記事更新日: 2023/12/07
Webサイトの分析において欠かせないのが「競合調査」です。
競合調査と一言にいっても、流入キーワード・順位・コンテンツ・被リンク・トラフィックと、視点が多岐に渡りますが、いずれも自力での調査が難しくツール導入が必要になります。
今回は、多くの競合調査ツールの中でも、世界中で著名な「Semrush」と「Similarweb」という2ツールを概要・機能・料金・サポートなどの項目で徹底的に比較してみました。
ぜひ、ツール選定の参考にしてみてください。
このページの目次
SemrushとSimilarwebのツール比較を行う前に、それぞれのプロフィールやユーザー数、網羅領域、データ範囲などを一覧で比較してみます。
※以降データは、2023年10月2日時点のものです
| Semrush | Similarweb | |
| 国 | アメリカ | イスラエル |
| 利用開始年 | 2008年 ※日本進出は2018年 |
2013年 ※日本進出は2014年 |
| ユーザー数 | 1,000万人 | 非公開 |
| 利用国数 | 190か国 | 190か国 |
| 代理店（日本） | 株式会社オロ ※販売サポート、カスタマーサクセス |
Similarweb Japan株式会社 |
| キーワードデータベース | 全世界で251億のキーワード ※日本語キーワードデータは3.9億 |
全世界で50億のキーワード ※日本語キーワードデータは非公開 |
| トラフィック分析 | 〇 | 〇 |
| データ精度（指標） | 〇 | 非公開 |
| データ保持期間 | 2012年～現在 | 過去37ヶ月～現在 |
| 順位計測（Google） | 〇 | ー |
| 被リンク分析 | 〇 | ー |
| リスティング広告分析 | 〇 | 〇 |
| ディスプレイ広告分析 | 〇 ※別途オプション |
〇 |
| カスタマーサポート （日本） |
〇 ※全プラン、Eメール/電話/オンラインサポートあり |
△ ※チームプラン以上で、メール/オンラインサポートあり |
| 無料トライアル | 〇 ※14日間 |
〇 ※7日間 |
| 価格 (税込） |
Pro：$142.95/月 Guru：$274.95/月 Business：$549.95/月 |
スターター：$163.9/月 プロ：$438.9/月 チーム・エンタープライズ：要見積 |
それぞれの項目について比較をしていきます
ユーザーの検索行動を知るうえで、最も重要な指標が「クエリキーワード」です。
Webとユーザーの最大の接点は「クエリキーワード」となりますので、検索されている「キーワード」を知ることが、競合調査の第一歩となります。
ただ、一言にキーワードと言っても、使用するツールや調べる国によってデータ量はさまざまです。
まずは各ツールのキーワードデータ量から比較してみます。
Semrushの全世界におけるキーワードのデータ量は210億で膨大なキーワードデータを保有しています。
またデータベースを日本に限定しても、3.9億のキーワードと、国内外で最もキーワードデータの多いツールとなります。
（2023年11月15日現在）
Similarwebの全世界におけるキーワードのデータ量は50億と開示されておりますが、国別のデータ量については、公開していません。
キーワードデータ量は、SimlarWebが日本国内のみのデータ量を開示していないので、グローバルでのキーワード量の比較となりますが、SemrushがSEM周りに長けているツールということもあって、大きなアドバンテージがあるようです。
キーワード調査については、関連キーワードおよび検索ボリュームの調査も重要です。
ここではSemrushとSimilarwebに加えGoogleキーワードプランナーを例に挙げて、具体的なキーワードの関連キーワードおよび検索ボリュームにどれほどの差分があるのか比較してみました。
| 無料 | 有料 | |||||
| キーワードプランナー※ | Semrush | Similarweb | ||||
| キーワード | ボリューム | 関連キーワード数 | ボリューム | 関連キーワード数 | ボリューム | 関連キーワード数 |
| 受験 | 14,800 | 240 | 14,800 | 56,676 | 1,317 | 2,719 |
| 就職 | 33,100 | 1741 | 33,100 | 122,244 | 5,394 | 54,255 |
| 賃貸 | 301,000 | 528 | 301,000 | 326,101 | 102,572 | 192,298 |
