきましょう。
先ほどと同じ調査の”働きたい会社”の条件では「お互いに助け合う」と「お互いに個性を尊重する」が過去最高です。
近年は、テレワーク導入などで社員同士の連携がとりにくい企業が増えています。
Z世代の人が「助けてくれる人がいない」という問題を抱えないよう、仲間づくりにも力を入れましょう。
研修で同期と顔を合わせる機会をつくったり、コミュニケーションが取りやすい体制を整えたりすると効果的です。
先の調査結果によると、Z世代の人が会社に求めるのは「お互いの個性を尊重すること」。
多様性や個性を大事にする価値観があるため、個別対応できるとベストです。
画一的なスケジュールで育成するよりも、社員ひとりひとりに合わせた方法で育てるとZ世代の人が意欲的に取り組めるでしょう。
ゼット世代の次はアルファ世代の人が入社する時代がやってきます。
今後に備えるために、アルファ世代についての知識もつけておきましょう。
アルファ世代とは、2010〜2024年くらいに生まれた人(2022年では11歳以下の人)をさします。
特徴は、Z世代よりもさらにデジタル技術がすすんだ社会で成長することです。
コンテンツはテキストよりも動画を使ったものが主流となり、AIが搭載されたシステムのある生活に慣れています。
さらに、小学校からプログラミング教育を受けるなど、学校教育の場でもデジタルデバイスが当たり前にある世代です。
優秀なアルファ世代の人材を確保するためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が必須です。
アナログな方法ばかりだと、アルファ世代の人から見向きもされないかもしれません。
将来的なことまで考えると、今のうちからデジタル化も進めておきたいですね。
Z世代には独特の価値観があるので、年齢が離れている人は違和感をもつかもしれません。
でも、Z世代の考え方を理解すれば、世代間ギャップを少なくすることができます。
これからの時代を担っている存在なので、Z世代の特徴を知っていれば、さまざまな場面で役立つはずです。
マーケティング戦略を立てる時や採用活動をする時には、Z世代への理解を深めておきましょう。
画像出典元:O-DAN