株式会社マネーパートナーズグループの決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査

執筆: 山中恵子

9,400万円の赤字!FX取引高減少が響いた「マネーパートナーズグループ」の第3四半期決算

2020年3月期 第3四半期決算

  • 営業収益:38億3,800万円(前年同期比△18.5%)
  • 営業利益:5,700万円(前年同期比△93.5%)
  • 経常利益:3,500万円(前年同期比△96.0%)
  • 四半期純利益:△9,400万円

となりました。

 

 

2020年3月期 第2四半期決算(19年12月更新)

  • 営業収益:27億200万円(前年同期比△16.9%)
  • 営業利益:2億500万円(前年同期比△69.4%)
  • 経常利益:1億8,400万円(前年同期比△72.8%)
  • 四半期純利益:9,500万円(前年同期比△76.7%)
  • 外国為替取引高:4,889億通貨単位(前年同期比△17.7%)

外国為替証拠金取引に係る事業を行う「マネーパートナーズグループ」の決算を見ていきます。

2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し2桁減収減益となっています。これは、外国為替取引高の減少を受け、主力のトレーディング損益が減少したことによるものです。

利益については、外国為替取引高の減少に伴い変動費が減少した一方で、連結子会社化したコイネージの費用が加わったことで販売費・一般管理費がほぼ横這いで推移したことにより大幅な減益となりました。

一方、第2四半期単独で見ると、外国為替相場の変動率が前四半期から持ち直したことを受け、外国為替取引高は増加。その結果、前四半期比では営業収益、経常収益ともに増益となっています。なお、業績予想は非開示です。

画像出典元:「株式会社マネーパートナーズグループ」決算説明会資料

 

 

2020年3月期 第1四半期決算(19年8月更新)

  • 営業収益:13億500万円(前年同期比△14.9%)
  • 営業利益:7,500万円(前年同期比△72.4%)
  • 経常利益:6,000万円(前年同期比△78.4%)
  • 四半期純利益:3,800万円(前年同期比△79.7%)
  • 外国為替取引高:2,243億通貨単位(前年同期比△27.6%)

2020年3月期第1四半期の連結業績は、前年同期に対し大幅な減収減益、純利益は8割減の3,800万円となっています。これは、主力のトレーディング損益が大きく減少したことによります。

外国為替市場の変動率は、米中貿易問題、英国のEU離脱、後半は米国金利の引き下げ等テーマに総じて円買トレンドの中で神経質な相場展開となり、前四半期からさらに低下。この結果、外国為替取引高は前四半期比21.6%減の2,243億通貨単位に。

【グラフ】FX市場の動向

営業収益は、同じく外国為替相場の変動率が著しく低迷した2015年3月期第2四半期以来の低水準に。販売費・一般管理費が微減となったことから、営業損益、経常損益、純利益はかろうじて黒字で着地しています。

【グラフ】四半期業績推移

当第1四半期のROEは前四半期比5.5%ポイント低下の1.1%、営業収益経常利益率は14.3%ポイント低下の4.6%と、両指標とも大きく低下しています。

コイネージ子会社化

マネーパートナーズグループは6月14日、仮想通貨交換業全般を目的とする子会社設立を取り止め、コイネージ株式会社を7月1日付で子会社化すると発表。

子会社設立による計画を進めている過程で、サービス提供開始までの期間の短縮等を検討した結果、仮想通貨交換業登録に向けて準備を進めているコイネージをグループの連結子会社として事業を進めることがより合理的であると判断し、コイネージの株式を取得することを決定したのこと。

コイネージは、ユナイテッドが2017年10月に設立し、仮想通貨取引事業への参入準備を進めていましたが、仮想通貨に関する事業環境の変化を踏まえ、2019年4月に参入準備の中止を決定。ユナイテッドが保有するコイネージの全株式は、コイネージ投資に譲渡されました。

2020年4月を目途に仮想通貨交換業に係るサービスを開始する予定です。

画像出典元:「株式会社マネーパートナーズグループ」決算説明会資料

 

 

2019年3月期 通期決算(19年5月更新)

  • 営業収益:62億3,000万円(前期比+3.3%)
  • 営業利益:11億7,100万円(前期比+12.0%)
  • 経常利益:11億8,100万円(前期比+10.9%)
  • 当期純利益:7億7,200万円(前期比+7.4%)
  • 外国為替取引高:1兆1,865億通貨単位(前期比△10.4%)

2019年3月期通期の業績は、前期に対し増収増益となりました。

外国為替市場の変動率が低下し国内全体の外国為替証拠金取引(FX)の取引高減少によりトレーディング損益が前期比で微減となりましたが、システム関連売上高を中心とするその他の売上高が増加したことから、営業収益は前期比3.3%増となりました。

また、販売費・一般管理費が減少したことにより、前期比で増益となりました。

当連結会計年度末において

  • 顧客口座数:330,230口座(前期末比+15,683口座)
  • 顧客預り証拠金:625億5,700万円(前期末比+1.3%)
  • 有価証券による預り資産額:68億7,200万円(前期末比△16.6%)

