個人事業主が納めるべき税金の種類と計算方法、納税方法を解説!

個人事業主が納めるべき税金の種類と計算方法、納税方法を解説!

記事更新日: 2019/02/26

執筆: 小石原誠

個人事業主が会社員などと大きく違う点のひとつが、確定申告をして自力で納税をしなければならないということです。

会社員であれば会社が税金の計算から支払いまでを代行してくれているので、自分がどのような税金をどのくらい支払っているのかも把握していなかった方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は個人事業主が納めるべき税金の種類と計算方法、納税方法について解説していきます。中には免税となる税種もあるので、しっかりと理解して確定申告に臨みましょう。

個人事業主が納めなければならない税金

まずは個人事業主が納めなければならない税金の種類を理解しましょう。個人事業主が納める税金は主に以下の4種類です。

個人事業主が納める税金

  • 所得税
  • 消費税
  • 住民税
  • 個人事業税


これらは後述するとおり、毎年2月から3月にかけて実施する「確定申告」により前年の所得等が確定することで、納税すべき金額が決まります。その後、順次さまざまな方法により納付をすることになります。

それぞれ詳しく解説していきましょう。

1. 個人事業主の所得税

所得税とは

所得税とは、給料や報酬などの懐に入ってくるお金(収入)から、収入を得るために必要となったお金(必要経費)を差し引いたお金(所得)にかかる税金(国税)です。

個人事業主だからかかる税金なのではなく、所得を得ている人すべてが納税する義務があります。

所得税の計算方法

所得税の計算方法は以下のようになっています。

収入ー必要経費ー各種控除=課税所得金額

課税所得金額×所得税率ー課税控除額=所得税額


先述のとおり所得税は所得を得ている人すべてが納税する税金です。

独立・起業したばかりの方は「会社員時代にこんな計算したことないぞ…?」と思われるかもしれませんが、会社員の場合は会社が代わりに計算をして納税してくれています。これは次に説明する住民税でも同様です。

しかし、個人事業主の場合はこの計算を自分でして「所得税額は●●円です」ということを税務署に報告しなければなりません。この作業こそが「確定申告」です。

確定申告と所得税の納付

確定申告は、「毎年2月に前年1月から12月までの収入と支出を計算し確定させ申告すること」と考えておけばよいでしょう。

収入と支出が確定することで納税金額も決まり、実際に納付していくというイメージです。

所得税の場合、個人事業主への報酬はあらかじめ一定の割合(10.21%)が「源泉徴収税」として差し引かれて支払われるのが基本です。

確定申告をすることで源泉徴収されてきた金額と実際に確定した所得税額とを突き合わせて、支払いすぎていればその分が「還付金」として戻ってきます。逆に不足していれば、その分を納付する必要が生じます。

所得税の納付期限はその年の確定申告の提出期限日(ほとんどの場合3月15日)までとされており、納付方法は主に「納付書による現金納付」「銀行口座からの振替納付」「ネットバンキングでの電子納付」の3種類です。

いずれも納付金額は変わりませんが、銀行の振替納付のみ振替日が4月中旬に設定されるために、納付タイミングを遅らせることができます。

会計ソフトの「会計freee


なお、還付金については、いつ自分の手元に戻ってくるのかは確定申告を行ったタイミングなどにより変わります。還付金を早く手元に戻したい場合には、確定申告を早めに済ませることをオススメします。

なお、個人事業主の確定申告には会計ソフトの利用のおすすめです。

個人事業主が節税するためには「青色申告」をする必要があるのですが、そのためには帳簿を作成する必要があります。その帳簿作成の手間を会計ソフトが大幅に減らしてくれるのです。

すでに事業を開始している場合でも間に合うので、ぜひ導入を検討してみてください。

 

2. 個人事業主の消費税

消費税とは

消費税とは、消費者が物やサービスを購入する際に納める国税なのですが、消費者が直接国に納めるわけではありません。事業者がいったん消費者から消費税を預かり、あとからまとめて国に治める仕組みになっています。

個人事業主の場合は、「自分が行う作業をサービスとしてクライアントに購入してもらう」というイメージをすると、サービスの対価として受け取る報酬にも消費税が発生するというロジックが理解できるでしょう。

消費税の計算方法

消費税の計算方法は「原則課税」「簡易課税」という2通りがあります。

原則課税:消費税額 = 売上高×消費税率 ー 仕入高×消費税率

簡易課税:消費税額 = 売上高×消費税率 ー 売上高×消費税率×みなし仕入れ率


個人事業主が消費税を納める場合、より簡単な計算方法である「簡易課税」を採用することが多いでしょう。しかし、実はそもそも個人事業主の多くは消費税を納める必要がありません。これはどういうことでしょうか?

