【保存版】会社の破産手続きの流れ・注意点を徹底解説!

【保存版】会社の破産手続きの流れ・注意点を徹底解説!

記事更新日: 2019/09/15

執筆: 小石原誠

会社の破産。経営者であれば絶対に避けたい事態であることは間違いありませんが、やむを得ず会社を破産させなければいけない場合には、必要以上に慌てることなくきちんと手順を踏むことが重要です。

そうすることで、経営者として再起し次のステップに踏み出すことができるからです。

今回は、会社の破産手続きの流れ・注意点について徹底的に解説していきます。

会社にとっての「破産」とは

「倒産」と「破産」は違う!

会社にとっての「破産」とは何なのか、似たような言葉である「倒産」との違いについて触れながら説明していきましょう。

まず会社にとっての「倒産」とは、会社が返済義務のある債務(借金)を期日までに弁済することが難しくなり、会社を運営することが難しくなる状態のことをいいます。

倒産状態に陥った会社が取りうる選択肢はいくつかあるのですが、そのうちの一つが「破産」という手続きです。

そして「破産」とはどのような手続きかというと、会社に残された財産をすべて処分して債務者に分配するとともに、会社そのものを消滅させるというものです。

ひらたく言うと、つまりは「倒産」とは会社が立ち行かなくなる「状態」のことであり、「破産」とは後述するとおり立ち行かなくなった会社を清算する「手段」と言うことができます。

ここで重要なことは、「倒産」となったからといってその会社が完全におしまい、というわけではないこと。

実際に倒産状態になってから経営再建を果たした会社は数多く存在します。

一方で、「破産」は会社そのものが消滅してしまうので、会社にとって本当の終わりを意味する重たい言葉となっています。

個人の「自己破産」と会社の「破産」

会社の「破産」は、個人にとっての「自己破産」と似ています。

自己破産とは、個人として抱えた借金を返せなくなってしまった場合に、残った資産をすべて処分して債権者に分配する(破産)とともに、返しきれなくなった借金について免除してもらう(免責)手続きです。

個人の「自己破産」と会社の「破産」とでは異なる点が一つあります。

それは、個人の場合に認められる「免責」については、会社の「破産」の場合には適用されない、という点です。

これを聞くと「破産をしても借金からは逃れられないのか?」と思われるかもしれませんが、実はそういうことでもありません。

というのも、会社の「破産」は会社を消滅させる手続きです。

つまりは、借金を返済する義務は残るものの、その義務を背負った「会社」そのものが消滅してしまうので、結果的に借金を返す必要はなくなる、という解釈になるのです。

法的な視点からいえば、個人の「自己破産」と会社の「破産」とでは、返しきれなくなった借金の返済義務の取り扱いは異なります。

しかし、いずれにしろ借金を返す必要がなくなるという意味では同じだといえるでしょう。

会社の破産手続き

破産の手続き開始を「認めてもらう」ための要件

会社の破産手続きは、勝手に始められるものではありません。

破産の手続きを始めることを認めてもらうためには、以下の2つの「要件」のいずれかを客観的に満たす必要があります。

・支払不能:会社が支払うべき債務が返済できなくなった状態
・債務超過:会社の債務額の合計が資産額の合計を超えた状態

上記2つのうちいずれかを満たせば破産手続きを開始できますが、実際に「破産」する会社は、2つともを満たしてしまっているような状態であるケースが多いようです。

関係各方面への連絡対応

破産手続きを開始するということは、会社としての事業がストップすることを意味します。

ということは、それにより影響を受ける関係各方面への連絡対応をまずしっかりやっておく必要が生じます。

まず、一番大きな影響を受けるのは、会社の従業員でしょう。

当然ながら、従業員には会社を破産する旨を伝えるとともに、全員に対して「会社都合」で解雇することになります。

この時点で従業員への未払い賃金があっても、破産の手続きを開始した時点で賃金の支払いも一旦ストップしなければいけません。

そして、銀行や取引先などにも破産手続きを行う旨を通知しなければいけません。

従業員への賃金支払いと同様に、銀行や取引先への支払いもこの段階でストップとなります。

さて、破産を通知することで、当然、従業員や銀行、取引先からは問い合わせが相次ぐことになります。

個人で対応できるレベルであれば良いのでしょうが、多くの場合それは難しいでしょう。

ただでさえ会社の破産手続きは簡単に済むものではありませんから、破産手続きをすると決めた時点で弁護士に相談し力添えをもらうのが一般的です。

破産手続きにかかる書類の準備

破産手続きは、裁判所に対して、その旨を申し立てる書面などの各種書類を提出することで開始されます。

必要な書類は以下の通りです。

・預貯金通帳
・法人の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
・法人税申告書の控え(貸借対照表・損益計算書)のコピー

