現代社会では、AIの普及がどんどん進んでいます。
それに伴い、様々なシーンでAIの問題点が露呈し、指摘され始めています。
実際にアメリカではAIが採用を担ったことで、2700万人の働く意欲のある人達が就職できずにいるという問題が起きています。
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今アメリカでは2700万人の人が履歴書管理システムのAIによって、履歴書の時点で不採用となっていいます。
この人たちは「隠された労働者」と言われ、積極的な働く意欲を見せているのにも関わらず職に就くことができない状態にあります。
この社会問題がアメリカで起きたことには3つ理由があります。
AIは機械なので決められたことしかできません。
だから、AIは個人の能力や価値などわかりづらいものでは判別せず、ひたすらに資格や学歴と言う目に見える根拠で判別します。
他にもその人の環境などでも減点することもあります。
介護を担う人、退役軍人、移民、障害者、刑務所出所者、配偶者の転勤とともに移動した人なども減点対象となるらしいです。
そして、こういったAIのシステムは総じて減点方式です。
加点方式ではなく減点方式のせいで、採用試験に落ちる人が固定化されてきています。個人の過去や、現在の環境によって採用不採用が決まってしまうため、対策を取ることが難しいです。
アメリカの企業の約75%がこのAIによる履歴書管理システムを利用しています。
その結果、どの会社に応募しようとも、全て同じ理由で判別されるため、履歴書の時点で不採用と決まってしまう人が固定化されています。
このような問題が生じているのにも関わらず企業が採用の方法を変えない理由には求職者の増大が挙げられます。
企業が膨大な数の中から人が目を通して採用を決めるやり方では、本当に優秀な人を見つけ出せない可能性があるため、この方法が採用されています。
理由は簡単で人があまりにも多すぎるということです。この人口増加による社会問題は今後も多く現れそうなので、アメリカ政府の対策などには注目していきたいです。
アマゾンで開発された採用支援AIは、AIが男性の評価を高く見積もる場合があることがわかったため中止となりました。
原因は「今まで会社が男性を多く採用してきたから」で、AIはその歴史に基づいて採用をしたからです。
IT業界では男性が多くなる場合が多いそうです。そうした過去の実績を基準にしてAIを学習させてしまった結果、こののように男女の採用比率に差が生まれます。
マイクロソフトでチャットボットとして開発された「Tay」で起きた事件です。
Tayはユーザーとの会話を通じて言語を学習するAIであり、SNS上で様々なユーザーと会話をすることで学習し、色々なコミュニケーションが可能になることが目的とされていました。
ですが、リリースされてすぐに「ナチスドイツは正しかった」など、差別的・政治的に偏った発言をするようになってしまい、運用中止となりました。
これは大勢のユーザーが協力し、会話の中で特定の思想を植え付けるようなコミュニケーションを行ったことが原因でした。
これは人間でもSNSなどで同じようなことが起こります。
特定の偏った思想や考えを持ったグループの中で偏った情報ばかりを入手し続けると、その人自身もその考えに染まってしまうというものです。
これは「エコーチェンバー現象」とも呼ばれる現象ですが、AIも例外ではありません。
学習する環境次第で、人間よりももっと簡単に偏った思想を持ててしまいます。
最近では色々な国や場所などで人が直接見て、採用する人決まる場を設けるため、大きな場所での合同就職フェアなどが多く開かれています。
ここでは面接から採用試験が始まるので、履歴書などによって合否が決まることもありません。
最近では多くの企業が参加し始めているため、今後の継続次第ではかなり有効な対策になると思います。
ただし、この方法は日本の就活時にも実施されるようなアナログ施策です。このような方法でしか解決できないのでしょうか。
個人的には、もっとインターネットをうまく使えると思っています。例えばこの合同就職フェアをオンラインにすれば、わざわざ足を運ぶ必要もなく面接を受けることができます。
今後の新しい採用方法の登場に期待です!
以上のように、まだまだAIの機能を頼ることに関しての問題点はたくさん出てきています。
これからもAIが私たちの採用を決めることになった場合は私たちはよりわかりやすいように自分の能力をアピールしなければなりません。
それは資格、学歴、これまでの活動実績などです。今後はこれまで以上に資格というものが大事になってくると思います。
また、AIの成長のために必要なものは情報収集。その情報収集の際に、データの中にに差別的なモノが多く含まれるということが多くの事故の原因となっています。
この原因は私達の積み重ねてきた歴史と、今もなお私達の社会の中にそういう差別的な思考を持った人が一定数いるということです。
今後もAIの取り扱いには十分注意して、有効活用されてほしいです。