HR tech専門家 株式会社KAKEAI代表取締役 本田英貴がおすすめするITツール5選

HR tech専門家 株式会社KAKEAI代表取締役 本田英貴がおすすめするITツール5選

記事更新日: 2021/02/17

執筆: 吉田杏佑

HR tech専門家 株式会社KAKEAI 代表取締役 兼 CEO

本田 英貴

筑波大学卒業後、2002年に株式会社リクルート入社。商品企画、グループ全体の新規事業開発部門の戦略スタッフなどを経て、(株)電通とのJVにおける経営企画室長。その後、(株)リクルート ホールディングス人事部マネジャー。2015年にリクルート退職後、スタートアップ数社の役員を経て、2018年4月に株式会社KAKEAIを創業。2019年以降、国内HRtechアワードでグランプリを総なめ。日本企業で初めて世界のHR techスタートアップ30社に選出、アジア太平洋地域における2020 HRtechサービスTOP10 、アジア最大級のHRアワード銀賞受賞など、海外からも大きな注目を集める。 

今回は弊社(株式会社KAKEAI)で実際に利用していて、便利に感じているサービスについて紹介します。

1.Vyond

https://www.vyond.com/

Vyondは動画作成のソフトで、ある程度のセンスさえあれば、誰でも簡単に質の高い動画を作ることができます
私個人は、ピッチの動画を作成する際などに利用しています。

Vyondを利用すれば、3分尺の動画なら1時間ほどで簡単に作れます。
反対に深く作り込むこともでき、私がピッチに利用する動画だと、3分の動画を作るのに一日くらいかかってしまうこともありますが(笑)
発注しても準備や指示や出し戻しで1日くらいは余裕で取られますし、数百万程度簡単にしてしまうくらいの細かさで作成しているので、時間もコストも大幅に削減できています。
月額1万円弱で動画を作り放題ですし、費用対効果は非常に良いです。

また私は、このツールがリリースされたばかりの5年くらい前から利用していますが、高頻度にアップデートされ、しかもかなり細かく丁寧にユーザーニーズを拾えているのが素晴らしいと感じますね。
最近追加されている機能は、新規のユーザーに寄り添ったチュートリアルやテンプレートなどが多く、今から利用する方へのハードルもかなり低くなっています。

Vyondはアメリカのツールであるため、日本語で利用するにはサポート面など不安に感じる方もいるかもしれませんが、その点も心配いらないと思います。
そもそも少し触ればわかりますし、大抵の疑問はユーザー同士のQ&Aを見れば解決できます。

本来の主要なユーザーは法人だと思います。
どんな動画にも対応できるくらい機能が豊富ですので、個人でヘビーに使いたい場合も、マーケティング用途で法人として使い倒したい場合も、どちらのニーズも満たすことができます。

敢えて注意点を挙げるならテキストの読み上げ機能くらいです。日本語の読み上げはまだまだカタコトです。

一度慣れたら、使い勝手もコストパフォーマンスもかなり高いツールです。

 

2.Intercom

https://www.intercom.com

さまざまな捉え方ができると思いますが、私たちにとってのIntercomは、顧客とダイレクトに繋がり、声を聞き、事業改善に活かせるツールです。
弊社では、普段の商談相手である人事や経営層の方々だけでなく、実際にKAKEAIを利用しているマネジャーやメンバーの皆さまから直接声をきき、プロダクト改善や、カスタマーサクセス活動や、マーケティングに活かしたいという狙いから導入しました。

具体的には、プロダクト上で質問を簡単に投稿できるシステムと、カスタマーサポートサイトに実装しています。

リアルタイムでユーザーとコミュニケーションをとり、スピーディーにプロダクト改善へつなげると同時に、実装までの間は記事で対応し、実装されればチャットを通じてバージョンアップをお知らせしています。
やや運用コストは高くなりますが、重要な施策は利用権限や企業ごとに出しわけもしているので、ユーザーとの結節点ですね。

弊社ではわりとシンプルなプランをつかっていることもあり、1ユーザー1万円ほどで、非常にリーズナブルだと思います。

注意点としては、カスタマイズはしにくい点です。
例えばカスタマーサポート用のサイトで、よくある質問をカテゴリで分けて見せたいなどの需要がありますが、自由度が低く、目指すユーザー体験を提供仕切れているかというとやや不足なところがあり、もどかしさもあります。

SaaSの立ち上げ段階でもさっと利用できるとこを考えたら、素晴らしいツールです。
必要な機能はしっかり抑えてあります。

 

3.pivotal

https://www.pivotaltracker.com

pivotalはエンジニアのプロジェクト管理ツールです。特にスクラム開発を行っているチーム向けです。

案件についてゴールへの道筋を分解し、それぞれについてできるだけ最短で妥当に見積もり、スプリントを回しながら利用するツールで、違いの認識のズレなくしながら開発を進めることができます。

弊社では去年の夏頃に導入しました。クライアントが増え始め、ユーザーからのごく汎用的な機能実装要望が常に発生し続けるようになりました。同時に、プロダクトを一気に成長させうる機能もみえてきて、開発体制を大きくしていったタイミングでした。

あるパートナーがスクラムで進めることを勧めてくれたこともあり、利用しはじめました。

pivotal導入後は、スピーディーにクオリティ高く仕事を進めることができています。
今では、これがなければ開発はかなり苦労すると思います。

スクラム開発には非常にマッチしているツールで、それに見合った機能が多数あります。
自社の開発でスクラムのフレームに載らない部分は、運用でカバーする必要はありますが、大枠としてスクラムを採用しているのであればフィットすると思います。

