順調に会員数伸ばしている動画配信サービスが「ネットフリックス」です。
ネットフリックスも最近話題になることが多い「サブスクリプションサービス」通称「サブスク」のひとつです。
かつてはDVDの郵送レンタルサービスとしてスタートした同社ですが、オンラインの映像ストリーミングサービスにより今ではGAFAに次ぐ巨大企業にまで成長しました。
そんなネットフリックスはどんなタイプのサブスクリプションサービスなのか、他の動画配信サービスとの違い、なぜ支持されているのか、そしてネットフリックスの顧客ビックデータ活用法んいついて紹介します。
このページの目次
ネットフリックスは、世界最大級の動画配信サブスクリプションサービスです。月額定額制で、映画・ドキュメンタリー・アニメ・ネットフリックスオリジナル作品などが楽しめます。
海外でも広く利用されています。たとえば、日本以外の国ではスタジオジブリの作品が視聴可能です。オリジナル作品のクオリティの高さに加えて、アニメ作品の充実さも、海外でネットフリックスが支持されてる理由のひとつです。
サブスクリプション(subscription)はもともと雑誌などの「予約購読」「年間購読」を意味していました。そこから派生して「有限期間の使用許可」という意味になりました。
サブスクリプションという言葉は、モノやサービスを利用する1ヶ月や1年などの利用期間に対して対価を支払うビジネスモデルを指すようになりました。「サブスク」と略されて日常的に使われる言葉になっています。
サブスクリプションサービスの種類も増えつつあります。例えば、スーツ・ブランド家具・ランチ・飲み放題・高級腕時計などのサブスクリプションサービスがあります。ネットフリックスは、月額利用料金を支払うことで配信されている動画が見放題というサブスクサービスです。
動画配信サービス以外のサブスクサービスについて知りたい方はこちらの記事をどうぞご覧ください。
ネットフリックスでは受賞歴のある海外ドラマ、国内ドラマ、アカデミー賞受賞やノミネートされた作品、国内外アニメ、ドキュメンタリーなど幅広いコンテンツを配信しています。
コンテンツ内容では、映画やドラマに注目されがちですが、ネットフリックスの配信しているオリジナル作品はとてもおもしろいです。
最近では、アイドルグループの「嵐」に密着したドキュメンタリー作品が話題となりました。
他にも、コロンビアの麻薬王エル・チャポの壮絶な人生を描いた「ナルコス」、造幣局に立てこもった8人組の強盗団と警察との攻防戦を描いた「ペーパー・ハウス」など見ごたえあるオリジナルドラマをたくさん配信しています。
毎週・毎月新しいコンテンツが追加されるので、いつでも新作を楽しむことができます。
また視聴前や視聴中に広告が挿入されることはありません。
ネットフリックスは月額800円(税抜)から利用できます。
利用するために長期契約を結ぶ、追加料金を支払うといった必要はありません。キャンセルはいつでも可能であり、キャンセル料金も発生しません。
ネットフリックスの料金プランは以下の3パターンです。
ネットフリックスは、パソコンならばnetflix.comから、Netflixアプリが利用可能なスマートテレビ、スマホ、タブレット、ゲーム機などで視聴可能です。
また、スタンダードもしくはプレミアムプランを選べば、1つのアカウントで複数のデバイスからの接続が可能になります。
例えば、家族で1つのアカウントを作れば、家族それぞれが、各々のデバイスで、好きなコンテンツを視聴できるようになります。
コンテンツをスマホやタブレットなどのデバイスにダウンロードしておけば、ネットに接続されてなくても、保存済みのコンテンツが視聴できます。
海外ドラマの続きが気になるという方は、ダウンロードしておけば、ちょっとした待ち時間に続きを視聴することが可能です。
日本語字幕で海外の映画やドラマを見てから、英語字幕でもう一度再生し、英語を覚えるという勉強が簡単にできます。
動画再生中の途中でも簡単に字幕言語を変えることも可能です。
さらに、パソコンのGoogle Chromeブラウザでネットフリックスを視聴すれば、「Language Learning with Netflix」(略してLLN)が利用できます。