消費税における「免税事業者」

実は消費税の納税義務は、「前々年における課税売上高が1,000万円を超える場合」に発生すると定められています。

つまり1年目及び2年目については原則的に消費税の納税義務は発生しないのです。3年目以降についても2年前の課税売上高が1,000万円以下であれば消費税を納める必要はありません。

ただし、これには例外があります。個人事業主の場合は前年の1月から6月末までの課税売上高が1,000万円を超えた場合は、その期間については課税事業者となるので注意しましょう。

免税事業者については以下の記事で解説しているので、より詳しく知りたい方は参考にしてください。

消費税の納付

もし消費税の納税義務が発生してしまった場合、消費税の納税は3月31日までが期限として定められています。

納税方法は所得税と同じく「納付書による現金納付」「銀行口座からの振替納付」「ネットバンキングでの電子納付」のどれかから選びます。銀行の振替納付であれば振替日が4月中旬となり納付タイミングを遅らせられる点も所得税と同じです。

3. 個人事業主の住民税

住民税とは

住民税は地方税の一種です。行政が各種サービスを行うための資金源という位置づけですから、会社員でも個人事業主でも住民みんなが平等に負担する税金です。

ただし、会社員であれば住民税も会社が代わりに納付してくれますが、個人事業主の場合は自分で納めなければいけない点が異なります。

住民税の計算方法

住民税の計算方法は以下のようになっています。

都道府県民税:均等割+所得割

市区町村民税:均等割+所得割


このように住民税は都道府県民税と市区町村民税とに分かれているのですが、個人事業主の場合はこれらを合算した金額の納付書が届くことになるので、その点はあまり気にする必要はありません。

均等割の部分は都道府県、市区町村それぞれで「金額」が設定されており、所得金額等に左右されずに全住民が納める必要があります。例えば東京都の場合は都道府県1,500円、市区町村3,500円となっています。

所得割の部分の金額は「(所得金額ー所得控除額)×税率ー税額控除額」で算出されます。所得控除の種類は様々なものがあり、また税率も都道府県や市区町村ごとに異なります。

住民税については自治体ごとに均等割の金額や所得割の税率が異なるので、自分が住んでいる自治体のホームページなどで情報をしっかり調べておきましょう。翌年の住民税額を算出できるページを用意している自治体もあるので要チェックです。

住民税の納付

住民税は6月頃に自治体より納付通知が送られてきます。その時点で一括分割分割納付かを選択します。分割納付の場合は6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて納めます。

基本的には納付書を用いて現金での納付となりますが、一部自治体ではクレジットカードでの支払いにも対応しています。また大阪市では2018年12月からQRコード決済での支払いも受け付けています。

4. 個人事業主の個人事業税

個人事業税とは

個人事業税は、個人事業主の「事業所得」にかかる税金であり、地方税です。

個人事業税の計算方法

計算方法は以下のとおり。

(収入ー必要経費ー各種控除ー事業主控除290万円)×税率


注目してほしい点は、事業主控除が290万円に設定されていることです。これはつまり、個人事業主としての事業所得が290万円以下の場合には、個人事業税の納税義務が発生しないことを意味します。

個人事業税の税率は、面白いことに個人事業主としてどのような業種の仕事を営んでいるか(法定業種)で変わってきます。自分の業種がどの業種に該当するのかを前もって調べておきましょう。

個人事業税の納付

個人事業税については、これまで解説してきた税種の中で最も遅く、8月に自治体から納税通知が届きます。住民税と同じように一括納付か分割納付を選択することができ、分割納付の場合は8月と11月に分けて納付することになります。

住民税同様に基本的には納付書を用いて現金での納付です。一部自治体ではクレジットカードでの支払いにも対応しています。

また神奈川県では2019年1月からQRコード決済での支払いも受け付けています(納付額が5万円未満の場合のみ)。

個人事業主だからこそ節税対策をしっかりと

ここまで個人事業主が納める必要があるおもな税金とその算出方法、納付方法について解説してきました。すべて会社がやってくれていた会社員時代とは異なり、個人事業主は確定申告から納税までをすべて自力でやらなければいけません。

その代わりといったら語弊がありますが、個人事業主は確定申告の際に、事業を営むのに必要となった経費をきちんと算入することなどによって、節税対策を行うことができます。

例えば打ち合わせ等のための交通費や接待交際費、事務用品などの消耗品費はもちろんのこと、家ではなくカフェで作業した場合にはコーヒー代も雑費として経費に算入できる可能性があります。もちろんコワーキングスペースでの費用も同様です。

以下の記事では家賃や電気代、ネット代を経費に算入する方法を解説しています。ぜひ参考にしてください。

画像出典元:Photo-AC

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