自己破産の手続きの流れや費用、提出書類を詳しく解説!

自己破産の手続きの流れや費用、提出書類を詳しく解説!

記事更新日: 2019/02/27

執筆: 小石原誠

自己破産の手続きはとても複雑かつ専門的です。あまり知られていませんが、高額の費用が必要となる場合もあったりします。

弁護士に依頼することが通常ですし、今回の記事でも弁護士に依頼することを推奨しています。ですが、自分自身で自己破産の手続きについて理解しておくことは、たとえ弁護士に依頼する場合であっても手続きを円滑に進めるためには必要不可欠なことです。

今回は、自己破産の手続きの流れや費用、提出書類などを詳しく解説していきます。

そもそも自己破産とは?

そもそも自己破産とは、借金が返しきれなくなった場合に「支払い不能」と裁判所で判断してもらい、すべての借金を帳消しにしてもらう手続きです。

ただ正確には「借金を帳消しにする」という解釈は正しくありません。

自己破産する時の手続きは「破産手続き」と「免責手続き」の2つに分かれています。

まずお金を借りている人の財産を現金化して債権者(貸している側)に配当するのが破産手続きです。この破産手続きで支払えなかった負債を免責手続きで帳消しにしてもらいます。

ただし、自己破産は借金を整理するために行使する手段の中では最終手段です。

借金返済の目処が立たなくなった時に行う債務整理には自己破産の他に3つの方法があります。まずは他の方法で解決できないか検討してから、自己破産手続きをおこなうことをおすすめします。

自己破産とは何か、自己破産以外の3つの債務整理の方法については以下の記事で解説しています。

 

自己破産の手続きは「破産・免責申立」から

裁判所に「破産・免責申立書」等の書類を提出

自己破産の手続きは、まず裁判所に「破産・免責申立書」等の書類を提出することから始めます。これは原則として自己破産を行おうとする本人(申立人)の住所を管轄する地方裁判所で行う必要があります。

もし住民票の住所と実際の現住所とが異なる場合には、現住所の方を管轄する地方裁判所で行います。

申立に必要となる書類等は次のとおりです。

  • 破産・免責申立書…各裁判所が作成・提供している書式を利用可能
  • 債権者一覧表…債権者の名前、住所、債権の内容、残額などの一覧
  • 添付書類…住民票・財産目録・収入の状況がわかる書面(源泉徴収票等)

以上の書類等を裁判所に提出すると、その場で裁判官と面接を行うことになります(即日面接と呼びます)。その後、申立人に借金等を返す能力がないと判断されれば、自己破産の手続きを開始する決定がなされます。

なお、この段階で申立人は法的に「破産人」となります。

自己破産の手続きに必要となる費用

自己破産の手続きに際しては、破産・免責申立の段階で下記のとおり各種費用を納める必要が生じます。これらを納めないと破産・免責申立は却下されることになるので、必ず費用を準備しておきましょう。

なお、費用は裁判所によって若干異なるので、管轄の裁判所の費用を必ず確認するようにしてください。

 申立手数料

収入印紙の形で1,500円分を準備します。

官報広告費

およそ1万円~2万円ほどです。

郵便切手

債権者に対する各種通知のためなどに使われる郵便切手も申立人が準備します。およそ数1,000円です。

 予納金

後述の「管財型」と「同時廃止型」とで必要かどうかが変わります。管財型の場合は約20万円~が必要となり、同時廃止型の場合は不要となります。

 

「破産手続」と「免責手続」が同時に進行

破産手続を開始する決定がなされると、次に「破産手続」「免責手続」という2つの手続きが同時進行することになります。

破産手続は、端的に言うと破産人の財産を債権者に分配する手続きです。

対して免責手続は、法律上の支払い義務を免除するかどうかを判断する手続きです。

破産人は債権者に対して可能な限り債務を果たす必要がありますが、債務すべてを返済することはできない場合がほとんどです。

しかし、破産をしたとしても返済し切れなかった債務が残ってしまっては、破産人が経済的に立ち直ることは困難です。そこで、裁判所の判断で支払い義務の免除の可否を判断するのです。