という結果になりました。

第4四半期の外国為替取引高は、前四半期から外国為替相場の変動率が低下し前四半期比で減少しました。

直近3ヶ月(1月ー3月期)第4四半期のROEは6.6%、営業収益経常利益率は18.9%。なお、通期の営業利益率は前期比1.4ポイント増の18.8%となりました。

仮想通貨交換業を運営する子会社設立

マネーパートナーズグループは3月25日、キャピタルゲイン目的のトレードを含む仮想通貨交換業全般を目的とする子会社を5月に設立予定であると発表。あわせて、株式会社大和証券グループ本社とブロックチェーン関連業務について業務提携しました。

既に子会社である株式会社マネーパートナーズは2017年に仮想通貨交換業の登録を受けていましたが、世界的なマネーロンダリング・テロ資金供与対策強化の流れを受け、既存サービスへの影響等の不確実性を排除できていないとしてサービス開始に至っていませんでした。

サービス開始を見送っていた期間、仮想通貨に関する法令・ルールが急ピッチに整備されつつあること、代表的仮想通貨銘柄であるビットコインの国内取引高が再び成長の兆しを取り戻していること等を踏まえ、仮想通貨交換業を運営する子会社設立に至りました。

株式会社マネーパートナーズが行う仮想通貨交換業は付帯的なサービスですが、新子会社は多数の顧客による多額の預り資産、大量の取引を行う専業の仮想通貨交換業となります。

なお、業績予想については開示されていません。

画像出典元:「株式会社マネーパートナーズグループ」決算説明会資料

 

 

2019年3月期 第3四半期決算(19年3月更新)

  • 営業収益:47億1,100万円(前年同期比+6.7%)
  • 営業利益:8億9,000万円(前年同期比+32.4%)
  • 経常利益:8億9,300万円(前年同期比+28.9%)
  • 四半期純利益:5億5,300円(前年同期比+18.9%)
  • 外国為替取引高:9,005億通貨単位(前年同期比+1.5%)

2019年第3四半期連結累計期間の業績は、前年同期に対し増収増益となりました。

増収の主な要因は、システム関連の売上が増加したことによるものです。増益の主な要因は、広告宣伝費の抑制的使用により販売費・一般管理費が減少したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間末において

  • 顧客口座数:326,421口座(前年同期比+16,548口座)
  • 顧客預り証拠金:630億円(前年同期比+2.6%)
  • 有価証券による預り資産額:63億3,700万円(前年同期比△23.7%)

という結果になりました。口座数は増加傾向となっています。

第3四半期においては、相対的に収益性の低い米ドル/円の割合が高まったことなどから、全体としての収益性は前四半期より低下しました。また、FXを中心に広告宣伝活動を強化しました。

主な取り組み

法人取引の最大レバ レッジの最適化を行ったほか、取引高に応じたキャッシュバックキャンペーンや少額取引サービス「パートナーズ FXnano」におけるスワップポイント拡大キャンペーン等、積極的なキャンペーン展開や各種セミナーの実施に取り組むことにより顧客取引の拡大を図りました。

また、幅広い顧客層の獲得のため、複数の外貨に対応し世界中のマスターカード加盟店で利用可能なプリペイドカードである「Manepa Card」(マネパカード)について、カード 利用を促進するためのキャンペーンの実施を行いました。

さらに、会員専用サイトの改修やコンビニ予約入金サービスの開始、 AIチャットを使用した問い合わせ窓口対応の強化等による利便性の向上を図ったほか、新たにPeach Aviation株式会社と提携し、「Peach Manepa Card」のサービス提供を開始しました。  

マネーパートナーズグループとは

マネーパートナーズグループとは、株式会社マネーパートナーズグループを持株会社として、外国為替取引事業を営む株式会社マネーパートナーズおよび金融システム開発事業を営む株式会社マネーパートナーズソリューションズで構成される企業集団です。 

主力サービスは外国為替証拠金取引(FX)となります。外国為替証拠金取引をビジネスの基軸とし、個人投資家へのサービスの提供はもとより他の金融機関への自社システム提供やASPビジネスも展開しています。

FX取引において3年連続「顧客満足度No.1」、10年連続「約定力No.1」を獲得し、高品質なFXサービスを提供しています。

2019年にもオリコン顧客満足度ランキング総合1位を獲得し、評価項目別でも7つの項目中、「取引手数料」「提供情報」「問い合わせ」「取引のしやすさ」「システムの安定性」の5項目において顧客満足度1位を獲得。 

今後はFXにとどまらず、相対取引(OTC)、デリバティブ(金融派生商品)といった分野においても積極的に取り組んでいくとしています。

画像出典元:「株式会社マネーパートナーズグループ」決算説明会資料・公式HP

会社概要

会社名 株式会社マネーパートナーズグループ
事業内容 インターネットを通じた外国為替証拠金取引に係る事業
所在地 東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー33階
設立日 2005年6月
代表 奥山 泰全
資本金 20億2,200万円(2019年3月31日現在)

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