この記事では、マーケティングオートメーション(MA)の基本機能と連携するべきシステム、BtoBとBtoC向けのMAの違いを解説します。
MAの共通機能は「見込み顧客の管理」です。
業務の効率化を目的にMAを導入しても、MA・SFA・CRMの連携機能がないと非効率な業務が発生します。
MAを導入する前に知っておくべき「MAとは何ができるのか」が分かります。
このページの目次
1. リードジェネレーション機能 |
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2. リードナーチャリング機能 |
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3. リードクオリフィケーション機能 |
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4. データ分析・検証機能 |
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マーケティングオートメーション(MA)の共通機能は「見込み顧客の管理」です。
見込み客の管理機能を前提に機能を紹介します。
リードジェネレーションとは、見込み顧客(リード)を獲得する活動のことです。
リードジェネレーション機能は、「顧客・取引先の集客・獲得」の入口制作をサポートする機能と言えます。
Webサイトの制作機能は、商品やサービスの案内のWebサイトを作成・構築を業務を支援する機能です。
商品やサービスの案内(デジタルコンテンツ)や登録フォームの設定など制作を手伝ってくれる機能が入っています。
Webサイト制作経験が少なくても、テンプレート使用やデザインをMAが提案してくれるので、Webサイト制作業務が効率化されます。
ランディングページ(LP)とは、検索結果やWeb広告などを経由してきたサイト訪問者が最初にアクセスするページのことです。
LP制作機能も、テンプレートやデザインなどを使って制作できるようになっています。
新規訪問者と再訪問者などセグメントし、表示するランディングページを訪問者に合わせて最適化できる機能です。
MAではランディングページを重視しています。
サイト訪問者が離脱しない魅力的な内容のデジタルコンテンツを制作・提供できるかが、顧客獲得に繋がるからです。
SEO分析機能は、制作したサイトやランディングページが検索エンジンに対応しているかを分析する機能です。
検索エンジン経由で新規の問い合わせを集めるためには、検索エンジンで上位へ行きサイト訪問者を増やすことが重要です。
制作したサイトやランディングページのSEO対策の効果を可視化してくれるので、修正や改善点が見つけられる機能です。
複数のSNS(Twitter、Instagram、ブログなど)を管理運用する機能です。
SNS対応機能を活用して、SNS別に投稿内容を変える、投稿時間の予約、反応やSEO効果の可視化、SNSを通じて問い合わせしてきた人への対応などを自動で行うため、作業効率を上げる事が出来ます。
リードナーチャリングとは、集客した顧客・取引先の育成の事です。
MAを使って作成したWebサイトやLPからの問い合わせ顧客、SNSから反応があった顧客と従来の手法(展示会や取引先からの紹介など)で集まった顧客の情報を一括管理して、メルマガ等のメール配信を行うのが「リードナーチャリング機能」です。
リードナーチャリング機能は、集客した顧客の商品やサービスへの関心と興味の維持・向上を目的とした機能です。
メール設定機能、スコアリング機能、シナリオ設計機能のセグメントに活用されるサイト訪問者のWeb上の行動を分析する機能です。
MAの多くの機能が、人の手では難しい集客した顧客に対して、デジタルを通じて細かい対応を行ってくれます。
リードクオリフィケーションとは、育成した顧客・取引先の選別と絞り込み(抽出)です。
リードクオリフィケーション機能で、今後のアプローチやプロモーションの継続や強化をするべき顧客・取引先を判別し、受注の見込みが高い営業先が可視化されます。
スコアリング機能は育成してきた見込み客にスコア(点数)を付けます。
そのスコアから顧客を絞り込み、案件化・受注に向けて営業をかけるタイミングや育成度合いを割り出す事を目的とした機能です。
シナリオ設計機能は、メール設定機能と連動して、スコアリング機能の点数、性別・年齢・居住地域なども含めてセグメント(分割)された顧客情報を活用します。
ある一定の条件を満たした顧客に対するアプローチのシナリオを設定し、自動で行われるように設定できるのが、シナリオ設計機能です。
MAのメリットは、多くの顧客の自動選別・自動動作設定・管理が出来るため、人手による「忘れていた」「タイミングを逃した」といったミスをアラート機能や可視化によって軽減出来ます。
効果の検証機能は、「リードジェネレーション機能」「リードナーチャリング機能」「リードクオリフィケーション機能」で行った見込み顧客・取引先へのアプローチの効果をデータ分析できる機能です。
MAのデータ分析は、従来のマーケティングや営業による個人の感覚と感想に左右されない検証結果を出すことが出来ます。
カスタマージャーニーとは、見込み顧客が商品やサービスを知って購買に至るまでの行動と感情変化のプロセスを「旅」に例えた名称です。
