人事評価制度とは|目的・手法・導入・メリット、おすすめのツールは?

人事評価制度とは|目的・手法・導入・メリット、おすすめのツールは?

記事更新日: 2020/09/17

執筆: 浜田みか

評価に基づいて社員を育成、生産性の向上、ひいては企業の目標達成に繋げるシステムのことを『人事評価制度』といいます。

社員を評価するにあたって、能力やスキルだけにとどまらず、会社への貢献度なども含めて判断しなければなりません。

人事評価制度は、上司が部下を育てる指標にもなることから、人材育成の基準としても活用されています。

多くの企業で導入されている人事評価制度ですが、上手く運用できていないところもあります。

今回は、そんな人事評価制度をテーマに、人事評価制度の目的、評価の種類、導入方法、導入時の注意点などについてわかりやすく解説します。

 

人事評価制度とは

人事評価制度は、社員を評価するためのシステムであることは知られていますが、そればかりではありません。

ここでは、人事評価制度とは何か、基本的な部分について解説します。

人事評価制度とは

人事評価制度とは、指標をもとに社員を育成し、業務の生産性を向上させ、最終的に企業の目標達成や業績向上に繋げるためのシステムです。

社員の能力やスキル、業務の進行具合、企業への貢献度を評価して、その結果を社員の処遇に反映させるため、社員評価のためだけのシステムと捉えられがちです。しかし、それは人事評価制度の一側面です。

人事評価制度の目的と意義

人事評価制度の目的は、企業の目指す方向性に合った社員像の形成です。企業成長には、社員の育成が必須。

それと同時に、企業が目指す方向性と社員の目指す方向性あるいは目標がマッチしていなければなりません。そのためには、客観的に社員を判断して、最適な人材配置が欠かせません。

人事評価制度は、単に社員の能力やスキル、貢献性を評価するためだけに設定されているのではないのです。

人事評価で決まるもの

人事評価で決まるのは、等級や報酬です。評価結果に応じて、その社員に適切な処遇を選ぶために人事評価制度が使われます。

たとえば、勤怠は問題がないのに成果が乏しい社員と、勤怠は問題がないのに成果が著しい社員が同じ待遇では、社員も働く意欲を失うでしょう。

また、いくら成果を他の社員よりも出す人材であっても、勤怠に問題があれば組織全体の士気にも影響を与えます。

指導・監督する立場の上司であれば、部下への指導能力、管理能力、組織あるいはチームを円滑に運営する能力が求められます。

これらの能力が欠けている人が上司になってしまうと、部下にあたる社員はモチベーションが上がらず、仕事への意欲も失ってしまうかもしれません。

以上のことから企業では、社員の能力や職務、役割、働く姿勢などを総合的に考慮して処遇を決める必要があるのです。その指標となっているのが人事評価です。

人事評価制度の移り変わり

人事評価制度は、雇用環境の変化に伴って採用された評価システム。

終身雇用が当たり前だった年功序列型の時代は、賃金体系も年齢や勤続年数に比例する形で昇給するのが一般的でした。しかし、雇用情勢が変化し、企業もグローバル化するにつれて、賃金体系にも変化が現れるようになりました。

これまでは勤続年数がそのまま企業への貢献度のように見られていましたが、現在はそれよりもさらに厳しく評価されるようになっています。

貢献度はもちろんのこと、一人ひとりの仕事の結果や業績に対して、よりシビアに目が向けられているのです。

以前と比較して評価軸が格段に増えたことから、人事評価制度が採用されるようになりました。

今後は、定期的に実施されている人事評価が、期間を定めずに実施されるようになるのではないかとみられています。その理由は、近年の欧米の流れにあります。

これまでは欧米でも、日本同様に定期的に人事評価をおこなってきました。

ところが、労働環境の変化や人材の多様化によって、一定期間ごとに評価するシステムそのものが現場にマッチしなくなってきているのです。

この動きを受けて、必要の都度、目標を再設定して人事評価をするという流れが主流になりつつあります。

欧米での動きは、数年遅れで日本に導入されるケースが多いもの。今後の人事評価制度の流れにも注目しておきましょう。

人事評価制度の種類・手法

企業が社員を評価する方法は、能力やスキル、貢献性などを総合しておこなわれます。ここででは、人事評価制度の種類と手法について解説します。

人事評価制度の種類

人事評価制度の評価軸は、大きく分けて以下の3つの種類に分別できます。

  • 能力
  • 業績
  • 情意

能力では、業務上必要とされるスキル・知識などをもとにして評価されます。企業ごとに求められるものが異なるため、企業それぞれで定められたルールを基準にして判断されます。

