SIEM製品サービスについて

【最新比較】SIEM製品おすすめ9選!

記事更新日: 2023/08/14

執筆: 高浪健司

サイバー攻撃の手法が日々巧妙化・複雑化してきていることから、新たなセキュリティ対策としてSIEMが注目されています

SIEM製品は、あらゆるログデータを一元化して分析・解析を行い、セキュリティインシデントの防止や早期発見に有効なテクノロジーです。

当記事では、SIEM製品おすすめ9選の比較紹介と、SIEMの基礎知識や主な機能、導入前に検討すべきことなどを詳しく解説しています。

SIEM製品とは

SIEMとは、「Security Information and Event Management(セキュリティ情報とイベント管理)」の略称で、読み方は「シーム」です。

SIME製品では、多様なIT機器に対するログの一元管理や解析のほか、セキュリティインシデントにつながる脅威をリアルタイムに監視・検知ができます

収集したログデータの可視化や分析・解析を行い、企業におけるセキュリティインシデントの未然防止をサポートするのがSIME製品の役割です。

不正アクセスやサイバー攻撃の手法は日々巧妙化・複雑化してきており、攻撃を防御するのは困難であるといえます。

そのため、攻撃に対する防御だけでなく、侵入されることを前提としたセキュリティ対策も重要となるのです。

SIEM製品の機能

現在では、さまざまなSIEM製品が存在していますが、主な機能として、以下があげられます。

ログデータの管理(収集・統合)

複数の異なる機器やソフトウェアからログデータを収集し、一元管理できます。

通常、ログデータは機器やソフトウェアによってそれぞれ保存され、確認が必要なときは機器ごとに行わなければなりません。

SIEMでは、複数のログデータを正規化した状態で自動収集されるため、ログの可視化など運用の効率化が図れます。

ログのリアルタイムな相関分析

正規化した収集ログに対し、リアルタイムに相関分析が行えます。

複数のログデータから関連性を見つけ出して分析し、サーバー攻撃やマルウェアなどのセキュリティインシデントの検知が可能です。

リアルタイムな相関分析により、単体ログでは見えないインシデントの兆候を早期に検出し、迅速な対応ができるようになります。

ユーザー行動分析(UBA)

UBAとは「User Behavior Analytics(ユーザー行動解析)」の略で、ユーザーの行動分析から異常を検知する機能です。

データをもとに、機械学習と分析を用いてアルゴリズムを実行し、通常時におけるユーザーの行動とは異なる不自然な行動を検出・特定・追跡します。

これにより、通常の手段では見過ごされがちな内部脅威への特定が可能となり、より強固なセキュリティ体制の構築が可能です。

おすすめのSIEM製品サービス5選

LogPoint

画像出典元:「LogPoint」公式HP

特徴

デンマークに本社を置く「LogPoint社」が開発・販売する製品で、世界最高レベルの安全性を示す「EAL3+」に認定された、次世代SIEMソリューションです。

あらゆるログデータの収集・保存・分析機能にくわえ、プラグインがモジュール構造のため機能変更や拡張も柔軟に対応できます。

既存システムや他システムとの連携がスムーズに行えるほか、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)画面となるため直感的な操作が可能です。

標的型攻撃や異常などもダッシュボードでリアルタイムに監視できるので、脅威やリスクにもすばやく対処できます。

政府機関をはじめ、公共・医療・金融・製造・サービス・小売など、あらゆる業種に選ばれ、これまで1,000社以上が導入する信頼性の高い製品です。

機能

  • ログの「取得・正規化・保存・暗号化・検索」機能
  • セキュリティリスクや異常の検出、警告、インシデント生成を行うアラート機能
  • 通常と異なるユーザーの行動から、未知の脅威を検知するユーザー行動分析機能

料金プラン

詳細については、お問い合わせが必要です。

Splunk Enterprise Security

画像出典元:「Splunk Enterprise Security」公式HP

特徴

米国に本社を置く「Splunk社」が開発する製品で、フォーチュン100社のうち91社から信頼されている、分析主導型のSIEM製品です。

高度なセキュリティ分析をはじめ、機械学習や脅威インテリジェンスを用いて脅威をすばやく検出し、防御力を強化します。

データの取り込みは、マルチクラウド環境・オンプレミス環境の両方に対応しているので、環境全体の可視化が可能です。

そのため、他システムとのデータ連携が取れないといった、いわゆるデータサイロを解消し、脅威に対して迅速に対応できます。

オープンで拡張性の高いデータプラットフォームを基盤とし、データ・ツール・コンテンツの統合ができる点も魅力です。

機能

  • 700以上の検出ルールと機械学習による高度な脅威検出
  • Microsoft Azure、AWS、Google Cloud Platformなど、多彩な外部ツールとのログ統合
  • 相関サーチ、アラート、レポート、ダッシュボードの柔軟なカスタマイズ

