経費精算のプロ メリービズ株式会社 経理コンサルタント 長谷龍一がおすすめする経費精算システム 7選

経費精算のプロ メリービズ株式会社 経理コンサルタント 長谷龍一がおすすめする経費精算システム 7選

記事更新日: 2024/03/13

執筆: 吉田杏佑

経費精算のプロ メリービズ株式会社 経理コンサルタント

長谷龍一

1991年、徳島県生まれ。北海道大学理学部卒業後、2014年よりアライドアーキテクツ株式会社(SNSマーケティング支援)にて、営業・カスタマーサクセス・事業開発・経理を経験。同社にて全社会計システムの総移管や、営業部門の数十時間程度の事務工数省力化を実現し、2018年メリービズ株式会社へ入社。
同社にて導入コンサルタント及び部門責任者として、ベンチャー企業から東証一部上場企業まで、請求・入出金・経費精算・月次決算業務等、数十社以上のサポートに従事。現在はBizDev(事業開発)/マーケティング領域にて、協業、新規事業開発、イベント企画/登壇などを担当。

経理代行サービスの運営にあたり、ベンチャー企業から東証一部上場企業まで、様々な会社の経費精算をサポートしてきました。
 
今回はそれぞれの経費精算システムの特徴や良いところ、選ぶときのポイントを紹介します。
(なお、こちらは2020年12月時点での情報です。各システムの追加機能・変更等あるため、詳しくは各システムのウェブページをご確認ください)

経費精算システムを決める上での観点


経費精算システムを決める際に見るべき観点は、大きく分けて2点あります。

1点目は、会計ソフトからの逆算です。
経費精算システムの情報は、最終的に会計ソフトに情報を入れたり、連携したりすることが必要になります。
連携をしやすいか、また、情報連携する際に追加の業務が発生しないかどうかなどの観点が大切になります。

そのため、予めどのような連携が必要か、チェックしておくとスムーズです。
不明点があれば、利用している会計ソフトベンダーに「連携面で優れている経費精算サービス」を聞いてみるのも一つの手です。
実績が豊富なベンダーの中には、連携に関するサポートをしている場合もあります。

マネーフォワード等、会計ソフトと連携が密な経費精算ソフトは多くありますし、逆に連携が難しいなら、楽楽精算等の他ベンダーに声をかけてみるなど、逆算して考えることが肝心です。

2点目は、見積り前に経費精算システムを利用している人数や一人当たりの件数をだし、向こう2,3年でどのくらい増減がありそうかを計算することです。
これらの人数・件数を出した上で、他社のプランを2,3社ほど見比べるのが良いでしょう。

なぜなら、どのくらいのアカウント数か、どのくらいの利用頻度かによってシステムの料金が変わるからです。
なるべく低いコストで利便性を最大化することを考えた上で、導入を決めるようにしましょう。
場合によっては、定量的な数字を出したタイミングで、意外と工数がかかっていないことも明らかになるかもしれません。
そういった場合は、現場の業務フローを変更したり、コーポレートカードを導入したりすることで、そもそもの業務をなくしてしまうことも、一つの選択肢です。

1.楽楽精算

画像出典元:「楽楽精算」公式HP

楽楽精算は国内シェアNo.1の、経費精算に特化しているシステムです。

電子帳簿保存法に早くから対応している、情報発信が積極的である等、業界の中心となる企業の一つです。
また、テレビCMも出されており、認知拡大に力を入れているようですね。

他社システムと比べても、経費精算に特化している分、細かい機能や連携できる外部サービスも多く、痒いところに手が届くシステムです。システム設定が比較的容易であり、営業、サポートが迅速に対応してくれる、といった口コミ情報も聞いたことがあります。

料金も50ユーザーあたり3万円と、中小規模から対応できるシステムとなっています。
カスタマイズ性も非常に高く、機能がシンプルで費用対効果良く利用できるサービスです。

連携については、どことでもしっかりと連携できるでしょう。
マネーフォワードやfreeeのような、グループウェア同士の連携には劣りますが、間口が非常に広く、会計ソフトはどうしても動かせないが、経費精算システムは移行して、DX化したいなどのニーズがある企業の皆様におすすめします。

