フランチャイズ失敗の要因は?失敗しやすい人の特徴と回避法も解説

フランチャイズ失敗の要因は?失敗しやすい人の特徴と回避法も解説

記事更新日: 2019/11/22

執筆: 浜田みか

独立開業の方法のひとつであるフランチャイズ加盟。成功する人もいれば、失敗する人もいます。

同じフランチャイズに加盟していても、正反対の結果を迎えてしまう。

その原因がどこにあるのか、これからフランチャイズに加盟を考えている人にとって、とても気になる話題ではないでしょうか。

今回は、そんな方に向けてフランチャイズで失敗してしまう要因と、その回避方法について解説します。

フランチャイズを始める前に、ぜひご一読ください。

よくあるフランチャイズの失敗要因5つ

フランチャイズに加盟すれば、パッケージ化された本部のノウハウをそのまま得られるから、必ず成功するはずだと思いがちです。

しかし、実際にはフランチャイズ経営に失敗して、せっかくの事業をたたまざるを得なくなることも。

ここでは、フランチャイズ開業したものの、事業撤退や赤字経営に陥ってしまったオーナーをピックアップして、失敗の要因をご紹介しています。

1. 業種の選び方

フランチャイズ展開をしている業種は、多岐にわたります。

そのため、何を基準にして選ぶかは、オーナーの経験や能力以外にも、黒字化しやすい業種を選ぶのも事業成功に大切なポイントの一つです。

しかし、その黒字化に至るまでのスパンがどれくらいなのかについて、具体的に見積もるのはなかなか難しいといえます。そのため、業種選びには慎重になるべきだといえます。

あるオーナーは、全く経験がないにもかかわらず、今後の人口推移から見て高齢者が増加するという点で、介護事業のフランチャイズに参入しました。

高齢者人口は右肩上がりで増えていくことは、誰しもが理解しているところですが、それに関わるサービスも同じく右肩上がりで利益を出していけるかどうかは、別問題です。

ましてや、同じ業界での経験がなければ、現実的にどんな問題や課題があるのか見えづらいものです。

介護業界の場合、定期的なサービスの提供がありますが、そもそも黒字化することが難しい業界でもあります。

その要因の一つに、提供サービスに設定する価格に介護保険点数というものが関わってくるため、利益を出しづらい点が挙げられます。

介護保険点数とは、厚生労働省によって3年に1回改定が行われる、介護サービスの単価のことです。

この単価を基にして、介護事業者はサービスを提供することになるため、一般的なサービス業のように自由に価格設定をすることができません。

利益率を上げるには、利用者を増やすことですが、その分スタッフの増員も必要になります。

スタッフを増やせば、事業の売上から人件費を差し引かねばならないため、結果的に経費の大部分を占める人件費をどうするかという問題に当たってしまいます。

このように需要があり、一見すれば利益が見込めると考えられる業種でも、内情によっては利益を出すことが難しい業種もあります。

フランチャイズを選択する際には、その業種がどのような過程で利益を出せるのか、予め調べておくのが望ましいでしょう。

2. 資金不足

フランチャイズに加盟すれば、本部の看板によって集客が見込める。

それによって、売上がすぐに出せると考えてしまいがちです。そのため、ギリギリの資金で開業してしまうオーナーも少なくありません。

事業がすぐに軌道に乗れば問題ありませんが、必ずしも短期間で黒字化できるものではないのが経営の難しいところです。

黒字に転じなくても、一旦開業してしまえば、本部に納付するロイヤリティが毎月発生します。

これを納入できなければ、本部から催促されますし、それでも払えない場合は、せっかくの看板も取り上げられてしまいかねません。

あるオーナーは、なんとかなるだろうと楽観的にハウスクリーニングのフランチャイズに加盟しました。

ところが、いざ店舗を運営しだすと、ロイヤリティの他に店舗家賃や人件費、光熱費といったランニングコストがかかり、売上だけでは賄うことができなくなったのです。

資金があれば、売上で足りない分を補填することが可能ですし、その間に経営の方針を見直すこともできます。

資金がないと、金銭的にも精神的にも余裕がなくなり、その場しのぎで経営することにもなりかねません。

また、従業員を雇っていれば、その人たちの給料の心配もせねばならず、オーナー自身の生活は二の次でお金の工面に奔走する羽目になります。

開業してからどれくらいで軌道に乗るのかは、立地や周辺環境、サービス内容などさまざまな要因によって変わるため、一概にいつ頃とは言い切れません。