| 1LDK | 40,500 | 203 | 40,500 | 11,296 | 17,040 | 6,665 |
| 婚活 | 40,500 | 411 | 40,500 | 55,036 | 11,122 | 15,542 |
| 結婚 | 135,000 | 163 | 135,000 | 315,082 | 20,288 | 251,937 |
| 韓国旅行 | 165,000 | 1,811 | 165,000 | 3,808 | 22,254 | 1,744 |
| 海外旅行 | 74,000 | 372 | 74,000 | 36,335 | 11,851 | 15,750 |
| 出産 | 60,500 | 207 | 60,500 | 91,741 | 5,332 | 37,911 |
※ 部分一致キーワードを含む
３ツールを比較した結果、以下のようなことがわかりました。
キーワードの検索ボリュームはキーワードニーズやトレンドを測る上で、重要な指標です。
一般的にはGoogleキーワードプランナーで調査されることが多い指標ではありますが、比較してみたところ、キーワードプランナーとSemrushがいずれも同じ数値でした。
Semrushの検索ボリュームはキーワードプランナーとかなり近いデータになっているということかと思います。
一方で、Similarwebについては、他2ツールとは異なる数値となり、いずれもかなり少ない数値でした。
関連キーワードとは、軸となるキーワードと合わせて検索されているクエリキーワードのことを指しますが、SEO（コンテンツ作成）やリスティング広告においては重要な情報です。
こちらも一般的にはGoogleキーワードプランナーで調査されることも多いかと思いますが、調査した結果は、Semrush＞SimlarWeb＞キーワードプランナーとなりました。
特に、GoogleキーワードプランナーとSemrushの差が大きいことが見受けられます。
SEMの施策において、ビックキーワード・ミドルキーワード・スモールキーワードやロングテールキーワードの情報は不可欠なため、関連キーワードのデータ量が多ければ多いほど、ツールとして有効といえるでしょう。
これらのことから、Googleキーワードプランナーだけの情報でSEM施策を行うのは限界があるように感じました。
キーワードツールはこの2ツール以外にも多くあるので、今回と同様な観点で比較をしながら、最も情報量が多いツールを選ぶことをおすすめします。
ツールを選定する上で重要な指標となるのが「データの保持期間」です。
自社のデータは、GoogleアナリティクスやGA4により収集されていますが、自社では持ちえない競合のデータを調査するには外部ツールは不可欠なものとなります。
また、過去に遡ることで現状の分析が可能となり、同時に未来予測に繋げることもできます。
Semrushでは、2012年からデータを収集しており、今日に至るまで毎日アップデートしています。2023年11月末時点で、143か月（11年11か月）分のデータを遡ることができます。
※日本データは、2015年6月～現在までの約8年分のデータ（2023年11月末時点）
※Guruプラン以上で、国ごとの過去のデータの閲覧が可能
Similarwebでは、プランによって解放される過去データの範囲が異なります。
一番下のスタータープランでは3か月、その一つ上のプロプランで6か月、最上位プランで37か月（3年1か月）分のデータを見ることができます。
※国別のデータ閲覧はチームプラン以上の申し込みが必要
SEOの改善に競合調査は不可欠ですが、機能範囲は各ツールによって異なります。
ここでは、SemrushとSimilarwebのオーガニック領域を詳しく比較していきます。
| Semrush | Similarweb | |
| TOPドメイン | 〇 | 〇 |
| サブドメイン/ディレクトリ | 〇 | 〇 ※チームプラン以上 |
| ページ | 〇 | ー |
| 流入キーワード | 〇 | 〇 |
| トラフィック | 〇 | 〇 |
| 流入コンテンツ | 〇 | 〇 |
| キーワード（検索順位） | 〇 | 〇 |
一覧で見ると、SemrushもSimilarwebもドメイン調査可となり、Similarwebについては、サブドメイン/ディレクトリごとの調査には、一定のプランが必要です。
具体的に各項目で比較していきましょう。
指定サイトにおける流入キーワードおよび推定トラフィックの分析が可能です。
※国別データの分析はチームプランの申し込みが必要
