「自社商品のPR、広報のためにプレスリリースを書こう」そう決意したもののプレスリリースの書き方も送り方も分からない、そういったPR担当者は多いと思います。
初めてでもメディア掲載を成功させるプレスリリースの書き方のコツと裏技を元PR担当者が詳しく紹介していきます。
このページの目次
プレスリリースはおおむね下記のフォーマットの通りに作成します。
作成の基本的なルールとしては、A4サイズの用紙に横書きで記載。
1〜3枚程度で「ワンテーマ・ワンリリース」が原則です。
そして何より目立つ・興味喚起するビジュアルでなければなりません。
これを元にプレスリリースを構成する各項目のポイントを具体的に説明していきます。
メディアの担当者は多いところでは1日200本以上のプレスリリースを受け取ります。
そのため長いタイトルをじっくり読み解くことはできません。
タイトルの長さはメディアの担当者が瞬時に判断できる30文字以内に収めるべきです。
また、タイトルやサブタイトルは横一文で収めるのも重要なポイントです。
改行で折り返す文になると一気に読みにくくなり、それだけでマイナスイメージになってしまいます。
プレスリリースで最も大事なことは事実のみを正確に伝えることです。
「数字」や「固有名詞」を用いることで、具体的かつ信憑性のあるタイトルになります。
逆にタイトルに「美味しい!」や「すばらしい」などの「形容詞」を使ってしまうと主観的な表現になり、メディアにとっては一気に信憑性が薄れてしまいます。
また「!!」をタイトルにつけたり誇張した表現を記載するのも避けましょう。「チラシっぽい、中身が薄そう」と判断される要因になり兼ねません。
メディアの担当者は10秒以内に、そのプレスリリースを取材する価値があるか否か、を判断すると言われています。
そんな状況下で、写真は瞬時にたくさんの情報を伝達することができます。
その写真を参考に「どのような画が撮れるのか」という判断の指標にもなるため、インパクトや独自性のある写真を添えましょう。
メディアにとって価値のあるニュースの3条件は「事実であること」「新しい情報であること」「社会的意義があること」だと言われています。
プレスリリースがただの商品・サービス(イベント)紹介で終わらないよう、世の中に与える変化や価値、つまり社会的意義を明記する事が大切です。
そのための要素は5つです。
「新規性・希少性・社会性・時事性・話題性」少なくともこの中の1つの要素を含み、社会との繋がりを作り出しましょう。
一体何が、世の中的に新しいのか、という事です。
「日本初、世界初、業界初」などのワードを盛り込められるとメディアに掲載される可能性が上がります。
しかしこの場合はきちんと裏付けされるデータや事象を記載しましょう。
例えば、「〇〇個限定、〇〇日間限定で東京に出没!、世界最大の〇〇」など限定感やプレミア感のある表現を用いるのも効果的です。
何かしらの課題解決に繋がるためのサービスやイベントである場合、調査データなどと絡めて社会への有益性を打ち出します。
クリスマスやハロウィンなど季節性のある事柄、または春は桜、夏は海、冬は雪などシーズンに絡めたネタを提供することもできます。
これはテレビやネットで話題になっているネタに乗っかる事です。
例えば数年前には「ナイトプール」や「インスタ映え」などがありました。
このようにネットやテレビで話題沸騰中の事柄にはどんどん乗っかっていきましょう。
ターゲットメディアとは、企業が記事掲載を狙うメディアのことです。
各メディアはどんな読者層・視聴者を抱えているのか、その層が自社の商品やサービスのターゲット層と一致しているのか、を検討した上でターゲットメディアとしてリストアップしていきます。
プレスリリースは、送るメディアごとに多少は書く内容を変えるのが理想的です。
手間がかかるため諦めてしまうPR担当者も多いですが、それぞれのメディアによって重要視するポイントは異なるため、掲載率を上げるためには地道に文脈を変える努力も必要なのです。
実際に各メディアの読者層や視聴者層、注目されやすいニュースのポイントをまとめて紹介します。
テレビ番組に取材されるためには絵面として「面白い画が撮れるのか」という映像性や「世界初、行列の」などのニュース性が重要となります。
そのためプレスリリース内には実際に撮影可能な、撮れ高が良さそうなイメージ画像を入れておくこと、新規性・希少性の高い情報であることが効果的です。
また、テレビに送る場合は会社ではなく「番組」ごとに送るのが基本です。
大きな番組の場合スタッフが100人以上いることもあるため、コーナーごともしくは曜日担当ごとに送るのが理想です。
