ホテル向けPBXを活用した内線通話システムの構築は、お客様の利便性向上にもホテルのコスト削減・業務効率化にも効果が大きい施策です。
ホテル向けPBXによる内線通話システムは、業務の円滑化やコミュニケーションの活性化が図れ、ゲストに対する高品質な「おもてなし」の提供を支援します。
本記事では、ホテル運営を助けるおすすめのホテル向けPBX12選を比較紹介していきます。
システム導入の際、知っておくべきホテル向けPBXの基礎知識やメリット、選定ポイントなども詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
おすすめサービスの比較を無料で!
このページの目次
ホテル向けPBXとは、ホテルなど宿泊施設内にある外線電話・内線電話を管理・制御する電話交換機システムのことです。
内外線通話・通話録音・転送・留守番電話・音声ガイダンスなどが基本機能として、システムに搭載されています。
基本機能にくわえて、PMS(プロパティ・マネジメント・システム)連携や、室内コントロール、多言語対応など、ホテル業務を支える機能も豊富です。
また、ホテル向けPBXの提供形態には、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。
PBX機器をホテルの敷地内に設置する形態です。
自社でシステムを管理・運用するため、セキュリティやカスタマイズ性が高いですが、導入コスト・保守コストが高額となる傾向にあります。
PBX機器がクラウド上に設置されており、インターネットを介して利用する形態です。
提供されたシステムを操作して利用するだけなので、メンテナンスやセキュリティなどの運用・保守を気にせず使えます。
サーバーの設置や専用のハードウェア・ソフトウェアの購入も不要なので、導入や運用にかかるコストを抑えた利用が可能です。
画像出典元:「ホテル向けIPテレフォニーソリューション」公式HP
「ホテル向けIPテレフォニーソリューション」は、株式会社 日立情報通信エンジニアリングが提供する、客室用タブレットを活用したPBXです。
多言語対応やルームコントロール、施設の混雑状況確認、内線通話、オーダリング受付など、さまざまなコンテンツを客室タブレットに集約。
チェックイン・チェックアウト、客室清掃状況など、端末表示で客室情報の見える化もできるので、スタッフの業務効率向上が期待できます。
ホテル運営の効率化・高度化だけでなく、宿泊客の満足度向上にもつながる、とても便利なツールであるといえるでしょう。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「PBX UNIVERGE」公式HP
NECが提供する「PBX UNIVERGE」は、IP(インターネットプロトコル)をベースとした、ホテル向けに特化したPBXシステムです。
従来からのホテル内設置型にくわえ、クラウド型サービスも提供しており、ホテルの利用環境やニーズにあわせて選べます。
PBX UNIVERGEは、IPをベースとしているため、多様な情報にアクセスできたり、他システムと連携させたりなど、柔軟な利用が可能です。
システム構成・機能拡張・API連携など、企業のニーズにあわせた柔軟なカスタマイズ対応のほか、客室タブレットソリューションの提供も行っています。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「roomport」公式HP
客室用タブレットアプリを活用し、ホテル業務の効率化と顧客満足度向上を支援する、クラウド型のホテル向けPBXです。
客室マニュアルや宿泊約款の閲覧、チャットボットで想定質問の対策、チェックアウトの手続きなど、滞在中に起こるさまざまなアクションを、1つのタブレットで完結できます。
音声通話のほか、ビデオ通話やチャットなど多彩な手段で、宿泊客とのスムーズなコミュニケーションが可能。
ロゴ表示やカラースキーム、表示メニュー、コンテンツなどさまざまな項目を、自ホテルのニーズにあわせて柔軟にカスタマイズできます。
roomport | |
初期費用 | 36,500円/台 (内訳:タブレット端末・初期費用) |
月額利用料 | 600円~/台 (内訳:チャットボットを除く全機能) |