業績では、目標への達成度を数値化して成果が判断されます。数値化がしにくい業務の場合は、関係者からのヒアリングやルールに従い、従数値化したものを基準にして判断されます。

情意とは、意欲や意思といったものを表します。人事評価では、社員の意欲も評価軸の一つになっています。意欲が低ければ、責任感や協調性、勤務態度などの行動にも表れるからです。

人事評価制度の評価手法

人事評価制度には、上記のような評価軸を図るための手法があります。

  • 目標管理制度(MBO)
  • コンピテンシー評価
  • 360度評価

目標管理制度(MBO=Management by Objectives)とは、個人やチームごとに目標を設定して、その達成度合いを評価する手法です。

年次の高さや低さによって能力・スキルが異なるため、違いを考慮して目標を設定する必要があります。

コンピテンシー評価とは、業務の遂行力に関する評価手法です。業績の良い社員の行動特性をモデルにして、それをもとにして社員を判断します。

目標達成に向けてどういう取り組み方をすればいいのかが明確になるため、人材育成にも活用できます。

360度評価は、多面評価や周囲評価とも呼ばれる手法です。上司は当然のこと、同僚や部下、他部署の社員が一人の社員を査定します。

この評価手法の目的は、できるかぎり客観的かつ公平性を保つこと。

そのため、人事評価の経験のない社員が評価に加わるため、結果をもとに処遇に反映することは避け、業績向上のために活かすのが一般的な取り扱い方となっています。

人事評価制度の導入方法と注意点

企業経営の効率化にも繋がる人事評価制度。どのように導入するのか、導入時には何に注意すればいいのかを解説します。

人事評価制度の導入方法

まず、現状の課題は何か? 企業理念に合った人材とはどのような人材かを改めて再確認する必要があります。

これが人事評価制度導入の目的になるからです。それとあわせて、継続的に運用していけるかどうか、無理はないかといったところも検証しましょう。

次いで、評価基準や項目の策定です。職種・役職・年次によっても求められるスキルや能力、成果が異なります。それぞれの立場に合わせて基準はもちろん、項目を策定しましょう。

このとき、社員を縛り付けてしまうような内容にしないこと。人事評価制度の導入で、社員のモチベーションが低下してしまっては意味がありません。

人事評価の結果を給与面に反映させる場合は、処遇との連動性についても明確な規定を作るようにします。

評価されるだけで給与面に反映されないのであれば、社員のモチベーション低下・業務負担の増加に繋がるだけです。なお、就業規則や賃金規定の記載内容を変更するケースでは、労働基準監督署に変更届を忘れずに提出を。

評価システムを導入する際には、上記で述べた基準や項目について、評価者によってズレが出ないようにせねばなりません。

どのような評価手法を用いるのかによって、導入するシステムの対応範囲が変わりますので、自社条件に合うシステムを複数選んでから検討するようにします。

人事評価制度を導入するときには、運用前に社員にも制度について理解してもらう必要があります。あわせて、評価者が正しく判断できるように、評価者研修も実施しましょう。

どんな点に注視するのか、評価する意義についても理解してもらうことで、評価者の心理的負担を軽減しましょう。

社員の理解が得られたら、システムの運用を開始します。

開始してから課題が見つかることもありますが、その場合は適宜見直しを図り、企業に合った人事評価制度を構築していきましょう。

人事評価制度の注意点

人事評価制度では、社員を縛り付けすぎる内容は避けるべきとお伝えしましたが、評価者の判断に自由度が高すぎてもいけません。

特に、数値で評価しにくいものについては、評価者それぞれで判断が変わる可能性があります。

それでは、公平に判断できず、公正な評価になりません。また、社員が考える評価してほしいポイントと会社の評価視点が異なると、社員のモチベーションや目標達成度にも影響を与えます。