指定サイト内の集客力のある（流入数の多い）コンテンツの分析および流入キーワードの分析が可能です。
複数サイト（自社・競合)の流入キーワードの差分（共通キーワード、独占キーワード）調査が可能です。
SemrushもSimilarwebともに、流入キーワード・順位・流入コンテンツ・トラフィック調査機能を有しており、カバー領域自体に大きな差異はないようです。
しかしながら、流入キーワードのデータ量についてはかなり大きな差があるように見え、Similarwebに比べてSemrushの方が総じて表示されるキーワード数が多い結果となりました。
オーガニック領域の調査については、Semrushの方が有益なキーワード情報が収集できるかもしれません。
次に「広告」機能において、SemrushとSimilarwebを比較していきます。
どちらのツールも幅広い広告での調査・分析機能を有しています。
データは、サードパーティープロバイダーやクローラーデータから取得・拡大推計しているようです。
今回は、広告機能の中でもリスティング広告とディスプレイ広告の機能を比較していきましょう。
SemrushとSimilarwebの、リスティング広告機能を比較していきます。
リスティング広告機能では対象サイトの以下の調査が可能です。
指定サイトの出稿キーワードおよびキーワードごとのクリック単価、広告トラフィック、広告費の推定値の分析が可能です。
【Semrush：リスティング広告分析→検索順位】
【Similarweb：概要→キーワード】
【Similarweb：有料検索→概要】
SemrushもSimilarwebともに、出稿キーワード・CPC・広告トラフィック・広告推定費の調査は可能ですが、やはりここでもキーワードデータ量により表示できる情報に大きな差が出るようです。
指定サイトが出稿しているリスティング広告の広告タイトル・ディスクリプション、クリック先のURL（ランディングページ）、順位の分析が可能です。
【Semrush：リスティング広告分析→広告コピー】
【Similarweb：有料検索→検索広告】
広告のパフォーマンス改善において、競合サイトの広告分、LPの調査は必要なプロセスかと思います。
毎回、キーワードの検索結果を見に行って調査するのは、あまりにも非効率ですので、こういったツールを活用して効率的にパフォーマンス改善や提案に繋げたいですね。
リスティング広告に出向しているキーワードを軸にweb上の競合サイトの発見が可能です。
【Semrush：リスティング広告分析→競合他社】
【Similarweb：有料検索→有料の競合】
Google広告でも一定の競合サイトは発見してくれますが、あくまで一部の競合サイトに限られます。
これらの外部ツールを利用することで、これまで見落としていた市場における競合を発見することが可能になります。
出稿キーワードを軸に広告主（ドメイン）の分析が可能です。
【Semrush：広告履歴】
【Similarweb：有料トラフィック】
広告の調査の際に、検索キーワード結果を見に行くケースがありますが、そこで確認できる（表示される）広告主は一部に過ぎません。
また、過去はどうだったか？について知るすべはありません。
過去から未来の施策を紐解くことも、これらのツールを使うことで可能になります。
両者の得られる項目に大きな差はありませんが、全体的にSemrushの方が、データ量が多い結果となりました。
リスティング広告の調査ツールは今回の2ツール以外にもいくつかありますが、総じて、情報が多ければ多いほど、より気づき・提案・改善のアイディアに繋がります。
例えばSemrushでは、上記の項目以外に「出稿キーワードの順位変動」を確認することができます。
そして、Similarwebでは、広告主のトラフィックシェアやランキング調査まで行うことが可能です。
このように、各ツール独自の項目もありますので、本質的に必要な情報がどれだけあるのかに着目してツール選定することをおすすめします。
| Semrush | Similarweb | |
| 調査可能国数 | 51か国 | 190か国 |
| バナー（クリエイティブ） | 〇 | 〇 |
| 動画（クリエイティブ） | 〇 | 〇 |
| パブリッシャー（媒体） | 〇 | 〇 |
| アドネットワーク分析 | ー | 〇 |
| ドメイン/バナーの推定表示回数 | 〇 | 〇 |
| ドメイン/バナーの推定広告予算 | 〇 | ー |
| キャンペーン推定表示回数 | 〇 | ー |
| キャンペーン推定広告予算 | 〇 | ー |