 

2.マネーフォワード クラウド経費

画像出典元:「マネーフォワード クラウド経費」公式HP

マネーフォワードは、会計ソフトの一部として経費精算システムをリリースされているので、連携面が非常に優れています。
マネーフォワード内の連携はもちろん、勘定奉行などともしっかり連携することができます。

また、承認経路のカスタマイズが他社システムに比べてもかなり優れているので、そういった面でも利用しやすいです。

従来の経理に則ったシステムになっているため、ある程度経理に慣れている人にとっては、非常に利用しやすいはずです。

せっかく利用するなら、マネーフォワード クラウド会計と一緒に利用してみてはいかがでしょうか。マネーフォワード クラウド会計シリーズのターゲット層でもある、中小企業の皆様に特におすすめします。

 

3.経費精算freee

画像出典元:「経費精算freee」公式HP

経費精算freeeは、会計freeeとの連携がスムーズです。また、利用プランによっては、会計freeeを導入している企業の場合、追加費用をかけずに経費精算システムを利用できることが、最大のメリットです。

他社システムとの違いについては、連携によって従業員情報の二重メンテナンスが不要になることや、申請承認された経費精算データを自動で仕訳登録できることが挙げられます。
また、仕訳と申請内容と証憑が紐づくので、帳簿から簡単にドリルダウンすることが可能です。

次世代型のERPを目指す、freeeらしい機能であると感じます。

加えて、freeeは特に、ユーザーが気軽に利用できることにフォーカスしてサービス設計されているイメージがあります。

freeeの中では、通常の会計作業のように勘定科目を選択する必要もありませんし、初めて経費精算をする人にも優しい仕様です。

 

4.ジョブカン経費精算

画像出典元:「ジョブカン経費精算」公式HP

ジョブカンは勤怠管理に強いシステムですが、勤怠管理にも関連する、経費精算にも力を入れています。
CMを最近目にした方も多いのではないでしょうか。

業務面では、データの出し入れが非常に楽であることが特徴です。インポート、エクスポートがスムーズに行なえます。
外部サービスとの連携、freeeや弥生仕様のデータをぱっと出しやすく、管理側でストレスなく進めることができるシステムと言えるでしょう。

ジョブカン勤怠を既にご利用中の企業の皆様は、ぜひご検討ください。

 

5.Concur Expense

画像出典元:「Concur Expense」公式HP

Concurは、外資系のシステムでSAPに買収されたサービスです。
そのため、SAPで基幹システムを管理されている企業の皆様と相性が良いです。

また、Concurはかなりカスタマイズしやすいです。
例えば、会社に則った承認ルートにする、ワークフローにする、ということが簡単にできます。

他にも、経費の不正支出を自動で検知する機能など、他社システムに比べても機能が充実している印象があります。

世界でもかなり利用されているシステムですので、グローバル展開しているような大企業に特に利用されているイメージがあります。

しかし最近では、29,000円程度で利用できる、Expense Standardという中堅中小企業・スタートアップ向けの新たなプランを出しているので、大企業以外にも利用しやすいシステムになっているのではないでしょうか。

外貨対応もしているので、海外出張が多い企業の皆様にとっては、大変心強い存在です。

 

6.Staple

画像出典元:「Staple」公式HP

StapleはKyashとの連携や、社員用のクレジットカードを発行できることが特色です。
経費精算業務のほとんどをまとめて行ってくれます。

SlackやChatWorkと連携しているので、経費精算の過程で起こった不備などを適宜ビジネスチャットで共有することができます。
具体的には、経費精算の過程でミスが起こった時、メールアドレスにそれを通知しても、ビジネスチャットしか開かない方は気づいてくれません。
そのため、不備があってそれを通知しているのに気づいてもらえず、なかなか業務が進まなかったりします。

しかし、Stapleはビジネスチャットと連携しているので、ビジネスチャットしか見ない人にも、すぐに修正をお願いすることができます。

ちなみに、stapleはもともと弥生株式会社主催の「弥生スマートフォンアプリコンテスト」でグランプリを受賞し、資金調達を成功させサービスを開始されています。最近ではより大規模の企業をターゲット層とし、勘定奉行との連携も強化しているようです。