仕事の進め方を大きく決めるツールなので慎重に選ぶ必要はあるものの、使いこなすことで仕事の仕方が型化され、同時に仕事のクオリティも高まる(もちろん常に疑い続ける必要はありますが)というのは、SaaSのよさのひとつだと感じます。

4.Figma

https://www.figma.com

Figmaとは、ブラウザ上でデザイン業務と仕様確認等を完結させられるツールです。
セールスやカスタマーサクセスのメンバーであろうが、開発のメンバーであろうが、UI/UXの認識合わせができるため、部門連携をスムーズにしてくれるツールだと感じます。
また、デザインに関する操作が非常にわかりやすので、弊社では実はデザイナーではなくカスタマーサクセスのメンバーや、私が仮のデザインをすることがあります。その後、デザイナーが引き取り、部門を超えて仕様を確認し合い、最終的に開発に移っていきます。
デザインをするユーザーだけが課金対象で月額1,500円程度です。弊社は課金対象は5人なのでの月額7,500円程度です。もちろんUI/UXの確認には全員が使っていますので、安いですね。

改善して欲しい点は非デザイナーからすればほとんどないのですが(デザイナーにとっては色々あるかもしれません!)、少し重たくなることくらいですね。部門をまたぐデザインに関連する業務は全てFigmaになっていますし、大きなデザインを要する開発案件が常時2,3動いているため、仕方ないといえば仕方ないのかもしれませんが。

デザイナー以外でも多少デザインに関わることがベストで、かつ複数のデザイン仕様確認が同時に動き続けているような組織にはおすすめのツールです。

 

5.KAKEAI(カケアイ)


https://kakeai.co.jp

カケアイは、弊社が提供するピープルマネジメント支援ツールです。

1on1機能がベースで、ニーズに応じて他の機能を選択肢して利用することができます。

もちろん1on1機能だけで利用することもできます。ちなみに、1on1ツールで競合した場合必ず選ばれています(2021年1月現在)

他のツールとの違いは、1on1の運用や実施をサポートするツールではなく、上司の部下に対する関わり方の質を改善するツールであるという点です。
もちろん、ご利用の主体であるマネジャー・メンバーの皆さまの1on1実施にかかる負担を大きく軽減します。

 

まず、メンバーの事前準備は選ぶだけです。
言葉で伝えるのが難しく面倒なことを遠慮なく簡単に伝えられます。

もちろん、マネジャーはメンバーが事前に選んだ「トピック」も、「求められている対応」も確認しながら1no1を実施できます。
さらに、マネジャー自身や相手のメンバーの特徴を踏まえて、他社のマネジャーが持つコツまでレコメンドされてきます。それだけではなく、そのテーマの1on1の得意・苦手までお知らせします。
メモスペースはお互いに完全に同期されており共同で編集可能。次回1on1へもしっかり繋がります。
マネジャーは心の準備が十分にできます。ズレない・本音が聞ける・話せる1on1が実施できます。

メンバーには、1no1の後に、1on1全体や、各テーマの会話でどの程度「すっきり」したかクリックしていただきます。
マネジャーにも、システムの管理者にも、「誰がどう答えたかは一切わからない」仕組みになっています。
このデータをもとにマネジャーには、マネジャー自身の得意・不得意なことを伝えたり、世の中のマネジャーとの比較などを伝えます。
メンバーにとっては、まさに、マネジャーの自分への関わり方を調整するためのボタンです。

ごく稀に、“1on1がとても改善された場合”にカケアイが「心がけた行動」の入力を促します。
このTipsは、自分自身の備忘として機能すると共に、会社を越えて世界中のマネジャーにレコメンドされる元のデータになります。

1ヶ月に1度、マネジャーには、メンバーへの関わり方や1on1の改善に繋がる情報を更新して提供します。
得意・苦手なテーマや、メンバーごとの成長の実感を確認でき、自身の行動チューニングに活かせます。

現在のクライアントは、大手企業が多いです。
今後はマネージャーが4.5人というスタートアップでも利用できるようにしていきたいと考えています。スタートアップや中小ほど社外の知見を取り入れることは重要です。横断的に蓄積されたナレッジを還流させることで、より一人ひとりにあったピープルマネジメントの実現を支援します。

 

本田英貴がオススメするITツールまとめ

HR tech専門家 株式会社KAKEAI 代表取締役 兼 CEO

本田 英貴

当然、現在の業務をいかに効率化するか、顕在化した問題をいかに解決するかがツール判断の大きなポイントになるものの、自覚的か無自覚的かはさておき一度利用すれば私たちはツールに働き方を合わせることになります。したがって「このツールを使うことで生み出されるワークフローや、それがもたらす質が、自社が望むものか」という基準は漏らしてはいけないと思います。
 
市場の大きさからなのか、国内のBtoB SaaSはプロダクトドリブンで働き方や価値観を変えるものは生まれにくいと感じます。業務効率化ツールが生まれやすい。それはそれでとてもすばらしいわけですが、できるだけ海外ツールに触れながら、戦略や思想の機能反映のスピードやブレ方や、カスタマーサクセスのレベルを体感し学びながら、私たちも必ずグローバルで役に立てる状態を目指します。

本田 英貴のおすすめITツールまとめ