| キーワードでの分析 | 〇 | ー |
※Semrushでディスプレイ広告・SNS広告・動画広告分析を行うには、別途AdClarityオプションが必要です
ディスプレイ広告に不可欠な、バナー（クリエイティブ）の分析が可能です。
【Semrush：AdClarity】
【Similarweb：ディスプレイ広告→クリエイティブ】
ディスプレイ広告におけるバナーだけではなく動画クリエイティブの分析が可能です。
【Semrush：AdClarity（Video）】
【Similarweb：ディスプレイ広告→動画】
URLを軸に、パブリッシャー（媒体）の分析が可能です。
【Semrush：AdClarity】
【Similarweb：ディスプレイ広告→パブリッシャー】
アドネットワーク（Webサイトやソーシャルメディアなど複数の広告媒体をまとめ、配信のネットワークとする）の分析が可能です。
【Similarweb】
Semrushでは、アドネットワークの特定はできず、広告種類での分類のみとなります
ディスプレイ広告における以下の項目を、ドメイン/キャンペーン/バナー単位で分析が可能です。
【Semrush：AdClarity】
ディスプレイ広告内のキーワードを軸に分析が可能です。
【Semrush】
トラフィック分析やユーザー分析を行うことができる市場調査機能は、競合やマーケットを俯瞰的に調査する際に有効です。
SemrushとSimilarwebは、いずれもクリックストリームデータ（匿名化されたインターネットユーザーの行動データ）を保持しており、それぞれで多角的な市場調査機能を有しているので、このパートで比較をしていきます。
トラフィックデータの比較
| Semrush | Similarweb | |
| 国別データベース | 190か国以上 | 190か国以上(※) |
| ドメイン | 8億 | 1億 |
| トラフィックデータ | 500TB | 2TB |
| ユーザーパネル | 2億 | ー |
※ただし、基本はグローバルのみで、国別のデータベースは都度見積り
Semrushでは信頼性の高いクリックストリームデータを元に、機械学習を用いてトラフィック値の推定をしています。
（2億ユーザーパネル、10億イベント/日におよぶビッグデータ）
Similarwebでは具体的な数字こそ開示されていませんが、独自のクリックストリームデータの他に、SimlarWeb利用ユーザーが連携したGoogle Analyticsのデータ(※)を基に算出された数値が得られます。
※Similarwebは利用にあたってGoogleAnalyticsの連携は必須となっており、連携しなければ無料トライアル利用もできません。
連携後、Googleのセキュリティ画面で連携の解除をすることはできます。
参考元：Google AnalyticsとSimilarwebの接続
| Semrush | Similarweb | ||
| 類似サイト調査 | 〇 | 〇 | |
| GoogleAnalytics連携 | ー | 必須 | |
| データ精度（指標） | 〇 | ー | |
| データの期間 | 月次 | ○ | ○ |
| 日別 | ○ | ○ | |
| デバイス | デスクトップ | ○ | ○ |
| モバイル | ○ | ○ | |
| トラフィックの指標 | セッション | ○ | ○ |
| ディレクトリ | ○ | ー | |
| ページ | ○ | ー | |
| ユニークユーザー | ○ | ○ | |
| ページ/セッション | ○ | ○ | |
| 滞在時間 | ○ | ○ | |
| 直帰率 | ○ | ○ | |
| 国別トラフィック | ○ | △ ※国別データ利用は別途費用が必要 |
|
| 流入元別トラフィック | ダイレクト | ○ | ○ |
| オーガニック検索 | ○ | ○ | |
| リスティング広告 | ○ | ○ | |
| ディスプレイ広告 | ○ | ○ | |
| オーガニックSNS | ○ | ○ | |
| SNS広告 | ○ | ー | |
| メール | ○ | ○ | |
| リファラル | ○ | ○ | |
| アドネットワーク | ー | ○ | |
| アプリ分析 | △ ※オプション申込が必要 |
○ | |
| オーディエンス分析 | 年齢 | ○ | ○ |
| 性別 | ○ | ○ | |
| 職業 | ○ | ー | |
| 学歴 | ○ | ー | |
| 興味・関心 | ○ | ○ | |
| オーディエンスの重複 | ○ | ー | |