 

7.ジンジャー経費

画像出典元:「ジンジャー経費」公式HP

ジンジャー経費の魅力は、他のグループウェアとは違い、人事労務系のツール中心に連携して利用できるところにあります。

一般的な経費精算のグループウェアは、お金関連の業務を中心に構築されています。
しかし、ジンジャーはむしろ人事・勤怠・労務・マイナンバーに至るまで、人事労務関連の業務を中心に構築されているサービスです。

そのため、薄く広く利用できるところがジンジャー最大の魅力です。
様々な業務ができる中の一つに経費精算があるので、お金関連中心ではなく、人事領域を中心として業務を進めたい企業には非常に良いです。

また、人事目線から見た経費精算を行えるので、人の管理という意味合いでも使いやすいと思います。

 

主な経費精算システムでは、他にも以下のサービスがありますので是非ご覧ください。


RECEIPT POST(旧Dr.経費精算)

AI Travel

メリービズに経費精算をアウトソーシングするという選択肢

いかがでしたでしょうか。
自社にあった経費精算システムを導入することで、業務はぐんと楽になるはずです。

経費精算の特徴として、業務を実施していないときも、数日に渡ってマインドシェアを奪われてしまうという点があります。

理由は大きく2点です。

1点目は、従業員への振込金額に関係する点です。
「もしも間違えてしまったら…」というプレッシャーは、給与計算と同様に、非常に大きいものがあります。

2点目は、資料の回収と不備の解消の遅延が、月次決算のスケジュールに影響することです。
証憑回収を完全に行うには、度重なるリマインドをする必要があります。
回収しきれないと、繁忙期にも関わらず、その業務を忘れることができません。
また、せっかく回収したと思ったら、経費の使用用途がわからない、摘要の内容に不備がある、等の不備が発生し、申請者への内容の確認が求められます。

結果として、証憑の回収が完了し、不備が解消されないと、月次決算を締められない可能性が高まってしまいます。

こんな時、システムの導入と共に、メリービズの「バーチャル経理アシスタント」を利用していただければ、多くの悩みは解消されます。

・経費精算システムを導入しても、経費精算のルール整備が不十分だったために、申請間違いが多い
・ルール整備を行う時間を取りたいが、結局業務が忙しくてその時間を確保できない
・従業員との質問対応や確認に、引き続き時間がかかってしまう

こういった課題をお持ちの企業の皆様に対し、弊社が経費精算をまるっと代行することで、月末月初に抱えていた悩みから解放されたとのお声を多数いただいております。

他社サービスとの差別化ポイントを具体的に上げるとずれば、弊社はオンライン経理アウトソーシングを展開し始めてから長いため、ノウハウが蓄積されていることが挙げられます。
社内の体制や、フォローアップの仕組みは勿論、会社ごとに合ったサービス設計を行っているので、ナレッジを十分に活かせていると感じます。

また、経理プロスタッフに安心感をお持ちいただけることも多いです。
メリービズでは累計900名のスタッフを抱えているので、半永続的に業務アウトソーシングできますし、コンサルタントを中心に必要なコミュニケーションを取り合い、より良いサービスを実現しています。

経費精算システムを導入するタイミング

経費精算のプロ メリービズ株式会社 経理コンサルタント

長谷龍一

経費を多く使わないフェーズでは、わざわざ経費精算システムを導入しなくても、スプレッドシートやエクセルで十分に間に合います。
 
しかし、経理担当が請け負う業務は、会社の成長と共に増加していきます。従業員数の増加や会社の成長拡大に応じて、経理担当は自分自身の業務の取捨選択や効率化を図っていく必要があります。
 
だいたい社員数が10名から20名くらいになったタイミングで、こういった課題が出てくるのではないでしょうか。
 
個人的には、今その瞬間の経理としてするべき業務を中心に据え、どうしても導入しなければならないリスクを認識できたタイミングで、導入することをおすすめします。

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