労務管理と勤怠管理の違いと業務を解説!管理業務に必要な視点とは?

労務管理と勤怠管理の違いと業務を解説!管理業務に必要な視点とは?

記事更新日: 2024/01/10

執筆: 編集部

この記事では、労務管理と勤怠管理の目的と必要な視点、具体的な労務管理と勤怠管理の業務について解説します。

勤怠管理は労務管理の一部です。

労務管理も勤怠管理も、法改正やトラブル対応など流動的な事柄を扱う業務です。

労務管理システムや勤怠管理システムを活用しながら進めましょう

労務管理と勤怠管理の目的

労務管理は「従業員のサポート全般」

労務管理は、法律に基づいた職場ルールを整備し、従業員が働きやすい環境を構築する事です。

労務管理の難しさは、ルーティンのような仕事ではなく、その都度対応していく業務が多い点です。

働き方改革法案のように変わっていく法改正に対応する、社内のトラブルに対応する、就業規則の改善など常に流動的で、知識や情報収集が重要になる業務です。

人事、勤怠管理も労務管理が基本となるので、労務管理担当者は「対応力」が求められます。

勤怠管理は「労働時間の徹底管理」

勤怠管理は労務管理のルールを元に、従業員の労働時間を管理することです。

現行の法律では、勤務時間の上限・残業時間、有給休暇の取得の管理は企業側の義務になっています。

勤怠管理の担当者は、就業規則や法律に照らし合わせて、労働時間に対する厳しい管理をする姿勢が必要です。

労務管理と勤怠管理に必要な視点

情報管理の徹底

社内トラブルの窓口でもある労務管理は、多くの個人的な情報を扱う部署です。

労務の担当者が「うっかり口を滑らした」などのことがあってはいけません。

労務管理担当者は「情報を守る」事を意識しなければなりません。

従業員に関する書類の管理も徹底し「情報漏洩」は許されない事を理解しましょう。

法改正と法令順守の対応

労働に関する法律は毎年様々改正されています。

労務管理と勤務管理の担当者は、法改正などの情報を労働基準監督署やハローワークを訪れる度にリーフレットや厚生労働省のホームページの確認等をし、常にアンテナを張る事を怠ってはいけません。