ですから、開業前にはあらゆる視点でリスクを考え、そのための対策を考慮して資金を用意しておくのが望ましいのです。

開業後、用意した資金があるからと楽観的に考えず、経営現状を把握しながら計画的に利用するようにしましょう。

資金繰りが難しくなっても、計画性を持って用意した資金が使えれば、売上が伸び悩む時期があっても乗り越えていけます。

3. 外部環境への対応力不足

開業時には競合がいなくても、経営を続けているうちに同じ地域に同業で開業する人が出てくるかもしれません。また、開業時から環境が変わってしまうことも考えられます。

よくあるケースに、開業当初は唯一無二の存在だったにもかかわらず、都市整備などで街の環境が様変わりして同業者が増加することがあります。

あるオーナーは、近隣にコンビニエンスストアがないからと、フランチャイズに加盟しました。

ところが、隣の区画にライバルブランドのコンビニエンスストアが出店してきたのです。こうした光景は、都市部では珍しくもなく、むしろよく見る光景といえます。

このような場合、ライバル店との差別化は本部のブランドが頼みの綱となりますが、最も怖いのは同じブランドのライバル店が出店した場合です。

同じブランドのため、経営方針に差を出すことができず、接客サービスの部分で対応するしかありません。

このほかでは、スーパーマーケットやカフェなどの開店も競合に当たるため、自店舗の外部環境がどのように変化しているのか、その動向を常に把握しておく必要があるでしょう。

外部環境が変われば、当然客足にも影響が出ます。それを考慮せずに今まで通りの経営をしていれば、集客力がどんどん低下して、売上に影響が出ることは避けられません。

売上を確保するには、自店舗が置かれた状況をつぶさに観察しつつ、どんな価値を提供するかを考え、柔軟に対処していくことが重要です。

4. オーナー自身の能力不足

経営には、マネジメント力が必要だといわれます。実際には、マネジメント力という言葉のなかに含まれる能力は多岐にわたります。

店舗の運営状況を見るための数値管理能力、スタッフの育成に必要な指導管理能力、スタッフや本部社員と良好な関係を築くためのコミュニケーション能力など。

なかでも重要な能力は、オーナー自身の学ぶ姿勢です。

フランチャイズに加盟するオーナーには、経営経験のある人もいれば、全く経験のない人がいます。

経験者であれば、以前のやり方を踏襲しようとすることもあります。

経験のない人でも、開業当初からさほど苦労なく事業が軌道に乗ると次第に我流に走ってしまう人がいたり、本部社員との折り合いが悪く、自己流の経営で対処しようとする人もいます。

あるオーナーは、フランチャイズに加盟したものの本部社員と折り合いが悪く、我流に走った結果、廃業しました。

このオーナーは、業界経験がないにもかかわらず、担当のアドバイザーと良好な関係が築けなかったばかりに、せっかくのアドバイスに耳を傾けられなくなってしまっていたのです。

フランチャイズは未経験でも始めることができるとはいえ、経営経験がない人や業界未経験の人ほど、本部から学ぶ姿勢は必要不可欠です。

素直に学ぶ姿勢がなければ、事業を軌道に乗せるためのノウハウを十分に得ることは難しいものです。

人間同士ですから、担当アドバイザーとウマが合う・合わないはあるでしょう。

もしも、ウマが合わない相手であれば、本部に相談して担当アドバイザーの変更をしてもらう、ノウハウを得る相手として割り切るなど合理的に判断することも、オーナーに必要な資質だといえます。

5. 契約条件への認識不足

近年、問題になることの多いフランチャイズの契約内容。契約時にどこまで内容を認識できているのかは、非常に重要なポイントです。

契約内容には、本部から受けられるサポートの範囲や禁止事項などが盛り込まれています。

なかでも注意しておきたいのが、競合禁止条項です。フランチャイズ加盟で知りえたノウハウを使って、新たに同業で独立開業することを禁止する内容が書かれています。

あるオーナーは、クリーニング店でフランチャイズ開業をしたのち、加盟店を抜けて、同業で開業しようと試みました。

ところが、同業での開業は、競合禁止条約に関わるため、開業することが叶わなかったのです。

開業が禁止されている理由には、他の加盟店の経営や、本社のビジネス保護があります。

フランチャイズで経営ノウハウを得てから、独自の経営をしたいと考える人もいるかもしれませんが、フランチャイズ加盟にはこうした禁止条項もありますから、契約内容は細部まで確認しておきましょう。

