起業ログTOP > ソーシャルレンディング > ソーシャルレンディングとは?少額・短期で初心者にもおすすめの投資法を紹介
資産を増やしたい、いまある資産を運用したい投資家にとって、ソーシャルレンディングを抜きにして考えるのは非常にもったいないです。それほどまでに今、ソーシャルレンディングは新たな資産運用として話題になっているのです。
しかし、ソーシャルレンディングがいまいちわからない、デメリットも気になるという状態では、投資を足踏みしてしまうことでしょう。
そこで本記事では、そうした投資家向けにソーシャルレンディングの基本知識と、投資の際の注意点やポイントも織り交ぜたメリット・デメリット、おすすめのソーシャルレンディング運営事業者について解説します。
このページの目次
ソーシャルレンディングとは、貸付を希望する会社(借り手)と資金を運用してさらに資金を増やしたい投資家(貸し手)をマッチングするオンラインサービスのことです。
日本では業務として金銭の貸借をする場合、貸金業法に抵触し、貸し手側に貸金業の登録を必須としています。
投資家は、生業としてお金を投資しますが、その金銭が直接企業に渡った場合、投資家の出資は貸付とみなされ、さらに投資家は貸金業者として法律上みなされてしまうのです。
しかし、投資家は貸金業者ではありませんから、貸金業法と無関係にしなければなりません。
それには、実際に貸付をおこなうソーシャルレンディング運営事業と投資家が匿名組合契約を結び、貸付される企業側から出資者が誰かわからないようにする必要があるのです。
そのため、ソーシャルレンディング運営事業者は、次の登録が必須となっています。
・第二種金融商品取引業(金融商品取引法)
・貸金業者(貸金業法)
ソーシャルレンディングで扱われるファンド(貸付案件)は金融商品に該当します。
金融商品を扱う場合は、金融商品取引法で定められている業者の登録が必要です。
ファンドは、第二種金融商品に当たるため、ソーシャルレンディング運営事業者は第二種金融商品取引業の登録が必須になっているのです。
その登録がされていない事業者は、投資家からお金を集めることができません。登録すると登録番号が付与され、登録番号をWEBサイト上に記載しておく義務があります。
こうした背景があり、お金のやりとりは全てソーシャルレンディングの運用事業者を介すことになっています。
事業者が運営するWEBサイト上で投資家から小口の資金を集め、その資金を事業者を仲介して貸付を希望している企業に一定期間だけ貸付をします。
そのため銀行融資が受けられない・銀行からの融資だけでは足りない企業にとって、融資先の確保にもなります。
投資家の立場からみると、資金を増やすための手段の一つかつ、社会貢献する企業を自分の資金で応援できる一つの方法にもなっています。
投資家は、利息を含んだ企業の返済金から運営事業者の報酬を差し引いた金額を分配金として受け取ることができます。
分配金には元本に利息が加味されているため、その利息でさらに資産を増やすことができるのが魅力です。なお、利率はそれぞれのファンド(出資案件)によって異なるので、どのファンドを選ぶかによって収益率も変わってきます。
ソーシャルレンディングの仕組みは、クラウドファンディングの仕組みに似ています。
クラウドファンディングも、資金提供を受けたい法人あるいは個人に対して、投資家から投資してもらい、それをクラウドファンディング運営事業者を通して投資がおこなわれます。
投資家へのリターンには、金銭や株式、農産物などの物資が分配されます。
ソーシャルレンディングでのリターンは、金銭一択です。資金の流れから、貸付型クラウドファンディングとも呼ばれます。
ソーシャルレンディングでは、投資信託や国債といった安定的な投資方の中でも4~10%と高い金利を誇ります。
定期預金の金利が0.01%ほどの時代に、年利10%の投資が行えるのはとても魅力的です。
高利率の案件に投資することができれば、少ないリスクで銀行の1000倍ほどの金利が一年で得られます!
ソーシャルレンディングは貸金業です。投資先が倒産するなどのアクシデントを除き、基本的には元本+金利が得られる投資手法となります。
比較的に安定しているといわれている投資信託を購入する手法でも、投資である以上預けたお金よりも減ってしまう、いわゆる元本割れという状況は起こり得ます。
しかし、ソーシャルレンディングであれば会社が倒産したり、不渡りを出したりさえしなければ元本+金利が貰えます。
ソーシャルレンディング会社は、借りたお金を返せる企業かどうかをしっかり審査してから募集をするため、比較的安全に投資ができます。
絶対安全!元本保証!というわけにはいきませんが、ソーシャルレンディング会社の一つである、SBIソーシャルレンディングは法人向け貸付で、今までで不渡りを出したことがありません。
※2019年1月時点
ソーシャルレンディングは一口1万円から始められる案件が数多くあります。
一度に大量に投資して失敗するのが怖い、という方でもまずは少額で始めることで、安定性や金利を実感してから本格的に始めることができます。
いきなり何十万円も投資する必要はないので、自分に合った金額からこつこつ始めるのがおすすめです。
一般的な投資商品は相場の上げ下げをチェックして、タイミングがいいところで自身で売買をしなければなりません。
ソーシャルレンディングでは一度投資をしてしまえば、満期まで待つだけです。
株やFXのように、一発大きく当てる!といったことは不可能ですが、手間をかけずに少ないリスクで資産が増やせるため投資初心者に特におすすめです。
ここでいくつかのソーシャルレンディング会社を利用している筆者が、使ってみた中で特におすすめの業者を紹介します!
