システム開発の多様化が進んだ近年、PoC(Proof of Concept)は、新規プロジェクト立ち上げ時に必要不可欠な工程です。
そこで本記事では、おすすめのPoCサービスを9つに厳選してご紹介します。
さらに、PoCサービスの選び方や利用するメリットも解説しているので、これからPoCサービスの導入を考えている企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
このページの目次
PoC(Proof of Concept)とは、新たな理論や技術・手法などを実装する前に行う検証工程です。
日本では「概念実証」「コンセプト実証」とも呼ばれています。
元々は、製造・製薬・映画業界などで用いられてきましたが、近年は業界を問わず、多くの企業で実施されるようになりました。
まずは、PoCサービスの一般的な費用相場を解説します。
PoCを依頼した際にかかる費用は、仕様や規模、開発環境によって異なりますが、100万〜数百万円程度が一般的です。
ただ、本開発費用とは別で計算が必要なので、両者を考慮して予算を決めなければなりません。
そのため、まずはシステム開発費用の概算を出し、PoCサービスの窓口に問い合わせてみましょう。
システム開発する際には、国や自治体の補助金を利用できるケースがあります。
これを利用すれば、システム開発・PoCなどの費用に当てられるので、開発コストを抑えられます。
以下は、システム開発時に利用できる補助金の一例です。
最大補助率 | 最大補助額 | |
IT導入補助金 | 1/2以内 | 450万円 |
ものづくり補助金 | 1/2もしくは2/3 | 5,000万円 |
持続化補助金 | 2/3 | 200万円 |
システム開発費の捻出に困ったら、一度問い合わせてみましょう。
PoCサービスは、提供している会社によって、レベニューシェア精度を導入しているケースもあります。
レベニューシェア精度とは、企業同士が相互に協力し、報酬を分配するビジネスモデルです。
レベニューシェア制度でPoCサービスを導入すると、PoC業者との共同プロジェクトとして開発するため、PoC費用を大幅に削減できます。
しかし、共同開発となるのでプロジェクトの利益は任意の割合で分配するのが一般的です。
初期投資・金銭的リスクを抑えたい企業は、レベニューシェア制度の導入を検討してみましょう。
画像出典元:「NCDC株式会社」公式HP
NCDC株式会社では、3ヶ月〜6ヶ月の短期間(プロジェクトにより変動)でPoCサービスを提供しています。
コンサルタントやエンジニアなど、様々な専門スキルを持ったスタッフがプロジェクトに参加し、検証だけでなく、次ステップへの計画までサポート。
コンセプトが曖昧な状態からでも相談可能で、コンサルタントが最終目標をヒアリングし、方法論から検証方法まで提案してくれます。
さらに、検証に必要なシステム・アプリを用意する際には、商用化まで見据えたUXをデザインしてくれるので、ユーザー目線に立ったUIの実装に期待できるでしょう。
300万円程度〜(目的や規模によって変動)
画像出典元:「デフィデ株式会社」公式HP
デフィデ株式会社は、スピード感のある対応が特徴のPoCサービスです。
多国籍の専門家で構成されたアジャイル開発チームが、MVP(必要最小限の機能を持った製品)を速やかに創出。
PoCを繰り返すことで、企業のDX実現を支援します。
さらに本サービスは、運用から保守に至るまで梱包的なサポートを受けられるので、
DX実現の大きな助けになるでしょう。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「NTTテクノクロス株式会社」公式HP
NTTテクノクロス株式会社は、ブロックチェーンを用いたソリューション「ContractGate」を用いたPoC支援を提供しており、本サービスはそのシリーズの中の一つです。
ブロックチェーンを用いたPoCを導入すれば、サービスの運用状況をグラフや図で確認でき、分析や検証成果の確認に効果的です。
また、スマートフォンを用いてチケット情報の管理や利用者の本人照合ができます。
そのため、検証環境を構築する手間が省け、短期間・低コストでのビジネス検証が可能となります。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「株式会社システムズナカシマ」公式HP
株式会社システムズナカシマは、AI・IoT・ドローンなどを用いたシステム開発のPoCサービスを提供しています。
スモールスタートでシステムの検証が行えるため、初期投資を抑えた検証が可能です。
少ない工数・短期間でPoCができるため、システムの軌道修正もしやすくなります。
学習データ収集・アノテーション作成から機械学習、検証結果の報告までを短期間で行い、評価次第では本開発の提案も受けることができます。
概算費用 | 検証期間 | |
5点式別 | 250万円〜 | 2.5ヶ月〜 |
(税表記なし)
画像出典元:「株式会社アイオーテッドットラン」公式HP
株式会社アイオーティドットランは、企業のDX推進を支援する企業です。
そのため、PoCに関しても豊富な知見を有しており、PoC実装のサービスも提供しています。