また、場合によっては以下のような書類も必要となります。

・会社の事務所などで賃貸借契約をしている
▶︎賃貸借契約書

・会社名義で生命保険に加入している
▶︎生命保険証券・生命保険証書のコピー、生命保険の解約返戻金計算書のコピー

・会社名義で自動車やバイクを所有している
▶︎自動車・バイクの車検査証または登録事項証明書のコピー、価格査定書のコピー

・会社名義で不動産を所有している
▶︎不動産登記の履歴事項全部証明書の原本、不動産評価書類の原本、住宅ローン残高証明書の原本

 

破産手続きの申し立て

破産手続きに必要な各種書類が揃ったら、それを裁判所に提出して破産手続きの「申し立て」を行います。

弁護士に依頼をしている場合は、申し立ても弁護士が代行してくれます。

書類がしっかりと揃っており、かつ先述したとおり破産の要件を満たしていると認められれば、破産の申し立てが「受理」されて、破産手続きが開始されます。

そして破産手続きが開始されると、裁判所によって「破産管財人」が選任されます。

この時点で、会社の財産に関する権限はすべて破産管財人に移ります。

財産の換価・債権者集会・配当

裁判所によって選任された破産管財人の仕事は、まずは会社に残されたすべての財産を「換価」することです。

また、債権者集会を開いて会社に残された資産の状況について説明するとともに、債権者及び債権者が有する債権についての確認も行われます。

なお、破産手続きの開始から債権者集会の開催までには、およそ3か月前後の期間がかかるのが一般的です。

会社に残った全ての財産が「換価」され、かつ債権者集会により債権等の確認が終われば、債権者への配当や税金等の支払いが行われます。

破産手続き完了

債権者への配当や税金等の支払いが終われば、破産手続きは完了となります。

この時点で会社の権利や義務は消滅し、つまりは会社が完全に消滅することになります。

会社の破産が経営者個人に与える影響

ところで、会社を破産させることにより、経営者個人に影響が及ぶのではないか?ということを心配される方もいらっしゃいます。

しかし、ここまで説明してきたとおり、会社の破産手続きというのは、あくまで会社の財産の処分及び会社の消滅を目的として行われるものなので、会社の破産が経営者に直接影響を与えることは、基本的にはありません。

例えば、従業員への未払い賃金を経営者が会社の代わりに支払うといったことは、法的にはあり得ないのです。

ただし、会社として金融機関から借入を行うなどした際に経営者個人が連帯保証をしている場合には、会社が消滅しても経営者個人の債務は引き続き残ります。

ですが、会社を破産させる場合には経営者個人としても資産が残っていない場合がほとんどでしょうから、その場合には個人としての破産手続きも会社の破産と同時に進行することが一般的です。

会社の破産手続きは弁護士に任せることを検討しよう

今回は、会社の破産手続きについて、「倒産」や個人の「自己破産」との違いを比べつつ、手続きの流れについても徹底的に解説してきました。

文字にしてしまうと「関係各方面への連絡対応」から5つ程度のステップで破産手続きは完了しますが、実際にこれを行うという場合には、とても多くの困難が伴うこともしばしばです。

例えば、賃金未払いのある従業員に対応しなければならないことを考えると、その困難さが容易にイメージできるはずです。

ですから、通常の裁判で弁護士がつかないことがほとんどあり得ないのと同様に、会社破産の手続きも基本的には弁護士に依頼するものと考えておきましょう。

弁護士に依頼することで会社破産に安心して臨むことで、再起をかけた次のステップへと足を踏み出しやすくなります。

画像出典元:pixabay、Pexels

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