破産手続の流れ

破産手続には「管財型」と「同時廃止型」とが存在する

破産手続に入ると、裁判所が選任する「破産管財人」が、破産人の財産について調査を行い、財産を債権者に分配する手続に入ります。これを「管財型」の手続きと呼びます。

一方で、破産人のもとに債権者に分配できるような財産が残っていない、あるいは極めて少ないような場合は、破産管財人の選任もなく、そのまま破産手続が終了となります。この場合は「同時廃止型」の手続きと呼ばれます。

それぞれ、詳しい手続内容を確認確認していきましょう。

「管財型」の手続きの場合

「管財型」の手続きの場合、以下のように進みます。

1. 管財人面接

管財型の手続きに入ると、まず先述の破産・免責申立及び即日面接から数えて1~2週間後に、破産管財人の事務所などで面接を行います(管財人面接)。ここでは、財産や借金の内容などについて質問がなされます。

2. 債権者集会

破産・免責申立及び即日面接から数えて3~4か月の間に、破産管財人による財産状況等の調査等の作業が進みます。

これらの作業が終了すると、裁判所にて債権者集会が開催され、破産管財人より債権者に対する報告が行われます。この債権者集会には破産人も出席する必要があります。

なお、裁判所によっては後述する「免責審尋」という作業も債権者集会と同じタイミングで行うこともあります。

3. 免責許可決定及び確定

債権者集会から約1週間後には、破産手続と同時に進んでいた免責手続の結果が裁判所より送付されます。

実際にはほとんどの場合で免責許可が出され、その決定から1か月を経過することによって決定が確定し自己破産の手続きは終了となります。

しかし、万が一免責が不許可となった場合には、高等裁判所に対して判断に不服を申し立て再考してもらう「抗告」という手続きをしたり、あるいは個人再生や任意整理といった別の手続きを行うことになります。

「同時廃止型」の手続きの場合

「同時廃止型」の場合は、以下のように手続きが進みます。

1. 破産手続開始決定

同時廃止型の手続きの場合は、先述の破産・免責申立及び即日面接を実施したその日のうちに、裁判所より「破産手続開始決定・同時廃止決定」が出され、免責審尋(めんせきしんじん)の期日を決めることになります。

通常、申立及び即日面接から約2か月後になることが多いです。

2. 免責審尋

免責審尋とは、先述の「免責手続」に関する作業です。具体的には裁判官と面接をするのですが、ここでは提出した申立に関する事実確認、借金などに関する質問、そして免責許可がでた場合の注意事項(免責から7年間はふたたび免責を受けられない等)の説明などが行われます。

この段階で裁判官から免責許可の可否を言及されることもありますが、法的にはこの後の「免責許可決定」が下されるまでは確定しません。

3. 免責許可決定及び確定

免責審尋から約1週間後に、免責手続の結果が裁判所より送付されます。これは先述の「管財型」の手続きにおける「免責許可決定及び確定」と同じです。

自己破産手続きは弁護士に依頼すべし

ここまで、自己破産の手続きの内容や費用などについて具体的に説明してきました。自己破産は、ルール上は弁護士などに依頼せずに自分ひとりで行うことができます。

しかし、実際問題として自己破産の手続きは複雑でかつ法的にかなり専門性の高い作業です。通常の裁判で弁護士がつかないことがほとんどあり得ないのと同様に、自己破産の手続きも基本的には弁護士に依頼するものと考えておきましょう。

ちなみに、「弁護士ではなく司法書士ではダメなのか」と考えるかもしれませんが、司法書士と弁護士とでは職域が異なるので、自己破産の手続きにおいても出来ることに違いがあります。

具体的には、司法書士はあくまで手続きに際して必要となる書類の作成代行が業務であるのに対して、弁護士は法的に「代理人」となるので、債権者集会や免責審尋にも同席します。

弁護士に依頼する場合の費用は数10万円程度です。決して安くはありませんが、ただでさえ不安になりやすい作業であることも考えれば、弁護士に依頼することを検討すべきといえるでしょう。

画像出典元:写真AC

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