これを読んでおけばOK!キャッシュレス決済とポイント還元制度とは

これを読んでおけばOK!キャッシュレス決済とポイント還元制度とは

記事更新日: 2021/04/02

執筆: 浜田みか

増税に伴って、キャッシュレス決済やポイント還元という言葉が頻繁に聞かれるようになりました。

以前からキャッシュレス決済やポイント還元自体はあったものの、paypayやLINE payなどさまざまなサービスが登場したことで、混乱している人もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、改めてキャッシュレス決済とは何か? ポイント還元とは何か? 日常生活でどんなメリットやデメリットがあるのかなど、キャッシュレス決済にまつわる基本知識について紹介します。

キャッシュレス決済とは

2019年10月から始まった増税・軽減税率制度に伴い、注目を集めているキャッシュレス決済とは、どんなものなのか。

ここでは、キャッシュレス決済とは何か? 主なキャッシュレス決済の方法と併せてご紹介します。

現金を使わない決済方法「キャッシュレス決済」とは

キャッシュレス(cashless)決済とは、「キャッシュ(現金)」「レス(なし)」という意味で、物理的な現金を使わずに決済する方法のことをいいます。物理的な現金とは、札や硬貨を指します。

私たちが買い物で決済をする際、物理的な現金で支払うか、もしくは物理的な現金以外で支払うかのどちらかを選んでいます。

物理的な現金以外での支払い方法を選んだら、キャッシュレス決済を選択したことになるのです。

主なキャッシュレス決済の方法

キャッシュレス決済には、いろいろな方法があります。

  • クレジットカード決済/プリペイドカード決済
  • デビットカード決済
  • 交通系ICカード決済
  • キャリア決済
  • 仮想通貨決済
  • スマホアプリ決済
  • オンライン決済

 

クレジットカード決済

VISAやJCBといったクレジットカード会社を通して利用できる決済方法で、後日、使った金額が銀行口座から引き落とされます。

クレジットカード運営会社のプリペイドカードの場合は、決済と同時に使った金額が、連結されている銀行口座から引き落とされます。

デビットカード決済

デビットカード決済の場合、VISAやJCBなどのクレジットカード会社を介するものと、そうでないものの2種類あります。

しかし、利用すると、カードに紐づけられている銀行口座から即座に料金が引き落とされるようになっています。

交通系ICカード決済

SUICAやPITAPAなどの交通系ICカードに予めお金をチャージして使います。

チャージしたお金は電子マネーと呼ばれ、決済すると即座に使用した金額分が引かれます。

キャリア決済

オンライン決済にも使える決済方法の一つで、docomoやau、Softbankといった携帯電話キャリアに契約している人が、キャリア携帯(スマホ)を使用して行う決済手段です。

支払いに使ったお金は、後日、通信料などと一緒に請求されます。

仮想通貨決済

ビットコインなどの仮想通貨を使って決済する方法です。支払いをすると、ウォレットと呼ばれるオンライン上の口座にある仮想通貨から、使用した金額に相当する仮想通貨が即座に引かれます。

最近は、オンライン決済だけでなく、実店舗でも使えるところが増えてきています。

スマホアプリ決済

最近、注目されている決済方法です。TVCMでも頻繁に目にするpaypayやメルペイ、LINE pay、楽天payなどのアプリを、スマホにインストールしておく必要があります。

予めアプリに銀行口座やクレジットカード番号を登録しておけば、会計時にスマホの画面をかざすだけですぐに決済できるようになっています。

オンライン決済

ECサイトなど、オンライン上で取引を行う際に、利用できる決済方法です。

利用するWEBサイトの個人アカウントに、銀行口座やクレジットカード番号を予め登録しておくことにより、わざわざ振込やコンビニ払い、代引きを使わずに支払いを完了することができます。