ここからは、主要な調査・分析機能をデータごとに見ていきましょう
調査ドメインをもとにWeb上の類似サイトの洗い出しを行うことができます。
Semrushでは、類似サイトの洗い出しに加え、X軸（トラフィック）・Y軸（成長率）でマーケットマップの自動生成を行ってくれます。
指定サイトを中心に市場における同業（競合）他社の発見に活用できそうです。
未知の業界、新規事業の立ち上げ、マーケットにおける自社のポジショニングの確認など得られる情報が多いように思えます。
トラフィック機能では特定のサイトにおける以下の調査が可能です。
※Semrushでは、コンバージョン（推定）値も確認することができます
各サイトにおいて利用者（オーディエンス）は、業界毎もしくはB to B、B to Cなどでサイトの利用者は異なります。
サイト利用社（オーディエンス）データを通じて、サイト利用者を深いレベルで理解し、ビジネスにとって最も潜在的な可能性のあるターゲットを特定し、それらについて学習してマーケティング戦略を強化するのに役立ちます。
以下がその調査項目です。
【Semrush】
【Similarweb】
ユーザーがその他どのようなドメイン・業界・SNSと接点関心を持っているのか分析が可能です。
【Semrush】
【Similarweb】
複数サイト間のユーザーの重複を洗い出します
市場調査（トラフィックツール）は、トラフィッデータ量が十分にない場合、結果が表示されない、もしくは精度が低いこともあります。
以下の項目で、流入元別のチャネル分析が可能です。
GoogleAnalyticsとは違い、外部ツールで取得できる情報は、どこまでいっても推定の域を超えません。
Semrushでは「データの精度」の指標を持っており表示されているデータの精度を評価してくれています。
※一般的に指定したサイトにおける月間のセッションが30万以上ないサイトの精度は低いものになるとのことです。
これまで紹介した機能のほか、SemrushとSimilarwebでは以下の機能差分があります。
| Semrush | Similarweb | |
| コンテンツマーケティング | ○ | ー |
| 順位計測 | ○ | ー |
| 被リンク | ○ | ー |
| テクニカルSEO/内部SEO | ○ | ー |
| ローカルSEO | ○ | ー |
| SNSモニタリング | ○ ※別途オプション |
ー |
| SNS自動投稿予約 | ○ ※別途オプション |
ー |
| アフィリエイト分析 | ー | ○ |
| アプリ分析 | ○ ※別途オプション |
○ |
ここまで、競合調査というテーマでそれぞれのツールの比較をしてきましたが、競合調査と一言で言っても、チャネルごとで調査するべき情報はさまざまです。
市場調査のほか、バックリンク分析や内部SEO、コンテンツマーケティング、SNS施策、アプリ分析など、必要に応じてツールの選定をすることをおすすします。
両ツールともに膨大なデータを保持し、多くの機能を有していますが、それゆえユーザー独自で機能を理解して、ツールを完璧に使いこなすことは難しく、正しく使えなければせっかくのデータも価値がありません。
ツールに関する疑問や不明点をいち早く解決してくれるサポートの体制も、ツールを選定する上で重要ですので、このパートでは両ツールそれぞれのサポート体制について比較します。
※Semrushのカスタマーサクセスは日本総代理店の株式会社オロが無償で行っています。
プランはPro・Guru・Businessの３つを提供していますが、いずれのプランでも以下のサポートを受けることが可能です。
ツールの利用方法に加えて、申込み方法（プラン選択、請求書払いでの申込み）などについても相談が可能なので安心ですね。
スターター・プロ・チーム・エンタープライズの４プランを提供していますが、それぞれのプランでサポート内容は異なるようです。
日本語でサポートを受けるには、チームプラン以上の申し込みが必要になりますので、チームプランがおすすめのようです。
ツール導入を検討するうえで、「使用感」は重要な判断基準となります。Semrush、Similarweb、いずれも「無料トライアル」で「使用感」を確認することができますので、こちらで紹介します。
ツール利用にはコストがかかるので、コストに見合うものか？使い勝手はどうか？使いこなせるか？など、ツールや機能を比較検討する上で、無料トライアルは活用したいですね。
Semrush（semrush.jp）は、Guruプランを14日間無料でトライアルすることができます。