オプション | スタンド:3,500円/台 チャットボット:300円/台 |
(税別)
画像出典元:「HOT/TEL(ホッテル)」公式HP
株式会社バルテックが提供する「HOT/TEL(ホッテル)」は、ホテルや旅館の客室固定電話機の機能をスマートフォンで実現する、スマホ客室電話システムです。
フロントコール・内線電話・宿泊約款の閲覧・館内案内・お知らせなどの基本機能にくわえ、忘れもの管理や清掃管理などの機能も提供しています。
スマホが客室電話となるため設置工事の必要がなく、どこにいても電話が受けられるので、たとえフロントが無人になった場合でも安心です。
館内案内やお知らせなどの情報も、すべてスマホに集約して管理できるので、情報更新の簡素化はもちろん、紙・印刷コストの削減にもつながります。
スモール | ベーシック | プレミアム | |
初期費用 | 49,800円 | 99,800円 | 150,000円 |
月額利用料 | 5,980円 | 13,000円 | 22,000円 |
(税別)
画像出典元:「ホテル様向け VoiceConnect 音声クラウドサービス」公式HP
「VoiceConnect音声クラウドサービス」は、館内に電話交換機(PBX)を設置する必要がなく、初期設備投資や運用などコストを抑えた内線利用が実現できるクラウド型のPBX内線通話システムです。
従来のアナログ電話機からスマートフォンやタブレットなど、さまざまな端末を内線機器として利用できるため、フロント業務や客室管理などの業務効率化が図れるでしょう。
NTTグループが提供する信頼性の高いクラウド基盤で運用されるため、安定した通信品質と高いセキュリティ環境で利用も安心です。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「りもふぉん」公式HP
「りもふぉん」は、簡単導入かつ音声応答プランであれば月額680円の低価格から始められるIP電話サービスです。
外出時や在宅勤務中など、どこにいても複数携帯で電話受信が可能で、管理機能も充実しています。
また、時間外対応や留守番登録機能など、ビジネス利用にあると便利な機能も備わっています。
りもふぉんでは、3つの料金プランが用意されています。
現在、初回7日間(または通信料1,000円まで)お試しができる無料トライアルが実施されています。
申し込みや登録は無料で、事前の保証金等も必要ないので、導入前に体験してみるのもおすすめです。
スタンダードプラン | ベーシックプラン | 音声応答プラン | |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額利用料 | 1,380円 (着信人数によらず同額) |
980円 (着信人数によらず同額) |
680円 |
発着信通信料 | 携帯電話、PHS宛 21円/分 050アプリ、固定電話宛 9円/分 |
ー | |
音声応答 | 4円/回 | 4円/回 | 4円/回 |
音声応答後の録音 | 21円/分 | ー | ー |
特徴 | ・電話帳、留守録機能、着信拒否、スタッフアカウントなど ・「ただ今電話が混みあっております」というアナウンスが可能 |
・電話の受付件数が少なく、電話転送のみの機能でよい場合 ・電話番号のみ欲しい場合 |
・自動応答メッセージで対応 (通話機能なし) ・同時に多数のアクセスが可能 |
(税抜き表示)
画像出典元:「THISIS」公式HP
THISISは、サービスのユーザー以外とも簡単に連絡を取ることができるPBXです。
連絡先がURL形式になっているため、ユーザー同士の「無料通話」や「チャット」に加え、第三者もブラウザを使うことで、同様にコミュニケーションを取ることが可能です。
登録作業なども不要なため、すぐに通話を開始することができます。
また、通話受付時間の設定や通話の転送、QRコードからの発信などの機能があり、電話対応にも最適です。
THISIS では、インターネット回線を利用するため、通信料はかかりません。
料金プランの詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「3CXホテルPBX」公式HP
フロントデスクと客室のコミュニケーションを最適化し、ゲストの利便性とホテルの業務効率化を実現する、ホテル向けPBX内線通話システムです。