南米や欧米、新興国などの海外案件に特化したソーシャルレンディング運営事業者です。
クラウドクレジットは、大手総合商社の伊藤忠商事株式会社が20%近い株式を保有しているため、リターンの大きさに期待できます。また、投資家への情報発信が積極的です。
このほか、投資家が気になるリスクに関しても、ファンド内で貸付を分散させ、貸倒れの可能性を下げる努力も見られます。
・最低投資額:1万円~
・貸付期間:1年以上~が多い
・平均利回り:約8%
不動産投資型クラウドファンディングでもっとも有名で、またおすすめなのがこのCREALです。
株式会社ブリッジ・シー・キャピタルが運営するCREALは、運用する不動産の規模の大きさが特徴です。
第一弾ファンド「ホテル アマネク 浅草吾妻橋スカイ」の8億8千万円を筆頭に、1億円を超える大規模なファンドが多く展開されています。
その分、ファンドの数がやや少ないために、募集が開始されるとすぐに枠が埋まってしまうことも多いです。
※SBIソーシャルレンディングは2021/5/24にサービス終了しています。
金融事業を多展開しているSBIグループが母体のソーシャルレンディング運営事業者です。
母体がしっかりとしているため他の運営事業者と比較しても、群を抜いて安定感があります。
貸付先を法人に限定してから、返済遅延や貸倒れが一切ありません。少額投資家にもやさしく、振り込みにかかる手数料を運営事業者側が負担してくれます。
・最低投資額:1万円~
・貸付期間:3ヶ月~中期間が多め
・平均利回り:約5%
投資が趣味の筆者が実際にSBIソーシャルレンディングを利用してみました!(※現在は利用できません)
まずは会員登録です。
赤いマークの部分をクリックして、新規登録ページへ進みます。
メールアドレスを入力すると、登録したメールアドレスにメールが届きます。メールのリンクをクリックすると、個人情報の登録に移ります。
氏名など基本情報から、身分証の登録を済ませると、投資家としての登録が完了します!
SBIソーシャルレンディングでは、常時募集のファンドと、不定期に募集するファンドの2種類があります。
不定期募集のファンドのほうが利回りが高い傾向にありますが、無担保であったりとリスクも大きいです。
SBIソーシャルレンディングで一番利回りが高い案件はカンボジアの案件で、年利10%ほどになっています。
毎月1日から募集が開始されますが、人気ですぐに申し込みが終わってしまうため、高利率の案件に投資したい場合は、開始と同時に申し込むようにしましょう。
筆者が始めた時期には不定期の案件がなかったため、常時募集している案件(名目年利3.2%~5%)に投資しました。
SBIソーシャルレンディングの入金は、振り込みで行います。
出資申し込みを確定すると表示される専用口座(三井住友銀行)宛に、自分の銀行口座から振り込みを行います。
この際の振込手数料は自分で負担します。
住信SBIネット銀行の口座を持っていると、クイック入金サービスが利用可能で振込手数料も無料のため、SBIネット銀行の口座をお持ちの際はそこからの振り込みをおすすめします。
筆者は、運用期間14か月、名目年利3.2~5%の案件に30万円で投資を始めました。
※実際の運用画面
無事入金が終わると、期日に運用が始まります。SBIソーシャルレンディングでは、毎月15日に分配金が配布されます。
SBIネット銀行と連携をしておくと、毎月15日に銀行口座に配当金から源泉徴収額(利益の20%)を抜いたお金がそのまま振り込まれます。
普通の投資であれば、配当金は証券口座に配布される場合が多いですが、SBIソーシャルレンディングは、自分の銀行口座に振り込んでくれるため、”実際に儲けている”感じが直に味わえます!
筆者が投資している案件は、名目利回り3.2~5.0%なので、最初の配当金は、1140円、税引き後908円でした。
投資額は30万円なので、1140×12÷300000=0.0456=4.56%。
このままいけば年利4.56%を達成できそうです。
銀行の定期預金だと、年利0.01%~0.05%が関の山なので、最低でも100倍近い効率でお金が増えますね!