カスタマージャーニーを言語化・可視化する事で「自社の商品・サービスへの期待」「どのタイミングで受注・案件化になるのか」など営業の傾向と対策が分かる機能です。
MAを導入すると、エクセルやスプレッドシートなどでは難しい大量のデータの管理と分析、情報共有などのマーケティング部門の業務を効率的に行えます。
MAのデータは保存管理され、会社のデータ資産となり、今後のマーケティングと営業活動に活用するが出来ます。
Mtame(エムタメ)が2019年10月にインターネットで行ったマーケティングオートメーションアンケート調査で、MA導入者の中で、使いこなせない機能と感じるのは3年連続で「シナリオ設計機能」「スコアリング機能」という結果が出ています。
シナリオ設計機能やスコアリング機能以外にも、ログ分析データの活用やメールのセグメント設定も難しいと感じる結果が出ています。
これらは全て「ホットリードの母数」と「人が考えるマーケティングのコンテンツの作成・計画や戦略」が必要となる機能です。
さらに、アンケートでは多機能にこだわって自社のマーケティング内容に合っていないMAを選んでしまったケースも多いと述べています。
MAの機能の特徴と活用するための準備するデータと戦略を理解しましょう。
参考:エムタメ!2019年10月マーケティングオートメーション意識調査
参考:エムタメ!2017年11月BtoBマーケティングオートメーション意識調査
マーケティングオートメーション(MA)は、主にマーケティング部門の「プロモーション(販促)」領域の業務を効率化・効果を可視化するツールです。
商品・サービスが受注・売上になるまでの活動は、6段階あります。
1. 顧客・取引先の集客・獲得
2. 集客した顧客・取引先の育成・管理
3. 育成した顧客・取引先の選別・管理
4. 選別した顧客・取引先への売り込み、営業活動
5. 案件化・受注
6. 顧客・取引先への対応継続(リピート化)
プロモーション領域は、1、2、3です。
見込み客の発掘から商談手前までの流れを一元管理できるツールが、マーケティングオートメーション(MA)です。
MAを導入するまえに、「BtoB(法人間)向け」と「BtoC(法人と個人間)向け」の違いを理解しましょう。
一般的にBtoB向けのMAよりBtoC向けのMAのほうが、管理できる顧客数が多いです。
法人間より個人の方が圧倒的に多種多様なアプローチ方法が必要となるため、BtoC向けのMAはBtoB向けMAより細かい分析と管理機能を備えています。
BtoB向けで活用するMAには、決定権を持つ担当者の管理機能が必要です。
法人間の取引は、互いの社内間で複数の部署と色々な人を介して受注・購入が決定されます。
個人の場合は、個人本人に決定権があります。
多くの人が同じMAを利用するため、利用権限の設定機能や長期間の販促活動に対応しているのがBtoB向けMAです。
BtoBのマーケティングは、営業に受注確率の高い顧客への商談機会を作るのが目的です。
BtoCのマーケティングは、One to Oneマーケティングなどを通じた直接対応と販売が目的です。
MA以外にもマーケティングと営業をサポートするシステムにはSFAやCRMがあります。
3つは、管理する領域が違います。
MA:見込み客の集客から営業への引き渡しまで管理
SFA:商談から受注までの管理
CRM:リピーターの管理
SFA(Sales Force Automation)の主な機能は、営業の顧客管理、進捗状況、売上管理、情報共有です。
受注・売上の6段階のうち「4、選別した顧客・取引先への売り込み、営業活動」「5、案件化・受注」で発生する営業業務の領域を一元管理するシステムがSFAです。
CRM(Customer Relationship Management)の主な機能は、リピート顧客の管理と継続アプローチです。
受注・売上の6段階のうち「6、顧客・取引先への対応継続(リピート化)」で発生する顧客管理業務の領域を一元管理するシステムがCRMです。
MA・SFA・CRMは、活用領域、利用目的、機能が違うため管理するデータのフォーマットが違います。
3つのシステムを連携する機能がない場合は、それぞれへのデータ入力や情報共有不足など非効率な業務が発生します。
マーケティング部門と営業部門も最終的な目的は「売上」です。
商品・サービスが受注・売上になるまでの活動「6段階」を部署の垣根を越えてデータを効率よく活用できる状態を作る事が売上に繋がります。
どのようなシステムを導入したとしても、すべて業務を自動化、効率化できるわけではありません。
マーケティング・営業に関わるのは人間で、見込み客も人間です。
見込み客に感動を与えるためには、自動化、効率化ではできない部分も必要になります。
だからこそ、見込み客に感動を与える箇所に集中すべく、固定された業務は自動化・効率化すべきなのです。
MAを導入前に「MA機能に任せたい仕事」「手が空いた分、注力したいマーケティング活動」を洗い出すことが重要です。
MAは人手では難しいデータ管理や分析を効率化・可視化する事ができるツールです。
マーケティング活動において必要な機能がされ、他のシステムと連携すると他部署との情報共有もスムーズに行えます。
MAを活用する事は、売上向上に繋がっています。
MAの効果的な使い方は、機能と導入の必要性を理解して、自社に適したMAを選ぶことです。
画像出典元:O-DAN
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