ものづくり補助金とは?対象者から補助額まで細かく解説

ものづくり補助金とは?対象者から補助額まで細かく解説

記事更新日: 2023/09/25

執筆: 編集部

機械装置などの設備投資をするには多額の資金が必要で、中小企業にとって設備投資資金を用意することは簡単ではありません。

では諦めるのか?そんな時には「ものづくり補助金」を検討してみましょう。「ものづくり補助金」は中小企業や小規模事業者等が一定の改善を実施する場合の設備投資等に補助金が支援されます。

今回はそんな「ものづくり補助金」についてご紹介します。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、生産性向上に資する革新的なサービス開発・試作品開発・生産性プロセスの改善を、中小企業や小規模事業者等が実施する場合に、設備投資等について補助金が支援されるものです。

ものづくり補助金は、足腰の強い経済を構築することが目的となっています。

ものづくり補助金の名称

ものづくり補助金の名称は毎年変わっています。

年度 名称
平成28年度補正 革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金
平成29年度補正 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金
平成30年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

平成30年度補正、平成31年度に公募が始まっているものづくり補助金の名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。

ものづくり補助金の対象者

ものづくり補助金は、日本国内に本社及び実施場所を有する中小企業者および特定非営利活動法人が対象者です。

しかし、みなし大企業や補助対象外事業に該当する場合は、対象者であっても対象とはならないので注意しましょう。

特定非営利活動法人は、広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行うこと、従業員数が中小企業者の「その他の業種」の範囲内であることが必要です。

中小企業者とは

中小企業者は業種・組織形態によって資本金、従業員数が異なります。

組合関連を除いた場合の中小企業者の範囲は以下の場合です。

資本金、従業員数のどちらか一方を満たす必要があります。

業種・組織形態 資本の額又は出資の総額 常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
小売業 5,000万円 100人
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円 100人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円 900人
その他の事業(上記以外) 3億円 300人

 

みなし大企業とは

次の1.〜3.のいずれかに該当する場合は大企業とみなされ補助対象者から除外されます。(みなし大企業)

1. 発行済株式の総数又は出資価額の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業者
2. 発行済株式の総数又は出資価額の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業者
3. 大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者

ものづくり補助金の大企業とは、中小企業者以外です。

補助対象外事業とは

次に掲げる事業は補助対象外です。

1. 本公募要領にそぐわない
2. テーマや事業内容から判断し、同一又は類似内容の事業であり、国が助成する他の事業と重複
3. 事業の主たる課題の解決を外注又は委託
4. 試作品等の製造・開発の全てを他者に委託し、企画のみを実施
5. 公序良俗に反する
6. 公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業内容
7. 補助対象経費の各区分等に設定されている上限を超える補助金を計上
8. 事務局が本事業用として指定した応募申請書類様式と、異なる様式の申請書類で応募した案件など

 

ものづくり補助金の公募期間

ものづくり補助金は、複数回の公募が予定されており、平成31年は第一次、第二次の締切がありました。

平成31年は公募が終了しているので、来年の公募期間の目安にして下さい。

内容 年月日
受付開始 2019年2月18日
第一次締切 2019年2月23日(消印有効)
第二次締切 2019年5月 8日(消印有効)

 

ものづくり補助金の注意点

設備投資に係る費用の全てが対象ではない

ものづくり補助金の設備投資とは、専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具及び専用ソフトウェアを取得するための経費です。

補助対象経費が税抜き単価50万円以上を計上する必要があります。

ここで注意してほしいのが取得するための経費です。

設置場所の設備工事や基礎工事については補助対象経費として認められていません。

補助金の支払いまでに時間がかかる

ものづくり補助金は交付が決定されたからといって、すぐに補助金が支払われるわけではありません。

補助金の支払いには時間がかかるため、支払われるまでの費用は会社が負担することになります。

また設備投資の全額が補助対象になりません。1/2は自己負担になることを忘れないようにしましょう。

ものづくり補助金の2つの対象類型

ものづくり補助金には「ものづくり技術」と「革新的技術」の2つの対象類型があり、それぞれ応募申請が可能となる者が違います。

「ものづくり技術」は『【中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律】第2条第1項に規定する者』が応募申請可能です。

「革新的技術」は『【中小企業等経営強化法】第2条第1項に規定する者』が応募申請可能です。

ものづくり補助金の2つの事業類型

ものづくり補助金には「ものづくり技術」と「革新的技術」の2つの対象類型に区分されており、また「一般型」と「小規模型」の2つの事業類型が対象となります。

2つの事業類型について確認しましょう。

一般型

中小企業者等が実施する試作品開発・革新的なサービス開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等が支援されます。

補助額、補助率など

一般型 一般型
補助額 100万円〜1,000万円
補助率 1/2以内
設備投資の要否 必要
補助対象経費 機械装置費、技術導入費、運搬費、専門家経費、クラウド利用費
その他 複数の中小企業者等が共同で申請を行うことが可能(補助上限額は共同申請全体で1,000万円)

 

小規模型

小規模型は「設備投資のみ」と「試作開発等」の2つがあります。

「設備投資のみ」は小規模な額で中小企業者等が実施する革新的サービス開発・生産プロセスの改善が支援されます。

一方「試作開発等」は小規模な額で中小企業者等が実施する試作品開発が支援されます。

 

設備投資のみの場合、設備投資が必要ですが、試作開発等の場合、設備投資が必須ではありません。

補助額、補助率など

小規模型 小規模型 小規模型
設備投資のみ 補助額 100万円〜500万円
  補助率 1/2以内
  設備投資の要否 必要
  補助対象経費 機械装置費、技術導入費、運搬費、専門家経費、クラウド利用費
  その他 複数の中小企業者等が共同で申請を行うことが可能(補助上限額は共同申請全体で500万円)
試作開発等 補助額 100万円〜500万円
  補助率 1/2以内
  設備投資の要否 可能(必須ではない)
  補助対象経費 機械装置費、技術導入費、運搬費、専門家経費、クラウド利用費、原材料費、外注加工費、委託費、知的財産権等関連経費
  その他 複数の中小企業者等が共同で申請を行うことが可能(補助上限額は共同申請全体で500万円)

 

まとめ

会社にとって、高額な設備投資の一部を支援してくれる「ものづくり補助金」はとても魅力的です。さらに、補助金は基本返済が不要です。

しかし、補助金は後払いのため、機械装置等の取得にはしっかりとした資金繰りを計画しましょう。

ものづくり補助金は公募期間が決まっているため、利用する時は締切に間に合うように準備しましょう。

画像出典元:写真AC 、O-DAN

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