在宅勤務や多様な働き方が増えている中で、企業が従業員のセキュリティ対策や勤怠管理として生体認証システムを活用するケースが増えています。
パソコンやスマートフォンを活用した生体認証も増えていることから、今後はより身近で強固なセキュリティ対策として期待できるでしょう。
本記事では、おすすめの生体認証システム9選に加えて生体認証システムの導入メリットを紹介。
さらには、自社に合った生体認証システムの選定ポイントについても解説しているのでぜひ参考にしてください。
このページの目次
生体認証システムとは、人体によって異なる生体情報を元に本人確認をする技術を指します。
指紋や静脈・顔など個人を特定できるパーツや行動的な特徴を予め登録しておくことで、認証する際にデータを照合して特定できるようになります。
複数の生体認証を組み合わせたり、他の認証技術と組み合わせることで、セキュリティの高い認証システムを構築する事が可能です。
生体認証には様々な種類がありますが、セキュリティ対策として多く導入されているのは顔認証・指紋認証・静脈認証です。
種類 | 汎用度 | 用途 | ||
顔認証 | ◎高い | 勤怠管理、入退場管理、ログオン/オフ、搭乗手続き | ||
指紋認証 | ◎高い | ログオン/オフ、解錠、なりすまし防止 | ||
静脈認証 | ◎高い | ログオン/オフ、解錠、なりすまし防止、銀行のATM | ||
虹彩認証 | △普通 | 会社のID認証、入退場管理、電子決済/仮想通貨 | ||
音声認証 | ×低い | スマートスピーカー、音声アシスタント、文字起こし | ||
耳介認証 | ×低い | 医療現場、犯罪捜査、重要インフラ施設の保守/管理 | ||
行動認証 | ×低い | 署名、不正送金の防止 | ||
DNA認証 | ×低い | 犯罪捜査 |
画像出典元:「株式会社ヒューマンテクノロジーズ」公式HP
「Digital Persona SDK」は、勤怠管理を中心としたクラウドサービスの開発・提供をしている株式会社ヒューマンテクノロジーズの指紋認証システム開発パッケージです。
高性能な指紋リーダーであるDigitalPersona 4500は、世界で2億ユーザー以上が利用しており、各国の入国管理システムなどにも利用されている実績があります。
自社のニーズに応じて、様々なシステムやアプリケーションに取り入れる事が可能です。
有料オプションとして、DigitalPersona SDK 製品仕様やAPIの使用方法に関する情報提供の日本語サポートを追加する事ができます。
初期費用 | 50,000円*1 |
オプション | 日本語サポート:100,000円/1インシデント |
(税別)
*1 開発パッケージとして、開発向け指紋リーダー(DigitalPersona 4500)1台、SDK、英語版ドキュメント、英語版APIリファレンス、英語サポートが含まれています。
画像出典元:「飛天ジャパン株式会社」公式HP
「BioPass FIDO2」は、セキュリティ製品の開発・販売やセキュリティに特化したコンサルティングを提供する飛天ジャパン株式会社の生体認証デバイスです。
端末で本人認証とサーバ認証を分けているため、サーバにパスワードを送る事がないことから個人情報が漏れるといったリスクを回避することができます。
また、指紋データを暗号化した上で保存・保護する設計となっているため、リバースエンジニアリングできない仕組みとなっています。
詳細については、お問い合わせが必要です。
※法人限定で30日間の無料トライアルが可能
画像出典元:「株式会社シーイーシー」公式HP
「SmartSESAME PCログオン」は、製造業を中心にICTサービスをトータルで提供している株式会社シーイーシーの多要素認証・二要素認証システムです。
高いセキュリティ管理が求められる官公庁や自治体・病院などでの導入実績があるだけでなく、顔認証やなりすまし防止のレベルを3段階で設定ができます。
また、オプションでパソコンのログオン・ログオフ履歴で勤怠管理を行ったり、内部不正を防止するための稼働可視化をすることも可能です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「NTTコミュニケーションズ株式会社」公式HP
「ID Federation」は、通信事業の提供を中心に幅広い業界業種の業務効率化をICTで実現するNTTコミュニケーションズ株式会社の生体認証システムです。
IDセキュリティプラットフォームを展開するPing Identity社の国内No1パートナーである、NTTコミュニケーションズ株式会社によって多要素認証の導入から管理まで実現できます。
自社の課題や使用方法に応じてカスタマイズができるプランも用意されており、運用保守の代行依頼も可能です。
ベーシック | カスタマイズ | パスワードレス | |
月額料金 | 110円/ID *1 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
オプション | 1アプリケーション追加:55円/ID 5アプリケーション追加:220円/ID 10アプリケーション追加:300/ID 多要素認証:110円/ID *2 証明書認証基盤 利用料:110,000円〜/利用するID数によって変動 |
要問い合わせ | 要問い合わせ |
(税込)
※30日間の無料トライアルが可能
*1 月額料金には、シングルサインオン・IPアドレス制限・ID/パスワード認証・ID管理・ログ管理の基本メニューが含まれます。
*2 多要素認証には、証明書認証・メールOTP認証・TOTP認証・PingID(モバイルアプリ認証、FIDO2生体認証、デスクトップOTP認証)があります。
画像出典元:「日本ヒューレットパッカード合同会社」公式HP
「HPE IceWall MFA」は、ソフトウェア製品の開発・製造・輸入・販売・リースなどを提供する日本ヒューレットパッカード合同会社の生体認証システムです。