しかし法改正は素人には理解できない部分があります。

社労士などの専門家と契約している場合は、アドバイスをもらうのも一つの方法です。

ただ、担当者である以上理解が必要ですので、何かしらの方法で知見を深める姿勢が必要です。

改善点を見つけていく姿勢

労務管理も勤怠管理も単純に法律を守るための活動ではありません。

これらの活動の背景にあるのは「従業員が働きやすい環境を作る」です。

小さなことから大きなことまで、従業員の中心となって改善点を見つける必要があります。

例えばエレベーターの混雑時間を加味して、昼休みの時間を少し変更するのも改善活動です。

決まった流れ仕事ではないので、常に改善点を見つけていく姿勢が求められる部署です。

労務管理の業務

労務管理の業務は、主に5つの分野です。

1、就業規則の整備

労務管理の業務の基礎となるのが、就業規則の整備です。

法律の基準をクリアし、企業に合わせた働き方のルールを整備する事が目的です。

企業の拡大や働き方の多様化、発生したトラブルを踏まえての変更など、その都度変更と改定を繰り返し、従業員の働く環境を整備していきます。

就業規則の改定を従業員へ周知するのも労務管理の仕事です。

2、労働時間の把握

労務管理が行う「労働時間の把握」は、勤務管理の側面だけでなく、給与計算や従業員の健康管理の面からも重要な業務です。

打刻の正確さや勤務管理の業務改善などの「労働時間の把握」の監督が労務管理の業務になります。

3、労災の対応

労務管理には、従業員が就業時間内でケガや病気になった時の対応窓口です。

労災が発生した時の状況調査や賠償金など、慎重な対応が求められる業務ですが、法律に照らし合わせて対応しなければなりません。

4、労務トラブルの対応

セクハラやパワハラなどの各ハラスメント対応や未払い・労働時間の超過などの労務トラブルも労務管理の担当業務です。

労務管理担当者は、トラブルを未然に防ぐ事と発生してしまったトラブルの対応を解決する事、2つが重要な業務です。

5、調査の対応

労務管理は、労働基準監督署や従業員・退職者からなど様々な企業のトラブルの窓口と調査を担当することも業務です。

コンプライアンスの意識を高く持ち、対応する事が求められます

勤怠管理の業務

労働時間・残業時間の管理

勤怠管理の中心は、勤務開始時間と勤務終了時間、休憩時間から算出される勤務時間の管理です。

労働基準法などが改正され、今では客観的な記録に基づいて勤務時間は管理しなければなりません。

以前のような従業員の自己申告制には、管理する側の調査が必要となっていますので、勤怠管理システムのような客観性を持った管理体制が必要です。

さらに、労働時間・残業時間の管理は給与支払にも関わるため正確性が求められます

有給休暇の管理

現在は働き方改革に関する法律の影響で、従業員によっては年間5日以上の年休を取得させる必要があります。

有給の付与日数は従業員ごとに異なることが多々ありますので、各々の付与日数がわかるように管理する必要があります。

従業員に有給休暇取得を周知するのも勤怠管理業務です。

これなら失敗しない!おすすめ労務管理システム5選

1. シェアNo.1の人事労務ソフト!『SmartHR』

画像出典元:「SmartHR」公式HP

特徴

「SmartHR(スマートエイチアール)」は2万社以上の導入実績を誇る労務管理システムです。

最大の特徴は質問に答えるだけで重要書類が作成できる簡単さです。Web上で書類作成や管理が行われるため、紙もハンコも使う必要がありません。

e-Gov APIと連携しているため、役所やハローワークへの書類提出もWEB上で完結します。

実際にSmartHRを導入した企業では、「2人で1,700人分の給与計算が可能になった」「社員の60%の生産性が向上した」などの実績も出ています。

従業員情報を一元管理するクラウド人事労務ソフトなので、社労士がいなかったり従業員が多い企業には特におすすめです。

社会保険労務士

金山杏佑子氏のアドバイス

「SmartHR」は、幅広い規模の企業にオススメしているシステムです。
30名未満の会社では無料で利用できる点から中小企業にも導入されている印象。勤怠管理や給与計算の機能はないが、API連携させれば他システムと組み合わせて問題なく使えるので総合的におすすめできます。

機能

  • 従業員情報の一元管理
  • Web上で給与明細、年末調整など自動で作成
  • 入退社・社会保険・雇用保険などの手続きや管理が可能

料金プラン

プラン 月額費用 機能 従業員数
¥0プラン 0円 一部利用できない機能あり 30名まで
スモールプラン お問合せ 労務手続きや情報管理の効率化
(小規模の企業向け)
50名以下
スタンダードプラン お問合せ 人事・労務の効率化と従業員情報の一元管理(あらゆる規模の企業に対応) 50名以上


どのプランでも初期費用はかかりません。

実際に利用したユーザーの口コミ

コンサルティング

101~250人

 

間違いやすい部分にコメントがあるのでわかりやすい

年末調整をこのSmartHRで行うようになって今年で2回目でしたが、間違いやすい部分は補足のコメントがあるのでとてもわかりやすいです。いつでもオンラインでパパっと作成・申請できるので大変便利でした。

メーカー

51〜100人

 

初期設定に時間がかかった

操作こそ簡単でしたが、初期設定に時間がかかりました。もっと簡単なマニュアル等があれば初期の稼働がスムーズにいったと思います。


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2. 労務管理システム初心者なら絶対!『ジョブカン労務HR』


画像出典元:「ジョブカン労務HR」公式HP

特徴

「ジョブカン労務HR」は、初めて労務管理システムを利用するという方に絶対的におすすめしたいシステムです。

導入実績はシリーズ累計で100,000社以上とかなり多くの会社で使われてて、とにかく使いやすく労務業務に不慣れな人でも書類作成から申請まで簡単に行うことができます。

たった1分で無料アカウントが発行できて、即日簡単に始められるという導入ハードルの低さも初心者にお勧めしたい理由です。

帳票は自動的に作成され、ボタンひとつで主要な社会保険・労働保険の書類を提出することができるため、役所まで足を運ぶ必要もありません。

「システム導入の際の初期設定が面倒だ」という方でも、初期設定を代行してくれるオプションプランもあるので安心です。

社会保険労務士

金山杏佑子氏のアドバイス

ジョブカンは費用が安く、従量課金制なので「かかる費用」が分かりやすいので、導入コスト・ハードルが低いのが良い点。シリーズ化されているので単品導入が可能、知名度も高いので人気のシステムという印象です。一方で、初期設定が少し難しいです。ヘルプページだけでは苦労する企業もあると思います。

機能

  • 従業員情報の一元管理
  • あらゆる手続きの自動化
  • TODOリストによる進捗管理等、各種機能で業務効率化をサポート

料金プラン

プラン サポート&初期費用 月額費用 従業員数
無料プラン 0円 0円/ユーザー 5名まで
有料プラン 0円 400円/ユーザー 無制限

 

実際に利用したユーザーの口コミ

小売

101~250人

 

膨大な社員情報がスムーズに管理できる

膨大な社員情報を管理しているような職種や部署におすすめできます。正確に、そして必要なときに目的のデータをすぐに出せるなど、情報管理がスムーズにできるようになります。

サービス

51〜100人

 

旧姓と新姓の管理がしづらいのがデメリット

「結婚をしたあとの旧姓と新姓を使い分けての管理」が少々しにくいというのは気になる大きなデメリットであり、不便な箇所だと思います。女性社員も多い会社からするとこの箇所は強く改善を希望します。


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3. 帳票は110種類に対応!『オフィスステーション 労務』