※現在までの分配金、マイナスは源泉徴収・出金分です。
5か月目にして7万円弱の早期償還がありました。
現在の運用額は22万円程度となり、30万円で運用していた時より運用利益が減ってしまいます。
ですが、帰ってきた7万円を他の案件に投資したのでその問題は解決しました。
一口1万円から投資ができるので、気楽に始められるのがいいですね。
ソーシャルレンディング業界では、貸し倒れや不当たり問題が起こり得ますが、SBIソーシャルレンディング(企業向け)では不当たりを出したことがないため、安心して投資できます。
※不当たりを出した個人向けのソーシャルレンディングサービスは現在提供終了しています。
しかし、絶対安全、元本保証ということではありません。
筆者は一つの案件に多く投資してしまいましたが、リスクを考えると小口に分けて様々な案件に投資するのがよいでしょう。
ソーシャルレンディングの最たる利点としては、やはり安定収入が得られるところです。
株式投資やFXなどの資産運用方法では、安定性を取れば金利が低くなり、逆に金利の高さを取れば元本割れのリスクが高まります。
ところが、ソーシャルレンディングは、元本の価格変動が起こりません。そのため、元本を確保しつつ、利回りで資産を増やすことができるのです。
株式投資やFXでは、値動きに応じてアクションを起こす必要があります。
しかし、ソーシャルレンディングは一旦投資をすれば、そのファンドが満期を迎えて分配されるまで投資家がアクションを起こす必要がありません。そのため、投資家は満期まで放っておいても、自動的に資産運用できるという手軽さがあります。
ソーシャルレンディングは、株式投資やFXのように元本割れをすることがほぼありません。
これは、元本の価格が変動しないことに加えて、ファンドに担保や保証を付けるなどして元本保全に努めているからです。ほかの金融商品に比べると、元本の保全性が高くなっているのです。
事業者やファンドによっても異なりますが、多くの業者では最低1万円から投資ができます。
しかも、運用期間は3ヶ月ほどの短期から始められるものもあります。最長でも1年程度なので、手っ取り早く資産を増やしたい投資家や、他の投資案件を探す際のつなぎとしても扱いやすい内容になっています。
株式商品や不動産などへの投資では、知っておくべき知識や投資家としての経験があるほうが有利です。
ところがソーシャルレンディングの場合は、価格変動もなく、経験や能力などで収益率が変わることもないため、初心者でも運用しやすいという利点があります。
元本が値動きしないということは、株式投資やFXのように大きく収益を伸ばすことができません。
利回りは5~7%ほどですから、利益率を大きく上げて儲けることには向いていないのです。
それを踏まえたうえで、ソーシャルレンディングを利用する場合は、複利効果を考えた投資を意識することです。
複利効果を狙うには、次の2点がポイントです。
・間隔を開けずにすみやかに投資する
・分配金は出金せずに、次の投資に充てる
貸付を求める企業への貸付ですから、返済不能で貸倒れるリスクや、返済が遅れて、投資したお金を全額回収するまでに時間がかかることもあります。
また、ソーシャルレンディング運営事業者が倒産する可能性もゼロではありません。
万が一、貸倒れた場合は、ソーシャルレンディング運営事業者が回収に尽力してくれますが、その場合も必ずしも投資全額が全額戻ってくるとはいえません。
また、ソーシャルレンディング運営事業者そのものが倒産をしてしまえば、元本が戻ってくる可能性は、企業の貸倒れ以上に非常に低くなります。
こうしたリスクを回避するには、貸倒れや倒産リスクを想定したうえでの分散投資が重要なポイントです。
分散投資のポイントは、次の4点で分けることです。
・ソーシャルレンディング運営事業者ごとに分ける
・投資案件のテーマごとに分ける
・ファンドごとに分ける
・貸付先となる事業者(企業)を分ける
ソーシャルレンディングは、銀行の定期預金などのように途中解約ができません。
そのため一度投資(入金)したお金は、満期を迎えるまでは手元に戻すことができないのです。
これは、返済が遅れている場合においても同様です。他で必要になるような資金は使わずに、余剰資金で運用することが大切です。
投資先となる事業者(企業)が複数になる場合には、1事業者につき1口座が必要になります。
複数の口座を持つと、それぞれの口座状況をチェックする必要性が出てきます。
数が多くなるほどに口座管理に手間がかかるのです。しかし、リスク分散するのであれば、これもリスクマネジメントの一環として受け入れざるを得ません。
分配金は、指定した口座に入金されます。このとき、ソーシャルレンディング運営事業者が投資家の口座へ振り込みをします。
多くの運営事業者では、振込にかかる手数料は運営事業者側で負担をしてくれます。ところが、口座へ入金された分配金を出金する場合は、それぞれの口座を開設している銀行で規定されている出金手数料がかかります。
出金頻度が高いほど、分配金から差し引かれる金額が多くなります。結果、利益率が下がってしまうことになるのです。
※SBIソーシャルレンディングでは、住信SBIネット銀行からの投資を行うことで振込手数料が無料になります。ソーシャルレンディング会社によって手数料が無料になる銀行がある場合もあるので注意しましょう。
投資家にとってソーシャルレンディングは、金利収入による資産運用の新たな機会となっています。
ほとんどのファンドが1万円からの少額投資が可能です。そのため、株式投資やFXよりも気軽に始めることができます。
デメリットもありますが、それは何もソーシャルレンディングに限ったことではありません。
金融商品を用いて資産運用する場合には、少なからずリスクは付き物です。そのなかでも、ソーシャルレンディングは、他の投資と比べてリスクが低く、安定的かつ保全的に資産運用ができます。
投資を始めるなら、ソーシャルレンディングからチャレンジがおすすめです。
画像出典元:PEXCEL、O=DAN