すり合わせを図りながら、評価基準や項目を策定すると良いでしょう。

このほかでは、人事評価制度の評価者研修は、定期的に開催することも大切です。

導入初期のみ実施するだけでは、評価者個人の思想によってスキルや公平性にばらつきが出るリスクが高くなっていきます。

定期的に実施することによって、社員が入れ替わっても、常に一定の評価が下せるようになります。

人事評価制度の成功ポイント

人事評価制度の運用を成功に導くには、社員・評価者ともにわかりやすいシンプルなものにすることが重要です。

評価に対して社員に不信感を抱かせてしまうようでは、処遇に対する不信感を煽ることになり、ひいては離職率を上げてしまうことにも繋がります。

人事評価をおこなう場合は、直属の上司だけでおこなわず、その上にいる上長の視点も取り入れましょう。

俯瞰的に評価されることによって、公平性が高まります。また、評価者が一方的に評価するのも避けましょう。評価される社員と評価面談を実施し、社員の意欲を受け止めて処遇に繋げるようにします。

処遇の結果に社員が納得感が持てるように、システムを設計しましょう。

人事評価制度の導入メリット・デメリット

人事評価制度を導入すると、企業や社員に対してあらゆる面で影響が現れます。ここでは、人事評価制度を導入するメリットとデメリットについて解説します。

メリット

  • モチベーション向上
  • 生産性の向上
  • 信頼感の増加
  • 人材開発への活用

人事評価制度を導入すると、頑張りを正式に認めてもらえることから、社員のモチベーション向上に繋がります。

評価されるポイントも明確になり、社員は納得感を持って業務に当たれるようになります。その結果、効率的かつ合理的に行動するようになるため、生産性の向上にも良い影響を及ぼします。

また、企業が社員の能力や働きぶりを見ていることの証にもなりますから、社員の企業に対する信頼感も増します

信頼している会社に対して社員は、より意欲的に働こうとしますので、離職率の低下にも繋がります。

人事評価制度の導入によるメリットは、これらだけではありません。

社員のポテンシャルを把握できるため、個々に不足しているスキルや能力を明確にし、さらには個々の課題まで浮き彫りにさせることが可能です。

それらの結果をもとにして、スキルアップを図ったり、研修プログラムを用意したりすることで、人材活溌にも活用していけます。

デメリット

  • エンゲージメント低下
  • 訴訟リスク

人事評価制度を導入しても、それが上手く運用できていなければ、社員のモチベーション低下のみならず、エンゲージメント低下にも繋がります。

人事評価システムが処遇と連動するように設計されている場合は、処遇に対する不満にもなり、会社に対して不信感を募らせる要因にもなりかねいのです。

これらを避けるには、評価基準を明確にして、結果のフィードバックをしっかりとおこない、運用を徹底させることです。

また、評価によって判断された処遇が適切なものではないと社員が感じた場合、最悪のケースでは訴訟に発展することもありえます。

公正に判断していることを社員に納得してもらうためにも、評価基準、結果との連動性についても周知を図りましょう。

人事評価制度を導入すると、社員一人ひとりを査定することになります。チームワークによって品質の維持が求められるケースでは、個々の評価とチームの評価が等しくならないこともあります。

そのようなケースでは、人事評価制度を導入する場合でも、どこをポイントに評価するのかをしっかりと検討せねばなりません。

必ず押さえておきたい|おすすめの人事評価システム3選!

ここまでで、人事評価とは何か、目的や意義、導入のメリットなど理解していただけたと思います。

しかし、いざ導入!となっても、なかなか効率的に行うのは難しいものです。そこで、この章ではおすすめの人事評価システムをピックアップしました!