モーニングコールのスケジューリング設定・プライバシーを守る「Don’t Disturb」・簡単チェックアウトなど、ゲストが快適に過ごせるための機能を豊富に搭載。
電話の自動応対や転送、内線、音声認識、録音など、フロントデスクとスタッフの業務効率向上を支援する機能も豊富です。
PBX内線通話システムは、導入コストを抑えて運用もかんたんな、クラウド型でもサービスを提供しています。
無料 | SMB | プロ | |
初期費用 | 0ドル | ||
利用料(年間) | 0ドル | 175ドル | 145ドル |
※日本での購入は販売パートナー経由となるため、料金の詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「vivuan」公式HP
「vivuan」は、ホテル専用のタブレットを活用し、ゲストの利便性向上とスタッフの業務効率化を実現する客室タブレットサービスです。
空調や照明などの設備操作・館内案内・ルームオーダー・混雑状況表示などの基本機能にくわえ、ホテルのニーズを満たす豊富な機能が搭載されています。
すべてのコンテンツをクラウドで一元管理できるため、更新や追加などの作業も管理PCから一括で行うことが可能です。
宿泊施設の利便性向上と業務効率化が実現でき、導入や運用もかんたんなため、多くの宿泊施設で利用されています。
14,400円(参考価格)
※価格については、IT導入補助金の公式HPに掲載されている「ITツールの標準価格」を参照しています。詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「株式会社コラボス」公式HP
着信振り分け(ACD)や統計管理(CMS)など、コールセンター運用に欠かせない機能をワンパッケージで提供するクラウドシステムです。
信頼性の高いAVAYA社のシステムをベースとしているため、安定した通信と高いセキュリティ環境下で利用できます。
クラウド型なので拡張性や柔軟性に優れ、保守管理費用も料金に含まれているため、自社でのメンテナンス対応なく運用が可能です。
ホテルに特化したシステムではありませんが、導入・運用コストを抑えつつ、コールセンターの質と運用効率を向上させたい企業に向いているでしょう。
1席あたり月額20,000円ほどが目安となっています。
利用する席数によって費用が変動するので、別途お見積りが必要です。
画像出典元:「AirHost ONE」公式HP
非対面・接触に焦点をあてた宿泊管理システムで、宿泊運営に欠かせない機能を網羅したオールインワンサービスです。
宿泊者用モバイルアプリからのチャットや通話をクラウドPBXとして活用可能。
非接触チェックインにより、効率化・省人化・無人化が実現できるほか、さまざまなアップセル機能により顧客体験価値向上も期待できます。
事前・当日チェックインをはじめ、キーレス入室、サービス予約など、ゲストのスマホアプリから行えるので、満足度の向上に有効です。
CRM機能により、ゲスト情報の一元管理や分析なども行えるので、リピーターの獲得率を高め、利益の向上につなげられるでしょう。
BASIC | PRO | PREMIUM | |
初期費用 | 0円 | ||
月額利用料 (1室あたり) |
1,000円 | 1,500円 | 2,000円 |
BASIC | PRO | PREMIUM | |
初期費用 | 0円 | ||
月額利用料 (1室あたり) |
520円 | 780円 | 1,040円 |
BASIC | PRO | PREMIUM | |
初期費用 | 0円 | ||
月額利用料 (1室あたり) |
360円 | 540円 | 720円 |
画像出典元:「crotta」公式HP
宿泊施設におけるスタッフとゲストとの最適な非対面運用を実現する、クラウド型のコミュニケーションツールです。
専用のタブレット・スマートテレビ・内線電話を活用することで、チェックインからチェックアウト、施設予約、館内案内など多様なサービス利用を非対面で実現できます。
各種情報の変更や発信も、管理画面からかんたんに操作できるので、更新作業の手間もかかりません。
非対面コミュニケーションを実現することで、感染症対策をはじめ、業務効率化や顧客満足度向上など、多岐にわたる利点をもたらします。