このほかにも、最近話題になっているコンビニエンスストアの営業時間があります。

24時間営業が基本の業態であれば、経営状況によって営業時間を変更したくても、簡単にはいかないこともあります。

契約に書かれている内容には、法律用語などが使われていることもあり、つい流し読みしてしまいたくなるかもしれません。

契約を交わしてしまえば、内容に同意したものとみなされてしまいますから、後から契約内容に異議を申し立てても、それが通らないことも多々あります。

わからない点は納得できるまで確認し、それからサインするようにしましょう。

フランチャイズに失敗しやすい人の特徴

フランチャイズ開業で失敗する要因に合致しなくても、以下の特徴を持つ人は経営に失敗する可能性が高いものです。

反対に、以下の特徴があっても、自己を律することで失敗を回避することもできます。

自分自身を振り返ってみて、失敗しやすい特徴を兼ね備えているなら、予めて対策を立てておきましょう。

1. 自責思考が薄く他人任せにしがち

自責思考とは、自分で責任を取る意識のことです。オーナーになれば、全責任は自分自身にあります。

人材を育成するうえでスタッフに仕事を任せることがあっても、全ての責任まで負わせることはできません。

つい他人に何でも任せてしまう人は、相手が負うべき責任がどの範囲までなのかについても意識を向けるようにしましょう。

2. 他人との関係づくりが苦手

オーナーになれば、スタッフや本部社員と人間関係を育むのも大切です。

店舗の運営にスタッフは欠かせない戦力ですし、経営の相談やノウハウを得るためには本部社員と密なコミュニケーションが取れなければなりません。

関係づくりが苦手な人の特徴には、言葉が足りない、視野が狭いといった点が挙げられます。

スタッフは一人一人違う人間ですから、それぞれの働きぶりをしっかりと認め、彼らのモチベーションが上がるよう言葉かけをするようにしましょう。

本部社員の関係づくりでは、報連相をきちんとする、わからないことは素直に教えを求めるなどして普段から何でも話せるようにしていきましょう。

3. 世の中の情勢に疎い

フランチャイズで出店すれば、本部の看板で集客に困ることはさほどないかもしれません。

しかし、外部環境がいつまでも同じであるはずがありませんから、日ごろより自店舗のある状況把握に努めることはオーナーの仕事の一つです。

世の中の動向に敏感であれば、いち早く必要に応じた手を打つこともできます。

近隣の状況を把握するだけでなく、世間的な風潮などにも意識を向けるようにし、そのうえで経営戦略に活かしていくようにしましょう。

フランチャイズ経営での失敗回避法

フランチャイズだからと安心・安全な経営方法があるわけではありません。失敗することも想定して、そのうえで対策を取っておけば、いざというときに失敗を回避できるでしょう。

ここでは、フランチャイズ経営での失敗を回避する方法についてご紹介します。

1. 潤沢な資金を用意してから始める

フランチャイズでは、最初に必要となる資金の説明があっても、運転資金については不透明です。

これは、出店する地域や場所、実際の集客率によっても異なるため、具体的な数字を出すことができないからです。

それを踏まえて、オーナーは資金を用意しましょう。

毎月かかるロイヤリティ、人件費や光熱費などのランニングコスト、生活費を補填するための資金など、最低でも半年分は賄える資金を用意しておけば安心です。

2. 契約書を細部まで確認する

先述しましたが、一旦契約書にサインすれば、提示された内容に同意したとみなされます。

契約内容に反すれば、違約金が発生することもありますから、サインする前に細部まで契約内容を確認しておくことが大切です。

納得がいかない部分があるのであれば、担当者から納得できるまで説明をしてもらう。それでも納得がいかないのであれば、契約をしない選択も必要でしょう。

3. 知識がある分野に参入する

フランチャイズ加盟のメリットは、未経験でも独立開業できる点です。

しかし、実際に店舗運営するに当たっては、やはり知識や経験がある分野で開業するほうが、比較的スムーズに事業を軌道に乗せることができます。

それは、内情を知っているからこそ判断できるものがあるからです。

焦って独立開業するよりも、一度その業界で経験をしてからフランチャイズ加盟しても遅くはないのではないでしょうか。

多少なりとも経験を積んでいたほうが、その知識が有利に働くはずです。

4. 本部と良好な関係を作る

フランチャイズの大きなメリットは、本部が持つ経営ノウハウを伝授してもらえること。

それには、本部から派遣される担当アドバイザーと良好な関係が必要不可欠です。本部と加盟店は対等な関係ですから、それを踏まえた関係性を築くことがポイントです。

オーナー自身が自分で考え、それをアドバイザーに相談するという流れが良い関係づくりに繋がります。

担当アドバイザーを上司のように扱ったり、経営を任せてしまうような態度は好ましくありません。

わからないことがあれば素直に尋ねつつも、一緒に経営していく意識を常に持っておくようにしましょう。

まとめ

フランチャイズ制度は、店舗運営の未経験者にとって、非常に心強いものです。ですが、本部がなんとかしてくれるという意識では、決して上手くいきません。

加盟したからには、その店を運営していくのは、オーナー自身だからです。

失敗する要因には、お金・人間関係・知識や経験があります

これら全てを持ち合わせていれば、経営に専念できます。開業がゴールになってしまわないように、その先も見据えて、とるべき行動を選んでいきましょう。

画像出典元:Unsplash、picjumbo、Pixabay、LibreShot

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