料金プラン

詳細については、お問い合わせが必要です。

IBM Security QRadar SIEM

画像出典元:「IBM Security QRadar SIEM」公式HP

特徴

米国に本社を置く「IBM社」が開発・販売するSIEM製品です。

あらゆるIT機器やアプリケーションなどのデータをリアルタイムに収集し、膨大なログ情報も正規化データとして相関分析できます

高度なセキュリティ分析や検出機能などにより、既知のセキュリティ脅威はもちろん、未知のセキュリティにおける脅威も可視化可能。

高度な脅威検知により、認証情報の漏えいや内部脅威の疑いがあるユーザー・アクティビティーをすばやく識別し、迅速に対処できます。

IBM Security QRadar SIEMであれば、重大な脅威に対処するためのインテリジェントなセキュリティ体制が実現できるでしょう。

機能

  • 高度な分析機能であらゆる脅威を正確に検知、異常があった場合のメール通知機能
  • 450を超えるソリューションとの即時統合機能
  • 分析用のカスタム、ログ、ソースをかんたんに組み込める使いやすい編集機能

料金プラン

詳細については、お問い合わせが必要です。

Log360

画像出典元:「Log360」公式HP

特徴

「Log360」は、ゾーホージャパン株式会社が開発・提供するSIEM製品で、ネットワークセキュリティとログ管理の課題に対応できるソリューションです。

Log360では、総合ログ管理ツール「EventLog Analyzer」に加え、Active Directory監査ツール「ADAudit Plus」の全機能が利用可能。

Microsoft 365監査やUEBA(ユーザー・エンティティの行動分析)機能を提供するなど、ネットワークセキュリティの向上に期待できます。

ルーターをはじめ、ファイアウォールやIDS・IPSなど、各IT機器によって生成されるSyslog(シスログ)をリアルタイムで収集・可視化・分析・保管が可能です。

すべての機能を無料で30日間、サポート付きで試せるので、実際に使用してみるのも良いでしょう。

機能

  • 不正操作を検知した場合の自動通知機能
  • ファイルやフォルダーへのアクセス、作成、削除、修正、権限の変更を監視
  • 機械学習を活用した高度なUEBA機能

料金プラン

  年間ライセンス 通常ライセンス
初期費用 0円
利用料金
(税別)
161,000円~/年 483,000円~/無期限

LogRhythm SIEM 

画像出典元:「LogRhythm SIEM」公式HP

特徴

米国に本社を置く「LogRhythm社」が開発・販売するSIEM製品です。

あらゆるIT機器から出力される膨大なログを1つのプラットフォームに集約・統合・分析し、セキュリティインシデントを迅速に特定します。

エンドポイントからネットワーク、クラウドなど環境全体が可視化ができ、サイバーセキュリティにおけるブラインドスポットの解消に有効です。

AIエンジンによる、柔軟かつ複雑なログの相関分析ルールの記述もできるので、より高度なセキュリティ分析が行えます。

直感的に操作できるGUIとなっているため、特別な分析クエリの構築がなくても、かんたんに分析の実行が可能です。

固有の反復的なタスクや面倒な作業を自動化させられるので、コア業務に専念できるでしょう。

機能

  • 脅威を早期かつ迅速に検出する、スピード重視のSIEMプラットフォーム
  • 高度なセキュリティ分析を実現するAIエンジンによる相関分析
  • 柔軟なカスタマイズが可能なダッシュボードとデータビジュアライゼーション

料金プラン

詳細については、お問い合わせが必要です。

その他おすすめのSIEM製品サービス

ArcSight

画像出典元:「ArcSight Enterprise Security Manager」公式HP

特徴

英国に本社を置く「Micro Focus社」が開発する製品で、サイバー攻撃に対するリアルタイムな脅威検出とセキュリティ業務を効率化させるSIEM製品です。

500種類以上のデバイスからデータを収集・正規化・エンリッチ化・分析ができるため、脅威における可視性が高められます。

また、高度なデータエンリッチメント機能でサイバーセキュリティの脅威をリアルタイムに検出するなど、セキュリティ侵害の兆候に対して迅速な対処も可能です。

ネイティブSOARによって、セキュリティ運用を自動化させられるため、運用効率の大幅な向上が期待できます。

セキュリティイベントのフィルタリングやルール設定、レポートの作成などさまざまな操作が必要ですが、GUIで視覚的に行えるため操作もかんたんです。

機能

  • 既存のSOCツールやMITRE ATT&CKなどとの柔軟な連携機能
  • 適応性に優れた強力なリアルタイム相関分析機能
  • あらゆる機器やソフトウェアなどに対応するスケーラブルなイベント監視機能

料金プラン

詳細については、お問い合わせが必要です。

Logstorage X/SIEM

画像出典元:「Logstorage X/SIEM」公式HP

特徴

「Logstorage X/SIEM」は、インフォサイエンス株式会社が提供する製品で、総合ログ管理においてシェアNO.1の「Logstorage」から誕生した純国産SIEM製品です。

