海外の開発会社に委託をすることで、コスト削減ができる「オフショア開発」。
うまく利用すれば小さなコストで開発することが可能ですが、他国の技術者に依頼をするためコミュニケーション不足で違う納品物が送られてしまう…というケースもあります。
今回はオフショア開発を行うメリットや失敗しないためのコツについて詳しく解説していきます。
このページの目次
オフショア開発とは簡単に言えば「ソフトウェアの開発、テスティング、データ入力といったサポート業務などを海外の子会社に委託すること」という意味です。
通常、新しい人材を雇う際求人を作成したり面接をしなければならなかったりと色々と手間がかかりがちです。
一刻も早くソフトウェアを開発したい、そのためにはよりコストをかけずに優秀な技術者に依頼したいと考えている経営者もいるでしょう。
オフショア開発はそういった手間が省けて、なおかつ費用もほとんどかからず優秀な技術者を確保することができます。
では、なぜ今になってオフショア開発が選ばれるようになったのでしょうか?
その背景には「慢性的な人手不足問題」が挙げられています。
情報化とグローバル化が急速に進んでいく中で、ソフトウェアの開発などができる技術者の数はほとんど足りていません。
しかし、かといって技術者一人を確保するのに費用(人件費)をかけるわけにもいきません。
「優秀な技術者を確保したいけど、なるべくなら費用を抑えたい」
そういった背景からオフショア開発が選ばれるようになったのです。
では、オフショア開発を行うメリットとは具体的にどういったものなのでしょうか?
下記で詳しく解説していきます。
先程もご紹介したように、オフショア開発は開発にかかる費用を安くすることができます。
ソフトウェアを開発する際、多数の技術者を参加させなければなりません。
技術者一人につく費用はかなり高く、場合によってはコストが大きくなってしまうことも…。
しかし、海外の技術者に依頼をすれば国内よりも人件費を安く済ませることができます。
発注先の国によって価格はやや異なりますが、それでも日本国内と比べると一人あたりの人件費は安めになっています。
人件費を安くして人材を確保したいという場合におすすめと言えます。
もう一つのメリットは、優秀な人材が集まりやすいところです。
「人件費が安いと、技術者の能力もばらつきがあるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、海外は日本と違って物価が異なるので現地ではかなりの高給をもらっている技術者は多いです。
そのため、優秀な人材が集まりやすくなるというメリットがあります。
また、オフショア開発を行うことで様々な要望にも応えやすくなるというメリットもあります。
オフショア開発で海外の優秀な技術者を確保できるため、急な納期や大規模なプロジェクトにも柔軟に応えることが可能です。
今までは人数の問題で柔軟に対応はできなかったけれど、色々な要望に応えやすいような環境を作りたいという場合におすすめの方法と言えます。
色々と便利なオフショア開発ですが、国内と違って時差や言葉の壁・価値観の違いなど様々なデメリットも生じてきます。
では具体的にはどういったデメリットなのでしょうか?
下記で詳しく解説していきます。
オフショア開発のデメリットでよく挙げられるのが、コミュニケーション不足による齟齬です。
委託先の国の言葉が分からず、なかなか言いたいことが伝わらないため結果としてプロジェクトが遅れてしまう・予定していた納品物とは大幅に異なるものが納品されてきたというケースも生じてしまいます。
プログラミング言語は全世界共通ですが、その他の言葉は共通ではないので翻訳機能を使って説明しなければならないという手間もでてきます。
オフショア開発を行う上で次に当たるのが、「時差」です。
日本は朝でも、委託先の国によっては夕方・夜間になっている場合もあります。
そのため緊急の会議やミーティング・メッセージなどを相手方が把握できないといったケースに陥ってしまうことも…。
オフショア開発を行う際は、各国に「時差」があることを前提でプロジェクトを進めていく必要があることを忘れないようにしましょう。
オフショア開発の最大のデメリットといえば、進捗管理です。
時差や言語の問題だけでなく、価値観の違いから納品物が納品されずに進捗が滞ってしまうというケースは多いです。
日本の場合は、納期までに間に合わせるようにきっちりとやりますが他の国の場合は納期に対する考え方が違うため必ず期日通りにやってくれるとは限りません。
オフショア開発を行う際は、相手方の価値観とすり合わせた上で進捗をうまく管理していく必要があります。
では、日本がオフショア開発を依頼する国は具体的にどこなのでしょうか?
基本的に日系企業が進出しているアジア諸国が開発先として選ばれやすいです。
上記の国は、一人あたりの人件費も安くまた優秀な技術者が多くいるためオフショア開発先として挙げられることが多いです。
これからオフショア開発を行う際は、上記の国に委託してみるといいでしょう。
オフショア開発は人手不足を解消できてコストも安く済みますが、一方でコミュニケーション不足などが原因で失敗してしまったという事例もあります。
では、具体的にどのように失敗してしまったのでしょうか?
具体例を挙げてご紹介していきます。
一番多いのが、やはり「コミュニケーション不足」です。
相手にうまく伝えようと思っても間違った意味で相手に伝わってしまう・タスク管理がうまくできず、納品物が送られてこない・それが原因で納期に大幅に遅れてしまうなどのケースは多いです。
次に多いのが、「技術者側への丸投げ」です。
海外の技術者にタスク管理や納期管理などを発注者が丸投げしてしまい、その結果予定していたものとは大幅に異なる納品物が挙げられてしまうこともあります。
ある程度一任にするのは大事ですが、言葉の違いや価値観の違いがあるので丸投げしてしまうのはNGです。
では、オフショア開発で成功するためには一体どうすればいいのでしょうか?
まず、定期的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
日本人の場合は多少文章が曖昧でもある程度察してくれるのでコミュニケーションは取りやすいですが、他の国の場合は違います。
文章に書かれていることに従って作業をするので、発注者側の真意が伝わらないこともあります。
ですので、言い漏らしがないように密にコミュニケーションを取るようにしましょう。
チャットだけでなくビデオ面談、可能なら現地に行って進捗はどうかを確認してみるのもいいでしょう。
また、自分たちの開発業務にあった委託先を選ぶようにしましょう。
何も考えずに発注先を選んでしまうと、コミュニケーション不足や価値観の違いなどから思ったようにプロジェクトが進まなくなってしまいます。
委託先の企業の特徴などを事前に準備し、複数の会社と比べることで自分たちにあった企業を見つけることができるのでおすすめです。
ここからはオフショア開発におすすめな企業をいくつかご紹介していきます。
近いうちにオフショア開発を行おうか検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
画像出典元:「株式会社サテライトオフィス・ベトナム」公式HP
優秀なベトナム人や日本語が堪能なブリッジSEなどが在籍しているのがこちらの企業です。
日本のシステム開発に精通しており、コミュニケーション不足も解消されるのでおすすめです。
低コスト・高品質なエンジニアが多数いることで有名な株式会社BAP。
AIやブロックチェーンなどの技術力が高いので、より高品質な仕事を頼みたいというときにおすすめです。
今回はオフショア開発について詳しく解説していきました。
言語によるコミュニケーション不足・価値観の違いによる考え方の行き違いといったデメリットはありますが、密にコミュニケーションを取る・自分たちの開発プロジェクトにあった委託先を選ぶことでより成功しやすくなります。
これからオフショア開発を検討している人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
画像出典元 :burst