当サービスでは、独自に開発したIoTデバイス「Tibbo-Pi」を使用しています。
「Tibbo-Pi」は、超小型のコンピューターにブロックを差し込んでハードウェアを作るデバイスで、これを用いることで、素早いアイデアの検証が可能になるのです。
また、レベニューシェア制度を導入しているので、初期投資の大幅なコスト削減を期待できます。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「株式会社ソフトテックス」公式HP
株式会社ソフトテックスの「超高速開発支援」は、その名の通りできるだけ最速でアプリケーションを構築するサービスです。
高度なコーディングを必要としないローコード開発を用いることで、開発の高速化を実現しています。
また、コードの可読性や保守性も向上しているので、安心感を持ったアプリケーション運用が可能です。
当サービスは、試行的なPoCを支援するサービスで、要件定義から設計・制作までの開発を依頼可能。
試作・納品されたアプリケーションでテストを行い、必要に応じてフィードバックと開発を繰り返し行えるので、十分な結果が得られるまでPoCを行えます。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社」公式HP
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社は、AI・IoTを用いたサービスやシステムの効率化をサポートしています。
当サービスには3つの種類があり、メーター点検をAIで効率化する「hakaru.ai」、IoTを活用した新しい住まいのあり方を提案する「スマートホーム」、自動検針でエネルギーを管理する「スマート検針パック」の中から選択可能。
書店や図書館、テーマパークのゴミ箱に至るまで、複数のジャンルで実績に基づいたノウハウが蓄積されており、幅広い分野での導入が可能です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「アイレット株式会社」公式HP
アイレット株式会社は、AWS(アマゾンウェブサービス)導入時のPoCを実装するサービスです。
昨今、既存システムをオンプレ環境からAWSに移行する企業が増える中で、顧客から「スムーズに移行するための事前検証を行いたい」というニーズを受け、当サービスがスタートしました。
主に、実現性の確認・リスクの軽減・コストの最適化ができ、これからAWS移行を検討している企業におすすめです。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「株式会社QES」公式HP
株式会社QESのAWS高速PoC支援サービスは、AWSを用いたPoCを提供するサービスです。
当サービスでは、AWSを用いてセキュリティを確保したPoC環境を数日〜1週間程度で提供します。
その後、検証結果を元にカスタマイズしたテンプレートと手順書を提供し、順次PoC環境に関する支援を実施し、高いセキュリティを保持したままのPoCが可能です。
さらに依頼企業側がPoC展開をノウハウ化できる様に支援し、他のサービス開発時にスムーズなPoCを実施できる体制構築にも貢献します。
詳細については、お問い合わせが必要です。
PoCサービスを導入すると、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、2つのメリットについて解説します。
プロジェクトの成否を判断する費用対効果を、最大限正確に推し量れるのもPoCサービスを利用するメリットです。
様々なプロジェクトに携わってきたプロに依頼することで、費用面や効率面に関する具体的な見通しが立ちます。
また、費用・リソースなどの開発コストを削減できるのも魅力で、特にリソースの削減は顕著です。
サービスにより検証期間は様々ですが、平均2〜6ヶ月程度で具体的なPoC結果が得られるので、スピード感のあるプロジェクト促進が可能です。
また、自社で行うと少なからず主観的判断が入りがちですが、他社に依頼することでより客観的な見解を得られます。
一言にPoCサービスといっても、各社で得意としている分野が異なります。
気になるサービスが見つかったら、ホームページで公開されている過去の導入実績から、自社のプロジェクトに近しい事例がないか確認してみましょう。
導入後の具体的なイメージが湧き、よりプロジェクトに合ったサービスの選択が可能となります。
検証期間はプロジェクトによって異なりますが、2〜6ヶ月程度の短納期を強みとしているサービスが多くあります。
費用については100万〜数百万円程度と幅広く、具体的な料金を公開しているサービスが少ないため、複数のサービスに問い合わせて見積もりを出してもらい、比較検討するとよいでしょう。
本記事では、おすすめのPoCサービス9つと、PoCサービスの選び方・メリットなどを紹介しました。
昨今のプロジェクト立ち上げにはPoCがマストとなりつつあり、効率的で低コストなシステム開発には欠かせません。
また、自社ではなく社外のプロにPoCを依頼することで、具体的かつ客観的な検証結果を得られます。
効率的かつ低コスト低リスクなプロジェクト進行を目指す企業担当者の方は、ぜひPoCサービスを利用してみましょう。
画像出典元:O-dan