また、無料トライアル中もメール・電話・オンラインデモなどのカスタマーサクセスのサポートを受けることができるので、導入前にしっかり利用検討できそうです。
※semrush.com経由の無料トライアルは、Proプランで1週間の利用が可能となりますが、トライアル前にカード情報の登録が必要で、トライアル終了時に解約の申し出をしないと自動課金されるようなので注意が必要です。Semrushの無料トライアルはsemrush.jpからのお申込みがおすすめです。
Similarwebは、スターターもしくはプロを7日間無料でトライアル利用することができます。
スターターとプロでは、過去データが3～6か月まで・100～500サイトの結果・国別データ閲覧不可など、機能制限があるため、チームプラン以上を検討のユーザーはSimilarweb Japanに直接確認して詳細を確認することをおすすめします。
また、前述の通りSimilarwebは、使用にあたりGoogleAnalyticsの連携が必須という点で、会社データを開示したくない/できない企業にとっては導入が難しくなることもあるかもしれません。
最後に、SemrushとSimilarwebの価格と機能を比較してみました。
| プラン | Pro | Guru | Business |
| 料金 | $142.95/月 | $274.95/月 | $549.95/月 |
| 過去データ | 直近1か月 | 2012年～ | 2012年～ |
| ウェブサイト結果 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| キーワード結果 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| 国データ | 世界各国 | 世界各国 | 世界各国 |
| ドメイン調査 | 〇 | 〇 | 〇 |
| サブドメイン調査 | ー | 〇 | 〇 |
| ディレクトリ調査 | ー | 〇 | 〇 |
| ページ調査 | ー | 〇 | 〇 |
| Looker Studio連携 | ー | 〇 | 〇 |
| 上限プロジェクト数 | 5 | 15 | 40 |
| 上限順位計測キーワード数 | 500 | 1,500 | 5,000 |
| API | ー | ー | 〇 |
| カスタマーサクセス | 〇 | 〇 | 〇 |
| プラン | スターター | プロ | チーム | エンタープライズ |
| 料金 | $163.9/月 | $438.9/月 | 要見積り/年 | 要見積り/年 |
| 過去データ | 3か月 | 6か月 | 15か月 | 37か月 |
| ウェブサイト結果 | 100 件まで | 500 件まで | 10,000 件まで | 無制限 |
| キーワード結果 | 1,000 件まで | 5,000 件まで | 50,000 件まで | 150,000 件まで |
| 国データ | 選択不可 | 選択不可 | 世界各国 | 世界各国 |
| ドメイン調査 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| サブドメイン調査 | ー | ー | 〇 | 〇 |
| ディレクトリ調査 | ー | ー | 〇 | 〇 |
| ページ調査 | ー | ー | ー | ー |
| API | ー | ー | ー | 〇 |
| カスタマーサクセス | △ ※メールのみ |
△ ※メールのみ |
〇 | 〇 |
どちらのツールも、最低利用料金2万円〜利用でき、プランによっては利用期間も1か月（自動更新）毎に更新/停止が可能となります。
Semrushではプランによる機能差分がそこまで多くないようです。
Similarwebの場合は、プランによって調査量、範囲の差はいくつかあり、カスタマーサクセスについては、チームプラン以上を申し込みするとオンラインサポートが受けられるようです。
用途を明確にし、申し込み前にしっかり見積・比較検討することをおすすめします。
今回、競合分析ツールとして世界的に有名なSemrushとSimilarwebの２つのツールを、概要（データ量）、機能、料金、サポートなど多角的に比較してみました。
それぞれのツールの特長があり、いずれも機能数が多く、デジタルマーケティングに活用できそうです。
改めて「競合調査」の定義と必要な要件を洗い出し、どのツールのどんな機能で調査できるのか？またそれのコストパフォーマンスは合うのか？などを考慮しながらツール選定の参考としていただければ幸いです。
画像出典元：O-DAN