サーバーやネットワーク機器など、さまざまなログデータを収集し、セキュリティインシデントの事象をリアルタイムに検知・相関分析できます。

また、システム環境やログの特性に併せて複数の収集方式が組合わせられるため、テキスト形式で出力されるすべてのログに対して収集可能です。

GUI画面で直感的に操作できるため、相関分析やログ分析など専門の技術者がいなくても、スムーズに扱えます。

製品はすべて自社開発の純国産なので、導入や運用も安心です。

機能

  • 収集したログに対する圧縮保管機能(最大10分の1に圧縮可能)
  • AESやBlowfishなどの暗号方式を用いて保管するログ暗号化機能
  • 異常を検知したログのみメールで通知するアラート機能

料金プラン

詳細については、お問い合わせが必要です。

Sumo Logic Cloud SIEM

画像出典元:「Sumo Logic Cloud SIEM」公式HP

特徴

米国に本社を置く「Sumo Logic社」が開発・提供する、SOCアナリティクスと高度な可視性を備えたクラウド型のSIMEツールです。

オンプレミス・ハイブリッド・マルチクラウドなど、ITインフラストラクチャを問わず、ログをリアルタイムな監視・相関分析・長期保管・可視化。

Windows・AWS・Azure・Google Cloud Platformなど、主要なクラウドサービスに対応するダッシュボードのテンプレートが豊富に用意されています。

用意されたテンプレートを使用することで、ログのアップロード後、すぐに分析・可視化できるため、分析を一から作る必要がありません。

米国特許を取得した、AIを用いた機械学習による迅速なログの相関分析や分類ができるところも、Sumo Logicの強みといえるでしょう。

機能

  • 独自解析技術をベースにしたAI搭載の優れた分析機能
  • 約200種類のダッシュボードのテンプレートを用意
  • ログの異常や予兆をすばやく検知するアラーム通知機能

料金プラン

詳細については、お問い合わせが必要です。

Datadog Cloud SIEM

画像出典元:「Datadog Cloud SIEM」公式HP

特徴

米国に本社を置く「Datadog社」が開発・提供する、クラウド型のSIEMツールです。

運用ログやセキュリティログなど、ログのボリュームに関係なくリアルタイムに分析し、厳選された統合機能やルールの活用で脅威をすばやく検知。

サイバー攻撃などのセキュリティ調査を、ひとつの統合プラットフォームでスムーズに実施できます。

優れた拡張機能で、ネットワーク・IDプロバイダ・エンドポイント・SaaSなどのログも完全に可視化することが可能です。

低メンテナンスかつ低コストで利用可能なクラウド型のため、より脅威の検知に集中した効果的な運用が実現できるでしょう。

機能

  • 500以上の統合機能であらゆるログデータを可視化
  • 閾値と異常検知ルールなど、柔軟なセキュリティルールの設定機能
  • 複雑なルールや膨大なデータでも脅威を迅速に発見できる優れた脅威検知機能

料金プラン

プラン Cloud SIEM
初期費用 要問合せ
月額利用料 0.25ドル~/ログ1GBあたり

(税表記なし)

SIEMの導入前に検討すべきこと

多額の費用をかけてSIEMを導入したものの、結局のところ有効活用できてないといったケースが多々あります。

SIEM製品の導入後、失敗に終わらないためにも、以下2つの事項を導入前の検討ポイントとして意識してみてください。

情報セキュリティ担当者など人的リソースの確保

SIEMを導入することで、サイバー攻撃の予兆を検知したり、インシデントや脅威を早期に発見したりすることが可能となります。

しかしながら、SIMEを導入したけれども「運用しきれない」「有効活用できない」といった企業も少なくありません。

SIEMは、未知の脅威を勝手に検知し、対処してくれるものではなく、収集したログを分析するなど、専門的な作業が必要だからです。

SIEMを有効活用するには、セキュリティに関する知識はもちろん、ログ分析ができる人材の確保が必要となります。

そのため、SIEMの運用ができる体制をきちんと整えてから、導入検討を進めていくことが重要です。

システム管理者を含め、社内全体で検討を進める

セキュリティの強度を高めることだけに着目しがちですが、システム担当者が効率的に運用できるかということも考慮する必要があります

たとえセキュリティに関する機能が優れていたとしても、システム担当者の作業負担や手間が大きくなるようであれば、良いとはいえません。

セキュリティ面の強化は企業にとって大切ですが、セキュリティ運用を自社で行う場合、効率的に運用できることがもっとも重要です。

導入前の検討は、経営陣だけで行うのではなく、管理職や現場担当者も交えながら進めるようにしましょう。

まとめ

SIEMを活用することで、多様な機器のログデータをリアルタイムに分析し、インシデントや脅威を早期に検知することが可能です。

近年、不正アクセスやサイバー攻撃の手法が巧妙化・複雑化していることから、セキュリティ分野において、SIEM製品が注目されています。

しかしながら、SIEMは使いこなすのが難しいうえ、海外製が多い傾向にあり、導入の際は慎重に選定することが重要です。

ぜひ、自社にあったSIEM製品を選び、セキュリティの強化につなげていきましょう。

画像出典元:O-dan

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