もちろん最初は部署名・番組名まで突き止めることで精一杯かと思いますが、そこからコンタクトを取り地道に担当者に近付いていきましょう。
エビデンスにもとずく社会性の高い情報や、大衆向けの普遍的なネタが好まれる傾向にあります。
そのためプレスリリースの書き方も経済面や企業活動文脈に絡んだ内容が効果的です。
また新聞社と連絡をとる場合は、その新聞の記事を確認し自社のプレスリリースと類似したネタを扱う記事を探し出します。
そして貴社の名前をリストアップし、電話等でメールアドレスを聞き出して個人宛にメールを送る、というのが一般的な流れです。
読み物として深く掘り下げた内容にできるような、ストーリー性が重要になります。
また雑誌に掲載してもらうためには、編集者との良好な関係作りが重要になってきます。
うまくいけば、2.3ヵ月先の企画内容を教えてもらうことも可能になります。
そしてリリース文は各雑誌が好きそうなテイストを把握し、出来るだけ寄せて書くことが重要です。
出来たばかりのお出かけスポットや新商品など、ニュース性の高いものが好まれます。
しかしウェブ媒体は少人数体制で運営しているところが多いため、送付するメールに掲載してほしい写真を添付することが重要なポイントです。
そうすることでメディア側の取材時間が不要になるため、掲載確率が一気に高まります。
また、ウェブ媒体の記者は各ジャンルの担当者が1-2名など少ないところが多いため、イベントなど記者に来て欲しいネタの場合は他社イベントとの取り合いになります。
そのため、イベントで記者に来てもらうにはイベント開催日に対して早めにリリース配信(約2週間前)をすることをオススメします。
プレスリリースのリード文には「伝えたいこと」「取り上げてほしいこと」つまり最も伝えたい結論の部分を記載します。
リード文は、タイトルに興味を持ったメディアの担当者にその概要を説明する部分です。
ボリュームとしては4〜6行程度でまとめるようにします。
「〇〇株式会社(本社所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:〇〇)は国際ガールズ・デーにむけ、女性の健康と生き方をアップデートするため『ワンコイン健康診断』を11月1日より1週間限定で渋谷スクランブルスクエアで開催し、“あたらしい健康診断”の形を提案していきます。」
上記のようにリード文ではプレスリリースの発信主体である企業名から書き出し、5W2Hから必要要素を抜き出して文章を作成します。
メディアの担当者が斜め読みしても理解できるような、分かりやすく簡潔な文章にしましょう。
本文では伝えたいことから逆三角形の構成で、段落分けしながら、5W2Hの要素を全て含めた内容を書きます。
5W2Hとは「誰が(Who)、どこで(Where)、何を(What)、いつ(When)、なぜ(Why)、どうやって(How)、いくらで(How much)」という情報を伝えるための最低条件です。
逆三角形の構成と言いましたが、これは段落を追うごとに情報の重要度を下げていく構成という意味です。
本文では、1センテンスは50文字以内に収めるよう意識しましょう。
短い文章は読む側にとって分かりやすく、ストレスがかかりにくいものです。
特にメディアの担当者がプレスリリースに目を通す時間は限られているため、わかりやすい文章で取材可能性を高めましょう。
1センテンスは短く50文字以内を目安にし、長くなってしまったら文節を短くして書き直すようにしましょう。
また新製品(サービス・イベント)の特徴などニュースポイントを箇条書きにすることも有効的なやり方です。
プレスリリースを見て内容に興味を持てば、メディアから必ず電話がかかってきます。
メディアの担当者は時間がないためタイムラグが発生するメールよりも電話を好むことが多いです。
固定電話ではなく、いつでも連絡が取れる携帯番号を記載しておくことも重要です。
また電話番号のほか、社名、所在地、担当者の名前、メールアドレス、商品の詳細情報は必ず入れるようにしましょう。
新商品、新サービスであったとしても、どこにでもあるような類の商品やよくありがちなイベントではメディアに取り上げてもらうのは正直困難です。
しかしどうしても新規性や社会的意義と自社商品(サービス)を結び付けられない、という方は記事後半に記載してある裏技を検討してみてください。
プレスリリースはあくまでニュースネタの提供資料です。
そのニュースに価値があるか否かで掲載の可否は決まります。
プレスリリースにメディア掲載を懇願するような文章を埋め込むとそれは逆効果になってしまいますので注意しましょう。
プレスリリースは「ですます」調で書くのが主流です。「である」調はメディア側に上から目線だと捉えられる可能性があるため避けましょう。