画像出典元:「オフィスステーション 労務」公式HP

特徴

「オフィスステーション 労務」とは、大手企業を含む35,000社以上に導入(※)されている実績豊富な労務管理システム。

他社と比べて機能も充実しており、人事・労務における幅広い業務の効率アップ・ペーパーレス化に役立ちます。

勤怠や給与、年末調整、マイナンバー管理などの外部ソフトとの連携やe-GOVへの対応、セキュリティの高さなども魅力

無駄な出費を抑え、低額で利用することができるのも大きな特徴です。

※「オフィスステーション」利用実績数

社会保険労務士

金山杏佑子氏のアドバイス

「オフィスステーション 労務」は100人規模の大企業や社労士向けのシステム
対応帳票が他システムと比べてもかなり多いので玄人向けのシステムですね。逆に人数がそこまで多くないような企業では、そこまでの機能が必要ないとなるパターンが多いです。

料金プラン

オフィスステーション 労務の料金プランは1種類。

初期費用は登録料の11万円(税込)で、毎月従業員ひとりあたり440円(税込)がかかります。

名目 費用
登録料 110,000円(税込)
従業員ひとりあたりの月額利用料 440円(税込)
ユーザー数 無制限

 

実際に利用したユーザーの口コミ

商社

251~500人

 

管理者向けにおすすめ

色々なシステムを検討して最後にスマートHRとオフィスステーションの2択になり、価格面をみてオフィスステーションに決めました。管理者にとってはオフィスステーションの方が使いやすいと感じました。

コンサルティング

11〜30人

 

社会保険の手続きの一部には対応しておらず

簡単な手続きはオフィスステーションで十分でしたが、オフィスステーションでは申請できない社会保険の手続きもありました。そこにも完全に対応したら、完璧なツールだったと思います。


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4. 社内に散らばる労務管理を一気通貫で対応!『freee人事労務』

画像出典元:「freee人事労務」公式HP

 

特徴

「freee人事労務(フリー人事労務)」は勤怠管理・給与計算・年末調整・助成金の申請など、幅広い労務管理をカバーしてくれるシステムです。

複数の労務管理において共通で使用する情報は、freee人事労務がデータベースとなり入力を1回で済ませることができるので業務が効率化するでしょう。

社内では多くの労務管理に関する業務が散らばりがちですが、人事労務freeeであれば一気通貫で行って対応コストを削減可能です。

社会保険労務士

金山杏佑子氏のアドバイス

「freee人事労務」は、勤怠管理・給与計算・入退社時の対応など一連の業務が全て完結します。その分、料金はジョブカンなどと比較すると少し高いですし、カスタマイズの幅は狭まります。
とりあえず一連の労務管理を全体的に楽にしたい!という企業には合うと思います。

機能

  • 社内の勤怠管理を自動で集計
  • 年末調整や労務保険・住民税の更新などを管理・サポート
  •  入社情報など労務管理機能

料金プラン

プラン 月額料金 機能 従業員追加
ミニマムプラン 1,980円~
(3名まで一律料金)
基本的な労務管理全般 月額300円
/ユーザー
ベーシックプラン 3,980円~ 従業員による勤怠打刻等追加 月額500円
/ユーザー
プロフェッショナルプラン 8,080円~ フレックス制などに対応 月額700円
/ユーザー
エンタープライズプラン お問合せ 従業員情報のカスタム項目 お問合せ


月額料金は年額プランの場合の金額です。どのプランでも初期費用はかかりません。

実際に利用したユーザーの口コミ

IT

1001人以上

 

労務まわりを一つに統合できる点が魅力

勤怠管理システムだけではなく給与計算や年末調整、労務手続き(入退社手続き)等を一つのシステムに統合できる点は、大きな魅力だと思います。一つに統合することでコストメリットが生かせました。

コンサルティング

11〜30人

 

電話対応が付かないプランがある

選んだ料金プランによっては電話によるヘルプデスク機能が付いてこない点が不便だと感じました。最初は一番価格の安いプランを選択していたが、人事、経理から電話で聞かないとわからないことがあると報告が上がってきたため、プランを変更しました。


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5. 手厚い導入サポートで安心!『クラウドハウス労務』

画像出典元:「クラウドハウス労務」公式HP

特徴

「クラウドハウス労務」は労務に関わる業務をペーパーレスにすることで、コストや手間の大幅削減が可能。

使いやすさにこだわった操作画面や充実したヘルプ機能で、スマホやパソコン上で誰でも簡単に操作ができます

導入前・導入後のサポート体制も充実しているので安心して運用スタートできるでしょう。

ただし、労務業務に特化しており、給与計算や勤怠管理には対応していないため、検討の際には注意が必要です。

機能

  • 入社手続き自動化
  • 雇用契約の電子化
  • 社員からの住所変更などの申請管理
  • 年末調整電子化

料金プラン

月数万円から利用可能。課題を踏まえた上で見積もり・提案をしてくれます。

 

 

まとめ

労務管理と勤怠管理についてまとめました。

勤怠管理は労務管理の一部であり、労務管理は会社全体の労働環境を整備する事です。

2つは、情報管理、法律の知識、改善点を見つけていく姿勢が求められる業務です。

担当者が全部を意識して管理する事には限界がありますので、労務管理システムや勤怠管理システムを活用しながら業務を行いましょう


画像出典元:Burst

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