LLNは、英語と日本語の字幕を同時に表示できるサービスです。さらに、セリフごとの巻き戻し・繰り返し・早送り機能も装備されています。
LNNを使えば、好きな映画やドラマを見ながら、楽しく英語の勉強ができるわけです。
ネットフリックスとその他の動画配信サブスクサービス、Amazonプライムビデオ、Huluを利用料金や動作環境、コンテンツの充実度などで比較してみました。
ネットフリックスはオリジナル作品に加えて、フジテレビとの提携によりフジテレビ系の映画やドラマ、アニメなどを多く配信しています。
Huluは日本テレビの運営なので日本テレビ系のドラマやバラエティのコンテンツが豊富という特徴があります。
Amazonプライムの会員になれば、動画配信サービスの利用だけでなく、配送料が無料、お急ぎ便が無料、プライム会員限定割引などのいろいろな特典が受けられます。
それぞれのサービスの特徴を把握し、自分の見たいコンテンツがあるかどうか、自分が必要とするサービスが提供されているか、納得できる料金プランかどうかなどを検討し、動画配信サブスクサービスを選べるでしょう。
ネットフリックスは業績を伸ばすために、効果的に顧客から集めたビッグデータを利用しています。
ネットフリックスのビッグデータ活用法を知れば、他の業種でもビッグデータをどのように活用できるか、そのヒントが得られるでしょう。
ネットフリックスは専用アプリを通じて以下のようなデータを集めています。
こうした細かなユーザー情報をネットフリックスはビッグデータとして集めています。
ネットフリックスはアプリから集めた膨大なデータを以下の方法で活用しています。
一般的に映画やドラマの世界ではプロデューサーの意見を参考に監督や俳優を選んできました。
しかし、ネットフリックスはユーザーの好みをビッグデータから分析できます。
それで、特定の人物の経験や勘などの目に見えないものではなく、データを分析して出た結果によりオリジナル作品の監督や俳優をキャスティングするようにしてきました。
ネットフリックスでは、ユーザーの視聴行動を細かくトラッキングしています。
そして、その収集されたデータは、複数のアルゴリズムによって処理されます。それにより個々のユーザーの好みに合わせたトップページが表示できます。
個々のユーザーに合わせたおすすめの作品やジャンルが、そのユーザーに合わせた並び順でトップ画面に表示されるわけです。
さらに、コンテンツのイメージ画像(アートワーク画像)も、それぞれのユーザーに対してすべて同じものではなく、個々のユーザーの好みや属性に合わせてカスタマイズされています。
ネットフリックスは膨大な顧客データを集めて次の2つの点を行っていました。
1. ビッグデータを活用し売れるコンテンツ(商品)の開発をする
2. 顧客それぞれの属性や好みにあったアプローチを行う
中小企業でも集めた顧客データを商品開発に活かしたり、顧客をセグメント化(属性化)し、そのセグメントに基づいて宣伝方法や販売方法を工夫することができます。
ネットフリックスは、特定の人物の経験や勘といった文章化したり、継承したりするのが難しいものではなく、蓄積したデータとその分析結果という目に見えるものを活用し、商品開発やマーケティングを行なっています。
ネットフリックスのビッグデータ活用法は、どんな企業でも真似することができるお手本です。
ビッグデータの活用法についてさらに詳しく知りたい方はどうぞこちらの記事も参考にしてください。
ネットフリックスは動画配信のサブスクリプションサービスです。
サブスクリプションサービスはわたしたちの周囲ですでに一般化しつつあります。サブスクサービスを利用すれば、自分が欲しいサービスをお得に利用することができます。
さらに、ネットフリックスは顧客の視聴行動を細かくトラッキングし、そのビッグデータを効果的にコンテンツ制作やマーケティングに活用しています。
動画配信サブスクサービスとしてのネットフリックスだけでなく、成功しているビジネスモデルとしてネットフリックスを見てみれば、ビジネスの成功に役立つ違った一面が見えてくるでしょう。
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