また「〜ございます」のような過剰な丁寧語もプレスリリースには不向きです。
商品なのか、サービスなのか、イベントなのか、プレスリリースの内容を明確に伝えられるタイトルにしましょう。
また表現が固すぎてもメディアの担当者の目に留まることは難しいです。
タイトルは事実をベースに「キャッチコピー」のような感覚で作ると効果的です。
プレスリリースには専門用語や専門的なスペックなど難しい言葉は使わないようにしましょう。
社内や業界内では当たり前の用語も大衆には伝わらない可能性が高いので社外の人に確認してもらうことをオススメします。
もし止むを得ず専門用語を使う場合は注釈をつけて説明を加えましょう。
実際にプレスリリースを書いてみたら、抜け漏れがないか下記のチェックポイントと照らし合わせて確認してみてくださいね。
最近の主流はメールです。
しかし件名や本文の書き方には注意が必要です。
不適切な送り方をすると、この時点で見てもらえなくなる可能性があります。
リリースの受け手は、「どこの会社がどんな内容のリリースを送ってきたのか」件名を読んだだけで概要を把握したいものです。
つまりこの時点でゴミ箱行きのリリースもあるということです。
件名には「プレスリリースであること」「会社名」「リリースの内容(要点を一言で言い切る)」の内容を盛り込むようにします。
また送信者名には必ず「会社名」を入れます。
下記の例を参考にしましょう。
送信者名:「〇〇株式会社広報部」または「個人名(〇〇株式会社)」
件名 :【プレスリリース】タイトル
またプレスリリースをPDFファイルの添付で送ると、それを嫌がるメディアもあります。
そういう場合はtxtファイルで送るようにしましょう。
テレビなどのオールドメディアでは今でもFAXでのやりとりが主流のところもあります。
FAXで送付する際は、文字潰れが起きないよう明朝系の細いフォントは控え、白黒プリントしたものを送付するようにしましょう。
郵送による送付は手間はかかりますが、意外と効果的な手法です。
プレスリリースをカラーで訴求できることや追加資料など補足に役立つ資料を一緒に送ることができます。
メディア・記者に直接アポイントを取り、情報の提供や商品の紹介をするため、またはメディアとの関係構築のために訪問することです。
メディアキャラバンを続けて良い信頼関係を構築していくと、メディア側から「こんな情報ありませんか?」と問い合わせを受けることができるようにもなります。
しかしメディアキャラバン実施の際にはいくつか注意点があります。
一方的に自社の情報提供をする場ではないことを心得ておきましょう。
発信ばかりではなく、相手がどんな情報を欲しているのか、どんな情報がそのメディアに合うのかを考えることが大切です。
また、相手のスケジュールを把握し、手が空いてそうな時間帯にアポイントの連絡をとるようにしましょう。
記者クラブとは、各省庁やと都道府県庁、市・区役所、警察署などの公的機関、また経団連などの業界団体などに設置されている記者の取材のための機関のことです。
継続的な取材や即時報道を目的としており、TV、新聞、通信社などのキーメディアが中心となって構成されている任意組織です。
つまり記者クラブをうまく活用すれば、テレビや新聞各社が一斉に自社のプレスリリースを報道してくれる可能性があるということです。
しかし記者クラブへのプレスリリースの持ち込み(業界用語では「投げ込み」と言います)には細かいルールがあるため、正しい手続きの仕方と手順を紹介していきます。
各記者クラブによって、投げ込みの段取りは様々なのでまずは事前に電話で問い合わせるようにしましょう。
プレスリリースを提供したい旨を伝えれば投げ込みの段取りを教えてもらえます。
ここで「必要部数」と「訪問時間」を確認し、実際に記者クラブへ足を運びます。
記者クラブでは、メディア各社が公平に情報をキャッチすることが基本的なルールとなっているため、投げ込みの際は加盟各社に同時・一斉に配布するよう注意しましょう。
また記者クラブで取り扱ってもらえるプレスリリースには種類があります。
ただの商品(サービス・イベント)のお知らせでは受け付けてもらえないことが多く、社会貢献や地域活動、地方創生などに絡んだプレスリリースが記者クラブでは掲載される可能性が高いです。
プレスリリースの送り方を紹介してきましたが、より効率的にメディア掲載を成功させる方法もあります。
それは、メディアに直接コンタクトをとれるサービスを利用するという裏技です。
ここでは、編集部が厳選した「CLOUD PRESS ROOM」というサービスを紹介していきます!