どうぞ参考にしてください。

1. 人事評価を最も簡単・シンプルに!『HRBrain』

画像出典元:「HRBrain」公式HP

 

特徴

目標設定から評価までの一連のプロセスを効率化。蓄積したデータは自動的に分析・見える化され、戦略的な活用がしやすくなります。成長志向の高い会社や、変化の激しい業種にある会社に特におすすめです。

機能

  • 評価の記録を見える化
  • Excelとの連携
  • 絞り込み検索機能

料金プラン

月額費用:59,800円~

無料で14日間お試し可能です。

なお今起業ログで資料請求すると、無料期間がさらに1週間延長されるキャンペーンを実施中です。

 

評判・口コミ

目標に対する意識が上がりました
株式会社サイバーエージェント

目標がきちんと評価されることで、目標に対する意識が明らかに上がり、感情はよりポジティブになり、本人の力が引き出せるようになりました。

一貫した目標設定が可能に
株式会社GameWith

各メンバーが今期は何を会社から求められているのか、何を上司から求められているのか明確になり、一貫した目標設定ができるようになりました


なお、HRBrainの詳細、導入事例などは詳細資料をご参照下さい。

 

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起業ログからの資料ダウンロードで、通常14日間の無料期間が特別に1週間延長になります!

なお期間延長を希望の場合は、「無料期間の延長希望」と備考欄にご記入をお願いします。

 

2.  導入企業3,000社!『あしたのクラウド(旧コンピテンシークラウド)』

画像出典元:「あしたのクラウド」公式HP
 
 

特徴

「あしたのクラウド」は中小企業やベンチャー企業を中心に大企業からも圧倒的な支持を得る人事評価システムです。導入企業は3,000社を超え、豊富な実績から得たノウハウをシステムに反映。

あらゆる評価シートに対応可能なため、人事担当者の業務を大幅に削減できます。企業や部署ごとのカスタマイズにも対応。高い操作性で企業の評価業務を効率化させるでしょう。

機能

  • 目標や職種、職位ごとの評価シートが作成できる
  • 評価等級に合わせた給与を細かく設定できる
  • 利用者にまつわる情報を管理できる

料金プラン

導入費用・運用費用は導入環境や利用規模により異なります。資料をご参照ください。

評判・口コミ

基本的な工数が削減でき、更なるデータ活用へ
A社様

これでまではエクセルデータで評価業務を行っていましたが、あしたのクラウドを導入し、集計などにかかる時間が大幅に削減されました。その分の時間をこれまで手を付けられなかった会社全体の評価分析などにあてることができ、評価結果から会社の課題が見えてくるようになりました

データの蓄積・見える化によって納得感のある評価に
B社様

目標設クラウドシステムによる管理で過去のデータが蓄積されるので、経年変化など社員を継続的に評価することができるようになりました。また、評価が「見える化」されるので社員の評価に対する納得感が生まれました

 

 

3. 社員のパフォーマンスを1分で分析!『タレントパレット』

画像出典元:「タレントパレット」公式HP
 
 

特徴

タレントパレットは「企業の約7割が人事情報を活用できていない」という調査結果をもとに、人材管理に役立つ機能を盛り込んだツール。今後も新たな機能が随時追加されるとのことで、目が離せないサービスの1つです。

機能

  • 人材の見える化
  • 人事情報分析
  • 採用ミスマッチ防止

料金プラン

「タレントパレット」の利用料金は企業の規模により異なります。

 

もっと人事評価システムについて知りたい人は下記記事をどうぞ!

 

まとめ

人事評価制度は、大企業ではたいてい導入されているシステムです。

一方で、中小企業ではまだまだ導入されているところは多くありません。しかし、中小企業のように、社員一人ひとりのパフォーマンスに大きく影響を受ける規模の会社こそ、人事評価制度を取り入れたいものです。

人事評価制度では、評価をする側の適性も大きなポイントになります。人が人を査定するのですから、エラーが起こるリスクは常にあると考えましょう。

評価者が適任かを見極め、適性がない場合にはトレーニングを実施するなどして評価能力を高めるのも必要です。

これからの時代、社員一人ひとりのパフォーマンスをいかに活用できるかが、企業にとって大切なポイントとなるでしょう。

離職を避け、長く会社が存続するためにも、ぜひ人事評価制度の導入を検討してみてください。

画像出典元:Altphotos、Pixabay、Unsplash

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