相手にメッセージが届かない。
SMSを使っているとまれにこうした現象が起こります。
ただ、SMSが届かない原因としては、送信側・受信側、双方に問題がある可能性があり、それぞれがよく確認することでおおよそ改善されます。
そこで今回は、SMSが届かない原因として考えられること、またその対処法についても詳しく解説していきます。
このページの目次
SMSとはShort Message Service(ショートメッセージサービス)の略で、携帯電話を使用してメッセージのやり取りが行えるサービスです。
ガラケーやスマホなど、携帯電話であればサービスを使うことができ、キャリアが異なる携帯電話同士でもメッセージの送受信が可能です。
なお、SMSはキャリアによって呼称が異なり、ドコモでは「ショートメッセージサービス」、auでは「Cメール」、ソフトバンクと楽天モバイルでは「SMS」としています。
SMSの大きな特徴として、以下の3つが挙げられます。
SMSは、メールアドレスを必要としません。
基本的にSMSは携帯電話番号が宛先となるため、相手先の携帯電話番号さえ知っていれば、メッセージのやり取りが可能です。
つまり、電話番号で送信できたガラケー時代のCメールと同じものと考えて間違いありません。
SMSを利用する際は利用料金が発生します。
利用料金に関しては1送信ごと文字数に応じて発生し、メッセージを送信する側のみかかります。
メッセージを送信する際に発生する料金ですが、1送信に全角70文字までであれば3円(税込)、全角670文字までで33円(税込)です。
料金が発生するのは、あくまで送信側で、受信する側に料金はかかりません。
なお、SMSの利用料金はキャリアによって若干の違いがありますので、注意してください。
次の図表は、大手携帯3社「ドコモ・au・ソフトバンク」の料金を比較したものです。
(2022年2月現在:価格表示はすべて税込)
SMSには一回あたりに送信できる文字数に制限があります。
上の図表を見てわかるように、670文字が一回に送信できる文字数の上限ですが、670文字というのは全角文字の場合です。
半角文字のみであれば、最大で1,530文字が上限となります。
SMSの文字制限は基本的にどのキャリアも共通しています。
しかし、ガラケーなど一部の古い機種に関しては、全角70文字、半角160文字までと最大文字数が少なくなります。
また、スマホでも端末のバージョンが古い場合、同じく70文字が上限となるので注意が必要です。
SMS以外にもメッセージの送受信ができるサービスはあります。
その代表的なサービスがEメールとMMSです。
では、SMSとはどのような違いがあるのか、それぞれの違いを見ていきましょう。
Eメールは電子メールとも呼ばれ、通信ネットワークを介してメッセージの送受信が行えるサービスです。
スマホに限らずパソコンでも利用することができ、インターネットプロバイダなど事業者のドメイン名がメールアドレスに使用されるのが一般的です。
なお、現在ではWebブラウザを使用して送受信を行うWebメールが広く普及しており、Webメールとして代表的なのが、GmailやYahoo!メールです。
Eメールは、画像や動画、長文など比較的容量の多い情報を送受信することができるので、SMSと比べて利用用途が広いです。
MMSとは、Multimedia Messaging Service(マルチメディア・メッセージング・サービス)を略した言葉で、SMSと同様のメッセージアプリです。
MMSはキャリアメールとも呼ばれ、携帯キャリア独自に発行したメールアドレスを使用し、メッセージのやり取りを行います。
文字数の制限がなく画像の送信も可能で、1通あたりの料金も従量課金制ではなくパケット通信料として発生します。
SMSは電話回線、MMSはモバイル回線、ここが大きな違いとなるところです。
SMSが届かない原因はいくつかあり、送信側・受信側それぞれが確認する必要があります。
まずは送信側が確認すべきポイントを紹介していきます。
前述のとおり、SMSは電話回線を使用してメッセージの送受信が行われます。
機内モードでは「データ通信・Wi-Fi・Bluetooth・GPS」これらすべてが遮断されます。
そのため、機内モードがオンになっている場合、メッセージの送受信が一切できなくなります。
また、地下やトンネルなど電波の届かない圏外エリアにいる場合も同様です。
いずれにせよ、通信状態が悪い場合はSMSの送受信ができませんので、電波の届くところに移動するなど、通信環境を確認してください。
SMSは電話番号が宛先となっています。
そのため、送信先の電話番号が間違っていた場合は、当然メッセージが届くことはありません。
この場合に考えられるのが番号の入力ミス、あるいは番号を間違って伝えられている、このどちらかです。
今一度、電話番号を確認してから、再度メッセージを送信してみてください。
SMSの配信には、国内の通信網を使用するケースと海外の国際網を使用するケースの2パターンあります。
このうち、海外の国際網を使用したSMSは、携帯キャリアにスパムや迷惑メッセージであると判断されやすく、拒否されてしまうことがあります。
とくに法人の場合、SMSの一斉送信に国際網を使うケースが多いです。
そのため、顧客にメッセージが送れない場合は、国内通信網を使用したSMSの一斉送信を試してください。
一度に送信できる文字数の上限を超えている可能性があります。
前述のとおり、SMSには一度に送信できる文字数に制限があり、全角670文字・半角1,530文字までとなっています。
また、1日に送信できる件数にも制限があり、およそ200件までとしています。
上限件数を超えてしまうと送信できませんので、文字数や送信件数を確認してください。
次に受信側が確認するべきポイントです。
SMSは送信側・受信側の双方が送受信できる状態でないと届きませんので、よく確認するようにしてください。
電話やMMSと同様に、SMSも迷惑メッセージやフィッシング詐欺などの対策として受信拒否設定が行えます。