「CLOUD PRESS ROOM」は一般的なプレスリリースサービスとは異なり、メディアとコンタクトを取ることができる広報支援サービス。
アジアNo.1PR会社(2018年カンヌレポートより)株式会社マテリアルのグループ企業である、株式会社CONNECTED MATERIALが提供するプラットフォームサービスです。
プレスリリースの書き方やメディアの研究方法など、さまざまなスキルを広報のプロから学べるところも魅力。
また、導入時にはキックオフミーティング、導入後は広報のプロによるセミナーや1on1ミーティングであらゆる課題解決をサポートしてもらえるので、はじめて利用する企業でも安心です。
フォーマットに沿って入力するだけのシンプルなシステムで、ITリテラシーが低めという人でも使いやすいと評判になっています。
どうしてもプレスリリース用のネタが見つからない時は「調査PR」を活用しましょう。
調査PRはネットニュースだけではなく、うまくいけば全国紙やヤフートップにも掲載してもらえる可能性があります。
調査PRを掲載してもらうためのポイントとしては、”職場での服装”や”スマホ問題”など「社会問題、みんなゴト」であること、そして意外な数値データであることが重要になります。
また記念日や季節に合わせて発表することで「なぜ今取り上げるのか」という根拠になり、メディア側も記事が書きやすくなります。
調査PRをやるメリットとしては客観的なデータを含むため報道関係者の関心を引きやすい、更に取得したデータを自社コンテンツとしてウェブなどで二次活用できる、営業ツールとして後に活用することができるという点があります。
しかし調査PRを実施するには費用がかかります。
調査会社やそれぞれのパッケージによって価格は変わりますが、セルフ型のネットリサーチで調査PRを行うことも可能です。
人気の調査会社には下記のような会社があります。
価格やサービス内容は各社パッケージによって違うので比較検討してみてくださいね。
最後にあなたのそのリリースがきちんとニュースバリューを兼ね備えた内容になっているか、最終確認しましょう。
ニュースバリューを高めるためには、業界他社や既存商品と比較して「どの部分がどのくらい新しいのか」を明確に伝えるようなリリースにしましょう。
メディアが掲載するために確実に必要となる要素です。
このうちの一つでも欠けていたら、メディア掲載の可能性はかなり低くなってしまいますので、リード文・本文に全ての要素を盛り込むようにしましょう。
そのリリースによって社会や業界に何かしらの影響を及ぼすのか、その大小によってメディア掲載率は変わってきます。
メディアが注目するのは業界でのその商品(サービス)の立ち位置です。
なるべく業界全体や他社と比較しながら自社商品の強みを押し出しましょう。
このフレーズは記事にしやすいため、何かしらの新規性を絞り出しましょう。
裏付けのためのデータの記載も忘れないようにしてくださいね。
市場全体が盛り上がっている、市場競争が激化しているなど業界内での競争姿勢が感じられるようなリリースはメディアにとっては記事にしやすい内容です。
専門家や消費者からのコメントがあると、一気に客観性と説得力が増すためメディア掲載率は高くなります。
商品や自社に絡めた独自の記念日を作り定例化することができれば、日本記念日協会への登録も可能になり、インパクトのあるネタになり得ます。
社長、開発者、シェフ、企画担当者など新たな情報について話せる人物とその人のプロフィール、誕生秘話をまとめたプレスリリースも有効的です。
業界的にも権威がある、自社商品だけではなく業界全体について語れる人物であれば、より掲載率は高くなります。
掲載を成功させるプレスリリースを書くためには、まずはタイトルと写真、リード文でいかにメディアの担当者の心を掴むかが勝負です。
情報を伝えたいばかりに、つい熱のこもった主観的なプレスリリースを作ってしまうケースが多いです。
プレスリリースを書く際には、メディアの担当者の立場になって客観的に ”事実” を分かりやすく伝える、事を忘れないようにしましょう。