キャッシュレス決済のメリット

キャッシュレス決済には、現金決済とは違ったメリットがあります。ここでは、キャッシュレス決済のメリットについてご紹介します。

ポイント還元が受けられる

TVCMをはじめ、いたるところで見かけるポイント還元の文字。そこには、スマホアプリ決済を促す文言を見かけます。

キャッシュレス決済の大きなメリットの一つに、決済した金額に応じたポイント還元があることです。

特に、2019年10月から施行された増税によって、消費者の負担が増えました。

それによって消費活動が低下することを避けるため、政府は国を挙げて消費促進するために、ポイント還元制度を導入しています。

スマホアプリ決済のサービス運営会社では、定期的にポイント還元サービスが実施されていますが、現在は政府によるキャッシュレス・消費者還元事業が行われています。

これによって、中小規模事業者でキャッシュレス決済が行えるところでは、ポイント還元の支援がされているのです。

この事業は2019年10月~2020年6月までの9ヵ月間に限って、キャッシュレス決済をした人には最大5%のポイントが還元される仕組みになっています。

政府によるキャッシュレス・消費者還元事業である「ポイント還元制度」については後ほど詳しく解説します。

現金を紛失するリスクがない

キャッシュレスで決済をするようになると、現金を持ち運ぶ必要がありません。そのため、現金を落としたり、財布を紛失したりするリスクがなくなります。

財布を持ち歩かなくていい

上記でも述べましたが、キャッシュレス決済を日常的に利用するようになると、財布を使う機会がなくなります。

使わない財布を持ち歩く必要性はありませんから、必然的にバッグの中身がスッキリし、持ち歩く荷物を減らすことができます。

ATMでお金を引き出す必要がない

手持ちのお金が少なくなると、ATMや銀行窓口でお金を引き出し、補填しなければなりません。

しかし、キャッシュレスになれば、物理的な現金を必要としなくなるため、いちいちお金を引き出す手間も要らなくなるのです。

支払いがスムーズにできる

現金を使って支払いをするときは、財布からわざわざ札や硬貨を取り出さなければなりません。

キャッシュレス決済であれば、現金を用意せずとも、決済専用の端末にスマホやICカードなどをかざすだけでいいため、支払いがとてもスムーズに行えるようになります。

支出管理が簡単にできる

現金で決済をしていると、何にいくら使ったのか、レシートでいちいち確認したり、別途支出管理に使用している帳簿やアプリに転記する必要があります。

ところが、キャッシュレス決済の場合、支出管理のアプリやサービスと連携させておけば、転記の手間を省けます。

そのため、いちいちレシートを貯めておく必要もなく、簡単・手軽に支出管理が行えるのです。

キャッシュレス決済のデメリット

いいところばかりのキャッシュレス決済ですが、デメリットもあります。キャッシュレス決済を取り入れる場合には、これからご紹介することも留意しておいてください。

加盟店以外では利用できない

キャッシュレス決済ができるのは、あくまでも加盟店のみです。そのため、現金しか取り扱いのないところでは、キャッシュレスで支払うことができません。

加盟店に加入しているかどうかは、店舗の入口付近に加盟しているサービスのシールが貼ってあります。

そこで、自分が利用しているキャッシュレスサービスがあるかどうか、まず確かめる癖をつけておきましょう。

操作方法に慣れる必要がある

キャッシュレスの方法にはさまざまなものがあり、それぞれで使い方が異なるため、操作方法に慣れる必要があります。

いろいろなサービスがありますが、何でもかんでも使うのではなく、キャッシュレス方法をできるだけ絞って利用するようにしましょう。

多種多様なサービスを使うと、支出管理もしづらくなり、使いすぎてしまうことも十分考えられます。

魅力的なサービスが多いため、選ぶのにも迷ってしまうかもしれませんが、加盟店舗の多いサービスを選べば、使う頻度も高く、操作になれるのもそう時間はかからないでしょう。