SMSの受信拒否設定がされた状態だと、SMSが届かない可能性があります。
受信拒否の設定は、過去に設定を行っていたものが引き継がれてしまっていることもあるため、一度確認してみましょう。
iPhoneの場合は、電話番号を着信拒否すると同時にSMSも受信拒否になるので、そのあたりも注意してください。
格安SIMで契約している場合、SMSが届かない場合があります。
auやドコモ、ソフトバンクなど大手通信キャリアであれば、SMSは標準で搭載されています。
しかし格安SIMの場合は、「音声対応SIM」と「データSIM」の2つのパターンに分かれており、このうち音声対応SIMでないと、SMSを受信することができないのです。
自身の契約がどのようになっているか、今一度確認してみてください。
なお、SMSの利用が可能な契約をしているにも関わらず受信できない場合は、一度SIMカードの抜き差しを試すと改善することがあります。
「そんなはずはない」と思われるかもしれませんが、電話番号を間違えて伝えていたというケース。
これは決して珍しいことではありません。
とくに、携帯電話を変更したとき、新規で契約した場合は注意が必要です。
新規の契約で電話番号が変わっているにも関わらず、以前使用していた携帯電話番号を伝えてしまっていることもあるのです。
SMSでは電話番号が違うとメッセージは届きませんので、伝えた電話番号に間違いがないかを確認しましょう。
Eメールなどに比べ、SMSは開封率・到着率・着眼率など、いずれも極めて高いチャネルです。
そのため、SMSをビジネス目的で活用する企業も増えてきており、今後さらに増えていくと予想されます。
そこで、SMSをビジネスで活用する場合、どのような使い方ができるのか、SMSの有効な活用方法を紹介します。
通常のIDとパスワードに加え、ワンタイムパスワードなど、さらに別の要素を認証として要求するものが2段階認証です。
この2段階認証を行う手段としてSMSの活用が有効です。
SMSは携帯電話端末に対して1つしか割り振られていません。
そのため、なりすましや不正ログイン、複数アカウント登録などを防止する、セキュリティ対策として非常に有効的な手段であるといえます。
SMS認証は安全性が高く、簡単かつスピーディーに本人確認が行えるため、金融機関をはじめ、多くの企業に導入されています。
Eメールに比べ、SMSは開封率が高いことでも知られています。
また、携帯キャリアが変わっても電話番号は変えず、そのまま使い続けるといった人が大半です。
そのため、たとえ顧客情報を取得してから時間が経過していたとしても、コンタクトが取れる可能性が高いといえます。
つまり、SMSは開封率・到着率、ともに高いといえるのです。
到着率に加え開封率の高いSMSは、キャンペーンの告知やクーポンの送付、タイムセール、メルマガなど、商品やサービスの販売促進や集客に活用することができます。
開封率・到着率ともに高いSMSは、アンケート調査にも活用することができます。
とくにBtoB企業にとって顧客アンケートは、商品やサービスの改善・開発に生かすことのできる非常に価値あるものです。
SMSアンケート収集であれば、従来のような郵送などによる手間や時間もかからず、効率的なアンケート収集が可能です。
また、紙のアンケートに比べ、回答も圧倒的に手軽であるため、回収率の向上も期待できます。
メルマガなどに比べて開封率・到着率・回答率が圧倒的に高いSMSは、アンケート収集として非常に有効です。
社内における緊急連絡手段としても活用することができます。
とくに自然災害や事故など、予期せぬ事態が起こったとき、各従業員への連絡は迅速かつ確実でなければなりません。
SMSは携帯電話番号さえ知っていればメッセージの送受信ができるので連絡もスムーズです。
また、災害時というのは音声通話回線が混雑し、電話の繋がりにくい状態が続きます。
SMSはデータ量が非常に軽く通信回線の負担も少ないため、災害時でも比較的繋がりやすいとされています。
効率的にメッセージが届けられ、なおかつ確認されやすい。
こうした特性を持つSMSは、緊急時の連絡手段として多くの企業で使われています。
未払い料金に対して督促を行う場合、一般的には郵送・電話・メール、いずれかの方法です。
ただ、これらの方法は、電話が繋がらなかったり返信がなかったりなど、「連絡を取ってもリアクションが無い」という課題があります。
SMSの場合、メッセージが受信されると端末画面にポップアップ表示されるのが特徴です。
視覚性が高く、受信側も督促に気づきやすくなるため、回収率も上がります。
また、支払期日が過ぎる前のリマインドとして利用することも可能なので、料金未払いの予防手段にも期待できます。
到着率・開封率・着眼率、これらが極めて高いSMSは、予約の事前確認としても活用することができます。
近年、インターネットから容易に予約ができるようになり、予約数は増加傾向にあるものの、無断キャンセルも増えているのが現状です。
とくにホテルや飲食店などでは、無断キャンセルによる被害は甚大で社会問題となるほど深刻です。
そこで、SMSをリマインドとして活用すると予約忘れの防止や、事前にキャンセルの連絡を入れてもらうなど、こうした効果が期待できます。
また、キャンセル料が発生するといった事前告知もできるので、無断キャンセルの防止として、非常に有効な手段であるといえるでしょう。
Eメールなどに比べSMSは到着率、開封率が圧倒的に高く、多くの企業でも様々な用途で活用されています。
しかし、SMSには一定の使用制限があり、文字数や通信網、端末の設定など、いくつかの原因によりメッセージの送受信ができない場合があります。
今後、SMSを使用してメッセージが届かないといった問題が生じた場合、焦らずに送信側、受信側それぞれが確認すべきことを試してください。
それでもなお送受信ができない場合は、端末自体の故障も考えられますので、修理など携帯キャリアに相談することをおすすめします。
画像出典元:O-DAN