経営者必読!減価償却を活用してお得に節税する方法

経営者必読!減価償却を活用してお得に節税する方法

記事更新日: 2019/03/15

執筆: 編集部

会社の経理をしていると「減価償却」という言葉をよく耳にしませんか?

決算書では経費項目の中に「減価償却費」という科目名で必ずといっていいほど登場しますが、これはそもそもどのような経費なのでしょうか?

「説明しろといわれると実はよく理解していない」という経営者の方も多いのです。

 そこで今回は、減価償却の仕組みと有効に使った節税対策まで、詳しく解説していきます。

「減価償却」とは?

減価とは「価値が減少すること」

まず「減価」とは、会社が購入した固定資産(機械や車など)が時間の経過と共に価値を無くしていくことを表しています。

例えば車。

新車で買った車も、年数が経つにつれてエンジンが摩耗したり、事故でキズついたりして下取りの査定価格は下がっていき、最終的には査定価格が0円になってしまいますよね。

この価値が下がった部分については「経費として落としてOK」というのが「減価償却」です。

そして「減価」を具体的な数字として表し、会社の経費に反映させたものが「減価償却費」です。

もう少し本質的な言い方をすれば、会社が支払った経費は基本、全額経費として落としていいはずなのですが、固定資産のように長期間にわたって使用することができる支出については一度に経費としないで「使用期間にわたって少しずつ経費で落としてください」ということです。

減価償却は経費でおとす

ここで問題になるのが、価値の減少をいかに合理的に算定するか?です。

パソコンのように3~4年で性能が一昔前のものになってしまうものから、鉄筋コンクリートの建物のように数10年間使うことができるものまで、一言で「使用期間」といっても固定資産の種類によって期間は様々。

税法ではこの使用期間を固定資産の構造や種類ごとに事細かに定めており、それを「法定耐用年数」といいます。

法定耐用年数は、その名の通り法律によって定められています。

※参考:国税庁の法定耐用年数表

例えば、ビジネスで使うパソコンは「4年」です。

パソコン(法定耐用年数4年)イメージ図

上図のように、取得してから4年間にわたって少しずつ資産価値を減らしていき、価値の減少した部分を「減価償却費」として費用に計上するわけです。

減価償却費の算出方法

では「いつ」「いくらで」法定耐用年数内で固定資産の減価償却費をおとせばよいのか?

ここでのポイントは「購入した年に99%経費にしてしまおう」というように「いつ」「いくらで」を自分勝手に決めることはできないということです。

法定耐用年数と同様、経費で落とす割合も税法で定められています。

それが「法定償却率」です。

法定償却率は資産の種類によって「定額法」と「定率法」に分かれており、先に説明した法定耐用年数に対応する償却率を使わなければなりません。(ただし償却方法の届出を国税庁にした場合にはこの限りではない)

定額法

取得価格×定額法の償却率×(その年に使った月数/12ヶ月)

定率法

帳簿価格×定率法の償却率×(その年に使った月数/12ヶ月)


定額法と定率法の違いはおおまかに、不動産が定額法、動産が定率法、と覚えておけば良いかと思います。

※ただし、土地は不動産ですが減価償却はできませんので注意してください。

取得価額でも変わる?税法の特典を使って節税対策に!

ここまで説明してきた「減価償却」は、いわゆる「普通償却」と呼ばれる部分ですが、

資産の種類や取得価額によってはさらに上乗せで経費を落とすことができる税法上の特典

  • 少額減価償却資産
  • 特別償却
  • 即時償却

などもあります。

イメージとしては下図のような感じです。

これらの特典を理解し、うまく活用すれば節税効果も期待できるので、

A. 少額減価償却資産

B. 一括償却資産

C.普通償却

について、それぞれのメリット・デメリットを簡単に列挙します。

A. 少額減価償却資産【取得価格10万円以上30万円未満】

通常、減価償却資産といえば10万円以上のものは全てこれに該当しますが、税法の特典として、30万円未満のものであれば累計で300万円に達するまで全額経費でおとしてもOKです。