30,000人以上の従業員を擁する大企業をはじめ、幅広い業界での導入実績があります。
また、Webアプリケーションやクラウドサービスの改修をせずに導入が可能です。
サポート期間内であれば、電話等による使用方法・障害解決支援やマニュアル・各種情報の提供などの手厚いサポートを受ける事ができます。
IceWall MFA | IceWall SSO | |
初期費用 |
MFAサーバーライセンス:1,600,000円~/MFAサーバー1台 認証サーバー用ライセンス:300,000円~/通常ライセンス100ユーザー |
フォワーダー用ライセンス:1,200,000円~/IceWallサーバー1台 認証サーバー用ライセンス:300,000円~/通常ライセンス100ユーザー |
オプション |
OTP(ソフトウェアトークン)サイトライセンス:800,000円~ *1 統合Windows認証:1,200,000円/MFAサーバー1台につき *2 |
統合Windows認証:1,200,000円/IceWallサーバー1台につき クライアント証明書認証:800,000円~ |
(税別)
*1 OTP(ソフトウェアトークン)サイトライセンス以外にも認識方法のライセンスは、SMS OTP・FIDO2・クライアント証明書認証・PUSHが用意されています。
*2 統合Windows認証と同料金のオプションには、メールOTP・SAML 認証・OIDC認証があります。
画像出典元:「Capy株式会社」公式HP
「Capy FIDO生体認証」は、不正ログインや不正対策ソリューション事業を展開するCapy株式会社が提供している生体認証システムです。
個人情報を認証する端末に保存するため、ネットワークから情報漏洩してしまうリスクがないFIDO認証を採用しています。
専用端末などは不要であり、パソコンもしくはスマートフォンで生体認証を実行できるので初期費用が抑えられます。
初期費用 | ー |
月額利用料 | 約300,000円〜 |
(税表記なし)
画像出典元:「株式会社日立ソリューションズ」公式HP
「静紋」は、ソフトウェア・サービス事業を中心に展開する株式会社日立ソリューションズが提供している生体認証システムです。
専用端末を活用して指の静脈パターンを基に生体認証を行います。
これにより、乾燥など指の状態に影響されることなく、高いセキュリティを確保できます。
別途、ソフトウェア開発キットを購入する事で自社のシステムやアプリケーションなどに組み込むことが可能です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「東芝デジタルエンジニアリング株式会社」公式HP
「多要素認証統合プラットフォームEVE MA」は、システムの企画・開発・ハードウェアなど包括的な支援をする東芝デジタルエンジニアリング株式会社が提供する生体認証システムです。
指紋・顔・静脈による生体認証とICカードを組み合わせることで多要素認証が可能となり、セキュリティが強化されます。
Active Directoryとの連携をシームレスに実現できるため、部署ごとに認証方法を設定することも可能です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Bio-IDiom」公式HP
「Bio-IDiom」は、グローバル規模の事業も含めて幅広いICTサービスを提供する日本電気株式会社の生体認証システムです。
米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証ベンチマークテストで1位を複数回獲得しており、世界約70の国と地域にも展開している実績があります。
高性能なマルチモーダル生体認証は、顔認証で解錠できるスマートロックやGPS連携による勤務状況の把握など様々な技術と組み合わせることが可能です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
生体認証は、人体によって異なる特性を活用した本人確認であるため、なりすましをする事が難しく安全性に優れた個人認証方式となります。
複数を組み合わせる多要素認証を活用すれば、より強固な認証を実現しセキュリティ対策として高い効果を発揮します。
IDやパスワードでの認証を活用している場合は、簡単に特定されてしまったり、サイバー攻撃などで漏洩してしまうリスクが高いといえます。
生体認証であれば、自身の生体情報を活用して本人確認を行うので、紛失や漏洩の心配がなく、管理側の負担も軽減します。
生体認証には、指紋や静脈・顔といった様々な生体情報を活用して行う方法があります。
システムによっては対応している生体認証が異なるため、自社が希望する生体認証が対応しているのかどうかは比較する際のポイントとなります。
生体認証をする方法として、専用端末を用意する必要があるのかどうかは比較の際のポイントといえます。
専用の端末で指紋や静脈を読み取る方法や、既に使っているパソコンやスマートフォンで実行できる場合があるので費用対効果や使用目的などから検討すると良いでしょう。
販売しているパートナーによっては、生体認証システムそのものだけを販売してる場合もあるためカスタマイズやサポート範囲の有無も比較ポイントとなります。
自社のシステムや他システムに組み込めるかどうかや、運用保守サポートがあるのかなど導入目的に併せて検討すると良いでしょう。
今回ご紹介した生体認証システムの導入によって、人間1人1人が持つ固有の生体情報を元に本人確認ができるようになるため高いセキュリティ効果を発揮します。
また、自社のシステムへ組み込んだりベンダーが提供する他のシステムと組み合わせることで、幅広い使い方が可能となります。
生体認証システムを活用したいと考えている方は、ぜひ今回紹介したツールを参考に導入を検討してみてください!
画像出典元:O-dan