災害時やスマホなど使用機器の電源が落ちたら使えない

災害によ停電や通信障害、あるいはスマホなど決済に使う機器そのものの電源が落ちてしまうと、キャッシュレス決済ができなくなります。

これに対する策としては、キャッシュレスとは反対の向きになるのですが、日ごろから少なくてもいいから現金を持ち歩いておくことです。

セキュリティが運営会社に依存する

「キャッシュレスは怖い」というイメージを持つ人は、まだまだ少なくありません。その原因の一つに、セキュリティがサービスを運営する会社に完全に依存することになってしまうからです。

現金であれば、自分でリスクコントロールができます。しかし、キャッシュレス決済の場合は、サービス運営会社に委任する形となります。

なおかつ、どんな仕組みのセキュリティ対策が取られているのか、外部からでは見えません。そんなところも不安感を募らせやすい一因になっています。

ですが、多くのアプリ提供者では、2段階認証を施したり、銀行が使うセキュリティシステムと同レベルのシステムを採用したりするなどして、情報の徹底した管理を追求しています。

ポイント還元制度とは

増税の影響で消費が冷え込むことが予想されていたこともあり、政府はポイント還元を一つの事業として掲げ、消費促進を行っています。

それに応じるように、さまざまなキャッシュレス決済サービスの運営会社では、ポイント還元キャンペーンを実施しています。

これらのポイント還元制度とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

ここでは、政府が推し進めている「ポイント還元事業」から制度の概要についてご紹介します。

店舗側からみる「ポイント還元制度」とは

ポイント還元制度とは、経済産業省監督のもと推進されている「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)」のことです。

キャッシュレス化を促進させるために、中小や小規模事業者向けにキャッシュレス設備やシステム導入における費用の補助を行っています。

軽減税率対応の機器導入にかかる支援とは異なり、キャッシュレス専用端末やシステムを導入する際にのみ利用できる支援制度です。

そのため、軽減税率対応の機器やシステムの導入と同時にキャッシュレス決済を導入する場合には、軽減税率対策補助金を利用するか、キャッシュレス・消費者還元事業を利用するかのどちらかを選ばなければなりません。

後者を選ぶと、導入にかかる店舗事業者の負担なしで、必要な機器やシステムを設置できます。

本来かかる費用は、国が2/3、決済事業者が1/3をそれぞれ負担してくれるようになっているのです。

この制度は、2020年4月末日まで申請できます。


申請からポイント還元が開始されるまでのスケジュールは、基本的には上図の通りです。

ただし、決済事業者や申請の混雑状況などによって所用期間が変動したり、締切までのスケジュールが異なる場合もあります。

詳細は、利用予定のキャッシュレス決済事業者に必ず確認するようにしてください。

消費者側からみる「ポイント還元制度」とは

2019年10月以降、軽減税率が適用されない商品やサービスを購入すると、10%の消費税がかかるようになりました。

8%から10%に税率が2ポイント増加しただけとはいえ、購入する商品(サービス)の価格が高くなるほどに、この差は大きくなります。

そこで、政府はキャッシュレス決済に加盟した店舗でキャッシュレスで商品またはサービスを購入すると、一律5%を還元する方針を打ち出したのです。

それが、ポイント還元制度(正式名称:キャッシュレス・消費者還元事業)です。

ポイント還元制度を導入している店舗には、上のマークが掲示されています。

還元されるスケジュールは、利用するキャッシュレスサービスによって異なります。

クレジットカードの場合

サービス名 還元方法・時期 還元の上限ポイント
イオンカード

引落相殺
(利用月の翌々月請求時)

15,000ポイント/月
オリコカード

オリコポイント・提携先独自ポイント
(利用月の翌々月)

15,000ポイント/月
セゾンカード

引落相殺
(利用月の翌々月請求時)

15,000ポイント/月
JCBカード

引落相殺
(利用月の翌月請求時)

15,000ポイント/月
ジャックスカード

引落相殺:Jデポ
(利用月の翌々月請求時)

