NDA(秘密保持契約)締結時にこれだけは見てほしい注意点

NDA(秘密保持契約)締結時にこれだけは見てほしい注意点

記事更新日: 2018/08/20

執筆: 編集部

秘密を保持するために締結するNDA(秘密保持契約)。頻繁に締結する契約なので、契約内容の確認が不十分になりがちです。

しかし、その不注意が大きな損失がつながることも。本記事では、NDA締結時にこれだけは見てほしいチェックポイントをまとめました。

NDAとは

NDA(Non-disclosure agreement)は「秘密保持契約」とも言います。または「機密保持契約」や「守秘義務契約」と言う場合もあります。

外部との取引の際、営業に関する秘密や、個人情報などを渡さなくてはならないことがあります。このようなとき、情報の秘密を守るために、相手に守秘義務を課すのがNDA(秘密保持契約)です。

片務と双務の違いが重要

NDAには片務(へんむ)型と双務(そうむ)型の2種類があります。あとで詳しく説明しますが、片務か双務かで契約内容は大きく異なるので、その違いを把握することが大変重要です。

片務型のNDAでは守秘義務を負うのは片方だけです。一方で双務型の場合、お互いに守秘義務を負います。

例えば、お互いに機密情報を明かして取引をする際に、片務型のNDAを締結してしまった場合、片方には守秘義務が生じないことになります。これは非常に不平等ですよね。このような場合は、双務型NDAを締結するのが望ましいです。

 

 

NDAが必要となるシーン

NDAは取引で秘密情報を明かすときに必要ということは説明しましたが、具体的にどのようなシーンで必要になってくるのでしょうか。

主なシーンとしては、デューデリジェンス・投資契約・業務委託といった場面が挙げられます。

投資契約やデューデリジェンスを行う際には、該当する企業の財務内容などの機密情報を扱うことになります。ここで知り得た情報を、競合企業などに流されることは大きなリスクです。そこでNDAを締結します。

業務委託の場合も、少なからず企業内の情報を提供することになります。それらの漏洩を防ぐためにNDAを結ぶのです。

もっとも、投資契約や業務委託の場合はNDAという形で契約書を作るというより、投資契約書や業務委託基本契約書にNDAに相当する内容が含まれるのが一般的です。

NDAを破ったらどうなる?

NDAを破った場合は損害賠償が生じるように定めることがほとんどです。

またNDAを破ると、お金のみならず信頼を失うことになります。「悪事千里を走る」といいますが、悪い噂というのはすぐ広まるものです。

約束を守れない、秘密を守れない会社と取引したい人はいません。NDAを破ることはおすすめしません。

原案を作成した方が有利

実際にNDAを締結する場合、どちらかがたたき台となる原案を出して、それをもとに契約内容を決定することになります。

契約交渉という観点では、ここで先に原案を出せた方が有利になってきます。NDAは頻繁に結ぶものであり、契約内容についてじっくりと話し合うようなことは通常ありません。よって、最終的な契約内容は原案からあまり変わらないことが多いのです。

むしろNDAの契約であまりごたごたするようだと、「NDAごときでこんなに時間がかかるところと取引したくない」と思われても仕方ありません。

だからこそ、先に原案を出すということが非常に重要になってきます。

これだけは見てほしいチェックポイント

NDA締結においては原案をこちらから先に出すことが重要だと述べましたが、実際はそう思い通りにいかないこともあります。

相手からNDAの契約内容が提示されたときに、絶対に確認すべき事項を挙げます。

片務か双務か

先程も説明したように、片務型のNDAは不平等な条件です。自分だけ秘密保持の義務を負うことになります。

自分も機密情報を明かす場合には、双務型NDAへの変更を求めましょう。

契約期間の長さ

契約期間、つまり秘密を守るべき義務が生じる期間も重要です。

業務委託の場合、業務委託契約と秘密保持契約の期間が同じだと、業務委託終了後すぐに機密情報が漏洩してしまうかもしれません。

情報の性質にもよりますが、業務委託の場合だと業務委託契約期間+3年くらいが妥当な期間といえるでしょう。

何が秘密情報か

何が秘密情報に含まれるのかも見逃せないポイントです。場合によってはNDAの締結自体が秘密情報とされていることもあります。

秘密保持の義務が生じる範囲が不当に広くないか、あるいは狭すぎないかを確認しましょう。

裁判所の管轄

忘れがちなのが裁判所の管轄のチェックです。裁判沙汰になったときには、契約書に定められた裁判所で裁判を行うことになります。

海外の会社との契約で裁判所の管轄が海外になっていた場合、訴訟費用が大きな負担になります。管轄が相手方の本社所在地になっていた場合は、中間地点を提案するなどして妥協点を探りましょう。

国内の会社間の契約の場合は、東京にするのが一般的です。

雛形は使っていいの?

NDAは頻繁に締結する機会がある契約です。実際の業務においては、雛形を利用することになるでしょう。

ただ雛形を使う場合も、必ず契約内容を読んでください。これは絶対です。1分2分の手間の怠りが大きなトラブルにつながる恐れがあります。

NDAの雛形は世の中に多く出回っています。経済産業省も雛形を公開しています。

 ▶秘密情報の保護ハンドブック 参考資料2 各種契約書等の参考例

 

経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」参考資料2 各種契約書等の参考例

 

NDAの締結によって損害がなくなるわけではない

NDAは情報を漏らされないよう、相手に損害賠償などのリスクを負わせるものです。情報が漏洩した場合には損害が発生する可能性はあり、損害賠償の請求で回復できるとも限りません。

NDAを締結したからと言って、必ず安心ができるわけではないということは頭に入れておきましょう。

専門家の利用は必要か

基本的に専門家は不要です。ただ繰り返しになりますが、契約内容は必ず読んでチェックしてください。読んで特に不安点がないのであれば、専門家は必要ありません

不安になる点があるのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。

画像出典元:pixabay

この記事に関連するラベル

最新の記事

ページトップへ