詳細については、お問い合わせが必要です。
ホテル向けPBXを導入することで、スマホやタブレットなどモバイル端末で内線通話を行うことが可能となります。
これにより、スタッフはどこにいても内線通話ができるため、スムーズな顧客対応や業務連携など、業務効率の大幅な向上が期待できるでしょう。
また、IVR(自動音声応答)や通話録音、グループ通話、着信転送など多彩な機能を搭載しており、一部業務の自動化・省力化にも有効です。
PBXを活用することで、ホテル業務の無駄を省き、効率化・高度化が図れます。
PBXによる内線通話システムを導入することで、ホテル内における通話のすべてを内線化できるため、外線通話料の削減ができます。
従来では全客室やフロントに電話機を設置する必要があり、それぞれの回線や配線工事など設備投資に多くのコストがかかりました。
PBXでは、1台の内線電話機で複数回線の利用ができるため、設備投資コストの削減につながります。
さらに、クラウド型であれば、サーバーの維持や保守をベンダーが行うため、管理コストの削減も実現できるでしょう。
顧客からの受電に際して、転送や取り次ぎがかんたんに行えるため、問い合わせや要望に対する迅速かつ丁寧な応対が可能です。
また、観光案内や交通機関の情報、施設予約、オーダリング受付など、宿泊客の滞在に必要なサービスを、ゲスト用の端末ひとつで操作できます。
電話応対の効率化や品質向上にくわえ、顧客への利便性の向上などにより、顧客満足度の向上を実現することができるでしょう。
前でも記述しましたが、ホテル向けPBXの提供形態には、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類です。
オンプレミス型とクラウド型のどちらを選ぶかは、ホテルの規模や予算、セキュリティポリシー、機能・拡張性など要素によって異なります。
ホテル向けPBXを比較する際は、システムの提供形態をきちんと確認し、自社に最適な形態を選ぶことが重要です。
ホテル向けPBXを選ぶ際は、「既存機器をそのまま活用するのか」「タブレットに移行するのか」など、利用する電話機の種類も重要な比較ポイントとなります。
導入コストを抑えつつ短期間で利用開始できる一方で、機器の老朽化や、最新の機能に対応できないなどの機能制限が生じる可能性があります。
最新機能の搭載や直感的な操作、場所を問わずどこでも利用できるなど、機能性・操作性・利便性の向上が可能です。
タブレットはおもにフロントと客室で利用されますが、スタッフのスマホと連携させることで、より効果的な運用が可能です。
しかしながら、システムの利用料とは別に端末の費用が必要になるなど、導入コストが高額となる傾向にあります。
このように、電話機の種類によって、導入コストや機能、運用方法などが大きく異なるため、ホテルのニーズにあわせた適切な選択を行いましょう。
ホテル向けPBXには、さまざまな機能が搭載されており、機能によってホテルの業務効率化や顧客満足度の向上などの効果に大きな違いが出てきます。
たとえば、大規模ホテルでは回線数の多さや録音、転送など、多様な機能が求められる一方で、小規模ホテルでは最低限の機能で十分な場合もあります。
必要な機能に関しては、ホテルの規模や業態、客層などによって異なるので、自社のニーズに合わせて選ぶとよいでしょう。
ホテル向けPBXは、各種予約やフロント業務、客室サービスなど、ホテルのあらゆる業務を支える重要なシステムとなります。
そのため、システムのトラブルや機能に関する疑問点が発生した場合でも、迅速かつ的確なサポートが受けられる体制が整っていることが大切です。
具体的には、以下の項目に注目するとよいでしょう。
ホテル業務を円滑に進めるため、サポート体制は重要な要素になりますので、きちんと確認しながら比較を進めましょう。
ホテル向けPBXは、ホテル業務の効率化はもちろん、顧客満足度の向上にも大きく貢献するとても重要なものであるといえます。
本記事で紹介したシステムは、いずれもホテルのニーズに応えられる、多彩な機能を搭載した優れたものばかりです。
自社に最適なPBXを選んで内線通話システムを効率化し、ホテル運営の高度化することで、快適で利便性の高いサービス提供につなげていきましょう。
画像出典元:O-dan