15,000ポイント/月

三井住友VISAカード
三井住友マスターカード

引落相殺
(利用日から翌々月請求時)

15,000ポイント/月

 

交通IC系カード

サービス名 還元方法・時期 上限ポイント
PASMO

PASMOキャッシュレス
還元ポイント
(1月、4月、7月)

20,000ポイント/3ヵ月
Suica

JRE POINT
(利用月の翌月上旬)

20,000円/チャージ
ICOCA

ICOCAポイント
(1月中旬、 4月中旬、7月中旬)

15,000ポイント/月
PiTaPa

ショップdeポイント
(利用日の翌月)

50,000円/月
SUGOCA

JRキューポ
(利用月の翌月下旬)

20,000円/チャージ

 

プリペイドカード

サービス名 還元方法・時期 上限ポイント
nanaco

nanacoポイント
(利用月の翌月15日)

50,000円/チャージ
WAON 

WAON(電子マネー)
(利用月の翌月20日頃)

15,000ポイント/月
楽天Edy

Edy
(支払い日の30日後目途)

2,500ポイント/決済

 

スマホアプリ

サービス名 還元方法・時期 上限ポイント
LINE Pay

LINE Payボーナス
※還元時期は、下記解説を参照

30,000ポイント/月
PayPay

PayPayボーナス
(翌月20日前後)

25,000ポイント/月
楽天ペイメント

楽天スーパーポイント
通常ポイント
(利用月の翌々月末日)

25,000ポイント/決済
d払い

ポイント付与
(翌々月目途)

30,000ポイント/月
メルペイ

ポイント付与
(翌週月曜)

30,000ポイント/月
※下記解説を参照

au PAY

au WALLET ポイント
(利用日の翌月)

30,000ポイント/月
※下記解説を参照

LINE Payでの決済では、コード支払いとオンライン支払のみが決済時にポイントが還元され、それ以外では月末締め翌月に還元されます。

メルペイでは、コード払いで15,000ポイント/月、電子マネー (iD)で15,000ポイント/月がそれぞれ上限です。

上表で「月30,000ポイント」になっているのは、各ポイントの上限を合算したものです。

au PAYも、メルペイと同じ考え方が採用されています。

au PAY自体の上限は月15,000ポイントです。au WALLET プリペイドカードを使った場合は、別途、au WALLETの月15,000ポイントが上限として設定されています。

なお、いずれの上限ポイントも、与信枠のほうが低ければ、与信枠が上限になります。

たとえば、上表で上限ポイントが月15,000ポイントであっても、与信枠に相当するポイントが月10,000ポイントであれば、その人の上限ポイントは月10,000ポイントまでしか貯めることができないということです。

上記に挙げたサービスは一例です。

キャッシュレス決済に加盟している事業者を知りたい方は、一般社団法人キャッシュレス決済推進協議会のホームページで確認できますので、アクセスしてみてください。

また、キャッシュレス・消費者還元事業では、対象の店舗を簡単に調べられるスマホアプリも提供されています。

加盟店でキャッシュレス決済すると、利用したサービス会社から提供されるキャッシュバックやポイント還元キャンペーンと合わせて5%が還元されます。

「5%還元」は、永久的なものではなく、2019年10月から2020年6月末日までの期間限定です。

上手く利用することで、安く商品やサービスを購入できますので、ぜひ積極的に利用してみてください。

まとめ

キャッシュレス決済は、実店舗での支払いがスムーズにできるうえ、銀行口座からわざわざ現金を下ろす手間が省け、支出管理が容易になるという点でとてもメリットが多いものです。

また、ポイント還元期間中に利用すれば、増税前よりも安く商品を購入できます。

デメリットはありますが、キャッシュレス決済ができる店舗が増えていますから、平時の日常生活においては、大変便利な手段です。この機に、キャッシュレスにしてみてはいかがでしょうか。

画像出典元:Pixabay、Stocsnap

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