例えば、25万円のパソコンであれば12台まで経費でおとせるということです。
(※青色申告であることが要件)

メリット

  • 一個あたり30万円未満であるため対象となる資産が比較的多い

デメリット

  • 300万円という頭打ちがある
  • 固定資産税の対象にはなる
  • 適用できる期間が限定されている(現在2020年3月31日まで)

 

B. 一括償却資産【取得価格10万円以上20万円未満】

資産を3分の1ずつ経費でおとすことが認められています。

メリット

  • 一個あたり20万円未満であれば累計に頭打ちがなく、全てを3分の1ずつ経費で落とせる
  • 固定資産税がかからない

デメリット

  • 3分の1しか経費で落とせないため、耐用年数が2年の資産の場合は固定資産としたほうがより多く経費で落とすことができる

 

C.普通償却【固定資産として処理】

メリット

  • 普通償却分だけ経費に落とせばよいので、赤字を出したくないときに使える

デメリット

  • 固定資産税がかかる
  • 決算書の固定資産比率が上がる


まとめると、A・BはCより経費をより多く計上(=赤字増)することができますですので、黒字の場合はAかB、赤字の場合はCの方法を検討することをおすすめします。

減価償却を使った節税オマケ知識

上記のように、該当すれば様々な特典を受けることができますが、購入した固定資産の金額がピッタリとそこに当てはまるとは限りません

例えば、機械装置は一個あたり160万円以上ですと特別償却の特典を選択することができますが、購入したのが150万円の機械装置だった場合、税法の特典は何も使えず、黒字決算時の特別な節税効果はありません。

そんな時、どうしたらより多く減価償却費にすることができるのでしょうか?

1. できるだけ早く取得する

前述した通り、減価償却は時間の経過に応じて経費でおとしていくもの。

つまり、会計年度内においても「1日でも早く」取得すれば、それだけ多くの減価償却費をおとすことができます

決算日までに購入することが決まっているのであれば、できるだけ早く購入することをおすすめします。

例:80万円のコピー機を購入した時
(定率法で算出)

80万(取得価格)×0.400(償却率)=32万×(使った月数/12ヶ月)

12月決算の場合、1月に購入すれば32万円を経費としておとせますが、これを12月に購入してしまうと12分の1ですので、3万円弱しか経費になりません。

2. 新品より中古品を購入する

中古品は新品よりも修繕費がかかるリスクがありますので賛否両論ではありますが、節税のテクニックの一つとして紹介します。

下記の表通り、耐用年数が2年の場合、定率法では償却率1.000。

出典:減価償却率の償却率表

つまり、取得金額に関わらず耐用年数が2年であれば定率法の場合、全額経費として落とすことができるというわけです。

では、どのようにすれば耐用年数を「2年」にすることができるのか?

答えは法定耐用年数を経過し終わった資産を買えばよいのです。

なぜかというと「法定耐用年数を経過した固定資産の償却期間はその法定耐用年数の20%」という税法の決まりがあるから。

例えば、法定耐用年数が4年の軽自動車を購入する場合。

いわゆる“4年落ち”を選ぶと「4年×20%=0.8年=2年」となり、全額経費として計上することができる仕組み(計算結果が2年未満の場合は償却率が100%になる)です。

とかく敬遠しがちな中古品でも、節税という観点では新品の購入よりメリットがあるというわけです。

まとめ

今回紹介した減価償却を使った節税対策をまとめると以下のようになります。

 黒字決算の場合

  • 税法上の特典をフル活用(少額資産、特別償却など)
  • 取得は早く
  • 中古品の購入も検討してみる

赤字決算の場合

  • 税法の特典は使わない
  • 取得は遅く
  • 10万円を超えたら固定資産として計上する


上手に減価償却を利用して、節税につなげましょう。

画像出典元: pixabay

この記事に関連するラベル

最新の記事

ページトップへ